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2016-08-31

エチオピア(8)ダナキル砂漠ツアー1「世界一過酷」は間違いではなかった

エルタ・アレ火山_エチオピア

世界一周を目指しアフリカを北上しております私は、現在けっこう北部にあるエチオピアというところにいます。本日は、この国でぜひとも行きたかった場所「ダナキル砂漠」を訪問するツアーの初日。

【現在地】ダナキル(エチオピア)

Danakil(Ethiopia)

【気温】42度(昼)

【天気】晴れ・くもり

【通貨】1ビル(ブル)=約5円

ダナキル砂漠ツアー詳細

エチオピアを訪れた旅行はぼぼ参加すると言っても過言ではないダナキル砂漠ツアー。昔は世界一過酷だなんて言われていたようですが、最近はそこまでではないようで。と、たかをくくっているのですが、実際のところどうなんでしょうね。

世界一周出発前から楽しみで楽しみで仕方のなかったこのツアーに、本日いよいよ参加します!

日程は3泊4日。エチオピア北部の町メケレからのスタートとなります。

【期間】2016年8月30日から9月2日(3泊4日)

【料金】450ドル(約45,000円)

前日にラリベラからメケレまで4WD車で連れて来てもらう料金込み※クレジットカード払い可能(私はvisaカードで支払いました)

【ツアー会社】Ethio Travel and Tours(エチオトラベル&ツアーズ)

【スケジュール】詳しくはエチオトラベルのHPに記載がありますが、ピークシーズンは毎日、オフシーズンは1日置きに3泊4日のツアーを催行しています。(ツアー内容詳細はこちら)

スケジュールは、参加する日により2パターン。つまり、私が初日にむかうエルタアレ火山は、私より2日前からツアーに参加していて今日がツアー3日目の人と合流するのです。

【必要な持ち物】

  • 日焼け止め
  • リップクリーム
  • サングラス
  • 帽子
  • カメラ(バッテリーも)
  • タオル
  • トイレットペーパー
  • 救急セット
  • トレッキングシューズ
  • サンダル

これはエチオトラベルさんから持参するよう言われるもの。その他、私が個人的に必要だと思ったものは、最後にまとめたいと思います。

8:30 エチオトラベル集合

砂漠ツアーには持っていかないPCを預かってもらいます。貴重品ということで、鍵付のロッカーに入れてくれました。

8:50 4WD車に乗り込みいざ出発!!

エルタ・アレ火山_エチオピア

一緒に行くメンバーは、昨日メケレから一緒にやってきた、スペインからお越しのファミリー。クララさん(娘)、ギルさん(お父さん)、アルセラさん(お母さん)。本当は違う車だったのですが、エチオトラベルの人のはからいで、急遽チェンジしてくれました。

我々の乗る車を4日間運転してくれるのは、ドライバーのアベベさん。コーヒーブレイクで小さな村に立ち寄ってお子様たちと遊んだりしながらドライブ。

ツアー3日目を迎える方々と合流し、ここでツアーガイドのアキさんとご挨拶。彼と、アシスタントガイドのアウトさんがツアーを仕切ります。

景色はすっかり豹変し、火山エリアが近づいてきた感じがプンプンします。

エルタ・アレ火山_エチオピア

車内はエアコンがしっかり効いていたので気づきませんでしたが、なんと外気温、40度。

エルタ・アレ火山_エチオピア

ドライバーのアベベさんが「ほら、村だよー」と道路脇を指差します。

エルタ・アレ火山_エチオピア

うそ…!!

気温40度にあって、さらに、このマテリアル。

エルタ・アレ火山_エチオピア

なんかいろいろ大丈夫かなあと不安になるのですが、ここではこれが当たり前のようです。

14:00 お昼ご飯

気温42度の砂地にある村にて、ランチです。

エルタ・アレ火山_エチオピア

この時点で気温は42度を記録。

エルタ・アレ火山_エチオピア

吹き付ける風はまるでドライヤーのよう。ここにただいるだけで、みるみる体力を消耗していく。

モンハンの砂漠エリアでね、クーラードリンクを忘れるとどうなるか。今、この身をもって理解しました。ハンターさん、ヨロヨロハアハアしちゃうまさにあの状態。これからは、まあなんとかなるでしょと無理してそのまま戦わず、一旦村にクーラードリンクを取りに帰ることにします。

ツアーのハイライト!! エルタ・アレ火山トレッキング

活火山であり、絶賛マグマ放出中のエルタ・アレ火山。この火口を見に行くためのトレッキング。3泊4日のツアーのハイライトであり、もっともつらいと言われている行程です。

