ナミビア(5)鍵と引き換えに新たな装備「旅するテント」を手に入れた
昨日終了した、2泊3日にわたる「ナミブ砂漠ツアー」。ここで私は、自分より10歳ほどもお若い旅友にめぐり合いました。彼から、今後私が旅をするうえで、とても活躍してくれそうなアイテムを譲り受けた私は、ナミビアという国をより深く知るために、北へ向かって進路をとります。
【現在地】ウィントフック(ナミビア)
Windhoek(Namibia)
【天候】晴れ
【気温・湿度】29度・40%(昼)
【為替】1ナミビアドル=約7円
こんな素敵なものをいただいてよいんですか!?
私が授かったアイテムは「テント&寝袋」。くださったのは、大学を休学して世界一周の旅をしていらっしゃる「こうきさん」という方です。彼の旅は、ナミビアの次の「南アフリカ」で終了。その後は日本に戻られ、大学に復学なさる予定とのこと。
私よりだいぶお若いのに、びっくりするぐらいしっかりしてらっしゃって、どこかひょうひょうとした感じで、あまりピチピチした印象は受けませんでした。むしろ、最初は私と同じように仕事辞めて来た組かなあと思ったくらいです。
そんな彼ですから、話していても「わけぇなあー!! 」みたいに感じることはなく、考え方や発想がただただ新鮮で興味深くおもしろかったです。会ってからそんなにたたないころ、何気ない会話で、私がこれからアフリカを北上していくと言うと、唐突に
「あ、テントあげましょうか? 」
と一言。なんと旅行中ずっと使っていたテントと寝袋を私にくださるというのです。
え、いいんですか!?
思いもよらないの提案に動揺を隠しきれません。テントってそんな軽い感じであげたりもらったりするものだとは思っていませんでした。
「次に行く南アで僕の旅も終わりますし、南アではテント泊しないと思うんで。いいですよ、テントあげます」
アフリカの一部や、中南米ではテントを使用して宿泊費を抑える方法がとても浸透しています。人気のあるゲストハウスは予約しないと泊まれない、ということがたびたびあるらしいアフリカ南部。しかし、ドミトリーや部屋がいっぱいでも、テントスペースなら空いていることも多いと聞きます。テントがあるとグッとフレキシブルに旅をすることが可能になるのは間違いありません。
「ほんとにいいんですか? あ、じゃあ買い取りますよ」
「いや大丈夫ですよ。僕もこれ、人からもらったものなんで」
ロマンが溢れすぎている「旅するテント」
実は、このテント&寝袋の所有者は、こうきさんで三代目。その歴史は古く、分かりやすく書くと以下のようになっています。
●初代が南米のどこかにて購入。南米を旅し、そのままアフリカへと持ち込みアフリカ縦断。初代がアフリカの旅を終えるころ2代目に譲渡。
●二代目がアフリカを旅し、そのまま南米へと持ち込み、南米を旅する。その旅が終わるころ、三代目であるこうきさんに譲渡。
●こうきさんが南米を旅し、そのままアフリカへと持ち込み、アフリカ縦断。その旅が終わるころ、
四代目である私に譲渡。
なんと、このテント&寝袋は、南米とアフリカを行ったり来たりしているまさに「旅するテント」なのです。初代が購入なさったのが何年前なのか存じ上げませんが、少なくとも数年はずっとずっと旅人とともに様々な場所をめぐっている最高にいかした旅グッズ。
こういうの、大好物。グッときてしまいます。
ロマンです。ロマンチックではなく、ロマン。
こうきさんありがとうございます。四代目の持ち主になれたことをとても誇らしく思います。
さっそくバックパックに取り付けてみた。横のやつがテントで、下のやつが寝袋で、オレンジのやつがマットです。
ということで、お礼として、私が日本から用意してきた「名刺代わりの鍵」をお渡ししましたよ。
出発前に意気込んで準備したものです。投稿はこちら。
かなりどやって書いたくせに、結局今まであげたのはマダガスカルで出会った犬だけ。初めて人間にお渡しする機会があって本当によかったです。
こうきさんに鍵を手渡して、その由来を説明したのですが、最初まったく理解していただけませんでした。しかし、さすが大学生。柔軟な脳みそをお持ちですから、すぐに「あぁ、なるほどー。理解理解理解!! 」と言って、私がやりたかったことを分かっていただけました。完全なる自己満足にお付き合いいただき、ありがとうございます。
