マラウィ(3)ありったけの夢をかき集めゴーイング“チリンベ号”出航
おはようございます。ただいまわたくし、アフリカはマラウィという国を旅行中。これはいわゆる世界一周というやつの一環なのですけれども、本日はフェリーの上で夜を明かすことになっております。こういうのはとてもドキドキしますねえ。
【現在地】モンキーベイ(マラウィ)
Monkey Bay(Malawi)
【気温】28度(昼)
【天気】晴れ
【通貨】10クヮチャ=約1.5円
リコマアイランドへ行ってみよう!!
世界一周とざっくり言いましたが、もうちょっと詳しく言うと、アフリカを北上中。さらに詳しく言うと、マラウィを北上中でございます。2日ほど前、マラウィ南部の町、国内では首都「リロングウェ」に次いで2番目に大きい「ブランタイヤ」にやってきました。
なぜ首都ではなく2番目をチョイスしたのかというと、それはあれです。せっかく北上するんだから、なるべく南からスタートしようというただそれだけの理由です。
そしてブランタイヤから1日かけてやってきたのは「Monkey Bay(モンキーベイ)」。本日朝、モンキーベイの素敵な宿「「Mufas Eco lodge」をチェックアウトし、村のフェリーポートからフェリーに乗船。約1日かけての航海(海ではない)を経て、目的地「Likoma Island(リコマアイランド)」へと向かっているわけです。(宿の詳細はこちら)
昨日の投稿でも書きましたが、このリコマアイランドのことを教えてくれたダイビングインストラクターのベスは
「リコマアイランドへはIlala ferryに乗って行くんだ」と教えてくれました。それがなんなのかよく分かりませんでしたが、とりあえず私のメモ帳には「Ilala」と書いてありますし、初日に滞在したブランタイヤで会った人から「イララは金曜の朝モンキーベイを出発する」と教えてもらいました。
イララフェリー、モンキーベイ、金曜朝。
かなり断片的な情報しかありませんが、とにかくここまで来てしまいましたので、昨日宿に到着してすぐ宿の人に尋ねました。
「明日はイララフェリーが出航すると聞いたのですが、どうすれば乗れますか?」
「あーイララフェリーね。今運休中なのよ」
「え…!!」
まじか。いきなりつまずいちゃったよ。と一瞬あせりましたが、
「今は違う名前の、もっと小さいフェリーが運行しているみたいよ。予約は必要なくて、朝フェリー乗り場に行けば大丈夫」とのこと。
あせったー!! よかった。どうやらフェリーはあるみたいです。もうちょっと詳しい話が聞きたくて、宿から500mほど離れた船着場に行ってみると、確かにチケット売り場的なものがあります。
そこにいたスタッフさんに詳細を尋ねますと、
「フェリーは朝8:00出航だ。だから6:00から7:00の間に来るといい。チケットはそのとき買えば大丈夫だから」とのこと。
まるでロールプレイングゲームかのように、少しずつ情報が集まってきます。
しかしまだ船の種類や、座席のクラスや、所要時間など、ほとんどのことが不透明。でも大丈夫!! とにかく明日またここに来ればリコマアイランド行きのフェリーに乗れるということだけは分かりました。
そして本日朝、早起きしてとても幻想的なカラーに染まる宿の前のマラウィ湖を堪能。
宿のオーナーさんにコーヒーをいただき、6:30に出発。次来ることがあれば、ぜひゆっくりしたい場所でした。
7:00。やってまいりました、モンキーベイのフェリーチケット売り場。
フェリーの全体ルートはこちら。
マラウィ湖沿いの町や村を1週間かけて1往復しているそうです。私は終点まで行かず「Likoma Island」で途中下船。
到着は翌日の朝5:00から6:00とのこと。
フェリーの名前は「Ilala(イララ)」ではなく「Chilembwe(チリンベ)」。イララより新しいそうで、スピードも早く、イララより早くリコマアイランドに到着するそうです。
座席はファーストクラスとセカンドクラスの2種類しかなく、モンキーベイからリコマアイランドまでの料金は、ファーストクラス18,800クヮチャ(約2,820円)。セカンドクラス12,900クヮチャ(約1,935円)。
ファーストだセカンドだ言われても、エヴァンゲリヲンじゃあるまいしいったいどんな違いがあるのかわかんねーよと悩んでいると、私の後ろに並んでいらっしゃった地元の女性が、
「ファーストもセカンドも大差ないからセカンドでいいと思うわよ。もし船内でファーストに移りたければ差額を払えば移動できるし」
と教えてくれました。
アフリカ、ボート、セカンドクラス。
これだけ聞くとなんだかもう密航船のような、船底で荷物やゴミに混ざってみんなで雑魚寝かあみたいな恐ろしい航行を想像してしまうのですが、ファーストとセカンドが大差ないというアドバイスをいただいたことにより、私の頭の中はハテナになり、
結局よくわからぬままアドバイスに従いセカンドクラスを購入。
そうして向かったフェリー乗り場。
あれ!! フェリー結構でかくない!?