それをいきなり初日からとかww

山のふもとのキャンプ地についたのが17:30。

エルタ・アレ火山_エチオピア

少し休憩をはさみ、ここからトレッキングスタートです。

■エルタ・アレ火山トレッキング詳細(エチオトラベルの場合)

私が参加したのは、雨季の終わりかけの9月あたま。季節は夏の終わりです。

【内容】Dodomという村を夕方出発し、火山の頂上にあるマグマまで歩いて向かいます。通常3時間かかると言われていますが、状況により前後します。到着後、マグマ観察とディナー。そしてマグマの近くで睡眠。翌早朝に起床し山を下り、下山後朝食。

【道のり】直線距離で約10km、通常所要3時間。

【荷物の運び方】自分で持って行く荷物と、車に預けていく荷物の2つに分けます。他のツアー会社ですと、これとは別に、ラクダに荷物を積み込んで頂上まで行ってくれるサービスがあったりするらしいですが、エチオトラベルの場合、ラクダ便は有料。聞いた話ですが50ドルとのこと。自分で持っていくのがよいでしょう。

【服装】2016年9月ですと、Tシャツ、短パン、バンズのスリッポンでOKでした。いや、正確にいうとちょっとOKではなくって…。

トレッキングシューズを強く推奨します。バンズとかなめた靴で行くと、苦労します。サンダルは不可。

【エルタ・アレ火山トレッキング持ち物リスト】

  • カメラ
  • 水(1.2Lペットボトル)念のため3本あると安心。
  • 懐中電灯(真っ暗闇を歩くので必ず必要です。なるべく性能のよいもの)
  • 頭につけるライト(両手が空くので懐中電灯より便利かもしれません)
  • 荷物を入れるリュック(斜めがけのバッグとかですと、けっこう辛くなると思いますので、しっかりとしたリュックがよいと思います)

■それではトレッキングに行ってみましょう!

18:30 もろもろの準備を済ませ、いざトレッキング開始。ちょうどサンセットの時間でした。

エルタ・アレ火山_エチオピア

ガイドのアキさんを先頭に、総勢50名近い旅行者が続きます。そして、その周囲に配置されるのが、

ソルジャーのみなさん。

エルタ・アレ火山_エチオピア

実弾入りの銃火器を所持していらっしゃいます。

無事に帰還したから書きますけど、このエリアはとてもとても危険地帯。お隣エリトリアとの国境に近く、ボーダーをめぐる攻防や、地元のゲリラから守っていただくために、ソルジャーが必要なのです。数年前には、トレッキングをしていた旅行者が襲われ、命を奪われるという事件も起こっています。

それゆえ、この地域とそしてこのツアーは、ガイドブック『地球の歩き方』にも掲載されておりません。

そんなツアーですが、道のりは思ったより平坦で、序盤はそこまで傾斜はありません。日没直後でまだ明るいうちは、ほかの旅行者とおしゃべりを楽しみながら歩くことができます。

このツアーで私は1名の日本人旅行者さんとお会いしました。夏休みを利用してエチオピアを訪れていらっしゃるやすさん。

かわいい忍者のTシャツがトレードマークです。

エルタ・アレ火山_エチオピア

「そのTシャツ、外国の方にすごく突っ込まれそうですねー」と言うと、「意外とそうでもなくって…」と悲しそうにおっしゃる彼とおしゃべりしながら歩きます。

今現在の私のルックスは、こんがりと日に焼け、ヘアスタイルはアフリカナイズされたコーンロウ。先日ラリベラでやってもらったんですねえ。投稿はこちら。

そして、トレッキングシューズで来いと言われたのにボロッボロのバンズのスリッポンという、いろいろと残念ないで立ち。

「旅行、長そうですね」と言われ、若干ヘコみます。違うんです違うんです。普段はもっとことりっぷみたいな感じなんですよ。

だんだんとあたりが暗くなり、歩くのがつらくなってきました。みなさん懐中電灯を出し、もくもくと山頂を目指します。遠くに火山が見えるの、分かりますかね?

