マダガスカル(1)金銭感覚を一旦リセットしないとこの国でやっていけない
こんばんは。私は現在、マダガスカルの首都アンタナナリボにいます。昨日は、ご飯をたべて戻ってきたらすぐに寝てしまいました。30kgの重みに耐えながら、30時間くらいかけてここまできてんだこっちは。さすがに疲れました。
旧自宅では、クッションを2つ並べた上に寝ていましたので、ドミトリーとはいえ、久しぶりのベッドですから、非常に安眠でき、気持ちよく起床。元気いっぱい、アンタナナリボライフをお届けします。
【現在地】アンタナナリボ(マダガスカル)
Antananarivo(Madagascar)
【天候】晴れ
【気温・湿度】25度・61%(夕方ごろ)
【為替】100マダガスカルアリアリ=約3.4円
「Madagasucar Underground」の居心地について
まず、私が泊まっている「Madagascar Underground(マダガスカルアンダーグラウンド)」という宿のドミトリーはこんな感じ。
1部屋に9個のベットがあります。
私の陣地は、写真正面の真ん中。宿情報の詳細はこちらです。
朝ごはんに、山口県の特産品「ふくかま」1本をたいらげ街へと繰り出します。今日の出来事を書く前に昨日の晩御飯を紹介します。
スープシノワーズという食べ物です。フランス語のおしゃれ風なネーミングですが「スープ=汁」、「シノワーズ=中華」で、中華風汁。さっぱりとした優しい味の細麺のおうどん。
屋台で雑に陳列されている麺の種類を選ぶと、
おじさんがアツアツのスープを入れてくれて出来上がり、っていう非常にシンプルな屋台飯。お値段は1,000アリアリ。日本円で約34円。
34円!?
うどん安っ!! すごいね、マダガスカルの物価。スープシノワーズ、たぶんこの先もかなりお世話になることが予想されます。
そのあと宿泊しているゲストハウスに戻って1Lのお水を買ったら4,000アリアリ。日本円で約140円。
136円!?
水高っ!! これは宿に併設されているレストランで買ったから高いんですよね? いまいちマダガスカルの物価事情がよく分かりません。
タクシーブルースとかいう乗り物
そんなこんなで、今日は翌日のためのバスチケットを買いに行きました。「え! いきなり移動すんの? もっとゆっくりしなよ」と思われるかもしれませんが、私がこの国でどうしても見たいの“あの木”。それが生えているのが次の目的地「モロンダバ」という町。とにかく私は、一刻も早くそこへ行きたいのです。
どっちにしろマダガスカルをぐるっとまわったあと、最終的にここアンタナナリボに戻ってこないといけませんので、もっとここを深堀りしたいならそのときします。
ということでバスターミナルへ。あ、正確にいうと、バスターミナルではなく「タクシーブルースターミナル」です。マダガスカルの長距離移動手段のメインは「バス」ではなく「タクシーブルース」という乗り物。詳しくは自分が乗ってからちゃんとご紹介したいのですが、こんな感じの乗り物で、
写真見ていただくと、なんとなく想像つくと思うんですけど、とにかく「つらい」「苦しい」「もう乗りたくない」と悪名高いのがポイント。いろいろ調べてみましたが、はっきり言って悪名しか出てきません。
長時間・長距離の移動なんてただでさえつらいのに、それに加え、悪路にともなう激しい揺れ、古い車体ならではの予期せぬ故障、デフォルトで定員オーバー、人々の体臭、他人との密着。列挙にいとまがない。ここまで読まれた方は「なんでこの人、これ分かってて乗るんだろう」とお思いでしょう。
なんでかというと、それは9割がた金銭的な理由です。簡単に言うと「飛行機代が払えない」これに尽きます。マダガスカル国内は「マダガスカル航空」が完全に牛耳っていて独占状態のため、国内線の飛行機代がバカ高いのです。全然手が出ません。そしてあとの1割は、そんなみんながわあわあ騒ぎ立てる悪魔的な乗り物に、ちょっと乗ってみたいなっていう「興味本位」。
さあ、チケットを買いに行こう
まずは宿の近くでタクシーを捕まえて金額交渉。15,000アリアリ(約500円)が12,000アリアリ(約408円)になりました。相場はよくわかりません。
アンタナナリボのタクシーは、おしゃれなオフホワイトで、時代を感じるレトロさが素敵。中心部から空港方面へ20分くらい走ると、いきなりたくさんの男の人がタクシーと並走してダッシュでついてきます。しまいには助手席に乗り込んできました。
緑のキャップの男は全然知らない人です。このような状態が見受けられるようになると、これは目当てのタクシーブルースターミナルが近付いた証。強引すぎる方法で私にチケットを売ろうという方々のお出迎えです。チケット売り場周辺はこんな感じ。
このタクシーブルースターミナルは「Fasan’ny Karana」という名前だそうで、宿のお姉さんがメモに書いてくれました。
メモの下段には、おすすめのタクシーブルース会社名も。私には何のツテも情報もありませんからこれはありがたい。たくさん集まってきたタクシーブルース関係者に囲まれつつも、私の中では宿のお姉さんに教えてもらった会社一択でしたから、何の迷いもありませんでした。
すぐにその会社を発見。「Trans TSY TARA」。はっきり言ってこの会社の何がいいとかよく知りませんけどね。
中に入ると大量の男の人たちがついてきて、私がチケットを買う様子をじっと眺めています。
私「明日、モロンダバに行きたいんですけど」
タクシーブルース会社のおじさん「よしよし、明日か。わかった。50,000アリアリ(約1,675円)ね」
