マダガスカル(20)ディエゴ・スアレスで手に入れた地獄への片道切符
現在、世界一周の途にある私は、マダガスカルの北端の町「ディエゴ・スアレス」という町にいます。マダガスカル島の北の端ですね。本日は、意味不明の長距離移動を経てこんなところまでやってきた理由と、この「ディエゴ・スアレス」の街歩きについてレポートしたいと思います。
【現在地】ディエゴ・スアレス/別名アンツィラナナ(マダガスカル)
Diego-Suárez(Madagascar)
【天候】晴れ
【気温・湿度】36度・40%(昼)
【為替】100マダガスカルアリアリ=約3.4円
「地獄」へ連れて行ってくれる旅行会社を探そう
早朝6時過ぎにホテルにチェックインした私は、シャワーを浴びてすっきりさっぱりリフレッシュ。旅に出る前は、お風呂とかシャワーとか全然好きではありませんでしたが、ここ最近は、その必要性を身をもって感じています。ほっとくと、砂やほこりまみれの髪の毛が、自然とドレッドになりそう。今回の宿泊先は「Hotel Le Colbert(ホテル・ル・コルベール)」。
一番お安い部屋でも一泊70,000アリアリ(約2,380円)と、貧しい私からすると少し高級。しかしそのおかげで、シャワーはたっぷりとお湯が出て、Wifiもサクサク。文明のありがたみを痛感。
コーヒーを淹れ、しばしネットに接続しいろいろチェックしたりして時間をつぶします。8時ごろホテルを出発し、町の中心部へと足を運びます。この町は、港を利用した交易の拠点ということもあり、やや人も多く、ほんの少しだけ洗練された印象。
この地域を治めていたフランス、さらにその前から交易のあったアラブやアジアの方々も多く住んでいらっしゃいまして、町を歩いているだけで多国籍な感じが伝わってきます。確かにイスラム教の衣服に身を包んだ中東っぽい方や、我々と顔の薄さが近しいアジアっぽい方々もたくさんお見かけするんです。
町中に、イスラム教のモスクがあったり、ベトナム料理のレストランがあったり、いろいろ混ざっていて独特の雰囲気。
この日、まず私がしなければならないのは、この町へ来た最大の目的である“絶対に行きたい場所”へのツアーに申し込むこと。
焦らしても仕方ないんで普通に書きますが「ツィンギー」と呼ばれる自然が生み出すアメイジングな景観。それをどうしても見たくって。タイトルにも書きましたが、まるで「地獄」にようだと表現される、それはもうインパクトのある絶景スポットらしいんですよ。
あ、今ググんないでください。
明日の投稿で、私が撮った写真とともにドドンとご紹介できる予定ですので…。お願い我慢して。
たぶん、バオバブの次に有名なマダガスカルのメジャーな観光資源だと思われるツィンギー。この「ディエゴスアレス」から100kmほど離れた山中には2か所の有名なスポットが存在します。
ほんと今ググんないでね。
100kmだとそんなに遠くないよね、と思われるかもしれませんが、ここはマダガスカル。道路なんてあってないようなものですよ。必ず4WD車で行く必要がありますし、公認のガイドを伴わないと入れない場所。
町中には複数の旅行会社があり、各社金額に差がありますから、いろいろ聞いて比較検討しなければなりません。めんどくせぇなあ。
ということで、4軒まわってみたんですけどね、どうやら私が希望する2か所を1日でまわって戻ってくるというのは、けっこう時間的にハードみたいです。みなさん口を揃えてそうおっしゃるから、きっとそうなんでしょうね。
で、4社ともやや料金に差があるものの、
どれもクッソ高い。
完全に「おひとりさまだから」という理由なんですけどね。ほんとこれ、ぼっち旅行の経済的デメリット。どうにかならんものですかね。
それでもここまで来て「行かない」という選択肢はもちろんありませんから行くんですけども、私が選んだ旅行会社は、金額的には2番目に安かったところ。なぜ1番ではないかと言うと、この会社の担当者さんが、より私の要望についてしっかり考えてくれてスケジュールを組んでくれたからにほかなりません。私の希望は、
- 2か所のツィンギーに行きたい
- できるだけたっぷり時間を使って観察したい
- その翌日には次の町に移動しなければいけないから1日でまわりたい
ほかの旅行代理店は、朝7:00ホテルピックアップ、1日でパパッと観光して、夜戻ってくるというコース。
しかし、私が申し込んだ「DIEGO QUADS AVENTURE」