エルタ・アレ火山_エチオピア

これまでのアフリカ旅で、多少体力がついたとはいえ、暗闇の中、安定しない足元の岩山を、バンズのスリッポンで登るのはなかなに骨が折れます。気温は27度。ぬるーい風が吹き抜けてゆき、だんだんと口数も減ってまいりました。とここで休憩タイム。

とりあえずリュックを置き、固まってゴツゴツしている真っ黒な溶岩の上に腰掛けます。

銃、ぽんと置いてくのやめてー

エルタ・アレ火山_エチオピア

ソルジャーさんの近くを通るだけでなんだか変な緊張感。

エルタ・アレ火山_エチオピア

持参したお水をごくごくのんでいると、やすさんから「飴、いります? 」という非常にありがたい一言が。

飴、うれしい。レモン味。疲れた体にしみわたるー。こうしてエネルギーを補給したところで再び歩行開始。

最初はある程度固まって歩いていた参加者ですが、このころにはだいぶ先頭と最後尾に差が付いてしまいました。最初は後ろの方をダラダラ付いていっていた我々は、気づけば先頭に近いあたりに。

そうしてここで悲しいお知らせ。

暑さなのか疲れなのか分かりませんが、歩けなくなってしまった男性が。それから、いっしょの車でここまでやってきたクララちゃんもだいぶ疲れていてこれ以上歩くのがつらそう。パパとママが頭に水をかけてあげています。まわりを見渡すと、他にも疲労を隠せない参加者たちがちらほら。

やだー病人続出じゃないですかー。

そしてこのツアーの恐ろしいところは、途中棄権ができないところ。

その場にとどまることもできませんし、キャンプ地に戻ることもできないのです。何が起きようと、とりあえず前へ進むしかないというとんでもないスパルタなトレッキングはまるで軍隊。

汗をかいているうえに、砂交じりの風を受けて顔はザラザラ、不快指数もマックスです。

やっぱり「世界一過酷」じゃねーか。

後ろからなかなか追いつくことができない参加者を待つために、休憩時間が長くなり、最初に聞いていた3時間という登山時間はとっくにオーバーしています。

もはや誰しもが無言。それでも歩くしかありませんので、一歩一歩前へ。少しずつではありますが、前方に赤々と見える火山が近づいてきました。

エルタ・アレ火山_エチオピア

火山と星、なかなかかっこいいではないですか。

そして、ついに、頂上に到着。本日のキャンプ地は火口の近くなのです。

■頂上から先、いよいよマグマとご対面

頂上に到着したのは、出発から4時間半が経過した、23:00。もう夜中と言ってよいでしょう。

しかし、我々のゴールはここではないのです。

このトレッキングの目的は「ぐつぐつと煮え立ったマグマを可能な限り近くで目撃すること」というわけで、絶賛マグマ放出中の火口へとさらなるトレッキングのスタートです。

23:00からこんなことするツアー、なかなかないと思います。

見てください!! あれが火口。

エルタ・アレ火山_エチオピア

キャンプ地の近くからでもそれなりに見えるのですが、もっともっと近くから見たい!!

そうして我々ツアー参加者は、真っ暗な中、火山の脇にあるクレーターへと降りて行き、マグマがよく見える小山へと歩行を開始しました。

地面には、つい数日前に流れ出した溶岩が固まった跡が。

エルタ・アレ火山_エチオピア

え、ここまで溶岩くるってことですよね?

今この瞬間にそれがおこっても不思議はないんですよね?

我々の身の安全はどのように担保されているのですかね?

心の中は不安でいっぱいなのですが、この場にあってはそんなこと言ってられません。

ちなみに、二日前には、ガチでマグマが近くまで来て、ツアーに参加された方々はまったく火口に近づけなかったそうです。どこまで近づけるかというのは流動的。すべては運なのです。

まるでガラスの上を歩いているようなガリガリパリンパキパキという、今までに味わったことのない非常に心もとない感触の地面。この上を、懐中電灯の灯りだけを頼りに歩きます。真っ暗すぎてどこへ向かっているのかさっぱりわかりません。

エルタ・アレ火山_エチオピア

時折、火口の方角からこちらに向かって風が吹いてくるのですが、これがなかなかの熱風。

あっつ!! ゲホッ!! おえー。ヤバイ息が苦しいー!!

火口からの風は強い刺激臭がし、もろに息を吸ってしまうと、のどが焼けるように熱く、明らかに有害な臭いというか味というか。

そして、歩くこと約20分。もっと長かったように感じましたが、ついに火口を見下ろすのに絶好の位置にある小山に到着。

けっこう極限の状態で、さらにそこそこ急な山登りかあ、とげんなり。しかし、小山を登る途中で後ろを振り返ると!!!

エルタ・アレ火山_エチオピア

ヤバイ!! すごい!!

いきなりテンション急上昇!!!

はやく上にあがりたーいという一心で、足取りも一気に軽くなり、最後の力をふりしぼって頂上へ。そして私の目に飛び込んできたのがこの光景!!

