エチオピア(26)キュートな布とドルゼ族&チェンチャマーケットに潜入
現在世界一周の途にある私は、エチオピア南部オモバレーにてくすぶっています。ここは、個性豊かな少数民族さんが暮らす地域として有名な場所で、昨日は、コンソ村に暮らす「コンソ族」のマーケットを訪問いたしました。本日は、コンソから、南部旅のスタート地点「アルバミンチ」まで移動し、そしてそこから少し北に行った「チェンチャ」という町を訪ねました。このあたりに暮らすのは「ドルゼ族」という民族です。
【現在地】チェンチャ(エチオピア)
Chencha(Ethiopia)
【気温】25度(昼)
【天気】晴れ
【通貨】1ビル(ブル)=約5円
■コンソからアルバミンチへの行き方
コンソからアルバミンチ、そしてドルゼ族が暮らす「チェンチャ」「ドルゼ」という町までの移動は、地図でいうとこのようになります。
コンソ、アルバミンチ間は約100km。バスなら2時間の距離。
朝7:00 コンソバスターミナルを訪れると、すでに人が何人か乗ったアルバミンチ行きのミニバスが待機しておりました。このあたりのバスは、乗客が揃い、満席になったら出発するというスタイルですので、さっそく乗り込んで待機。さほど時間を置かずに満席になったので出発します!
7:20 コンソ出発。コンソからアルバミンチまで35ビル(約175円)
オモバレー南部の公共交通機関はあってないようなものでしたが、コンソ~アルバミンチ間は多くのミニバスが行き来しており、朝早くバスターミナルに行けば、なんとかバスをゲットできる気がします。
9:20 アルバミンチ着。
先日アルバミンチを出発してから9日ぶりに戻ってまいりました。出発前はこれほどアドベンチャーになるとは思っていませんでしたが、とても充実してドキドキわくわくの旅をすることができました。残る少数民族さんは、あと一つ。本日訪れる「ドルゼ族」です。
今まで旅してきた「オモバレー(Omo Vallay)」はアルバミンチ以南の谷を指しますので、厳密にいうと、ドルゼ族の暮らすエリアはオモバレーではありません。しかし、このドルゼ族、もともとはオモバレーに暮らしていたそうで、その文化や伝統はオモバレーと切り離して考えることはできません。それでは、私にとって最後の少数民族「ドルゼ族」さんの暮らしをたっぷりとご紹介いたします。
■アルバミンチからドルゼ、チェンチャの行き方
南部エチオピアでもっとも大きな町「アルバミンチ」。その北約30kmに位置するのが「ドルゼ(Dorze)」。そして、そこからさらに北へ7km行ったところにあるのが「チェンチャ(Chencha)」です。
この日は火曜日。チェンチャの町で大きなマーケットが開かれる日。
チェンチャのマーケットは火曜と土曜、ドルゼのマーケットは月曜と木曜。それぞれ週2回です。町の規模、マーケットの規模ともにチェンチャのほうが大きいそうなので、もし日程を調整することが可能なら、チェンチャのマーケットのほうが見ごたえがあると思います。
この2つの町へは、アルバミンチのバスターミナルからミニバスが出ています。
ドルゼに行きたい場合は終点チェンチャの手前で降りることになります。料金はどちらも20ビル(約100円)。ハイエースより大きなバスですが、こちらも満席になり次第出発。
バスが満席になり、アルバミンチを出発し、急な山道をゆっくりゆっくり上ること60分。ドルゼの町に到着です。ドルゼ族の方々が暮らす村の観光はこちらから。しかし、この日の最初の目的地は「チェンチャ」ですので、バスを降りずにそのまま乗車。約15分ほどでチェンチャに到着いたします。
バスを降りると、確かに、ドルゼよりもかなり規模の大きい町だということがわかります。歩いている人の数もぐっと増え、みなさんマーケット会場へと歩いて向かっていらっしゃる様子。
チェンチャ(Chencha)のマーケットを歩いてみよう!!
