エチオピア(6)男子禁制!! 聖都ラリベラで開かれる天使たちとの女子会
現在世界一周の途にある私は、アフリカを鋭意北上中。現在地はエチオピアのラリベラという町。標高2,600mに位置するこの町で過ごすこと数日。最終日である本日は、ラリベラのお土産屋さんでバイト中のユキちゃんという女のコのお家でお昼をごちそうになりました。
【現在地】ラリベラ(エチオピア)
Lalibela(Ethiopia)
【気温】22度(昼)
【天気】晴れ・くもり
【通貨】1ビル(ブル)=約5円
坂の下と坂の上の違いについて
ユキちゃんと出会ったのは昨日のこと。世界めんどくさいランキングでもけっこう上を目指せると確信するラリベラ男子から逃げるために訪れた一軒のお土産屋さん。
学校がお休みでお店を手伝っていた天使のようなエチオピアンガールがユキちゃんです。詳しくは昨日の投稿をご覧ください。
なんやかんやで仲良くなり、本日のランチにご招待いただいた私は、13:00、再び坂の下エリアのお土産屋さんへと向かいました。
ラリベラは、町の中心に世界遺産に指定されている石窟教会があり、その北側(通称坂の上)には安宿や食堂、レストランが集まっています。と同時に、無職の私から見ても「こいつらどーしょーもねーな」と言わざるをえないゴロツキ男子も集まっています。
彼らの狙いは旅行者のお財布で、隙あらばコーヒーの一杯、タバコの一本、うまくいけば食事やお酒なんかをおごらせようと常に目を光らせています。
安さに目がくらんで、そんな場所にある宿を選んでしまった私はここでの暮らしにぐったり。意を決して、ゴロツキさんたちから闘争を図り、向かったのが町の南側、通称「坂の下」です。
坂の上と比べるとこちらは天国で、まったく雰囲気が違うことに驚きました。坂の下のホテルは、やや宿泊費がお高めですが、この先ラリベラに行かれる方には、ぜひ坂の下をおすすめしたいと思います。
お店で待っていてくれたユキちゃんと、妹のハイクちゃん。2人といっしょにユキちゃんのお家まで歩きます。ユキちゃんは17歳、ハイクちゃんは1つ下の16歳だそうです。
お土産屋さんから徒歩20分でユキちゃんちに到着。ふつうに立派なお宅です。
遊びに来ていたユキちゃんの従姉妹さん3名とご挨拶。みなさん10代後半で、ピチピチなんだなあ。「ようこそ、来てくれて嬉しい」とみなさんとても歓迎してくださって。
本当に天使のように優しくてかわいらしくって、
そして、倍ほど年の離れた女のコのたちとの女子会に、ドキドキします。
ご飯ができるまではテレビ鑑賞。
「私たち、今これにハマってるのよ!! 」と出てきた画面にびっくり。
え…韓流ですか!?
みなさんなんK-POP&韓国ドラマに夢中だそうで、テレビの向こう側には、歌って踊る東アジアの男性たち。韓国の有名な男性といえばチャングンソクさんあたりで止まっている私としては、誰が誰やらさっぱりわかりませんでしたが、ザ・アフリカンなイマドキの女の子たちが
韓流LOVE。
というのはものすごく意外でした。好きすぎて、韓国料理パーティーなんかも催していらっしゃるそうで、チマチョゴリを着て韓国風巻き寿司を食べている写真を見せてもらいましたが、とてもとても楽しそうでした。
そうこうしていると、いよいよランチの時間。とてもいいにおいのする食べ物が運ばれてきましたよ。
本日のメニューは、「ドロ・ワット」。
エチオピアの主食インジェラに汁気の少ない鶏肉のシチューを乗せたもの。このシチューを作るのにかなり手間暇かかるらしく、玉ねぎを切り飴色になるまで炒め、鶏を絞め解体し、そしてそれらをたっぷりと時間をかけて煮込むのだそう。
「ほぼ1日がかりで作られるドロ・ワットは、ゲストのためのご馳走だ」
『地球の歩き方/エチオピア』より引用
か、感激です///
このお料理ね、ほんとうに、贅沢なごちそうなんですよ。ゆきちゃんがお皿によそってくれます。
全員に行きわたったろころで、みんな揃っていただきまーす!
んー!! おいしーい!!
クレープ状のインジェラを右手でちぎって具材を巻き、口に入れるというのが正しい食べ方。スプーンもフォークも使いません。
たっぷりと入った香辛料で、けっこう辛いのですが、ゆで卵を潰しながら一緒に口に入れると、マイルドになってちょうどいい! ゆでたキャベツも辛さを緩和してくれていて、日本人のお口にも合う合う!!
