マダガスカル(2)洗礼とはいえ、人のバッグを切るのは感心しない
こんばんは。私は現在マダガスカルの首都アンタナナリボにいます。これから夜行バスに乗って「モロンダバ」という町に移動する予定。今、世界一周の途にありまして、2016年5月4日に日本を発ち、ここマダガスカルにやってきました。
【現在地】アンタナナリボ(マダガスカル)
Antananarivo(Madagascar)
【天候】くもりときどき晴れ
【気温・湿度】21.9度・70%(昼ごろ)
【為替】100マダガスカルアリアリ=約3.4円
到着から3日、さっそくマダガスカルの洗礼に合いました。それが上の写真のバッグ。
小道具の貝とか置いてみて、おされな感じに加工してみたものの、鋭利な刃物でざっくりですね。
ぼーっとしながら町中をうろうろしていたせいでこんなことになりました。
どうぞ笑ってください。
切られた直後に気が付きまして、怒鳴ったところ犯人は逃走。幸い、何も盗られることはありませんでした。
どうぞ安心してください。
そもそもこのバッグには、タバコとそこらへんで無料でもらった地図しか入っておらず、そのせいで警戒心がうすれ「バッグは前にして抱え込むこと」という海外における防犯対策の「基本のき」を怠った私に非があるわけですが。
それにしても、本当にこのような悪行には感心しない。
だってこのバッグすごくお気に入りだったのに。
『HYGGE』というのは、デンマーク語で「人と人とのふれあいから生まれる、温かな居心地の良い空間」という意味。英語や日本語、スペイン語などほかの国の言葉では置き換えられないデンマーク独自の言葉なのです。
「HYGGE は、もっと意味が深くニュアンスが広く、とにかくデンマーク独特なんだよ」と言います。 それは、ゆったり寛いだ雰囲気だったり、家族や友人達と共に過ごす心安らぐひとときだったり、夏の夕べに涼しい風に吹かれながらビールを味わうことだったり、寒い冬に暖炉で暖まる部屋の中で皆と語らうことだったり、おいしい食べ物やワインをゆっくり楽しむことだったり、窓辺に燈るキャンドルの火を見つめることだったり… 精神性や哲学にも通じ、デンマーク人が、とても大切にすること。 それが、HYGGE。
お気にいりすぎて日本でもしょっちゅう使っていて、よれよれのエコバッグ。旅のメインバッグでもサブバッグでも街歩き用バッグでもなく、ただただお気に入りだからとりあえずバックパックに入れとくかなんて思って持参しました。こういうことしてるから荷物が増える。で、ちょっと出かけるだけだしこれでいいかみたいな軽い気持ちで使用したのが運の尽き。
本当に大好きなバッグだったので、激しく腹が立ちましたから、縫って穴をふさぎ、再度使うことにしました。腐っても文化服装学院卒業。スタイリスト課という、広く浅く様々な知識を詰め込まれ、どれも中途半端っていうようなところに所属していたとはいえ、直線縫いくらいはできます。
ほらいい感じー。まるでルフィの目の下の傷みたいですね。名誉の負傷をしたこのバッグを使い続けることが、防犯に関する自分への戒め。今ちゃんと気を引き締めておかないと、この先トラブル続出、完全に「持ってる系バックパッカー」の仲間入りを果たしてしまう。今後このような軽率な行動をすることがないようしっかり注意を払って街歩きをしたいと思います。
こうなってくると、私の本命の「街歩き用バッグ」もかなりやばいんじゃないかってことに気が付きます。準備段階の投稿で紹介した例のバッグ。激しく「おすすめしない」と言ったあのバッグです。
世界の恐ろしさを知らない我が妹がお餞別兼誕生日プレゼントとしてくれたもの。自分で言うのもなんですけど、この投稿のフラグの立て方が見事すぎるから困るー。
おしゃれさを重視しすぎて、バックパッカー的にはかなり攻めたデザインに走っています。上品な透け感と、そこらへんのスーパーに買い物に行くのにぴったりな仕様。その前に「エコバッグ」というネーミングの時点で完全にアウト。以前の投稿を読んだ妹は「ちょww切られるとかwwそんなん考えたこともなかったーうけるーww」みたいなメールを送ってきましたけど、
お姉ちゃん今切られてるからね。
