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2016-06-16

ナミビア(11)ぶれない! 枯れない! 奇想天外なウェルウィッチア萌え

ウェルウィッチア_ツアー_ナミビア

約2週間にわたり、アフリカ大陸にあるナミビアを旅してまいりました。本日は、その最終日。明日は、次の目的地に向けて1日移動となりますので、今日という日をめいいっぱい満喫しなければなりません。

【現在地】スワコップムント(ナミビア)

Swakopmund(Namibia)

【天候】晴れ

【気温・湿度】29度・40%(昼)

【為替】1ナミビアドル=約7円

ウェルウィッチア&ムーンランドスケープツアー

本日私は、ナミビアを訪れた大きな目的のひとつ「ウェルウィッチア」観賞ツアーに行ってまいりました。

参加できないかもしれないみたいな状況に陥り、このままだと自らが運転する車で死のドライブへと旅立つ羽目になるところでしたが、なんとかそれは免れました。詳細は昨日の投稿をぜひご覧ください。

ウェルウィッチア(和名:奇想天外)という植物については昨日の投稿でも書きましたが、あらためて萌えポイントをざっとまとめます。

  • ぶれない:1億年前に誕生してからほぼ形状が変わっていない生きた化石
  • 枯れない:寿命がびっくりするくらい長い(1,000年とか2,000年とか)
  • 絶滅危惧:でも寿命が長すぎるせいで危機感が薄い
  • ストイック:生涯2枚の葉しか持たず、ボロボロになってもそれを伸ばし続ける

「実はもう枯れちゃってんじゃないの? 」と思わざるをえないゴミみたいなルックスと、人知を超えた生体とのギャップがたまりません。

人間、動物、植物問わず、かっこいいものはかっこいいですから、ここでしか見ることのできないこの硬派な生命体に会いたい気持ちが募るばかり。

私が申し込んだのは14:00スタートのツアーです。集合場所は、昨日ツアーを申し込んだ「Namib i」という旅行会社。楽しみすぎてだいぶ早歩きになりながら、10分前に到着しました。

ウェルウィッチアまではこのようなサファリっぽい感じの車で行きます。オフロードもへっちゃらな車。

ウェルウィッチア_ツアー_ナミビア

これまたサファリっぽい感じの格好をしたヘンリーさんというガイド兼ドライバーさんが案内人。ツアーの参加者は私含め9人で、ドイツ、フランス、イギリス、そして日本(私)からお越しになっています。

このウェルウィッチアツアーは、スワコップムントから約2時間離れた場所にある「ウェルウィッチアドライブ」というところに自生するウェルウィッチアを見に行くという内容。さらに、その途中にある「ムーンランドスケープ」というまるで月のような景観の場所も見に行けます

車がスタートして20分ほどで、舗装された道路を逸れ、ゴツゴツした岩山と砂漠が混ざった荒涼とした土地に入って行きます。

ウェルウィッチア_ツアー_ナミビア

途中で、時々車を停めて車外に出て、砂漠に生えている小さい植物の説明や、石の説明をしてくれます

日本でも売ってるような気がするアイスプラント。

ウェルウィッチア_ツアー_ナミビア

ほとんどが水分でできているこの植物は、花の部分に水をかけると…

ウェルウィッチア_ツアー_ナミビア

あっというまに吸収して花弁が開花

ウェルウィッチア_ツアー_ナミビア

トゲトゲした葉を持つ砂漠のパンプキン。木の奥の方に実がなっています。

ウェルウィッチア_ツアー_ナミビア

地面に無造作に落ちている石を持ち上げてみると、水晶の結晶がびっしり。

木の奥の方に実があるの、分かりますか?

ピカピカに加工されていなくても、これだけで十分きれいです。

木の奥の方に実があるの、分かりますか?

ガイドのヘンリーさんいわく「このあたりには、スコーピオンがでるから、石の下や草の下を見るときは注意してね」とのこと。

ス、スコーピオンですか!!!

見たい! スコ―ピオン(さそり)見たい!! そう思って、片っ端から石やら草やらを裏返してみましたが、結局スコーピオンに出会うことはありませんでした。

いよいよウェルウィッチアとご対面

楽しい寄り道を繰り返すこと1時間半、やっと到達したのが野生のウェルウィッチアが群生するエリア

近付くにつれて、ポツン、ポツンとその姿が目に留まり、ワクワク感ハンパない。

そして到着。そしてウェルウィッチア!!