もりもりとたいらげる私。
昨日から白いスカーフを気に入って巻いていますが、逆にローカルの彼女たちは誰一人巻いていないっていうね。そして私の頭はただのちょっとやんちゃな人みたいになっておりますが、一時的なものですのでお気になさらず。
半分以上食べ終えたところで、ユキちゃんが、シチューを追加でよそってくれます。
うん、まだいける。
シチューが増量されたせいで、インジェラを食べきってしまい、うまく残りのシチューをすくいとれなくなってきました。手で液体はなかなか難しいのです。
すると今度は新たなインジェラがお皿に乗せられます。
あ、私けっこうおなかいっぱいよ?
でも残すなんてありえないので、食べる手を休めることはできません。
んんっ残りあと少し!!
ってとこで再びシチュー追加。
天使たちは、私をもてなしたい気持ち2割、わんこそばみたいな状態を面白がっている悪ノリ8割くらいの感じです。
私ほんともうおなかいっぱいなんだってー…
とここで今度はキャベツが投下されます。
ちょっとちょっと、ほんと満腹ー!!
「あのさあ、知らないでしょ私のポテンシャル!! 」
そう言っておもむろに開くiPhoneのアルバム。みなさんものっすごいスタイルいいからあんまり気にならないでしょうけど、
私のポテンシャルなめたらあかんでー
はいこの先閲覧注意。
私の一部の友人は、この写真に見覚えがあると思います。左が二十歳の成人式の写真。右が三十歳の時の写真。
パンパンに膨らんだ二十歳の私は、完全に黒歴史。
何かの時のためにと、わざわざ悪意たっぷりに1枚の画像に加工したものです(自分で)。ユキちゃんたちに披露したのはもちろんモザイク無しの無修正版。
しかし、当ブログにおきましては、半裸の写真は晒せても、私のポテンシャルを証明する関取のような二十歳の写真は晒せません。
「私本気出したらここまでいけんだからね!! だからもう追加しなくて大丈夫です(涙目)」と訴えたところ、彼女たちは大喜び。
「ちょwwやめてーインジェラ吹くw」
とは言っていませんでしたが、そのくらいの感じで大絶賛されました。
ジャパニーズトラディショナルドレス×劇的ビフォーアフターのコンボに完全にノックアウトです。
私のiPhoneの画面を、自分のスマホで撮影していい? と口々に聞かれ、
か、拡散はしないでね?
とドキドキしながらも、もちろんオーケー。クスッと笑える爽やかな自虐は、女子会に欠かせないテクニックのひとつ。
そうして、さんざん笑ったあとで「あ、でもmayumiの若い頃の写真、韓国の女優さんに似てるわよねぇ。ねえ? 」「え、あ、うん。名前忘れちゃったけど、分かる分かるー。似てるよねー」というフォローも忘れない天使たち。女子会の秩序は世界共通みたいです。
現在、彼女たちは夏休みの最中。しかし9月にはそれぞれの高校や大学の新年度がスタートします。
ユキちゃんは来年から大学生だそうで、医学部を目指しているそうです。お医者さんになりたいんですって。従姉妹のマリアちゃんは、すでに大学生で、エンジニアになるべくお勉強中。ユキちゃんの妹のハイクちゃんは、学校の先生になりたいそう。エチオピアは、まだまだ田舎の方まで教育のシステムが行き渡っていないので、それを解決したいと。
立派!! いい歳して職も家もない私より100倍立派です。
そして、町にたむろする男子たちはこぞって「将来はガイドになる。そのためにはお金が必要だ。本とか買えないから10ドルよこせ」的なことをおっしゃっていましたが、
なにこのギャップー!!
やれ男子が女子がとやいやい言うのは好きではありませんが、あまりに差がありすぎて比較せざるを得ません。女の子たちの方がよっぽど将来の夢にバリエーションがありますね。そして目先の金ではなく、長期的な視点でしっかり人生を見つめています。
それから、ユキちゃんは「まずはしっかり勉強して、大学を卒業。そしてちゃんと仕事につきたい。結婚はそれからね!! 」という将来の展望を語ってくれました。
普段のキャンパスライフや将来の夢をキラキラした目で生き生きと話す彼女たちは、私が想像していたエチオピアの女性のイメージを180度変えました。
ラリベラでは、町中で話しかけてくるのは男性ばかりで、私はこれまで「英語の教育を受けられるのは男性だけで、女性は家事や仕事に専念しているのかなあ」なんて思っていましたが、
これは完全に間違い!!
彼女たちのほうがしっかりした英語を話しますし、考え方も大人。ここに招いていただかなければ知ることのなかったこの国の一面を知ることができて、非常に有意義でした。
ご飯が終わると、みなさんにお礼を言い、記念撮影をしてお別れ。
ユキちゃんとハイクちゃんは、このあとはお店にもどって、ユキちゃんのお母さんと店番を交代。そして食後の習慣、コーヒーセレモニーをやってもらいます。
コーヒーセレモニーってなあに? というかたはぜひ昨日の投稿をご覧ください。コーヒーを愛してやまない私にとっては最高の習慣ですが、コーヒー飲めない人、エチオピアに来たらつらいだろうなあ。
「ご飯に招いていただいたお礼に、お土産買ってくね」と言って、今日の記念にTシャツを購入することにしました。お土産、昨日さんざん買ったんですけども、まあいいじゃないですか。
Tシャツのデザインはユキちゃんにおまかせ。そうして選んでくれたのがこちら。
ふだんなかなか選ばないデザイン、カラーですが、このあとのエチオピア旅行でしっかり着用したいと思います。一緒に写っている布は、普通に買いました。これがまた素敵なんですよ。手織りの温かみ。
時刻は16:00。そろそろ帰ります、と言うと、ユキちゃんからプレゼントが。
木彫りのイニシャルネックレスです。「mayumiのmが無いから、japanのjね! 」と。
うん、なんでもいい!! 気持ちがうれしい!!
