マダガスカル(14)ダイバーは海から登場するのが基本ですよね
現在マダガスカルを旅行中の私は、南西部にある「アナカウ(Anakao)」という村にいます。本日の朝、「トゥリアーラ」を出発し、ボートに乗ってここまでやってまいりました。目的は、そう、なんと言ってもダイビング。ここ数日で私の身にたっぷりとこびりついて離れない砂埃と排気ガスを、一旦、クリーンな海で洗い流そうじゃないですか、という計画です。
【現在地】アナカウ(マダガスカル)
Anakao(Madagascar)
【天候】晴れ
【気温・湿度】28度・60%(昼)
【為替】100マダガスカルアリアリ=約3.4円
アナカウってどこですか?
まず、私が目指す「アナカウ(アナカオとも言う)」についてご説明いたしましょう。朝までいた南西部の比較的大きな町は「トゥリアーラ」。ここは交通の要所となっていて、首都のアンタナナリボから、まっすぐ南下してくれば12~14時間くらいで到着するような町。
このルートは、道もそれなりに舗装されていているので、旅行者にも嬉しい場所。その「トゥリアーラ」を起点とし、北と南にそれぞれ“リゾート”と呼ばれる村があります。
北は「イファティ」という村で、南がここ「アナカウ」です。
モザンビーク海峡に面したこのあたりの海は、透明度が高く、非常に美しいことで有名。サンゴ礁の規模が、世界トップクラスなんですって。オーストラリアのグレートバリアリーフに次いで、世界第2位の長さ。約40kmにもわたって、サンゴリーフが見られます。
そういえば、こないだ中米のベリーズの海について調べてたら、ここもグレートバリアリーフに次いで第2位とか出てきた気がするんですけどね。世の中言ったもん勝ちですね。
ということで、「海大好き! ダイビング最高! 」みたいな旅行者は、だいたい北の「イファティ」か南の「アナカウ」をセレクトして旅の疲れを癒します。
今回私が選んだのは、南の「アナカウ」。理由は、『地球の歩き方』に、このような記述があったから。(下記、『地球の歩き方/マダガスカル』より引用)
アナカウの見どころは、沖合3kmに浮かぶヌシ・ヴェ(Nosy Ve)。もともとは海賊の住みかだった島で
こっちにします!!
か、かっ、かか海賊で決まり!
ということで、迷うことなく「アナカウ」を選択した私は、どうやって行けばいいかについて調べます。その結果、分ったことは、
陸続きなのに車では行けないらしい。
たぶんものすごく時間がかかる。ガッタガタで未舗装の道なき道、な感じなんだと思います。だったら、海からアクセスすればいいじゃない! ってことで
ボートでビューンとショートカット。
宿泊先のホテルの人に、ボート会社に連絡してもらい、担当者と変わってもらいます。そして、翌日の朝9:30の便(っていうかこれしかない)を予約。
そして、今朝、トゥリアーラのボート乗り場までやってきました。こちらがボート会社「AnaKao Express」のオフィスです。
目の前海なんですけど、
クッソ汚い。
「世界2位とか絶対盛っただろ」なんて思いつつ、英語OKなおばさんにチケットを発券してもらいます。
値段は往復で100,000アリアリ(約3,400円)。マダガスカルの物価からすると鬼のように高いのですが、これから行くのは、マダガスカル屈指のリゾートヴィレッジ。仕方ありません。ちなみに、行きのチケットを買う際に、復路の日にちとどのホテルに宿泊するかを聞かれます。
私はこのとき、希望のホテルはあったものの、予約も何もしておらず「予約してないけど、このホテルにしようと思ってる」的なことを言ったら、それでもOKでした。戻ってくるときは、ホテルまで迎えに来てくれるらしいので、できれば決めておいた方がいいかもしれません。
こうしてチケットをGETした私は、牛の背に揺られ、ボートへ。
「AnaKao Express」完全に名前負け。
この、名前だけはかっこいい小舟に乗って、いざ「アナカオ」へ。
トゥリアーラの海の汚さにドン引きだっ私ですが、この「AnaKao Express」の上から見える海に、テンションが急上昇。
やばいじゃん!! 世界第2位のポテンシャルに期待。
移動情報の詳細はこちらにまとめています。
ダイバーは海からやってくる
「AnaKao Express」に揺られること1時間30分。どうやら「アナカウ」が近付いてきたようです。
私が泊まりたいと思っていたところは、ホテル兼ダイブショップの「Atlantis」というところ。アトランティス(伝説の超古代文明大陸・地上の楽園)とか、胸熱。
で、アナカウに到着ー。っていうかね、これ、まさかのビーチから直接ホテルにアクセス!!!