しかもイララって書いてある!! やっぱらイララなんじゃん!!
なんて思いながら乗船。直進。イララを華麗にスルーして、停泊中の奥の船へと進みます。イララは内部を通過するだけで、私が乗るのは写真でいうと、イララの左。青いボートに「CHILEMBWE」って書いてありますね。
はい。間違いなく「チリンベ号」でした。どんな座席なんだろうとドキドキしつつ、内部に入っていくと、これはびっくり!!
めっちゃキレイ!!
まずね、椅子がある。
船底に雑魚寝はまぬがれたみたいです。やったあ。
入り口入ってすぐがファーストクラス。
その先にセカンドクラス。
これ何が違うんですかあー?
高難度な間違い探しかと思うほどに大差ない。アドバイス通りセカンドクラスを買って正解でした。だってこれいっしょじゃん。ただファーストクラスとか書かれたコピー用紙が貼られているだけです。
せめてシートの色を変えるとかさあ。この先チリンベ号に乗られる方は、迷わずセカンドクラスでおけ。
セカンドクラスの料金表はこちら。
ひとまず椅子に荷物を置き、再びデッキへ。フェリーは想像をはるかに上回る立派さで、一階に客室と、荷物を置くデッキ。二回が運転席となっております。
もっとアナログな船を思い描いておりましたので、デジタルの計器が並ぶハイテクな運転席に感激半分、がっかり半分。
もっとこう、なんか、ゴーイングメリー号みたいな感じかと思ってましたから。
マラウィ湖のビーチでは地元の方々が洗濯や入浴やその他いろいろなことをしていらっしゃいます。
時刻は8:20。ありったけの夢をかき集め、ありったけの荷物を詰め込んで
フェリーはほぼ定刻で出航。
ちなみにチリンベ号には海のコックは乗船しておりませんから、食堂なんてものもありません。買えるものといえば、飲み物とお菓子。
ジャンクな旅のお供。合計420クヮチャ(約63円)。
黄色いパイナップル味の炭酸飲料と、パッケージの写真と中身が違いすぎて戸惑いを隠しきれないスナックを食べながら湖の景色を眺めます。
マダガスカルで調子に乗って購入したものの、当然まだ一度も着用していないし、この先もおそらく着用しないであろうパレオが、日よけ用の布として大活躍。
広い広いマラウィ湖、こうしてみるとまるで海のようです。湖の端が見えないほど広い。鹿児島県と沖縄県を除いた九州に匹敵するサイズなんですって!!