チェンチャマーケットの場所(6.246002 37.576001)
さあ、ご覧ください! こちらがチェンチャのマーケット。
なだらかな山の斜面が、たくさんの人と品物で埋め尽くされています。
緑色の芝生に、カラフルな女性たちの服が映え、とてもわくわくした気持ちにさせられます。
チェンチャのマーケットに集まるのは、ドルゼ族をはじめとする少数民族のみなさん。周囲には、16もの少数民族さんがお住まいなのですが、言語や見た目がほぼ同じため、我々旅行者からすると、ただ見ただけではその区別はつきません。
このあたりにお住まいの少数民族さんの特徴は、マーケットにも表れています。
まず、この織物。
ドルゼ族のドルゼとは現地の言葉で「ウィーバー(weaver)」。ウィービング(weaving)とは機織りのことで、ウィーバーとはつまり”織る人”という意味です。もともとオモバレーに住んでいたドルゼ族は、そこで取れるコットン(綿花)を使って糸を作り、衣服やインテリアとして使う織物を織ることを生業にしてきました。
ですから、市場でも様々な綿織物のクロスを見つけることができます。なかでも伝統的でもっともオーソドックスな配色が上の写真。黒・赤・黄色の3食を使った布は、ドルゼ族の象徴です。黒は人々、黄色はハチミツ、赤はホーリークロスセレブレイションの際に流れる家畜の血の色だそうです。お祭りごとで流れる血ですから、ポジティブな意味だと解釈してよいのでしょうかね。
この配色の布、女性が腰に巻いていらっしゃるの、分りますか??
それから、次にご注目いただきたいのが、こちら。
シーシャ。水たばこです。
このあたりの人々は山々を歩き回る合間にシーシャを吸う文化があります。我々が吸うシガレットとはもちろん違いますし、アラブの人々が吸う水タバコとも違う、この地域独自のもの。
「タンボ」という、植物を発酵・乾燥させて、作ったこのような塊に
火を付けて、その煙を水にくぐらせて吸引。これらの道具一式は「ガイヤ」と呼ばれており、地面に置いて使う大きなものもありますし、
下の写真のように、牛の角を使ったポータブルなものまであるのです。
愛煙家の私もチャレンジさせていただくことに。
特別にいいやつ(葉っぱ)を入れてあげるからね、と言うおばさまに、竹の筒を使った吸い方を教えてもらいます。
なるほど、たばこと同じ要領でよいのですね。では。
ゴホッ、ゴホッ、け、煙、吸ってる感が、すごくあるー。
アラブのシーシャは、甘くておいしいフレーバーですが、ドルゼのシーシャは、炭っぽくて渋めのお味。えー、一言でいうと、体に悪そう。もちろん、普通のタバコのほうが、ニコチンとかタールとか入っているので体に悪いのでしょうが、煙ダイレクトに吸ってる感がありますなあ。
しかし、このあたりでは昔から吸われているわけですし、若い方より、お年を召した方から好まれるとのことですし、これ吸ったからって寿命が縮むわけではないのでしょう。
あ、ちょっともう大丈夫です。
みなさん集まって仲良く吸うのがテッパンなようで、これもひとつのタバコミュニケーション。
ちなみに、私の髪型がへんてこりんになっておりますが、これは二日ほど前にジンカという町でやらかしちゃった後遺症でして、あまりふれないであげてください(投稿はこちら)。
こうしてマーケットを堪能したら、ドルゼの町に戻ります。バイクタクシーで70ビル(350円)。約7kmの道のりをどんどん下って行きます。このあたりは緑たっぷりで空気もおいしく、くっそ暑くて乾燥した南部に比べると、快適度が大幅アップ。もしオモバレーの民族どれかに帰化(? )しなさいと言われたら、私はドルゼ族がいいなあ。
ウィーバーが魅せる素敵な布に大興奮
ドルゼの町(というか村? )の近くには、ドルゼ族さんが作ったカラフルな布を売っているショップがちらほら。道路に面したところにお店を展開していらっしゃるので、その光景を見るだけでもかわいらしくて心躍ります。
アフリカを北上するにあたり、各所で伝統的な布を購入し続けてきた私ですが、ここドルゼの布もたいそう楽しみにしておりました。
風にはためくカラフルな布たち。配色のテイストや、使用している糸の太さもまちまちで、そのデザイン性の高さに驚かされます。これを手作業で1枚1枚織るなんて、ものすごい労力。さすが「ウィーバー」なドルゼ族だけある!
ドルゼ族の作った布は、エチオピア全土で販売されている人気商品。最近では首都のアルバミンチに生活の拠点を移し、そこで布屋さんを展開しメイクマネーしていらっしゃるドルゼ族さんもいるそうです。
悩みに悩んだ末、購入したのがこちらの2枚。
また青を買ってしまった。1枚100ビル(約500円)。
コットンなのに、ふんわりとした肌触りで、とても巻き心地が良いです。
この後は、ドルゼ族さんのお宅を訪問しまして、その織物技術や、特徴的な住居の様子を見せていただきました。ちょっと長くなりましたので、続きは明日に持ち越しです。本日も最後までお読みくださってありがとうございました。
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