非常にダイバーっぽい登場の仕方。
ボートから降り、打ち寄せる波とともにアナカウに上陸。
私に気付いた「Atlantis」のスタッフさんと思われる男性が駆け寄ってきます。
予想外のアクセス方法にテンションが上がりつつ、私は大きな声で叫びました。
「アイ・アム・ダイバー!! アイ・ワナ・ステイ・ヒア!! 」
スタッフさんもまた大きな声で答えます!
「オーケー!! ウェルカーム!!! 」
今振り返ってみると、これ泊まれたからいいものの、万が一、部屋が一杯だったらと考えるとゾッとします。どうせ村の端の船着き場っぽいところに降ろされるんだろうから、希望のホテルがいっぱいだったら適当に宿探しすればいいか、みたいな甘い考えで行くと、たぶん後悔します。
洋上で「路頭に迷う」ということすらできず、地上の楽園をチラ見して、クッソ汚いトゥリアーラに逆戻りとか泣ける。勢いだけではどうにもなりませんので、ぜひ行かれる際は、予約をおすすめします。
それから、このような方法でホテルまで行くことを考えると、帰りの日にちと、泊まるホテル決めておかなければならない理由が分かりますね。
かなりおしゃれな到着の仕方をした私は、このホテル「Atlantis」の素敵さに鼻血を出しそうになります。
まず、建物の外観。
まるで、『FIGARO voyage』(おされなトラベルマガジン)に出てきそう。いわゆる南国の隠れリゾートに建つプチホテル。かわいすぎて、涙が出そうになりました。
私が泊まっているコテージ。
コテージの窓からから見える景色。
くつろぎエリア。
くつろぎエリアから見える景色。
目の前の海、美しすぎて言葉を失います。
な、なんかすみません。ここ数日のやけにストイックな旅日記から一転、急にリゾートな感じになっちゃって、ごめんなさいね。
まるで、天国に突き落とされた気分。
宿のオーナーは、フランス人女性・ルホンさん。ダイビングのインストラクターでもあります。アポなしでいきなり海から登場した私に嫌な顔ひとつせず「ようこそ、アトランティスへ。ゆっくりしていってね」と歓迎してくれました。
さっそく、明日と明後日2本ずつ潜りたいと前のめりで伝えると、ダイビングギアが収納されている倉庫を見せてくれました。「機材はどうする? 」と聞かれて、かなり食い気味で答える私。
「アイ・ハブ・マイ・フィンズ!!! 」
そう。ついに出番です。
「わたし、フィン、持ってますから! 」
今日はダイビングはしませんが、目の前にこんなに美しい海があるんだから、スノーケリングをしない手はありません。さっそく自慢の真っ赤なフィンと、元同僚の皆様にお餞別としていただいたバッグを持ってビーチに。
1時間くらい泳いだ感想。
「ビーチ周辺には、魚1匹いないんですね」
それでも、透明すぎる海でプカプカ漂う至福のひとときを過ごしました。
戻ってくると、お昼御飯ができておりました。
カレーっぽい味付けの小エビの炒め物と豆。
料理をしてくれるスタッフさんは、朝と昼と夜にだけ食事を作りにやってきます。それ以外は帰ってしまいますので、事前にその日ご飯が必要かどうかを聞いてくれるというシステム。
ホテル周辺見事に何もないので「ホテルで食べる」一択なんですけどね。
誰もいない海で好き勝手に過ごす午後
午後の私はこんな感じ。
定点観測しても、数時間この体勢のままで、あとは、日の傾きに合わせてビーチチェアを移動させているだけでしたね。
こんな写真を見せられても、ブログを読んでくださっている方々は、何もおもしろくないと思います。私も、今この写真を自分で見ても何もおもしろくはありません。
「おいおい、海だ海だと大騒ぎして、水着姿のひとつも出さないのか」と少々ご立腹の方もいらっしゃるかもしれませんので、ここはひとつ、特別に、とっておきのやつをお見せしましょう。
綾波 in マダガスカル。
これで満足ですか。以前、世界一周の準備段階でご紹介した「痛タオル」です。
ハンモックバージョン。
まるで綾波がほほを染めながら「ポカポカする」って言っているかのようですね。
こんなことをしながら、徐々に日が暮れて行きました。
ホテル情報の詳細はこちらにまとめています。
そしてあの飲み物と再会
暗くなると、そろそろ晩御飯の時間です。実は私は昼間、ホテルに置いてあるメニューボードに、ちょっと気になる記述を発見していたのです。右下のあたりの文字、読めますか?
