ナミビア(8) はしゃぎすぎたヒンバ族・ヘレロ族・デンバ族の村訪問
現在世界一周をしております私は、アフリカにある「ナミビア」という国にいます。この国でやりたかった、少数民族「ヒンバ族」訪問を本日ついに実現しましたので、その様子をレポートします。ちょっとはっちゃけすぎてしまった感はありますが、私としましては、とても楽しくすごせたので大満足。あきれないでお付き合いください。
【現在地】オプウォ(ナミビア)
Opuwo(Namibia)
【天候】晴れ
【気温・湿度】34度・31%(昼)、13度・29%(夜)
【為替】1ナミビアドル=約7円
ヒンバ族、デンバ族、ヘレロ族3つの村訪問
本日は、「ヒンバ族」、「デンバ族」、「ヘレロ族」のを訪問して参りました。ガイドは「エリザベス」というふくよかなおばさん。エリザベスとの出会いや、ツアーの金額等は昨日の投稿で記入しました。
上記投稿で、各民族の簡単な紹介もしておりますので、ぜひ併せてお読みいただけるとうれしいです。
それではさっそく行ってみましょう。
現在私が滞在しているのはOpuwo「オプオ」という町。ここから車で30分くらいの場所にある3つの村を訪問いたします。まずは、待ち合わせ場所である「OK Grocer」というスーパーマーケットで、各村に持参するお土産を購入します。
こちらがガイドのエリザベス。
小麦粉やお砂糖、食パンなどを、1つの村につき150ナミビアドル分買い込み、準備完了。私はレンタカーを所持していないので車がありません。ということで、エリザベスさんの知り合いのドライバーさんの車に乗せてもらいツアースタート。
貴婦人ドレスと帽子が素敵なヘレロ族の村訪問
町を少し離れただけで、そこはもう何もない荒野が広がっています。
ほんとうに何もなく、たまに家畜のヤギがうろうろしているだけ。そんな道を走ること約30分。まずは最初の訪問先、「ヘレロ族」の村に到着です。
ヘレロ族は、中世の貴婦人を思わせるエレガントなドレスを普段着とする少数民族。村へ到着早々、ヘレロ族の女性が家の壁を塗る作業をしていらっしゃいました。
たしかに、ボリューミーなドレスを着用なさっている。ドレスが汚れるのもいっこうに気にせず、牛の糞で作った粘土のような素材を手にしていらっしゃいます。これにはびっくり。ここで挨拶をしたりエリザベスの通訳で少しお話ししていると別の女性が通り過ぎます。
おぉ! こちらもドレス。
ふくよかなおばさまがふんわりしたドレスを着用なさっているのはなんだかとてもかわいらしい。
そして村の中を案内してもらいます。ヘレロ族さんのおうちはこのように四角い感じ。
後ほど訪問するヒンバ族、デンバ族は、昔ながらの様式を守って生活をしておりますが、こちらのヘレロ族は西洋の文化を受け入れることを選んだ方々。だから、おうちも少しだけ近代的。農耕や狩猟、観光客マネーだけが収入源なのではなく、町へ出て働く方も多いそうで、ほかの2つよりも裕福なんだとか。
村を歩いていると、一人のおばさまに声をかけられます。
ガイドのエリザベスと仲がよいみたいで、おうちの中を見せてくれることに。カラフルなお洋服がたくさん置いてあります。
確かに西洋文化の香りがしますし、それなりに余裕があるんだなあという雰囲気。ヘレロさんの帽子は、牛の角を模していると聞いていましたが、こちらのおばさまの帽子もしっかりと何かで形が整えられた帽子をかぶっていらっしゃいます。
私「その帽子の硬いとこ、何が入っているんですか? 」
ヘレロさん「え? これ? 新聞紙よ。ほら」
私「え、そうなの!? 」
ヘレロさん「ほら、ここにもあるでしょ」
わりと日常的なものでできていて驚きです。そして、お部屋を見渡してみると、雑に置かれたドレスに目が留まります。
私「あの…もしよければ、ヘレロさんの民族衣装、着てみたいんですけど…」
ヘレロさん「わはは。いいわよ。あなたには大きすぎるかもしれないけど、着せてあげるわ」
たしかにこちらのヘレロさん、すごく背が高く、迫力満点のおばさま。
明らかにサイズが合っていない。
しかしなんとかがんばって、きれいなブルーのヘレロドレスを着せていただくことに成功。
ヘレロさん「このドレス用の帽子よ。これにも新聞紙を入れてあげるから」
こうして丸めた新聞紙入りの帽子を被ったら…
はい完成!!
私と比較するとヘレロさんの大きさがすごくよく分かりますね。
「ヘレロウーマンのスタイルといったらこれよ!! 」と言って、どうみてもヤンキー風の座り方を伝授されます。
確かに、オプウォの町中でもこの座り方をしていらっしゃるヘレロ族の方々をたくさん見かけました。洋服に着られている感がハンパないってことには目をつぶっていただくとして、とりあえず、ヘレロ族の民族衣装を攻略。
こうしてヘレロ族の村を堪能し、続いてはデンバ族、ヒンバ族の村へ向かいます。
ひらひらスカートとビーズがかわいいデンバ族の村訪問
これから訪れるデンバ族とヒンバ族の村は隣どうしにあり徒歩でいける距離だそう。少数民族の方々の関係性というものが私にはよくわかりませんが、どうやらオプウォ周辺の3民族の方々はみなさん仲が良いと思われます。オプウォの町でも、別々の民族の方々が仲良くおしゃべりしていらっしゃったり、いっしょに歩いていらっしゃったりするのを見かけました。
ヘレロ族の村から車を走らせること10分、ヘレロ族、デンバ族の村に到着です。
遠くに見えるかわいらしい家。人の姿も見えます。
到着するとさっそくデンバ族の方々が迎え入れてくれました。
サトウキビをかじるお子様。わんぱくです。
デンバ族の女性がその民族衣装を見せてくれます。
どうやって取り付けてあるのかよく分かりませんが髪の毛にはたくさんの飾りあしらわれとても華やか。
お子様のヘアスタイルも見せてくれました。
こちらはビーズがたっぷりでかわいらしい感じです。
私「ところで私もそのお衣装にトライしてみたいんですけど…」
デンバさん「えぇ!? あなたこれ着たいの? 」
私「はい!! もしよければぜひ」
デンバ一同 爆笑
「オーケー、ちょっとこの子が着るもの持ってきて」
そう言って、子供たちに洋服をとりに行かせ、私を家の中に案内してくれたデンバさん。すぐにスカートとビーズを手に持った子供たちが戻ってきて、お着替えタイムです。
まずはウエストにビーズでできたベルトを巻きます。そして次はスカートなのですが、実は、ひらひらしていたのはスカートではなくただの布でした。大きな布を折りたたみ、ビーズのベルトに通して、形を整えてスカートのようにして着ていきます。
それから、さらにビーズのベルトを追加。首に巻いているビーズのネックレスは、針金状のループにビーズを通したものでした。
そして完成&記念撮影。
隣のデンバ族の女の子とスカートがおそろいです。そしてまわりはヒンバ族の方がた。
ガイドのエリザベスの通訳でしばらくみなさんとお話し。
デンバさん「結婚はしているの? 」
私「Not yet…」
デンバさん「歳はいくつ? 」
私「さ、さんじゅうさんです」
デンバさん「えぇ!! もっと若いかと思った。むしろこの子たちぐらいの感じで…」
と、周りにいた10代前半の子供たちを指さします。
分かってる。
その先は言わなくても分かってますから。成長してないんですよね。いろいろと。
成長すべきパーツが。
言葉は通じなくてもそのジェスチャーと目線で言わんとしていることは分かります。
「Not Yet!!!! 」
デンバさん 爆笑
こうしてデンバ族の民族衣装も着せていただき、そのままお隣のヒンバ族の村へと歩いて向かいます。
世界一美しい! いよいよヒンバ族の村訪問
デンバ族の民族衣装のままヒンバ村の中を案内してもらいます。こちらがおうち。
こちらが食料保管庫で、
こちらが牛の糞で固めた貯蔵庫。
クッキング中です。
それからおうちの中も見せていただけるとのことで、一軒のお宅におじゃまします。このおうちのお母さんが、バターを作っているところ。
このヒョウタンのでっかいやつみたいなものの中にミルク的なものが入っていて、これをまぜているんです。その作業が終わると、我々にヒンバ族伝統のフレグランスを実演してくれました。
といっても、香水とかではなく、草を燃やしてその煙で香りを付けるという昔ながらの方法。ヒンバ族の女性は、ご覧のとおり、体中に赤い粘土とバターを混ぜ合わせたものを塗っています。彼らはこれを一生洗い流すことはありません。つまりシャワーを浴びたりお風呂に入ったりすることがないのです。
そのぶん身だしなみにはすごく気を遣っていらっしゃるそうで、このように、香草を焚いて臭いをおさえたりする工夫がなされています。
たしかに、いっしょにいても「臭い」とかそんなことは一切なく、しいていうなら、肌に塗っていらっしゃるバターっぽい香りがほんのりするだけです。
お香のの方法は、まず石でできた小さな入れ物に、乾燥させた草を入れます。
炭を入れて、煙を出します。
最後に何か香りのする粉をプラス。
その上に、蓋をして、周りから出る煙を体に染み込ませていくのです。
これが代々伝わる方法で、今なお変わることなく実践していらっしゃるんですね。
そして次に、体に塗っていらっしゃる赤い粘土も見せてくださり、なんとそれを私にも塗ってもらえるとのこと。
「わあー!!! いいんですか!? 」
ということで、顔と手足にべったりと塗っていただきました。
キャッキャしている私たちの様子を子供たちがうかがっています。
おうちの中には衣装やアクセサリーが置いてありますね。そして、勇気を出して最後のお願い。
私「あのー…もしよろしければ、その民族衣装も着てみたいなあ、なんて」
ヒンバさん「これー!? 着たいの!? いいわよwwww」
そう言って、ご自分が着ていらっしゃった衣装を外して私に着せてくださいました。
民族衣装大会、すごく楽しいんですねえ。
ここにくるまで、実は少しとっつきにくいのかと思っていたヒンバさん。強く美しい、誇り高きヒンバの女は、ちんちくりんな私ごときの相手をしてくださるのだろうかと。
しかしまあそんな心配は完全に杞憂に終わり、強くもあり、美しくもあるヒンバさんは、それと同じくらい“普通の女性”で、スカートのひだのバランスを気にしたり、アクセサリーの角度にこだわったり、普段の我々となんら違いはないことがよーくわかりました。
みなさんニコニコとよく笑うし、優しくて、同い年くらいの私とヒンバさんは、わりと自然に接することができたように思います。
どうですかね? 私のヒンバ姿?
んー…似合っているとは言いがたいですが、楽しいからOK!!
わはは。
頭の角みたいなのは、既婚者が付けるアクセサリー。今回は特別に私も取り付けてみました。
お子様たち、どうですか!!
はい。
ということで、非常にエキサイティングな民族衣装大会でした。このあと、着せていただいた衣装を脱いでヒンバさんにお返しします。
民族間における羞恥心の相違について
このあたりでは、もう完全に「羞恥心」というものが麻痺していると言いますか…。ヒンバさんに衣装をお返ししたものの、私はデンバさんの衣装でここまで来ましたから、自分の服はデンバ村に置きっぱなし。かといって一度脱いでしまったデンバさんの衣装を自力で再び着ることもできず…。
つまり下着姿で村の中をうろうろしている状態です。とはいえ、下着つっても、そんな下着下着した感じではなく、「水着です」といっても通用するぐらいのやつですから、まあいいかと思っておりました。
しかし、そんな私をみたヒンバさんは大爆笑して、
「ちょww、この子スカート穿かずに歩いてるから!! 誰かこの子にスカート穿かせてやってー!! 」的なことを叫んでいます。
私にしてみれば「いやでもみなさん上何も着てないじゃないですかー。こっちは一応上も下も覆ってるっちゃ覆ってますからね」みたいな気持ちですよ。
しかしヒンバさん的には、パンツ丸出しでうろうろするのは“すごく恥ずかしいこと”のようで、あわてて子供たちが私にスカートを穿かせてくれました。
え、そういう感じ? 私今そんな恥ずかしいことしてました?
もはや、ファッション的な足し算引き算とか、見せると隠すのほどよいバランスとか、そういうのが全く分からなくなりました。
羞恥心というのは、民族間でこうも差があるもんなんだなあと意外なところで実感。こうしていろいろと有意義な気づきを得て、最後はヒンバさんたちによるお土産販売会。
手作りの雑貨をたくさん並べてくださいました。そんなにゴリゴリ売りつけられる感じではないので、たぶん何も買わないで帰ることも可能だと思います。
しかしまあせっかくなので、ブレスレット1つを20ナミビアドル(約140円)でお買い上げ。
これにて、ヒンバ族、デンバ族、ヘレロ族、3つの民族の村を訪問するツアーの終了です。このとき、なんやかんやで午後2時になっておりました。名残惜しさを感じながら、ヒンバ村を後にして、オプウォへと戻ります。
旅先で人々の写真を撮るということについて考える
私はこの前日にOpuwoの町を歩き回り、見かけた少数民族の方々の写真を撮らせていただきました。声をかけて「写真を撮らせてください」というと、みなさん5ナミビアドルから10ナミビアドルのチップを要求なさいました。
これはまあわからないでもないんですね。だってもし自分だったらと思うと、外国からたくさん人がやってきて、勝手に自分の写真をパシャパシャ撮ってったら、ちょっとイラッとしますもん。
チップの100円や200円要求したくもなりますよ。
でもまあそのようなやり取りをしていると、お金を払って写真を撮らせてもらう我々と、被写体である少数民族の方々との間にはどうしても壁があると言いますか…。完全にお金のやりとりだけの接点ですからね。あまり言葉も通じませんから、声をかけてチップを渡して写真を撮ってハイ終わりー、みたいな。あんまり笑顔も出てこなかったです。
だから、なんとなく「旅行者のこと嫌いなのかあ、あんまりぐいぐいいくと迷惑なのかなあ」という気がしていて…。
でも、本日村を訪問してみて、みなさんとてもフレンドリーで、すごくうれしかったです。もちろん訪問した村の方々は私のような旅行者にも慣れていらっしゃるからだと思うのですが、いっしょに遊んでいただいて、通訳を介してですがたくさんお話もできて、とてもいい経験になりました。
日本で生まれ育った私からすると、彼らの衣装や生活様式はすごく新鮮で興味深く、たくさん写真も撮りました。でも、ここに暮らす民族の方々にとっては、なんら特別なことではなくこれがごくあたりまえの日常の風景。
それを壊しかねない勢いでぶしつけに配慮無く旅行者がぐいぐいいくと、そりゃいい気はしないよなー、とそんなことを改めて考える機会にもなりました。
これらの少数民族の環境は、近年大きく変化しているそうで、あと数年で伝統的な暮らしを続けるヒンバ族はいなくなってしまうのではないかとも言われています。
とはいえ、本日私が「民族衣装を着たい」と言ったとき、
みなさんすごくうれしそうにしてらっしゃったのが強く印象に残っています。
数時間しか接していませんが、彼らが自身の文化やスタイルに誇りを持っていることはすごく伝わってきました。
伝統的な暮らしを捨てることで、彼らの生活が豊かになるのなら、それが一概に悪いこととは言えない気もするのですが、このような魅力的な民族が消えてしまうのは残念な気がします。完全な外野である私が言えることは何もないのですが、少し寂しいなあ。
本日はこれにて終了です。この投稿は、もしかしたらレッドカードかもしれませんね、ヒンバ族だけに。ゴーグルさん、見逃してください。
mayumiさん、初めてコメントさせていただきます!
知的なのにユーモアたっぷりで親切な旅情報まで満載のブログ、実は密かに大ファンで多分読破させて頂いてます。ほぼほぼリアルタイム更新でこのボリューム…自分、10数年来世界一周ブログ村読んでるのですが、初めてな気しかしません。以前のご職業柄ちょちょいのちょい?かも知れませんがそれ差っ引いても凄すぎます。
少数民族巡りの試着シリーズ、「最初のドレスだけだよね、そりゃそうだよね」と思いきや、更に2連発!!もう体当たり過ぎて面白いを通り越してリスペクトですwwww!
普段のブログからは「多分自撮りなんかはあまりされない方だろうなぁ…」とファン的にはシュン(._.)としていたのですが、何でしょう、この突如ボーナスステージってば!笑
ぼっち旅でも好奇心の赴くまま突き進まれるお姿にも毎日朝イチの元気を頂いています、ありがとうございます☆
でもやはり女子の一人旅、必要な時には安心安全も大人買いのマインドで、引き続き楽しい旅をされて下さいね!長々失礼しました。またコメさせていただきたいです_φ(・ω・