私はお返しに、ひさびさに思い出したカギのチャームをプレゼント。ユキちゃんとハイクちゃんのぶん。
チャームのエピソードはこちらです。
これ持ってること、すっかり忘れていました。
ついでに、まだ若いお二人に「The used key is always bright.」という言葉の意味を伝授し、国は違えど、お互い頑張りましょうねと言い合ってお別れ。
ほんと楽しい時間をありがとうございました。
がらっと変わったエチオピアのイメージ
これまで、エチオピアって、私にとっては完全に未知の国でした。国内の主要観光地の情報はそれなりにあるのですが、人々の暮らしというか、もっとリアルな日常についてはほとんど情報がありません。
さらに、エチオピアには独自の暦があり、今は2008年。1年は13ヶ月あり、エチオピアンカレンダーと私たちのカレンダーには10日ほどズレがあります。それから時間の数え方も違っていて、朝6時が0時。例えば、朝10時は、エチオピアンタイムだと4時なのです。
このように、あまりに個性的すぎて、失礼な話、もはや別次元に暮らす人々のようなイメージがありました。そして、私とは生き方も考え方も全く違うんだろうなあとすら思っていたのです。
しかし、そんなこと、なかった。
本日、天使たちとの女子会に参加してみて思いました。普通に日本の若い女性と話しているのと変わらない。感覚が理解できる、というんですかね。
もちろん、文化や生活スタイルや宗教なんかは全く違うんですよ。あとまあ年齢もそりゃ違いますよ。
でも、うーん、うまく言えないのですが、全然別次元の人たちではなくって、考え方はわりと近いものがあり、同じ視点で話ができて、それがすごく新鮮で楽しかった。とても素晴らしい経験をさせていただいたユキちゃんに感謝です。
ラリベラに行かれた際には、ぜひユキちゃんのお店でお土産を購入なさるとよいんじゃないですかね。坂の下に何軒かお土産屋さんが集まっていて、
その中の1軒です。「HADAS」という店名。
場所はこちら。
こうして天国のような坂の下と、地獄のような坂の上を経験し、私のラリベラ滞在は終了です。明日は朝から移動となります。本日も最後までお読みいただきありがとうございました。ではまたあしたー。
コメント6件
クレッシーさん以来のkeyのプレゼントですか?
ほぼ全ての世界一周ブログで、ある意味同じネタで必ず盛り上がるエチオピア編ですが、これは、とても素敵なお話でした….
いつかアフリカに行きたいと思っていて、中目黒にあるエチオピア料理屋さんで、インジェラを食べに行って、大丈夫!!食べられる!(^^)!とテスト済みですが、一定レベル以上のホテルに泊まれば、もっと大丈夫で素敵なこともあると分かり、やっぱり近々行ってみたいなと思いました~(^^)/ 素敵なブログありがとう♪
よかったですね。
エティオピアの普通の人たちと会えて。
日本の旅行者にたかりに来るのは、今まで日本の女性が金をあげてやりたがるのが多いからです。 そのため現地のやくざのようなのが日本人にたかります。 現地では有名な話です。
エティオピアのほとんどの人たちは優しく、思いやりがあります。
海外旅行を300回以上、アフリカに50回近く、エチオピアには延べ1000日を超える程滞在しました。
これからも楽しい旅行を!!
こんばんわ。
11月にエチオピア旅行(添乗員付ツアー)
に行くので、検索していて辿り着きました
…ユキちゃんのお土産屋さん、是非行きたいと思いますっ。
私もオーパーツ大好き(中南米、中東)
メキシコの”死者の日”行きました!
何枚もの写真にオーブが写ってビックリ‼
…前回は遺跡中心のツアーだったので、次回は是非オアハカや、ミイラ博物館(コロニアルな街巡り)とか行きたいです。
私は語学力がないので、バッグパッカーとか絶対に無理ですが、やはり、地元の方との本当の交流とか 、”バッグパッカーならでは”の経験は素敵だな~と思います。
…しかも、”みんなでウェーイが苦手”ww
とかも共感できますww
バッグパッカーさんの記事って、ウェーイ多めなのでww
否定ではなく、やはり苦手な方もいらっしゃるのね…と
これからの旅、楽しみにしています。
どうかお体には、気をつけて下さいっ。