ナミビア(6)遠回りこそ旅の醍醐味。ウィントフークからオプウォへ
現在アフリカのナミビアという国をを旅行中でございます。ナミビアを訪れた目的の一つ、北部のカオコランドというエリアに暮らす少数民族の村訪問。これをどうにか一人で成し遂げるため、夜行バスに飛び乗りました。そして現在、無事にオプウォ(opuwo)に到着しております。
【現在地】オプウォ(ナミビア)
Opuwo(Namibia)
【天候】晴れ
【気温・湿度】33度・29%(昼)
【為替】1ナミビアドル=約7円
次なる目的地に向けてスタート
4日前、ナミビアに到着した日に見かけた彼ら。
ナミビアに古くから暮らす少数民族「ヒンバ族」の女性たちです。こうして手作りの雑貨を売って収入を得ています。
写真を撮らせていただくためには、これらのアクセサリーを買う必要があり、せっかくなので、ブレスレット25ナミビアドル(約175円)を購入し、代わりに写真をパチリ。
彼らは、アフリカでもっとも古い生活様式を続ける民族のひとつ「ヒンバ族(Himba)」。この写真に写っている女性たちは塗っていませんが、多くのヒンバ族の女性たちは、体にバターと赤い粘土を混ぜたものを塗っています。
最近は外国からの観光客も多く、写真を撮らせてもらうのにお金を払ったり、村を訪問するのにけっこうな額のお土産を買っていかなければならなかったりと、いろいろ環境が変化しているそう。そのせいで、伝統的な暮らしを続けるヒンバ族はあと数年でいなくなってしまうのではないかと言われています。
彼らはナミビアの北のカオコランドというエリアで暮らしているそうで、そのなかでもOPUWO(オプオ)という村に行けば会えるという話。
「これはぜひ行ってみたい! そしてどんな生活をしていらっしゃるのか見てみたい。
そしてあわよくばこの素敵なお衣装に私もチャレンジしてみたい!! 」
そう思ってはいましたが、ブログなどで情報を調べると、行かれた日本の方々はほぼレンタカーを借りての複数人の旅。
ぼっちは行けないのか。
はっきり言って、私のスキルではともにオプォを目指す旅友を見つけるのは難しい。みなさんナミブ砂漠で十分満足なさって、さっさと南アに抜けてしまわれるんですよね…。それから、運転免許はありますが、マニュアル車の運転ができないポンコツな私にはレンタカーという選択肢もありません。
あきらめるしかないかなあと思っていましたが、実際にヒンバ族の方々を生で見て、やっぱり行きたいという気持ちが強くなってしまいました。
ナミブ砂漠ツアーには、当初想定していたよりもグッとお安く行けました。だから多少割高でも、自力でのopuwo(オプウォ)訪問にチャレンジしてみようと決めたのです。
地図で見ると、今いる首都のウィントフックから500kmほど北に位置するオプウォ。
その近くにあるそこそこ大きいっぽい町「Ondangwa(オンダングヮ)」までは、大手バス会社インターケープが一日一本運行しています。そこから、ローカルバスなりタクシーなりを乗り継いでいけば、行けないことはなさそう。
こうして始まった「ナミビア少数民族訪問(ぼっち対応ver,)」。周りの人に甘えて過ごした日々に手を振って、ひとり北を目指します。待っててください、ヒンバ族さん。
旅の醍醐味について考えてみる
昨日夕方18:00ウィントフックを出発したバス。
走り出して30分後、いきなりバスのタイヤが燃える。
タクシーブルース(マダガスカルにある過積載で有名な長距離乗り合いバン)かと思った。異臭がすると思ったら原因はこれか。バスから降りて見てみると、消火器を使用した形跡がありました。
様子を見に集まる人々。
やっぱり旅はこうでなくっちゃ(涙目)。
インターケープってそういうあれでしたっけ? そっち系の会社なんでしたっけ? なんとなく、高いけど快適で安全みたいなイメージでしたがどうやら一概にそうとも言い切れないようですね。
30分後、タイヤ交換が行われ、無事に再び走り出します。快適なレンタカー旅行から一転、また手探りの弾丸旅行に戻ってしまいました。しかし、需要があるんだかないんだか知りませんが、今の私は「この先、ウィントフックからオプオを目指されるぼっちの方の力になりたい」という変な使命感に燃えております。さあがんばって行ってまいりましょう!
