toggle
2016-08-02

マラウィ(7)リコマ島の平和な1日とバルーンにまつわる複雑な心境

リコマ島

世界一周の途にある私は、現在アフリカを北上しております。滞在しているのは、マラウィという国の、マラウィ湖に浮かぶ島。その名は「リコマアイランド」。ダイビングという、ここでの大きな目的も果たしたことですし、明日の朝この島を離れることにいたしました。

【現在地】リコマ島(マラウィ)

Likoma Island(Malawi)

【気温】28度(昼)

【天気】晴れ

【通貨】10クヮチャ=約1.5円

最終日は村の教会へお出かけ

本日は、リコマアイランドの最終日。念願の淡水ダイビングもしたし(投稿はこちら)、思う存分湖畔でぼーっともしたし、思い残すことはありません。

思い残すことがないどころか、暇で暇で仕方がなくなってまいりました。

私には「何もしないを楽しむ」という力がまだまだ不足しているようで、何か新しいものや場所に触れていたいという欲求がとどまるところを知りません。

ビーチで寝たり、本を読んだり、スノーケルをしたり、たまに隣の小さな村の子供がやってきて、ちょっと遊んで、最終的に「ギブミーマネー」「ギブミーバルーン」になり「それ私じゃなくて、お父さんかお母さんに言いなよ」と言ってあしらったりしながら過ごすのも悪くないのですが、

数日が限界。

これ、なんか私の旅のスタイルじゃないなということに気がつきました。というわけで、明日、ここをチェックアウトし、本土にある「ンカタベイ」という村に向かいます。

リコマ島でのとある1日

とりあえず、朝7:00くらいに起きてゆっくり朝ご飯を食べます。そして、9時ぐらいになると、目の前のマラウィ湖でスノーケリング。ここ数日で、湖とはいえ、午後になると波がけっこう高くなるということを学びました。スノーケリングは朝9:00〜10:00がベスト。

ちなみに、私が宿泊している「Ulisa Bay Lodge」周辺のスノーケリングポイントで一番のおすすめは、こちらの岩。

リコマ島

通称「ザ・ロック」勝手に名付けました。宿を背にしてビーチを見ると、左手になります。ゆっくり泳いで30分くらいですかね。

この岩の周りには、たくさんの魚がいて、ビーチ沿いの岩場よりもキレイ。

リコマ島

リコマ島

リコマ島

リコマ島

お昼前には湖から上がり、とくにすることもないので、このリコマ島の中でも、一番栄えている村の教会まで歩いてみました。その距離、約3km。40分くらい。灼熱の道をてくてくと歩きます。

途中ですれ違う島の方々は、もれなくみなさん100パーセント、にっこり笑って挨拶してくださいます。

ヘッドホンで音楽を聴いているイマドキ風の若者も、気難しそうに見えるおじいさんも、ツンとして見えるおしゃれした若い女性も、絶対に1人残らずなんかしら挨拶をくれる。

「ハローハワユー! 」「どこ行くんだ!? 」「どこから来たんだ? おおジャパンかー」などなど。この島はマジでフレンドリーオブザワールドに認定してもいいと思います。

なんだかほっこりしながらたどり着いた教会。村の規模や雰囲気からすると、失礼な話、「どうせそれなりな感じなんでしょ」と思いきや、

やだーめちゃめちゃ立派じゃないですかぁー。

リコマ島_教会

ねえなんで!? と疑問に思わざるを得ない素晴らしい教会がありました。約160年前に建てられたと言われているこの教会。毎週日曜には朝のミサが開かれるそうで、旅行者も参加できるとのこと。

きちんと手入れされた中庭。

リコマ島_教会

この島の人々の信心深さ、敬虔な姿勢がうかがえます。内部もとてもきれい。

リコマ島_教会

リコマ島_教会

静謐な空間に優しい光が射しこみます。

リコマ島_教会

シーンと静かな教会内は、ひんやりと涼しくて、しばらく座ってじっとしていました。私はとくにこれといった宗教を持っておりませんが、これはなかなかいい時間だったなあ。

こうして教会をあとにして、お昼ご飯を食べる場所を探します。

ランチはお魚を食べられると確信していたのですが

一昨日行った食堂には、チキン定食しかありませんでした。でもせっかくのマラウィ湖ですから、湖で捕れたお魚が食べたい。

そう思った私は、お魚定食がありそうな食堂を捜してさまよいます。村の人に「食堂はどこですか? 」と尋ねますと、みなさんビーチの方を指さします。

湖畔に食堂があるのですね!?