もはや荷物の重量とか関係ない境地
私は、日本からテントと寝袋を持ってこなくて、心からよかったと思います。だって、もし持ってきていたら、こうきさんにこれらをいただくチャンスを逃していたことになりますからね。
そして、彼は私の荷物の量がとんでもないことになっているのをあたりまえですが、知りません。
知ってたら「テントあげましょうか? 」なんて言うのをためらったかもしれませんね。日本を出国する時点ですでに
総重量30kgオーバー。
そこから、ワンデーのコンタクトレンズ日数分と汚れてしまった白いTシャツ1枚以外、何も減らすことなく、むしろお土産的なものを増やしながら旅を続けてまいりました。そのうえでさらにテントと寝袋が追加された今、
たぶん、総重量35kg超えてる。
いいでしょう、いいでしょう。もうこのくらいの重さになると、多少の増減は気になりません。とりあえず、地面から持ち上げて背負うことができれば合格です。いただいたテント、めっちゃ軽いですからね。
痛くもかゆくもないのです。
このブログを読んでいる私の友人は思うでしょう。「あーあー、mayuにこんな危なっかしいもの与えちゃって。どうせまた無茶なことするんでしょう」。
そんなことありません。大丈夫です。決して野宿はいたしません。テントスペースのある宿に泊まる機会が増えるだけです。引き続き、安全・健康第一で旅をしてまいりますので、なにとぞご容赦くださいませ。
世界一周を終えたフレッシャーズのポテンシャル
ナミブ砂漠へのドライブ中、ふと視線を前に向けると、助手席のこうきさんが真剣にiPhoneの画面を見ていらっしゃいました。
決してわざとではないのですが、つい気になって画面を凝視してみると…
これまでの過酷な旅を雄弁にもの語るバッキバキに割れた画面に映し出されていたのが、
「SPI(就活に使われる試験)」の一問一答みたいなページで吹きました。
どうやら、正解したみたいですよ。
こういうのにキュンとしてしまうわけですが。企業の採用担当者さんも、まさかSPIの知識を蓄えた場所がナミブ砂漠に向けて荒野をひた走るレンタカーの車内だったなんて想像もできないでしょう。そう考えるととてもシュールです。
社会人として働き、33歳になり、そして仕事を辞めて旅をしている私が見る世界。大学を休学し、弱冠22歳で旅立ち、これから社会出て行かれるこうきさんの見る世界。同じ場所に立ったとしても、それらは、たぶんまったく違うものなのだろうと思います。
世界一周を終えたあと社会に出るというのは、はたしてどのような感覚なのでしょう。想像でしかないですが、それなりに大変なことでも、わりとあっさり乗り越えられそうな気がします。
だってどれだけ仕事でミスをしても、まさか命を取られたり、貴重品を盗られたりすることは決してありませんから。
大きな大きな世界を見てきた、計り知れないポテンシャルを秘めた恐るべき新卒さん。私が上司や先輩だったら、しっかり気を引き締めていかないとすぐに追い越されてしまうんだろうなあ。人の心配をしている場合ではないのですが、彼の未来が明るいものであること心から願っています。
夕方17:00、こうきさんはじめ、ツアーメイトだったみなさまを乗せたインターケープのバスが出発。
お互いの旅の安全を祈り握手をして別れます。ハブアナイストリップ。そしてテイクケア。みなさまよい旅を。
それから1時間後、私を乗せたインターケープのバスが出発。北へと向かう夜行バスです。明日からは、ナミビアでやりたかったことその2を実現するために北部の町「Opuwo(オプオ)」での生活をお伝えすることになると思います。
それでは本日も、最後までお付き合いくださってありがとうございました。
コメント4件
ナミブ砂漠セクシーですね!!!!
やはり赤に惹かれます(>_<)私は時間&コミュニケーション(笑)の都合上モロッコからサハラ砂漠ツアーに参加することにしました汗
ブログの続き、楽しみにしています!!!!
マダガスカル編から読ませて頂いてます。
無事に旅されてて何よりです。
マラリアのお薬はどうなされてますか?
長期になってくると、病気が一番心配です。
メフロキン???だったかなぁ????
わたしは服用してたら軽く死にたくなったので。
でも、お薬飲んでね。