とはいえここは湖。
どんなに目を凝らしても、クジラのブリーチングを見ることはできませんし、イルカの群れが追いかけてくるなんてこともまず起こりません。
若干退屈を感じ始めたころ、最初の停泊地に到着。
10:30 「Makanjila(マカンジラ)」です。
ここで新事実が明らかになります。
船からの降り方。
乗船したモンキーベイはちゃんと船着場的な施設があり、なんの苦もなくフェリーに乗ることができました。しかし、どうやらモンキーベイだけ特別だったようで…。
ほかの小さな村には船着き場なんてありません。船から降りる場合は、フェリー備え付けの小型ボートを降ろし、
それに乗り換え。
そして陸地にアクセス。
なるほどなるほど。勉強になります。私が降りるリコマアイランドもたぶんこれだろうな、かなり心もとないなと少し不安を覚えますが、
ちょっとちょっとそんなことより船の周囲が大変なことになっています。
めっちゃ人集まってきてる!!!
甲板に立ち尽くし呆然としている私をよそに、なぜか大量のお子様たちが浦安鉄筋家族の勢いで船に飛び乗っていらっしゃいました。
そしてそのまま船室へ。
どう見てもこれからフェリーに乗って旅するわけではないと分かる軽装ですから、「に、にもつ大丈夫かな」なんて慌てて私も後を追います。
しかしそんな心配は完全に杞憂で、お子様たちはただただ船室でシートに座ったり携帯で写真を撮ったり「どこいくの? 」「ちょっとリコマアイランドまで」なんて冗談を言い合って遊んでいるだけでした。
週に一度だけやってくるフェリーは格好の遊び場なんでしょうね。私に気づくと「ねえねえ、どこ行くの? 」「どこから来たの? 」「名前は? 」と質問攻め。マラウィのお子様は、今まで見てきたどの国よりもフレンドリーでびっくりします。
船内でお子様たちと遊んでいるうちに、この村での荷物の積み下ろしが終わったようで、お子様たちもバイバーイと手を振って小舟に乗って帰って行きました。
こわいのはやっぱり”飢え”
11:30 再び船が進み出し、甲板に出てみてびっくり! あれほど積まれていた荷物がきれいさっぱりなくなっています。
乗っていた人も随分減ったなあ。
あれ!?お菓子とジュース売ってた人も降りちゃった…。
そうするともうこの船で食べ物買えないんだ…。前日に宿泊したロッジのオーナーさんが「フェリーでは食べ物買えないから用意していったほうがいいわよ」と教えてくださり、少しだけ用意していたものの
「ゆうてもちょっとぐらい何か買えるでしょう。もしくは、立ち寄る港でなんか売ってんじゃないの?だってバスターミナルとかではあんなにたくさん物売りさんがいるんだもの。船もそのノリでしょ」なんて考えていた私が甘かった。
14:00次の停泊地「Chipoka(チポカ)」に到着したものの、またフェリーは岸まで行かず、かなり離れた場所に泊まり、降りる方のみ小舟で運ばれていくというスタイル。
これでは物売りさんも船に近づけません。
16:00 Makanjilaほどの盛り上がりはなく、静かに出発
やべえ、マジで何も買えない。
船内で買えるのは水だけ。400クヮチャ(約60円)。ちなみに昨日仕入れた食料は、こちら。
でもパンはすでに朝食として食べちゃったし、パスタは茹でられないし、残るは水とビスケットのみ。実際問題、1日くらい何も食べなくても死にはしませんから、それほどわあわあと騒ぎ立てるほどのことではないのです。
しかし、食べられないと思うと食べたくなるのが心情というもの。この先チリンベ号を利用なさる方へ、水と食料の事前購入必須です。ご注意ください。
17:20 沈む夕日を眺めつつビスケットをかじります。
きれいだなあ。ひもじいなあ。
聴いてる曲は『Komm,susser Tod(甘き死よ、来たれ)』。
私のフェイバリットソングのひとつです。YOU TUBEにはベーシックなものから、ダンスアレンジ、ジャズアレンジ、オーケストラver.、アコギver.といろいろとアップされておりますが、いつかサックスver.を聴いてみたいものです。