これはきっとお魚を食べられると思い、うきうきしながらビーチ方面へと向かいます。

マップはこちら。

リコマ島_教会

教会のある交差点から、教会に背を向けてビーチの方にまっすぐ歩いて行き、そのまま村を通り抜けて、ビーチに突き当たるまでひたすらまっすぐ。

リコマ島

ビーチに出たら、右手に見えてくるのがお目当ての食堂。

リコマ島_教会

黄緑色の建物です。

リコマ島

店内に入ると、ほとんどの席がうまっていて、かなりの人気店であることがうかがえます。

リコマ島

お店の方に、何のメニューがありますか? と尋ねますと、返ってきた答えは

「ビーンズ&ライスか、ビーフ&ライスがあるわ」。

ビーンズかビーフか。豆か牛か…。豆? 牛?

なんで!! ねえなんで!?

この立地で!!

リコマ島

目の前こんなで!!

リコマ島

隣にはこんなにお魚があるのに!!

リコマ島

むしろお魚しかなくってごめんなさいねって言われてもおかしくない条件が勢ぞろいの立地なのに、

なぜお魚料理がないのですか!?

あれかなー、毎日お魚ばっか見てるから、あんまり食べたくならないのかなー。残念ではありますが、空腹も限界がきておりますので、ここでビーフ&ライスを注文。

リコマ島

ビーフ&ライス

ではなく、

野菜&ライス

というメニューに改名するのはどうでしょう。とはいえ、トマトとガーリック味のビーフは歯ごたえがしっかりしていておいしかったですし、緑の葉っぱもちゃんと味付けがしてあって、ご飯のお供にぴったりでした。

村の観光も終わり、お腹も満たされましたので、ここからまた宿まで40分くらいかけて戻るのですが、これがなかなかスムーズに戻れません。なぜなら、毎日のように書き綴っている「お子様に取り囲まれる」というイベントが、ほぼ100%の確率で発生するからです。

お子様ね、もうだいぶ慣れたんですけど、

「ビーマイフレンド!!! 」って言われて、「オーケーオーケー!! 」っつってひとしきり遊んだあと、結局最後は「ギブミーマネー」「ギブミーバルーン」「ギブミービスケット」ってなるから、すごく戸惑ってしまうんですよね。

村を歩いているときに見つけたバー。

リコマ島

私のカルチャーでは、友達に、ギブミーマネーとは言いません。

一昨日は村のローカルな商店と路上のお店で買い物をしました。買ったものをすぐにリュックに入れなかった私が悪いのですが、ビニール袋から透けて見えるビスケットやバナナを見つけた子供たちが「ギブミービスケット、ギブミーバナナ」といっていつまでもついてくるという出来事が。

経済的な理由? そういうカルチャー? 何が理由なのかいまいち分かりません。貧しすぎてとうてい手が出ないような品をローカルな商店や道端で売っているとも思えないので、ビスケットとかバナナが買えないわけではない気がします。大人が子供に旅行者からもらえ、と教えたのかなあ。かつてここを訪れた旅行者は、くれと言われればあげてたのかなあ。

そして、くれって言ったらもらえるんなら、私も言いたい。

お子様たちにはたぶん悪気などないのですが、びた一文、バナナ1本、ビスケットひとつ、差し上げる気のない私からすると、あまり居心地がいいとは言えず…。

リコマ島はとても小さな島で、旅行者もかなり少なく(全部で30人くらいかなあ)とにかく目立ってしまうため、お子様たちがいらっしゃる場所では、堂々とお菓子を食べることができません。

見つかるとギブミーです。

かなり治安のよいこの島では、無理やり奪ったり、騙し取ったりされないだけいいっちゃいいいのですが、私も小さい人間なんで「なぜあげなきゃいけないの? 」という疑問しかありません。

