キューバ(12)トリニダーの名物酒とCUCの世界に浸る楽しい夜
現在キューバを旅している私は、世界一周の途中。この日は、ハバナからコレクティーボという乗り合いカーに乗ってトリニダーという町までやってきました。思っていたより少しだけハードな乗り心地のコレクティーボ。乗り合わせたアメリカ人女性お二人とは「戦友」的な気持ちが芽生え、いっしょに晩御飯を食べに出かけることになりました。
【現在地】トリニダー(キューバ)
Trinidad(Cuba)
【気温】30度(昼)
【天気】晴れ
【通貨】1CUC=約115円、1CUP=約4円
昨日のコレクティーボ情報と宿情報はこちらをご覧ください。
トリニダーに到着したのは夕方17:00。だんだん暗くなっていく町ですが、噂通りとてもかわいくて美しい町。
世界遺産でもあるトリニダーの町は、1514年に黄金を探しに来ていたサンクティスピリトゥスさんに気に入られ町としての営みをスタート。しかし、海沿いにある便利な立地から、海賊の襲撃をたびたび受けたそうで、「これじゃあマズい」と、今の山中に作り直されたそう。
19世紀中ごろの奴隷制度廃止まで、サトウキビなどの農作物と奴隷貿易で栄えてきました。農業に奴隷を従事させ富を築いていったんですねえ。その繁栄っぷりがうかがえる素敵なコロニアルな建物たちが今も静かにたたずんでいます。
石畳とカラフルなおうちの組み合わせがかわいい。
500年の歴史を持つこの町は「町自体が博物館のよう」と言われるほど。植民地時代の面影を色濃く残しているトリニダーの町は、ハバナに次いで、キューバを代表する観光地です。
トリニダーでの女子会的晩御飯にGO!
ハバナからのコレクティーボでいっしょになったアメリカ出身の女の子2名はともにニューヨークで働いていて、年末の休暇を利用してキューバを訪れたそう。
ほほう、おしゃれニューヨーカーですかー!!!
明らかに清潔でおしゃれな感じするー!! バックパッカーじゃないな、って、一瞬でわかるもんー!!
ハバナでは野菜をほとんど食べられなかったので、というか、好んでCUP(人民ペソ)払いの格安ジャンクフードばかりを食していましたので、生野菜を食べたいと切に願っておりましたところ、彼女たちはベジタリアンだそうで、これは好都合。
ベジタリアンでもなんでもないのに野菜、野菜と頭の中を野菜で いっぱいにしながらレストランを物色します。
我々が入ったのは、トリニダードの町中にあるカジュアルなレストラン。完全旅行者向けのレストラン「Giroud」。
レトロな調度品でまとめた店内はすごく雰囲気がよくて、夜ここの前を通ると常に入店待ちの行列ができておりました。1781年オープンと書いてありましたから、相当古い建物なんですねえ。
オーダーしたのは、ツナサラダと野菜のピザ。野菜をたくさん食べられてとてもありがたかったです。
ツナサラダ3.5CUC(約400円)。
野菜のピザ3.5CUC(約400円)。
先日の投稿で、キューバには通貨が2種類あって、それぞれ使えるお店が違って、ざっくりいうと、CUCが旅行者向けのお店で使えて、CUPがローカルの方向け用のお店で使えるよ! なんてことをお話ししたかと思います。
そんで、食に何のこだわりもない「お腹がいっぱいになればそれでいいです」系バックパッカーの私は爆安CUP払いの店でばっかり食事をしていたんですけれども。
しかーし、今夜は違います。
なんてったって、おされニューヨーカーといっしょにディナーですから。調子に乗ってカクテルもオーダーしてみました。
トリニダードには、「ラ・カンチャンチャラ(La Canchanchara)」という、伝統的なカクテルがあります。
サトウキビの蒸留酒アグラルデンテというお酒にはちみつとレモンと水を加えた飲み物。ラムもサトウキビが原料なので、アグラルデンテもそれに近い感じです。
「ラ・カンチャンチャラ(La Canchanchara)」3CUC(約330円)。ハチミツの甘さと、けっこうたっぷりのレモンとが合わさって、とても飲みやすいお酒でした。
ハチミツのお酒と言えばエチオピアのハニーワインのことを思い出してしまうのですが、あれは甘さが際立っていました。「ラ・カンチャンチャラ(La Canchanchara)」はもっと爽やかな感じで、お酒に弱い私でも飲めなくもないかなあ…。
とはいえお酒です。レストランの人が、ギムレットみたいでしょ、と言っていましたが、ギムレットを飲んだことがないのでよくわかりません。
本日入店したお店は、完全CUC払い。地元のキューバ人は誰一人として入店してきません。メニューも豊富で、店内もおされな感じで、もうどっからどうみても観光客用。
そんなところでも結局食べるのはいつもと同じ“ピザ”か、と思われるかもしれませんが、ちょっとね、比較してみたかったんです。旅行者用CUCピザと、ローカル用CUPピザ。
で、比較した結果どうかっていうと、まあそれぞれおいしいということに間違いはありません。人民ピザ(CUPで買える爆安ピザ)は20~30円ですけど、それはそれでおいしい。こんなお店で、買えるローカルキューバ人御用達のピッツァ。
これが20円くらい…。
すごくシンプルですけどね、でも焼き立てを出してくれるので、すごくおいしいんですよ。
で、今日の旅行者ピザ(CUCで買えるピザ)は、400円。値段が値段だけに、豪華でボリュームたっぷりでこれまたおいしい!!