タイヤが燃えたのをなかったことにするかのように、バスは、定刻午前4時「Ondangwa(オンダングヮ)」に到着しました。10時間がものすごく短く感じたのは、私が成長した証。20時間、30時間を経験すると、10時間はびっくりするくらいあっという間でした。
外はまだ真っ暗です。
公共交通手段としてバスが発達していないナミビアでは、ほとんどの町に「バスターミナル」というものがありません。大きなガソリンスタンドやスーパーの前がその代わりを果たしています。
「Ondangwa(オンダングヮ)」のバス停は、「Engen」というガソリンスタンドでした。
ここからどうやってOpuwoに行こうか悩んでいると、同じバスでウィントフークからやってきた一人のナミビアンガールに出会います。名前はツィオポリナさん。彼女はすごく分かりやすい流暢な英語を話し、私にオプウォまでの行き方を教えてくれました。後で聞くと、アメリカの大学に2年間留学していて、ちょうど帰国したばかりとのこと。
彼女に教えてもらった方法は、今いる「Ondangwa(オンダングヮ)」から、30km先の「Oshakati(オシャカティ)」までタクシーで行き、そこから乗り合いバスか乗り合いタクシーで行くのがよいとのこと。
しかし早朝4時ですので、まだタクシーは走っておりません。
ツィオポリナさん「タクシーは6時くらいになったらこのあたりに集まってくると思うから、それまで待つしかないわね」
私「そうなんだ…。ナミビアってレンタカーで旅するのが主流だと思うんだけど、私運転できなくって…」
ツィオポリナさん「でも、公共の乗り物を使えば、現地の人とも交流が持てるから、それはそれで楽しいと思うよ。私は2年間英語を学んで、これからナミビアで旅行ツアーを企画する仕事に就きたいと思っているの。ナミビアに旅行に来てくれた人にはもっと現地の人と接して、この国のことを知ってもらいたいなあ」
だよね。公共の乗り物もいいよね。
こういうの旅の醍醐味って感じするもんね。ツィオポリナさんは若いのにいいことをおっしゃいます。
ツィオポリナさん「あなたはOPUWOに何しに行くの? 」
私「ヒンバ族に会いに!! 」
ツィオポリナさん「ヒンバ族はすごく美しくて素敵な人たちよ。私も彼らのことが大好き。会えるといいね」
そういえば、オプオにたどり着くまでに、何人かの人に何しに行くか聞かれ「ヒンバに会いに行く」と答えると、みなさん口を揃えて「彼らはすごく美しい民族だ。伝統を守って暮らしているすばらしい人たちだ。あなたにとってすごくいい経験になるだろう」みたいなことをおっしゃっていました。
外国から来た我々が憧れるだけではなく、同じ国に暮らすナミビア人からもリスペクトされているなんて、とても素敵なことだなあと感じました。そんなこと言われたら、ますます会ってこの目で見てみたいという気持ちが高まるじゃないですかー。
ツィオポリナさん「どのくらい旅をしているの? 」
私「まだ一か月半だけど、これからアフリカを北上して、そのあと中米と南米に行く予定。全体でいうとたぶん1年~2年くらいかなあ」
ツィオポリナさん「そんなに!? あなたのご両親は心配してない? 」
私「父親は、まるごとすべて何も知らないんだよね…」
ツィオポリナさん「Are you sure!? (マジで!?)
私なんて、出発のとき母親が泣いちゃって、そのあと病気になっちゃったのよ。だから、今日久しぶりに会えるのをすごく楽しみにしているの」
そんな会話をしているうちに朝6時になり、1台のタクシーが目の前に停車。
ツィオポリナさんは、タクシードライバーと交渉し30ナミビアドルで目的のオシャカティまで連れて行ってくれるよう話を付けてくれました。それから、ガソリンスタンドのスタッフさんと何か話をして「このタクシードライバーは、ガソリンスタンドのスタッフもよく知っている人だから安全よ」という確認までしてくれたのです。
さらに「ツィオポリナさんもこのあとタクシーが来たら実家に帰れるね」と言うと、「私の家はここから歩いて帰れるところにあるのよ。でもあなたが一人で心配だったから…」ですって!!!