子供がお好きな方はきっとすごく楽しめると思うんです。たくさん遊んであげて、最終的に「ギブミー」とおねだりされても「いやいやそうではなくってね」と、

彼らの将来にとって有益な何かを教えてあげるとか。そんなようなことができる立派な方だとなおよいのでしょう。

しかし、私は金もバナナもビスケットもあげなければ、代わりに生産性のある何かを教えたりすることもできないただの無職ですから、どうするのが正解なのかさっぱりわかりません。

おもいのほかいろいろなことをぐるぐると考えながら宿にたどり着き、そういえば…と宿のスタッフさんに、気になっていたことを尋ねました。

「お子様たちが”ギブミーマネー”と同じくらいの頻度で”ギブミーバルーン”とおっしゃるのですが、この島ではそんなにバルーン(=風船)が大人気なのですか? いったいなぜですか? 」

これはこの島に来てわりとすぐ不思議に思ったことで、島の雑貨屋にも風船なんて売っていないし、風船で遊んでいる子供もいないのに、なぜかみんな”バルーン”が欲しいとおっしゃる。なんでかなあと思っておりましたが…。

答え:「バルーン=コンドーム」。

南部アフリカではエイズがとてもとても深刻な社会問題になっておりまして、その対策として、いたる所で避妊具が無料配布されています。ホテルやゲストハウス、旅行代理店や公衆トイレなど。

さらに言うと、ビーチや道に、使用済みのものが落ちていることもあるそうで。

つまり、お子様たちにとっては、比較的手に入りやすい遊び道具。

……風船。

ちゃんとした風船。日本の子供たちが遊びに使う本当の風船を持ってくればよかった。

お金も食べ物もあげないけど、風船でいっしょに遊ぶのはいいんじゃないかな。

もしこの先、リコマ島を訪問なさる方がいらっしゃったら、ぜひ風船を。本当の風船を持って行ってあげるといいんじゃないですかね。本当の風船でいっしょに遊ぶのは、お金や食べ物を何の理由もなく提供するのとはまた違う。と思うのですが、どうなんでしょう。同じかなあ。違うよなあ。こんなこと考えるのは、恵まれた環境で育った私のエゴなんですかねえ。

ちょっとよく分かりませんが、サンセットを迎えたあまりに美しいビーチを前に、とにかく私はそのように思いました。

リコマ島

日が沈んだ後も、しばらくビーチで夕涼み。リコマ島のサンセットは、毎日見ても全然飽きません。

リコマ島

リコマ島

リコマ島

滞在中、しょっちゅう遊びに来ていた隣村のお子様に「私、明日この島を発つんだよ」とお別れを言うと、最後に、現地の言葉の歌をうたってくれました。

4泊ほどしたリコマ島。私が泊まったのは「Ulisa Bay Lodge(ウリサベイロッジ)」です。バックパッカーさんに人気のロッジはおそらくここよりも「マンゴードリフト」というロッジ。マンゴードリフトには、広いプライベートビーチがあり現地の人々と接することなくリゾート気分を満喫できます。

しかし、反対に、ウリサベイロッジのビーチは村と隣接しすぎていて、お子様たちが好き放題に走り回っていますので、長時間ビーチでのんびりするのはなかなか難しい。

両極端な環境。どちらがよいかは人によると思うのですが、私はウリサベイロッジでよかったかなあ、と思っています(宿の詳細はこちら)。

というわけで、リコマアイランド編はこれにて終了。明日は本土にある「ンカタベイ」というところまで、数時間の船旅です。

最後に…

荷物のパッキングめんっどくせえぇぇぇぇ!!!!

リコマ島

せっかく4ドルという破格のお値段で泊らせていただいてるきれいなシャレをよくもまあここまで汚くできるもんだと自分でも思います。このブログを読んでいらっしゃる元同僚の方々は、「こいつ全然変わってねーな」とほっこりしていらっしゃることでしょうね。みなさまの苦笑い、容易に想像できます。

ではでは、本日も最後までお付き合いくださってありがとうございました。

いいね! と思ったらぜひシェアを。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA