マダガスカル(21)燃える地獄のレッドツィンギーでカメレオンに萌える
現在マダガスカルを旅行中の私は、島の北部の町「ディエゴ・スアレス」からおよそ100km、車で約3時間の「アンカラナ特別保護区」にいます。本日は、世界一周出発前から「絶対に行きたい」と思っていた世にも不思議な絶景をドドンとたっぷりご案内します。
【現在地】アンカラナ特別保護区(マダガスカル)
Ankarana Resetve(Madagascar)
【天候】晴れ
【気温・湿度】36度・38%(昼)
【為替】100マダガスカルアリアリ=約3.4円
アンカラナ特別保護区のツィンギー
このブログを読んでくださっている方は「ツィンギー」というものをご存知でしょうか? “ツインギー”とは「先のとがった、鋭い」という意味で、マダガスカルにある独特の地形のことを指します。
メジャーなスポットは2か所あり、マダガスカル西部にある「ベマラハ国立公園」が国内最大で、世界遺産にも登録されています。もうひとつが今私がいる「アンカラナ特別保護区」にあるツィンギー。
今日行ってきましたので写真を掲載いたしますね。
こんなふうに無数の切り立った細い岩が折り重なるようにそびえたつ不思議な場所。これは、地表に現れた石灰岩が何万年もかけて風雨にさらされてできたものなんだそうです。
私の地元である山口県にも、秋吉台というカルスト台地で有名な場所がありますが、それと比べるとかなり痛そう。針山みたい。
整然としつつも、どこか荒々しい雰囲気満点のこの地形は、世界でもここマダガスカルでしかお目にかかれず、この国を訪れた旅行者が必ず見に行くと言っても過言ではありません。うっそうと茂った森林の中に突然現れるこの景観は、まさに異世界。
本日はこのアンカラナ特別保護区を3時間ほどトレッキングしましたが、このツインギーのほかにあと2か所「バット・ケイブ(コウモリ洞窟)」、「ホール・オブ・リバー(川の穴)」に行きました。
バット・ケイブ(コウモリ洞窟)は、このようなでっかい地下へと続く穴を目指し、どんどん山道を下って行きます。
洞窟の入り口から見上げた状態。
そうして、真っ暗な洞窟に入ります。真っ暗すぎてライトを持参しないと何も見えないのですが、そこは私も抜かりなくしっかりちゃっかりライト持参。
コ、コウモリー!!
その名のとおり、尋常じゃないコウモリの数に若干引き気味で奥へ奥へと進んでいくと、そこにあったのは、謎のキラキラした石。
写真で見てもまったくキレイではありませんが、実物は完全に、飛行石。
石の中に含まれる飛行石がキラキラと輝く様はびっくりするぐらい美しく、しばし言葉を失いました。
「夕べから石たちが妙に騒ぎおってな」つってね(『天空の城ラピュタ』)。
この洞窟には、昔この国の王が隠れ住んでいたこともあり、戦いでたくさんの人が籠城していたそう。ガイドに「メニー、メニー、スケルトン」とか言われつつ、
心霊写真撮れちゃったらどうしよう…
と思いながらもつい撮影してしまった洞窟内部。
ぜんぜん目玉焼の乗ったパンとか食べる雰囲気ではないよ、というのは写真を見ればお分かりいただけると思います。私が気付いてないだけで、上の写真に何か写り込んじゃってる風だったら、コメント欄で教えてください。すぐ消します。
飛行石の洞窟探検はなかなかエキサイティング。もしアンカラナ特別保護区に行かれる際は、ぜひ「バットケイブ」をガイドにリクエストしてみてください。
「ホール・オブ・リバー(川の穴)」は、雨季になると3方向から川の水が流入してきて、渦を巻きながらこの大きな穴に流れ込んでいくという場所。今は乾季なのでカラッカラですが、でっかい穴はそれはそれはインパクトがあり自然が作る景観に度肝を抜かれました。
ちなみに、このアンカラナ特別保護区はツィンギー以外にも、さまざまな動物を見られることで人気を博しています。なにに出会えるかは完全に運ではあるのですが、私は「リモ」という猿とお会いすることができました。日本語だとなんていう名前なんでしょうか。猿のこと詳しくないので分かりません。
かなり近づいても逃げることなく、つぶらな瞳で見つめてきます。猿はあんまりかわいくないと思っていましたが、けっこうかわいいのね。
ここまでご紹介してきましたのが、アンカラナ特別保護区の“ノーマル”ツインギー。これはこれで、もちろん「すげーなあ」と感嘆するのですがしかし、私が強く見たいと思っていたのはこちらでありません。私が、世界一周出発前から絶対行きたいと思っていたのは、
真っ赤な地獄の炎に照らし出された針山。
その名も「レッド・ツィンギー」なのです。
レッド・ツインギーへの渇望
実はマダガスカルには、上で紹介した白というかグレーのツインギー以外にもう1種「レッド・ツィンギー」なるものが存在します。タイトルにも書きましたがその光景はまさに「燃える地獄」。形状は、ノーマルツィンギーと似ていて地獄の針の山のようにとがっています。しかし、絶対的に違うのがその色。そう、赤いんです。
赤々と燃えるような、想像を絶する景観に、訪れる人は言葉もなく立ち尽くす、なんて言われています。
英語で言うと「Red Spiky Rock」、フランス語で言うと「Les Tsingy Rouges」。最初にインターネットかなんかで写真を見たときにグッときまして、これはぜひこの目で見なければと強く思ったものです。
ノーマルツィンギーとレッドツィンギー。この2種が比較的近くにあり、いっしょに見に行ける場所こそが北部のこのエリア。わざわざ南部から2,000kmを走り抜けてきたのはそのためです。
レッドツィンギーがあるのは、ノーマルツィンギーを抱える「アンカラナ特別保護区」から2時間くらいの場所。こちらも森の中です。たどり着くまでの道は未舗装のガタガタぼこぼこ状態ですので、4WD車でないと行くことができません。
道中は、緑あふれる爽やかな景観が広がっており、きんもくせいを30倍くらい薄めにしたようないい香りの花も咲いています。
このような山の中をどんどん進んでいくと、ついに車が停車。レッド・ツィンギーに到着です。車を停めた場所からは、そんなものがある気配は全く感じられません。ツインギーの場所を示す看板に沿って
どこにあるんだろうと歩いていくと、いきなり視界が開け、
ついに憧れのレッド・ツィンギーとご対面。
あ、赤い!!!
突然視界いっぱいに広がったこの世のものとは思えない真っ赤に染まる不思議な大地。
も、もしかして、サードインパクト起きちゃった!?
ニアですか? ニアの状態で止まってます?
そう思わせるほどの真っ赤な世界に圧倒されまくり。ここまで燃えるような深みのある赤だとは、想像以上。まるで地球ではないみたいな地形と異様な赤さが織りなす様はなんだかとても幻想的。
これが地獄か…。
こんな地形が自然にできちゃうんだから、やっぱマダガスカルってすごいわあ。
このレッド・ツィンギーを見られるスポットは3か所あって、1つは「スモールツィンギー」。
上から見下ろす感じになるのですが、わりと小規模でこじんまりしています。でも形はかなり美しく整ったレッドツィンギーが見られます。
続いて「キャニオン・ツィンギー」こちらはその名のとおり渓谷になっていて、最も赤さを満喫できるフォトジュニックな場所。
谷底を埋め尽くすレッドツィンギーは圧巻です。
そして、最後は、もっとも近くでレッド・ツィンギーを見られる「ツインギー・ルージュ」。ルージュはフランス語で“赤”を意味します。
遠くから見ると、どう見ても“爆心地”。車を停車できる場所から少し歩くのですが、こちらは、なんとツィンギーの真横まで降りていくことができるんです。壊さない程度に触ったり、一緒に写真を撮ったり、大興奮ですよねこれは。こんな経験、ここでしかできません。
近くで見ると、白っぽい色合い。
サイズ感をお伝えしたいのでしぶしぶ貼り付けますけど、ものすごく微妙な私の写真。
なんでいつもちゃんとした写真が撮れないんだろう。
「やばーい!! あかーい!! 不思議ー!! 」
完全な日本語で叫びつつ、過度な興奮状態から抜け出せない私。だって、夢にまで見た不思議な赤い岩が、今目の前にあるんですもの。
そんな私のもとに、突然1匹のお客様が現れます。
正確にはお客様は私の方で、彼はもともとここの住人。それが、こちらの、
カメレオンさん!!
サイズからしてたぶんまだ子供。生まれて初めて野生のカメレオンを目の当たりにした私は思いました。
やだかわいい///
カメレオン、小さい。かわいいよカメレオン。被写体のメインがレッドツィンギーからカメレオンに移行。
カメレオンがこんなにかわいいとは思いませんでした。こちらは「ホワイトリップカメレオン」という種類らしいです。そのまんま、口が白いから。
こうして、燃えるツインギーの横で、カメレオンに萌えつつ幸せな時間を過ごし、憧れの赤い大地を後にしたのでした。
宿泊はアンカラナ特別保護区の「Aurelien(オウレリアン)」
アンカラナ特別保護区の真横にあるリーズナブルなホテルに滞在。バンガローになっている各お部屋には、きれいなお花が咲き誇っていて、とてもかわいい。
ただし、目の前にあるのは、
あの貞子さんが登場なさるんじゃないかと思わざるをえない井戸。
まさかのマダガスカルでご対面なんて、いろんな意味でどうしたらよいのかわからないなと微妙な気持ちでいっぱいでした。
晩御飯は、安定のおいしさで私の心を掴んで離さないスープシノワーズと
濃厚なココナッツとカレー味のハーモニーが癖になるチキンのココナッツ煮込み。
伝統的な刺繍を施したかわいいテーブルクロスとバオバブの置物。
ホテル情報の詳細はこちらです。
ここにたどり着くまでにものすごく時間とお金がかかったような気がしますが、やっぱり来てよかった。この先マダガスカルに行かれる予定がある方は、ぜひともツィンギーを訪問してみるとよいのではないかと思います。
あ、カメレオンはデフォルトで付いてくるわけではありませんのであしからず。
以上で、本日のツィンギーまみれの投稿は終わりです。
本日もまた、最後までお付き合いくださってありがとうございました。
mayumiさん、おひさしぶりです!
カメレオン可愛すぎて、すげー昔の記事にコメントしちゃいました。笑
旅しながらも安定の毎日ぎゅぎゅっと情報のつまった記事の更新さすがっす。全然読むのが追いつかないw
私はアフリカはモロッコ(エジプトも?)にしか行かないつもりなので、mayumiさんの記事でアフリカ旅した気分になりますね、勝手にwこれからも楽しみにしてまーす!