という旅行代理店のナディーナさん
が提案してくれたコースだけは違いました。
「あなたが希望する場所は、ここから100km離れているの。あなたもこの国を旅してきたなら分かるでしょ? たった100kmでもここから3時間くらいかかるわ。それに、外が暗くなってしまったら、もう観光もできないし、思っている以上にハードなスケジュールよ…」
最初はそのように言われましたが、私の希望は変わりません。そこでナディーナさんから提案が。
「あなた、明日早起きできる? そうね、朝5時30分よ。5時30分にガイドとドライバーがあなたのホテルまで迎えに行くよう手配するから、そこから観光をスタートするの。そうすれば、たくさん観られるでしょ」
早起きはそんなに苦手ではないので、それはこちらとしてもうれしい。
さらに「あなたが次に行く町と、ここディエゴ・スアレスとの中間地点にツアーの目的地があるわ。だから、明日ツアーが終わったらわざわざここまで戻ってくることはないのよ。時間の無駄だもの。ツアーの目的地の周りには簡易的なホテルがあるから、日が沈むまでめいいっぱい観光して、夜はそのホテルに泊まれるよう予約しておいてあげるから」
どうやら、上の地図のような位置関係にあり、私が行きたい世にも素敵な「地獄」は、片道切符がおすすめらしい。
で、この1日ツアーと、翌日の次の町までの移動で見積金額230ユーロ(約28,270円)。
「ナディーナさん、これは私にはちょっと高すぎます。
どうにかしてもらえませんか」
全力でディスカウントを申し出たところ、新たな提案が。
「わかったわ。じゃあ、ガイドとドライバーは明日1日だけ。明後日はあなたが自分でタクシーブルースに乗って目的地まで行くっていうのはどう? それもいい経験よ」
だよね。結局タクシーブルースだよね。
こうして少しだけ値段が下がり、ツアー代金190ユーロ(約23,350円)。
この旅行で、一か所に払う代金の最高額を記録。でもまあ仕方ありません。ナディーナさんの旅行代理店スタッフとしての提案力と誠実そうな人柄に惹かれた私は、このツアーにすることに決めました。
このルートについて詳細をまとめたページはこちら。
さて「ディアゴ・スアレス」とはどんな町?
時間は午前10時。マダガスカルは南半球にありまして、日本とは逆。つまり島の最北端にある「ディアゴ・スアレス」は、ほかの町に比べると、かなり暑い。日差しも強く、ギラギラ照り付ける太陽はけっこう凶悪です。
ツアー会社行脚にぐったりしたので、とりあえずアイスを買って食べながらホテルまで戻ります。
歩いていると、すれ違う現地の人がニコニコしながら「Bon appetit!! (ボナペティ=おいしく召し上がれ)」と言ってくれて、すごく楽しくなる私。
ここもまたいい感じの町のようです。
一旦ホテルに戻り、12時少し過ぎに町に出てみます。
なんと、ほとんどのお店は閉まっていて、車も全然走っていない。町をあげて12時から13時くらいまではお昼休みのようです。
町のお昼休みが終わるまで、この町からタクシーで45分くらい言ったところにある「ラメナ」という小さな村に行くことにします。海がすごくキレイらしいということですよ。タクシー往復で50,000アリアリ(約1,700円)。
この町のタクシーは鮮やかな黄色で、車体はとても古いです。そこがすごくかわいいんですけどね、全体的にだいぶくたびれています。
このフロントガラスから見える景色がまたいいじゃないですか。
途中で素敵な眺めのスポットを発見。
海の上に不思議なとんがり山が浮かんでいます。
ラメナ村に着いて海に出ますが、まあそんなにキレイってほどでもなく…。じつはここよりもっと北にボートで行くともっときれいだそうですが、本日はその便が終わっておりました。
安定のコーラで一休みし、
またディエゴスアレスに戻ります。途中でタクシー故障。
もうね、慣れました。この国の車の故障率の高さは異常。故障しないほうが少ないです。でもドライバーのみなさんは、ご自身で修理するというスキルをお持ちですから、すぐ治ります。
何事もなかったかのように再び乗車。
あ、今見ると、裸足で運転してんのね。
そうして戻ってきて町をふらふらしていると、怪しげなミッキー的なやつを発見。
手首、複雑骨折。
っていうか、ちぎれる寸前。そしてここで見つけてしまったのがこちら。
ケ、ケーキぃぃぃ!!!!