私「いや、35,000アリアリ(約1,172円)ですよね。私はそのように聞いてるんですけど」
聞いてるっていうか、インターネット調べっていうか、要はGoogle先生がそう教えてくれたのです。だから、私は断固35,000アリアリを主張します。壁にデカデカと書いてある料金表には「モロンダバ50,000アリアリ」の文字。でも、35,000ってGoogle先生が言ってましたから、私はゆずりません。
タクシー会社のおじさんは、こわい顔をして言います。「じゃあ45,000にしてやるから」
私も絶対に負けないぞという意思を表情で示します。「いや、35,000です」
……沈黙。
おじさん「わかった。40,000でいいよ」
私「いや、35,000ですよね」
こんどはにっこり笑ってみる。
……沈黙。
おじさん「だめだ40,000だ」
魅惑のほほえみに効果はないということが分かりました。「だったらいいんですよ。私全然ほかのところで探しますから。いくらでも会社はあるんですからね」と心の中で言って、一旦外へ出て歩き始めます。
……誰も追いかけてこない。
追いかけてこないくせに、みんなしてじっとこっちを見ている。15人くらい。こえーよ。もうやめて。交渉とかさ、本当に苦手なんです。もう無理。ギブアップ。私の負けでいいです。
交渉開始から10分足らず、非常に短い戦いでした。こうしてあっさり心が折れた私は、おとなしく40,000アリアリ(約1,340円)で翌日のムルンダバ行きのチケットを手に入れました。
金額のとこさ、若干ですけど戦いの形跡が見られますよね。ボールペンでぐじゃぐじゃって「5」を消した跡がさ。Google先生すみません。私はがんばれませんでした。Google先生に教えていただいた通常価格1,172円でチケットを買うことができず、つい1,340円支払ってしまいました。
え、差額って168円なの?
いやいやいやいや、この差をなめてるとあとから痛い目見るんですよきっと。この5,000アリアリをもっとねばればよかったーってなるかもしれない。よし、次回がんばろう。
ローカルバスで町へと戻り金銭感覚に異常をきたす
チケット購入後は、だいたいの距離感も分かったので、今度はローカルバス(ミニバン)で戻ってみることにしました。
タクシーブルースターミナルを背にして右手に100mくらい行くと、路線バスならぬ路線バンの停留所があります。当然ちゃんとした看板が立っているとかではなく、なんとなくそこにたくさんバスが来るから、そこが停留所って判別できる感じの場所。私の泊まっている宿の近くに戻るバスはNO.140。
初めてのローカルバスなので、金額がわかりません。バスが来たので、そこらへんにいる乗車賃を管理してそうな男の人に、ポケットの中に入っていた3,000アリアリ(約100円)を提示してみます。
男の人はニコニコしながら受け取って、そのままバスに乗るよう促しました。これが140番のバス。乗り口は後ろです。
「そっかー100円かー。安いなー」なんて思いながら周りの人を見ていると、1,000アリアリ払っておつりをもらっています。
「3,000アリアリ嘘じゃねーか。あんなにニコニコしていい人っぽい感じ出してたくせに騙しやがったな」
イラッとした私は、走り出そうとしたバスを飛び降りました。
「お金を返せ」
そう言うと、男の人はものすごくすんなり2,600(約87円)アリアリを返金。
つまり、バス代は400アリアリ(約14円)。
14円!?
ローカルバス安っ!! さっきは、タクシーブルース代168円をがんばれなかったくせに、今度はくすねられたお釣り87円のためにバスから飛び降りたりして、結局なんなんだろう。そして、ふと思い出してみると、最初に乗ったタクシー代408円でしたよね。
はぁ? 408円!?
タクシー高っ!! もうタクシー乗りたくないわー。ローカルバスがいいわー。なんかもう、何が高くて何が安いかよく分からなくなりました。っていうか全部安いっちゃ安いんですけど、それ言っちゃうとなんか違うっていうか。
とにかく、私がこの33年間で身に付けてきた金銭感覚を一旦、初期化して、新たにマダガスカル基準をインプットしていかないとこの先とても苦労するんだろうなと思いました。
ということで、私が今日新たに植え付けた金銭感覚をご紹介します。
■お店で買った水1L
1,200アリアリ(約41円)
■たばこ1箱
4,000アリアリ(136円)
■町中で売ってるコーヒー
500アリアリ(約17円)
注文するとこんなふうに作ってくれます。アジアや中東でもよく見かける練乳入りの甘くておいしいコーヒー。
いい笑顔です。
■町中で売ってるサンドイッチ
1,000アリアリ(約34円)
お店って言うか移動式トラックです。元フランス領だけあって、フランスパンがすごくおいしい。
■町のレストラン的なところのハンバーガー
10,000アリアリ(約340円)
ハンバーガー、高っ!!
いや、安っ!!
や、高いか。え? 安い? どっちどっち? ちょっともうよくわからないです。ただ、私が選ぶべきは「スープシノワーズ」と「ローカルバス」だということはしっかりと理解しました。
ではでは、本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント4件
わーマダガスカルってそんなに物価安いんだー!!
しかも治安も良さそう?
バオバオの木楽しみにしてるー♪
ほんとに切られたんやね!!
バッグが切られて、28位!!笑
海外ってやっぱりほんとこわいね
…>_<…
気をつけてね!