あまりにメランコリックに見えすぎたんでしょうね、フェリーのスタッフさんが私のところにやってきて「家族や母国のことを思い出してるのか? 大丈夫か? 」と心配してくれました。
まさか空腹なうえに人類補完計画がどうのこうのみたいな曲聴いて自ら切なさの相乗効果を生み出していました、とは言えずちょっと寂し気な感じ出しながら「イ、イグザクトリィ」と答えておきました。
すっかり日も暮れ、22時次の停泊地「Nkhotakota(ンコタコタ)」に到着。2時間ほどすると船は出発。
出発から約16時間が経過しておりますが、湖畔の村を眺めたり、
漁師さんに手を振ったり、
音楽を聴いたり、甲板の日陰でKindleに入れておいた『ワンピース』を読んでミンク族の方々の仁義の深さに鳥肌をたてたりしていると、時間はあっというまに過ぎて行きました。
多少の波があるとはいえ、湖ですので、天気が良い日は船はほとんど揺れません。船酔いも全然しませんでした。それに、フェリーは飛行機とは違い、好きな時にうろうろできますし、好きな時にタバコが吸えますので、これはとてもよいことです。食料は切らしそうでしたが、幸いタバコのストックがあったのだけは救いです。
喫煙者の方、チリンベ号ではタバコも買えませんのでご注意ください。
早寝早起きがしっかり身についている私は、このときすでにうとうとしている状態。本日最後の停泊地「ンコタコタ」もそうですが、マラウィは“ん”で始まる地名がけっこうありまして「マラウィでしりとりやったらエンドレスだなあ」なんて思いながら眠りにつきました。
さあいよいよ次が目的のリコマアイランドでございます。天候次第ではありますが、到着予定は朝の5時から6時くらいとのこと。というわけで、本日の投稿は以上です。今日もまた最後まで読んでくれてありがとねーーー。
■モンキーベイからリコマアイランドへの行き方
「チリンベ(Chilembwe)」号利用
【スケジュール】
モンキーベイ発:毎週金曜日の朝8:00
リコマアイランド着:翌土曜日の朝5:00から6:00
【料金】
ファーストクラス18,800クヮチャ(約2,820円)
セカンドクラス12,900クヮチャ(約1,935円)
【アドバイス】
食べもの、飲み物、タバコは事前購入必須。夜、船内やや寒くなります。上着必要。イララフェリーは無くなったわけではなく、おそらく改修中と思います。地元の方もはっきりとしたことが分からないくらい、運行日時やボートの種類がころころ変わるようなので、随時情報チェック必要と思います。
コメント4件
3枚目の写真の、吊るされた魚のやつステキです♡
あの空の色と、アンニュイ?な空気感で良い写真ー!!
旅の最中の非常食は大事ですよね。
私は溶ける心配をしながらもチョコバーとかカロリーの取れるやつを持ってました。
溶けることを考えると硬めのキャラメルとか方が良かったのかしら…(ハイソフトは柔らかめ)
パスタの映っている写真で思い出しました。お魚パスタレシピ教えろの件。
パスタのメニューって魚よりも肉の方が多いような気がします。
なので魚は焼き魚にしちゃうのが無難だったりしますかね?
お魚パスタが食べたい気分の時はトマトとアンチョビでもぶっこんでおけば大丈夫そうだと思います!
どちらも缶詰で手に入るので持ち歩くのにも便利ですね(^^♪
パスタをレンジで茹でられる容器があって、一時期使っていましたが、やっぱり塩を入れて鍋で茹でた方がおいしいです。
確か塩を入れることでパスタがもちっとするんじゃなかったかな…調べたのがかなり前なので、うろ覚えですが。
このブログを読んでいるとmayumiさんがアフリカ大陸を周遊して制覇してくれればいいのになーって思ったりします。
そんなことできたら面白かっこいい!
あの歌のタイトル初めて知りました。
タイトルまであのラストにピッタリなのかよ!って思ったら、オリジナル曲なのですね。
誰かのカヴァーかと思ってました。そりやまああんだけピッタリはまりますわなあ。
どこぞの無名なサックス・プレイヤーがブツブツ言いながらニコニコ動画にアップする日を気長に待ちましょう。