なんとお優しい。
2年ぶりの帰省で、きっと早くご家族に会いたかっただろうに、寒さが身に染みる気温12度の屋外で2時間いっしょに待ってくれるなんて。見知らぬ外国人にこの神対応。こういう人が旅行関係のお仕事に就いたら、ナミビアという国は今よりもっともっと人気が出ると思います。
朝6時10分、こうして私はタクシーに乗り、約30分ほどでオシャカティに到着。
ここから乗り合いバスを探すわけですが、やはりオシャカティにも「バスターミナル」的なところはなく、大きなガソリンスタンド周辺に乗り合いバスや乗り合いタクシーが集まってきている模様。また「ENGEN」です。
どうしていいかまったく分からない状態なので、近くにいる人に聞くと、そのうちバスが来るから待ってなさい、と適当にあしらわれます。
“乗り合いタクシー”と言われると、今までの旅の経験上、旅行者と見るやいなやドライバーさんがめっちゃ集まってきて「どこ行くんだ、どこ行くんだ」と聞かれて、なんなら先にバックパックとか持って行かれちゃって、どうしていいか分からずおろおろする、みたいなパターンが待っているものだと思っておりました。
しかし、私が行きたいOpuwoは、ここから200km離れていますので、そんなに行く人が多いわけではありません。もう少し近場に行く人は乗り合いタクシーを利用するようで、そっちのほうは、ドライバーさんが客の争奪戦を繰り広げておりました。
でも誰も私を奪いに来る気配はありません。
完全に放置状態ということで、とりあえず、ゆで卵(3ナミビアドル/約21円)を食べてみます。
うん。ふつうにおいしい。
それから、たばこを吸ったりぼーっと人々を眺めたりします。
待つこと2時間半。
ついにオプオ方面に行く乗り合いタクシーというか乗り合いバンが来たようです。近くにいたおじさんが教えてくれ、一安心。
それでもまだ人数が集まっていないので、しばらく待つよう言われます。こういうときはあせっても仕方ありませんので、バスに乗り込み、とうもろこし(10ナミビアドル/約70円)を売りに来たおばさんから1本購入し、かじります。
野菜っぽいか穀物っぽいかっていうと、断然穀物っぽい味と食感のとうもろこしでした。
それからさらに待つこと2時間。
午前11:00乗り合いバンが出発しました。座席1つにつき、人間1人が座っているということに感動を覚え、快適な乗り心地をかみしめながらのドライブです。照り付ける太陽が、明らかに南部より強く、大地も木々も乾燥しているように見えます。
出発から2時間半、13:00やっとの思いでオプウォに到着。なんとか目的地まで来ることができました。
車を降りて、ホテルと探そうと歩きだしますが、暑さと重さが原因で長時間歩ける気がせず、目に入った一番近いホテル「AAMENY REST CAMP」にチェックイン。
【ウィントフックからオプウォまでの行き方】
これを読んでくださっているみなさんにうれしいお知らせです。
なんと、ウィントフックからオプウォまでの直行バス、あるそうです。
滞在しているホテルの人に聞いたら、あっさり
「あるよ。」
とのこと。しかも9~10時間で着くそうです。しかも毎日あるそうです。
いつの世も、情弱は泣きを見ることになるのです。わざわざバスとタクシーと乗り合いバン乗り継いで、トータル19時間近くかけてここまで来た意味。
まあ、これはこれで楽しかったですから、よしとしましょう。でも、ウィントフークのツアーデスクの人もないって言ってたし、「コンプチケット」というアフリカ南部のバス会社のチケットをまとめて検索できるサイトにも出てこなかったんだけどなあ。
ウィントフックに戻る際には、その直通バスを使ってみます。予約とかできるようなバスではなくって、朝、バスのところに行けば乗れるやつだからとホテルの人が言ってました。
詳細は追って追記します。
とりあえず、本日の記事の方法を決して参考にしないでください。
もらった翌日からさっそくテント泊にシフト
昨日の投稿で、私が「旅するテント」を譲り受けた的な内容を書きました。というわけで、さっそくテントサイトに宿泊してみます。本日の宿「AAMENY REST CAMP」はその名のとおり、広いテントスペースを備えています。
テントと寝袋をくださったこうきさん、読んでくれてたりしますかね? 私はひとりで立派にテントを組み立てることができました!! さらに、内側に自慢の万能ランタンを吊るし、
入り口に鍵まで取り付けてみましたよ。
これで快適&防犯対策もばっちりです。
初めてのテント泊にドキドキしつつ、本日の投稿を終了とさせていただきます。最後までお付き合いくださってありがとうございました。
■Opuwo(オプウォ)でおすすめのホテル、キャンプサイト
「AAMENY REST CAMP」
宿泊日:2016年6月11日~14日
部屋の種類:キャンプサイト
金額:90ナミビアドル(約630円)。バンガローなら150ナミビアドル。
(Wifi使用料10ナミビアドル/1日)
【設備】
- シャワー:2つ。水しか出ない
- トイレ:2つ。トイレットペーパーなし
- Wifi:わりとサクサク使える。
【個人的な感想】
バスを降りたあたりから一番近い。そしてスーパーなどにもたぶん一番近い。とくに不便を感じませんし、オーナーさんも感じがいい。
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