エルタ・アレ火山_エチオピア

やだーグツグツいってるー!!

真っ黒な溶岩の中に、異様に明るいマグマがうねっています。

クッパ城とか、モンハンの火山エリアとか、そんなんがまさに目の前にあるー!! いかにもラスボスが出てきそうな感じです。

エルタ・アレ火山_エチオピア

ときおりボコッとあわをふきあげ、マグマのしぶきが上がります。

ちょ、ま、え、ちょっと溢れ出してきちゃってんじゃん!!

エルタ・アレ火山_エチオピア

ゆっくりと流れるマグマの動きまで鮮明に見えて、ついにここまで来たんだと実感。

不思議な動きをするマグマをあまりに夢中で見つめたせいで、目が極度に乾燥し、コンタクトがポロリと落ちてしまいました。

えー!! この大事なタイミングで!!

しかーし、私のリュックの中にはこんなときのためにしっかりメガネが入っておりましたから、すぐさまメガネを装着。コンタクトレンズ使用の方は、念のためメガネを持参したほうがよいかもしれません。

エルタ・アレ火山_エチオピア

ときどきマグマが激しい動きを見せると、皆が歓声をあげ、自然の生み出した唯一無二の芸術に一同感嘆。

感覚としては、ろうそくの炎や、キャンプファイヤーの火をずっと見ているのと似ていて、いつまでのその場にいたい欲求にかられます。

しかし、この時点で時刻は00:00。

やはり睡眠は大切なので、ガイドさんが「戻りますよー」と声をかけ、そしてここで耳を疑う一言を発しました。

「もっと見たい方は、明日の朝3:00に起きて再度ここに来ましょう」

わあー、明日ってもう今日ですけどー。サービス精神おうせーい!!

というわけで今日のところは切り上げて、キャンプ地に戻りディナー&睡眠。本日のベッドはこちら。

エルタ・アレ火山_エチオピア

ディナーは、疲れすぎで写真撮るの忘れました。

こうして横になったのが午前1:00。あと2時間後には、再度マグマにアタックするという異常なプランですが、せっかくなので私は3時に起きる所存です。

【エルタ・アレ火山トレッキング持ち物リスト(追加)】

  • 飴。レモン味だとなおよし。
  • 熱さまシート
  • メガネ

地面に直に敷いたマットレスに倒れ込むように横になったところで、本日の投稿を終了とさせていただきます。ダナキル砂漠ツアー、初日からすごいことになってます。これを過酷じゃないというのなら、いったい何を過酷と言うのでしょうか。それでは本日も最後までお読みくださってありがとうございました。ではまた明日ー。あ、もう今日ですねー。

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コメント2件

  • Sachi より:

    こんにちは、mayumiさん。
    ナミビアのウェルウィッチアの記事でコメントした者です。あの記事を読んで以来、なぜかアフリカに魅かれてしまい、この記事をきっかけにダナキルツアーへの参加を決めました。これまで読んでいた世界一周者さんたちのブログでは仲間とわいわいツアー参加という形式が多かったので、お一人様での参加はまるで頭になかったのですが、ひとり参加の流れも把握できましたので決行に至りました。日本人の参加者も多いようなので、出会いもあるかなと。結果、日本人には4日間いっさい出会わずw。
    mayumiさんの記事をお手本に、エルタアレ登山にはお水のボトルは3本ね、とザックに入れてびっくり。重すぎて即行1.5本に変更。それでも終盤きつくなってしまいスピードダウンの上、ガイドさんやツアー客のみなさん、果てはソルジャー方々にまで手を引かれて登る始末。mayumiさんがフィジカルの強さを強調してらっしゃることに納得しました。
    何はともあれ、おかげさまでとっても楽しい休暇となりました。ありがとうございます。次は中南米編ですね。また冬の休暇の参考にさせていただくかもしれません。楽しみにしています。

    • mayumi mayumi より:

      Sachiさん
      おひさしぶりですー!
      行かれましたかダナキル!!!
      いやーあれはなかなかにハードなツアーでした!フィジカルだいじー!
      転んだり靴を破いたりカメラ壊したり、そんなことが起こりうるということもご納得いただけるということですねー(o^^o)
      出会いは、期待するほどないなって、私もアフリカ旅で思いました…。
      それでもあれをなしとげられたんだから、世界中、ある程度どこへ行ってもやって行けるんじゃないかと自信がつく素晴らしいツアーですよね笑
      またどこかに行かれたら、ぜひぜひ教えてください!!

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