アフリカはこわいところやでー。しかもさ、マダガスカルってアフリカの中でもだいぶソフトな国で、もっとハードな国が大陸の方にはごろごろしてるって言うじゃないですかー。やだー。
あらためて「私は完全なる狩られる側なんだ」ということを思い知らされました。というわけで、みなさん気を付けていきましょう。
そんなアンタナナリボですが、街並みはすごくきれいで、フランスの植民地時代の名残でヨーロッパ風の建造物が立ち並びます。でもそれに混ざってマダガスカルの伝統的なとんがり屋根の建物もあって、独特の景観。
夕暮れ時がとくにきれいです。
ちょっと中心部から外れると、また違った生活の場が見られます。川沿いは古いおうちが多いです。
洗濯物は河川敷の芝生に干すスタイル。
市場には活気があって、カラフルな野菜や果物、雑貨などが一気に目に飛び込んできます。
一から十まで全てがあまりに日本と違いすぎて、歩いているだけでワクワクするんですよ。
で、夢中になりすぎるとバッグを切られます。
食べ物とかコーヒーとかを買うと、お店の人たちはニコニコ笑ってくれて、フランス語が分からない私にも一生懸命接客をしてくれる。そういえば、空港のイミグレの人やビザカウンターの人も日本より全然感じが良かったなあ。まああたりまえですけど、いろいろな人がいるってことですね。
上で掲載した縦位置の写真を撮影したのは、庶民の方々の暮らしを身近に感じられる「アナラリーマーケット」という国内最大の市場の近く。急な階段を上がったあたりです。
運動不足の私にはかなりこたえる急な階段ですが、登り切ったところから見られる景色はかなり素敵。
この階段の途中にはスタンプ屋さんが何店舗かあります。店舗っていうか、ブースですかね。
カメレオン、キツネザル、バオバブなどなど。マダガスカルを象徴するいろいろなモチーフをかわいらしくデフォルメしたデザインは、購買意欲をそそります。
でも、私はまだマダガスカルのことをよく知らないので、どの絵柄を買うべきか決められません。この国を1ヵ月かけて観光し、最終的にまたこの町に戻ってきますから、そのときに、私がここで最も気に入った1個を購入しようと思います。
私さ、旅行中そんなに友達とかできないだろうけど、現地の人とのささやかな交流なんかを大切にしながら、小さな田舎町の雑貨屋さんとか、地元っ子が集まるカフェとか、インテリアにも癒されるプチホテルとかをこのブログに記していきたいんですよ。日常のちょっとした贅沢に幸せを感じるような旅。ほんとは、『地球の歩き方』じゃなくて、
『FIGARO voyage』を持って来たかった。
スタイリッシュ、ラグジュアリー、エレガントで洗練されたワンランク上のおしゃれトリップ。でも『FIGARO voyage』マダガスカル版出てません。出てたとしてもおしゃれに特化しすぎて、一泊数万円のホテルとかしか載ってないし、町から町への移動情報とか皆無。さすがにこれでは丸腰と同じ。
確かに私の現在置かれた状況と『FIGARO voyage』は根本的に違うかなっていうのは薄々気付いてはいるのです。でも気持ちの上では、のんびりまったり優雅に旅をしています、みたいな『FIGARO voyage』系バックパッカーを目指したいのです。「HYGGE」とかさ、いかにもそれっぽいじゃないですかー。
それがなんですかこれ。
毎日毎日ちょっとしたトラブルに怒りを感じるばっかりじゃないですか。様々なトラブルを潜り抜けていく自分を記すことで「日本人よ、サバイブせよ」みたいなことを痛切に訴えかけたいわけじゃないんですよ。
ねえ、これまだ序の口なんですか? アフリカ旅のベテランの皆さま。こんなの全然序章に過ぎない感じ? ねえ? ねえ!?
とりあえず、お裁縫セットは「世界一周に持ってきてよかったランキング」暫定1位に躍り出ましたよね。
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。ついにこれから、噂の「タクシーブルース」に乗ってきます。目指すは「モロンダバ」。念願の“あの木”に会いに行ってきます。
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