グァテマラ(1)アンティグアからパナハッツェル。はじめてのチキンバス体験
世界一周的なことをしております私は、現在グァテマラにおります。昨日ホンジュラスのコパンを出発し、やってきましたアンティグア。ここは、グァテマラの首都グァテマラ・シティから車で約1時間。スペイン植民地時代の面影を残す、コロニアル様式の建物がかわいらしい、こじんまりとした町です。
【現在地】アンティグア(グァテマラ)
Antigua(Guatemala)
【気温】26度(昼)
【天気】晴れ
【通貨】1ケツァール=約15円
古くて趣のある町並みに加え、きれいで、おしゃれなカフェなんかもあったりして、旅行者からの人気も高いアンティグア。しかしながら、非常に残念なことに、今の私は、ちょっともうなんて言うか、
「コロニアル、おなかいっぱい」状態。
メキシコ2か月半、キューバ1か月、コロニアルにどっぷりつかっておりました。その結果、スペイン統治時代の面影を残すコロニアル様式の街並みを見ても、「わぁまたコロニアルかぁ」としか思わなくなってしまいました。
これが初見であれば、確実に、大興奮で「わぁーきれーい!! かわいいー!! 」なんて大騒ぎするんでしょうけど…。慣れってこわい。そんなわけで、ここアンティグアは今回はスルー。私が目指すのはパナハッチェルという町です。
グアテマラ入国にあたり考えたこと
グァテマラには、コロニアル建築が素敵なアンティグアをはじめ、バックパッカーの沈没スポット・フローレスや、少数民族さんの村へ行けるシェラなど魅力的な町がたくさんあります。さらに、ティカル遺跡という、規模の大きなマヤ遺跡があったり、個性豊かな少数民族の方々が暮らしていらっしゃったりと、みどころがたくさん。
物価も安いことから、多くの旅行者を惹きつけてやまない国。
ところがですね、そんな国を前にしてんのに、私の心の声は何と叫んでいるかというとですね、
「なんか疲れちゃった」
これですよ。先日メキシコでハンモックを買った際に、「定住したい欲」が出てきちゃってるなんていうお話を書いた気がいたしますが、ここでいったん旅を区切ろう、と思った理由の一つが、この“疲れちゃった”です。
もちろん肉体的な疲れもありますけど、それよりも、入ってくる情報量の多さ、それを消化しきれていないまま、次々と新しい事柄が飛び込んできて、うまく整理できていない感じに疲れたといいますか…。
短時間でものすごくたくさんのことを体験したり考えたりしたから、完全にキャパオーバー。インプットされてくるあれやこれやが、私の情報処理能力を超えてる。脳の容量が2TBくらいあったらなぁ。
おまけに、脳みその空き容量が減っていくにつれて、なんだか新しいこと、新しい場所への感動もだんだんと薄れてきたような…。とくに、メキシコとグァテマラって、もちろん全く同じではないですけど、似てるっちゃ似てる…。
これはまずいぞ。
外部ストレージをつなぐなんてことは物理的に無理でも、キャッシュのクリアとか再起動とか、とりあえず何かしら手を打って、空き容量の回復に努めないとやばいんですまじで。
コロニアル、おなかいっぱーい。少数民族、おなかいっぱーい。マヤ文明、おなかいっぱーい。
こんな状態でグァテマラを旅するのは、なんだかすごくもったいない。だったら、時間をおいて、もっとハラペコ状態でリベンジ旅したいなぁって思うんですよねぇ。
というわけで、今回のグァテマラ旅、テーマをひとつに絞ることにしました。
日本に持って帰るかわいいお土産を買おう!!
もうこれだけでいいです。このブログを通してもっとグァテマラのいろいろなところを見たかった方もいらっしゃるかもしれませんが、ほんとすみません、私が訪問するのは、お土産にぴったりのかわいい雑貨が揃う「アティトラン湖」周辺と、グァテマラで一番大きな雑貨マーケットが開かれる「チチカステナンゴ」のみ。今回は、この2か所をしっかりじっくり観光したいと思います。
アンティグアからパナハッツェルまでの行き方(チキンバス)
ホンジュラスのラセイバからコパン、コパンからアンティグア、とシャトルバスの恩恵にあやかりその便利さに味をしめておりました。目的地までドアトゥドアで連れて行ってくれる素敵な乗り物シャトルバス。ですから、アンティグアから、アティトラン湖の湖畔にある「パナハッツェル(panajachel)」に行くのにも、シャトルバスを遣おうと決めていたのです。
これ昨日夜の話ですけど、コパンからのシャトルバスでアンティグアに着いたのが20:30。そこからホテルまで歩き、チェックインしたのが21:00ごろでした。ホテルのスタッフさんに翌日(本日のこと)朝8:00発パナハッツェル行きのシャトルバスの予約をお願いしたのですが、さすがに時間が遅すぎたようで、満席とのこと。
えー残念。そんな私にホテルのスタッフさんから提案が。
スタッフさん「チキンバスって知ってる? 」
私「……はい。知っています」
スタッフさん「あれで行けばいいじゃん」
私「…ですよね。チキンバスで行けばいいですよね。チキンバスで行けばいいんですけどでもなーチキンバスかぁ」
この煮え切らないリアクションの理由はですね、チキンバスに対する悪評。
そもそもチキンバスチキンバス言ってますけど、これが何なのかって言うところから説明しますとですね、チキンバスとはこちらです。