旅行者用通貨(CUC)で買えるものは、日本やヨーロッパの物価と大差なく、CUPの存在を知ってしまった人にとっては割高感が否めませんが、それでも、これはこれで大満足です。
そういえば、ニューヨーカーのお二人に、試しに聞いてみたんです。
「キューバって、通貨が二種類あって、めんどくさいよねー。CUP(MN、人民ペソ)で買える食べ物ものは安いけど、バリエーションがあんまりないしねぇ…」
「あー、そんな通貨があるみたいねー。ペソデクバーノ(CUPのこと)、だっけ? でも私たち、使ったことないわ。使う予定もないから両替もしてないし」
なんと! そんなパターンもあるんですねえ。
ニューヨーカーのお二人は、はなからCUP(キューバ人の方用通過)を利用するつもりはないそうです。確かに普通に休暇でいらっしゃった貧しくもなんともない旅行者さんはCUPを使わないって選択肢もあるわけです。
キューバに来てそうそうに心の中にもやもやした悩みをかかえてしまった私は、絶賛キューバでのお金の使い方を模索中。
しかし、彼女たちに会って、旅のスタイルに合わせて臨機応変に通貨を選ぶのがよいんだろうかなあとぼんやり思いました。
ものすごーく節約派ではないですが、かといって無職ゆえそれなりに考えてお金を使わなければならない中途半端なポジションの私。このようにどっちつかずの旅人は、CUCの世界とCUPの世界の両方を行ったり来たりしながら旅をしていくことになるのでしょう。
というわけで、今夜はCUCの世界に足を踏み入れて、
豪華野菜コンビネーション+お酒で、しめて10CUC(約1,000円)。
おなかもいっぱいになったことですし、お酒も飲んだことですしで、とてもよい気分で宿へと戻ります。
物欲が少し復活したトリニダーの夜
宿に戻る途中で、お土産屋さんを発見。ここのストローハットがすごくかわいい!! 種類も豊富ー!!
実のところお土産屋さんっていうか、民家の一角をお土産売り場にしただですけども。
ニューヨーカーお二人といっしょに「わぉすごくクールじゃない!? 」「素敵ー! よく似合ってるー! 」なんつって3人で試着しつつワイワイしながらショッピング。3人とも酔っ払って楽しくなっちゃってますからね。
そういえば、こないだの投稿で、キューバ人の平均年収に触れつつ、この国で高価なお土産を買うのはなんとなく気が引けるから物欲がわかないわ、なんてことをうだうだと書いた気がします。
舌の根も乾かぬうちになんですが、このおみやげ屋さんでストローハットをお買い上げー。なんか、変にいろいろ考えないで純粋にキューバを楽しんでいるニューヨーカーを見ていたら、少しだけもやもやが晴れた気がします。
あとは、このよくわからない動物たちを見ていたら、なんか和んだ。
ハット4CUC(約440円)。まあこれはあれです、お土産っていうか、生活必需品です。キューバは12月とはいえ、日中の気温は30度超えます。日差しも強いので、帽子がないと困るじゃないですかー。
さらに寄り道して、内装がとてもかっこいいおうちを見つけて、
超かっこいいー!!
素敵ー!!
クール!!
なんつって中まで入れてもらって、おまけに写真まで撮ってもらいました。
調度品がどれもアンティークでかっこいいのです。
何から何まで素敵。
1745年に建てられたんですって!! すごいなあ~。
こんなアンティークなキッチンを今でも現役で使っていらっしゃるのです。
そして注目すべきはお庭!!
かなり凝った植物の造形は、ご主人の手入れのたまもの。自慢のガーデンだそうです。
ハンモック完備。
場所はこちらなんですが、
ここも、キューバの民泊“カサパティキュラール”をやっていらっしゃるおうちで、部屋が空いていれば泊まることができるそうです。詳細はこちら。
お庭が本当に素敵で、ラピュタ感あります。宿泊は一泊50CUC(約5,000円)と、私には少しお高めですが、お金に余裕がある方はぜひご利用ください。ご予約はメールで。
ニューヨーカーは終始テンションがすごく高く、キューバのクラシカルな調度品やおうちが大好きなようで、酔っぱらい三人組はおおはしゃぎ!
さらに言うと、このおうちがすごく気に入ったらしい彼女たちは、なんとここで朝ごはんのみ食べる予約ができるか交渉し始めました。(宿泊は予約で埋まっていたため)
カサに朝ごはんだけ食べに来る、というのは今まで聞いたことがないのですが、オーナーの男性も快くOKしてくれて、翌々日の朝ご飯は3人でこのカサに食べに来ることに。
トリップアドバイザーでもかなり高ランクに位置していて、早めに予約したほうがよさそうです。朝ごはんの様子は後日お届けします。
こうしてキューバ2つ目の町トリニダードの1日目が終わりましたけども、トリニダードに来たら、急に人々が優しくなりました。ハバナは、都会だったからなあ~。これからしばらくは、キューバの地方都市を旅してまわるわけですが、どこもここのようにのんびりゆったりしてるといいなあ。
そういえば、ハバナで出会った旅人さんたちは
「トリニダーはツーリスティックだった」とみなさん口をそろえておっしゃっていました。これは、いい意味でも悪い意味でもあるんでしょうねぇ。キューバ人の普段の生活を垣間見たい人にとっては、確かにここは観光地化されすぎているのかもしれません。どこを見ても外国人旅行者ばかり。でも私、この町好きだなあー。雰囲気はすごくいいし、治安もすごくいい気がします。
それでは本日の投稿はこれにて終了。最後までお付き合いくださってありがとうございました。
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