カ、カ、カシス!?
これを読んでいらっしゃる、私と面識のない方々にとって、ものすごくどうでもいいことだと思うのですが、私はお酒に弱くビールのひとつも飲めません。日本での飲み会の際、どうしていたかというともっぱらの「カシス党」。
私と面識のある方々は、もれなくご存じだと思うのですが、テッパンは、カシスリキュールの烏龍茶割り。いわゆるカシスウーロン。
これだと、3杯とか4杯とかいけちゃいます。
せっかくの海外旅行、旅先で会った方々と「飲みに行っちゃいますか!? 」的な“ウェーイ!! ”を繰り広げるために、お酒は欠かせないと思ってはいるのですが、いかんせん、海外でカシスウーロンを見かけない。
かといって、私の過積載なバックパックにカシスリキュールの瓶を加えるかっていうと、そこまで優先度が高いわけではありません。そうして、お酒を飲まないまま旅を続けておりましたが、なんとなんと、
ありました、カシス。
日本で見かける銘柄とは違うようですが、しっかりとカシスと書いてある。ということで、スタッフさんにリクエスト。
「とりあえず、カシスウーロン!! 」
「ねーよ!!!」
だよね。烏龍茶とかないですよね。ここマダガスカルですもんね。
ということで、スタッフさんといっしょに「お茶的な何か」について相談し、選んだのは…
「ピーチティー(リプトン)」。なんかよさげー! おいしそうー!
そして作っていただきました。カシスリキュールのピーチティー割り。
略して、カシスピーロン。
これはおいしい。日本で飲むカシスウーロンとは全く違います。あたりまえです。ウーロンで割っていません。日本で飲んでたやつは、もっとカシスがベリー系の味をしていたように思うのですが、これは、なんだか…
桃っぽい。
ピーチティーで割ったからです。
んー、結局「甘くておいしい」。以上。
で、晩御飯は、オーナーのルホンさんと、ダイビングマスターになるために長期滞在中のミッシェルさん(定年退職してフランスからお越しの男性)と3人で、すごくしっとりと穏やかに食べました。今まで潜った海でどこがよかったか、とか、アフリカでおすすめのダイブスポットはどこか、とかいろいろと教えてもらいました。
魚のムニエルとポテトです。
「どう考えても“ウェーイ!! ”とかする感じではないな」と思いつつ「私、“ウェーイ!! ”苦手なんだった」ということを思い出し、甘くておいしいカシスピーロンをちびちちびりとやりながら、アナカウの1日目終了。
こうして午後9時くらいに部屋に戻り、ブログを書いて就寝です。明日は待ちに待ったダイビングですから、しっかり睡眠をとって、体力を充電しておかなければなりません。
2つの村を比べてみよう! (私調べ)
最後に、トゥリアーラから行ける南北2か所のリゾートの比較について、独断と偏見で記します。
【イファティ】(Ifaty)
起点の町「トゥリアーラ」から北に約25km。(タクシーブルースでも行ける)
- 今いるダイビングショップ兼ホテルのスタッフさんから聞いた話。
・海、汚いよ
・人がたくさんいて、チャラいよ、ナンパとかされるよ
・酒とドラッグまみれ(たぶんおおげさ)
【アナカウ】(Anakao)
起点の町「トゥリアーラ」から南西に約40km。(「Anakau Express」というボートじゃないと行けない)
- 自分が滞在している感想。
・海、めっちゃきれい
・人が全然いない
・チャラくない。っていうか人がいない
・酒は、カシスリキュールがあるよ
このような感じでして、Ifaty行ってないですけど、ゆっくりのんびりしたい方はアナカウがおすすめでございます。浜辺で飲んで騒いで“ウェーイ!! ”したい人はぜひイファティに行ったらいいんじゃないですかね。
では、本日も、最後までお付き合いくださってありがとうございました。
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