ウェルウィッチア_ツアー_ナミビア

わあ地味!!

ウェルウィッチア_ツアー_ナミビア

か、枯れてないんだからねっ!!

ウェルウィッチア_ツアー_ナミビア

ほんとに枯れてません。

ウェルウィッチア_ツアー_ナミビア

期待通りの圧倒的な地味さ加減にうれしくなります

とりあえず触ってみたんですけど、この内側の白っぽい部分は、それはもう石のように硬いです

ウェルウィッチア_ツアー_ナミビア

しっかりとした葉っぱもこれまた硬く、触り心地でいうと、段ボールみたいな感じ

ウェルウィッチア_ツアー_ナミビア

たくさんのウェルウィッチアが自生する小道で車を降り、ガイドのヘンリーさんの説明を聞きます。

ウェルウィッチア_ツアー_ナミビア

私が事前に調べていた情報に加え、新たな知識を授けていただき、すごく勉強になりました。

まず、若い個体がいないから絶滅が危惧されているという情報ですが、これは若干語弊があります。だってこのエリアには、若い個体がたくさん。

ウェルウィッチア_ツアー_ナミビア

まだ葉っぱがボロボロになっていない30歳くらいのサイズや、50歳くらいのサイズもちらほら。2,000年以上も生きる彼らからするとこれらはまだまだピチピチです

ただし、この先、1,000年、2,000年となるとそれがなかなか難しいそう。昔まだ水分が少しでもあったころに育っていたウェルウィッチアは、根っこもしっかり伸ばせ、水分も吸収できるので非常に長生きしています。だから、気候の変動により、今のように激しく乾燥していてもなんとかなっているらしいのです。

しかし、これから若い個体が成長しようとすると、根っこを水分のある層まで伸ばすことができず、途中で枯れてしまうんだそう

がんばろうよ!! ウェルウィッチア。

30歳とかさ、まだまだこれからじゃん。しかしまあご老体のウェルウィッチアしかいないと思っていた私からすると、若い個体というのはなんだかフレッシュでいいですね。若くてもゴミみたいですけど。

それからもうひとつ新発見。なんとなく“孤高の植物”的な感じのイメージがあり、過酷な環境下にありながら、それに屈することなく、孤独ながらも力強く生きている、みたいなウェルウィッチア像を思い描いていたのですが、

実はウェルウィッチアには、

オスの株とメスの株があるんですって。

遠目に見ると同じように見えますが、メスの株は、コーンのようなパーツが映えています。これは、めしべっていうんですかね?

ウェルウィッチア_ツアー_ナミビア

オスの株はもっと小さいおしべ的なパーツを付けるのが特徴です。虫じゃないです。

ウェルウィッチア_ツアー_ナミビア

正確にどういう方法で受粉するのか実はまだはっきり特定されてはいないそうですが、とにかくこの2種類の株があって初めて、新しい個体が誕生するというわけです。

なあんだ、意外と孤独じゃなかったね。

なんか勝手に憧れて「私もウェルウィッチアみたいに強くたくましく生きて行かなきゃだな」なんて思っておりましたが、これは大変失礼いたしました。

ウェルウィッチア、パートナーといい感じじゃん。

オスのウェルウィッチア(左)とメスのウェルウィッチア(右)が仲良く並んで生えている様子。

ウェルウィッチア_ツアー_ナミビア

2枚の葉の内側が違うの分かりますか? これを待ち受けにすると恋愛成就もしくは末永くパートナーといっしょにいられるとかそういう効果があるかもしれません。ぜひどうぞ。

たくさんのウェルウィッチアを目の当たりにし、うれしくてたまらない私。聖なるバオバブ「ツィタカクイケ」に続き、今回もまた植物に異常に萌えるという危うい状態。(前回の植物萌えはこちらの投稿)

「オスの株」のウェルウィッチアと仲良く記念撮影。

ウェルウィッチア_ツアー_ナミビア

私が見つけた、一番小さい(若い)個体。ガイドのヘンリーさんいわく、たぶん私と同い年ぐらいだそう。

ウェルウィッチア_ツアー_ナミビア

ところで写真の右下に、小さな緑色の双葉が生えているのお気づきになりました?