グァテマラ全土で使用されている、地元の方々の足。もっともメジャーな公共交通手段で、グァテマラ名物みたいになっております。アンティグアの町中でも、世界遺産に登録された歴史的な景観を華麗にぶっ壊しながら、元気に走っているチキンバスをたくさん見かけます。
車体はおそらく北米でスクールバスとして使用されていたバスの払い下げ。それが現役で大活躍しているんですねえ。
その名前の由来は諸説あり、地元の方々が頻繁にチキン(ニワトリ)など生きた動物をこのバスを使って運搬するからだ、とか、単純に人間がチキンのようにぎゅうぎゅうに押し込まれて積み込まれるからだ、とか。
2人がけの席に3人から4人座るのはあたりまえ。そうやって詰め込まれるところまで含めでチキンバスですからね。乗り心地はあまりよくないでしょうねぇ…。
特徴はデコトラ顔負けのド派手な車体と、過積載にも関わらず最高速度で目的地を目指すハードドライブっぷり。交通事故にあった、揺れ方が尋常じゃない、横Gがすごい、なんていう経験者のコメントもありました。
このあたり聞いただけでもイヤな人はイヤだと思うのですが、さらに、
強盗に合う、スリに合うという体験談もあるんですよねぇ。
考えうる限りの、ありとあらゆるリスクを背負っての移動。
こんなのはイヤでしょう。私はイヤです。ただ、どうやらそれしか手段がないって言うんだから、乗るしかないんですねぇ。あぁイヤだなあ。強盗にあいたくないなぁ。と暗い気持ちでバス乗り場に向かいます。
アンティグアからパナハッツェルまで行くバスの乗り場はこちらです。
クラフトマーケットの裏。このあたりに朝の6:50くらいに行くと、バスのスタッフさんのような人と、ほかの旅行者さんが集まっていますので、たぶんわかると思います。
出たよチキンバス。本日乗車するバスです。
見た目はなんか勢いがあってかっこいいんだけどなぁ。アンティグアからパナハッツェルまで36ケツァール(約540円)。
大きな荷物は屋根の上に乗せてくれます。
7:00 アンティグア出発
出発時はガラガラです。
広々とシートを使うことができ、途中でバスに乗り込んできたフルーツ屋さんからパイナップルを買い、それを食べる余裕すらありました。
5ケツァール(約75円)。
この日は小雨が降っていて、すごい霧。
視界がものすごく悪いのに、スピードを落とさないドライバーさん、すごいなあ。
途中から乗車してくる人が増え、たしかに、最終的には噂通りのぎゅうぎゅう詰め状態に。
おまけに、くねくねとした山の斜面の道をさほどスピードを落とすことなく進んでゆきますから、噂通りの横Gでした。
でもですね、この乗ってこられる方々が、ほとんど女性で、みなさん少数民族さんなんですよ。着ていらしゃるお洋服がすごいかわいくってそっちに夢中。
そして、みなさん体型が非常にふっくらしてらっしゃって、ぎゅうぎゅうな中にも、ほどよくクッション性があるといいますか。ふわふわしてる。狭いところに押し込められてはいるのですが、それほど不快ではありませんでした。
9:45 途中の町「ソロラ(solola)」到着
車窓からの景色に「民族衣装超かわいいんですけどー」と大興奮。
アティトラン湖周辺の村々には、かわいい民族衣装に身を包んだ少数民族のみなさんが暮らしていらっしゃるのです。
バスの乗り心地とかどうでもいいです。地元のみなさんが、かわいい!!
ソロラを過ぎると、道が下り坂になってまいります。そうして、見えてきましたアティトラン湖!!!
わぁ!!!!
きれーい!!!
10:20 「パナハッツェル(panajachel)」到着
はじめてのチキンバス。乗ってみて思いました。全然つらくない。
そういえば私、「快適な移動」というものに対するハードルが人よりだいぶ低いんだったということを思い出しました。
ぎゅうぎゅう具合でいうと、マダガスカルのタクシーブルースという乗り合いバスのほうがすごかったし、
ときに命の危険すら感じましたし、
精神的にはマラウィの夜行バスのほうがよっぽど追い詰められました。
それを思うと、グァテマラのアンティグア〜パナハッツェル間のチキンバスは、
つらいに値しない。
むしろ快適。そしてアフリカってやっぱすげぇな。チキンバス、大変おすすめですのでみなさんもぜひー。
そうして到着したパナハッツェル。
バスを降りてまず思います。
わぁ秋っぽい!!!
気温18度くらいの、ちょっと肌寒くて、でもそれが心地よいくらいの感じ。ときおりサワサワと秋のような涼しい風が吹いてきます。日本でいう9月下旬から10月上旬くらいの、一番快適に過ごせるシーズン。
ここ標高が高いですからねえ。同じ緯度のほかの地域に比べると、格段に過ごしやすいんですねえ。
メキシコ、キューバ、ベリーズ、ホンジュラスと、ずっと夏だったんで、なんだか秋に触れられてうれしい。
天気もいいし、気候もいいし、到着早々ですけど、ここはいいところです。長居したくなるなぁ。それでは本日の投稿はこれにて終了。明日は、パナハッツェルの町についてご紹介いたします。本日も最後までお付き合いくださってありがとうございました。
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