私の世界で一番好きな食べ物は、何を隠そう
生クリーム。
甘いもの全般大好きなんですけど、やっぱり一番は生クリーム。ショートケーキでいうと、イチゴとかスポンジ部分とか無くてもおけ。生クリームをなんとなくケーキの形にしてお皿に盛り付けてもらえれば、それだけで幸せいっぱいです。
しかし、日本で食べるあのおいしい生クリーム、海外でお目にかかれることはまずありません。こうして実においしそうなケーキの上に、
あたかも生クリームかのようにたっぷり乗っているのは、絶対に生クリームではなく、たぶんバタークリーム的な完全に別物のそれ。でも、
「ひょっとしたら…、もしかしたら…」
そんな風に期待してしまう自分もいます。
「あぁ生クリーム食べたいなあ」
最後に生クリームを食べたのは、3月のお誕生日でしたかね。もう2ヶ月も生クリームを摂取していないなんて…。
ショーケースの中のケーキの上に乗っているのが生クリームかもしれないというわずかな可能性に賭けて注文してみます。
はい残念。
これはもう間違いなく完全にバタークリームでした。そんなこと知ってましたけどね。やっぱりそうか、と気を落としながらも、甘いものは正義ですから、しっかり完食。
胃が、重い。
ほかに町で見かけたものと言えば、海っぽい雰囲気だけは高めてくれそうなお土産屋さん。お土産屋さん?
最新のメンズファッションと思われるマネキン。
マダガスカルらしいおされな感じの絵が描かれた布も売ってます。
メインストリートが1本あり、すべてはその両サイドに配置されているような小さな町ですが、観光客向けのお店やレストランも数件見かけました。
こうしていろいろ散策し、路上で売ってた晩御飯を食べて本日は終了。
本日のご飯は、串に刺した牛肉とかサモサとか好きなのを選んで食べるタイプ。
おなかいっぱいで、60円。路上飯最高。
最後に、本日購入した超絶気に入っているおみやげを自慢させていただきます。それがこちら。
スタンプです。首都のアンタナナリボでも売っていましたが、値段を聞くとこちらのほうが安かったので作りました。
作ってくれるのは彼ら。
注文して、代金10,000アリアリ(約340円)をお渡しして、1時間後に取りに行くと出来上がったものを受け取れます。
お店、というかブースですが、ここに見本のスタンプがたくさん押してあって、その中から好きなのを選ぶと言うスタイル。
私は、マダガスカルの中でも、特に思い出深い「バオバブ」と「タクシーブルース」がデザインされたやつをチョイス。
普通に完成品を売っているもんだとばかり思っていたら、注文してから手作業で作るっておっしゃるじゃないですか。
だったらぜひ…ということで、
スタンプに鍵のマークを入れていただきました。
やだかわいい///
フランス語全然話せない私が「もともとのデザインに入ってる鳥っぽいシルエットの部分あるでしょ、そこを鍵のマークに変えてほしいんだよね」って説明するのがとても難しかったのですが、この仕上がりにとても大満足です。
ゆるい描画。手作りのあたたかみ。
そしてなんと言っても世界にたった一つ。
スタンプこんな風になっています。
これ本当にお気に入り。この先マダガスカルに行かれる方に、ぜひぜひスタンプ作りをおすすめしたいです。
ということで、本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。明日は、本日ご紹介した「ツィンギー」について、しっかりレポートしたいと思います。
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