ウェルウィッチア_ツアー_ナミビア

これは完全に生後間もないウェルウィッチア発見!!

このサイズだともう去年か今年ぐらいに生まれたんじゃないの、これは大発見!! なんてことを確信して、ガイドのヘンリーさんに尋ねてみます。

わ、わたし、生まれたばかりのウェルウィッチア見つけちゃったんですけど!! こんな若いのなかなか見られないですよね。すごいですよね。どうですか」

「あーこれ、オニオンの一種だわ。

ウェルウィッチアじゃないよね。だってウェルウィッチアの若い芽は、緑じゃなくて赤いんだよ」

「……。」

玉ねぎの一種だという草を、スケール分かりやすくするためにiPhone6と並べて撮影した貴重な1枚。

ウェルウィッチア_ツアー_ナミビア

こうしてウェルウィッチアを思う存分堪能し、帰路に付きます。

途中で見つけた変な地層。

ムーンランドスケープ_ナミビア

ムーンランドスケープと白い月と空の色

ちょうどサンセットのタイミングで、ムーンランドスケープのビューポイントに到着。

ムーンランドスケープ_ナミビア

行ったことはありませんが、そこからの景色はまさに月面

ムーンランドスケープ_ナミビア

無機質、無彩色の大地に、動くものは何一つなく、生命の存在を感じさせない独特の雰囲気。

ムーンランドスケープ_ナミビア

まわりには当然高い建物なんてなく、砂漠に沈みゆく夕日がすごく美しく見える絶景ポイントでもあります。

なんだか変形しながら沈んでゆく太陽。

ムーンランドスケープ_ナミビア

ナミビア最後の夕日も美しかったです。

日が沈み、それでもほんのり明るい空の色。そのグラデーションが、今まで見た中で一番美しかったです。

パノラマ写真。

ムーンランドスケープ_ナミビア

左側が、夕日の沈んだ西の空。右側がその光に照らされる東の空。

ムーンランドスケープの上空に月が現れます。淡いピンクとグレーに彩られた、なんとも言えないはかなげない色の空に、ぽつんと浮かぶ白い月。

ムーンランドスケープ_ナミビア

日中の凶悪な灼熱っぷりが嘘のように、夜に向けて涼しくなり始めた気温と相まって、なんとなく、旅の終わりの寂しさを感じました。

明日は、ナミビアを出国し、ザンビア・ボツワナ・ジンバブエ方面と北上します。明日も楽しんでまいりましょう。それでは本日も、最後まで読んでくださってありがとうございました。

ウェルウィッチア&ムーンランドスケープ半日ツアー詳細

【ツアー会社】CHARLY’S DESERT TOURS

こちらの公式ページに詳細書いてあります。二人以上でないと催行しないと書かれておりますが、他に申し込んでいる人がいる可能性がありますので、おひとり様の場合でも、確認をしてみる価値ありです。直接確認が難しい方は、スワコップムントの旅行代理店「Namib i」というところに足を運んでみてください。確認してくれます。「Namib i」の詳細は昨日の投稿をご覧ください。

【時間】午前の部8:30~12:30、午後の部14:00~18:00

【料金】1人650ナミビアドル(約4,550円)

【アドバイス】このツアーは、現在2,000歳くらいだと言われている、この地域で最も大きなウェルウィッチアには行きませんのでご注意ください。こちらのツアーで行くウェルウィッチアはむしろ若い。そして自分の手で触ることができます。2,000歳の方は、確か柵で囲ってあったような。お好みに合わせてどうぞ。

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コメント2件

  • Sachi より:

    はじめまして、mayumiさん。
    昨日、出来心で夫婦ウェルウィッチアの写真をダウンロードしたのですが、今朝バスで男性から声をかけられました。縁結びの効果があるのかもしれませんね~。

    なんだかウェルウィッチアに俄然興味がわいてきました( ✧Д✧)

    • mayumi mayumi より:

      Sachiさん
      素敵すぎるコメントありがとうございます!!
      ウェルウィッチアマジックですね!!
      私もあやかりたい気持ちでいっぱいです(o^^o)
      あ、ウェルウィッチアは、受粉しても芽がでる確率0.04%だとガイドさんが言ってました!なんか、いい感じなら、大切に育ててください!!

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