メキシコ(20)マヤの宇宙を感じる織物の村サンアンドレス・ララインサール
現在世界一周の途にある私は、メキシコにあるサン・クリストバル・デ・ラス・カサスに滞在しております。ここは、インディヘナつまり、マヤの末裔である先住民のみなさんが作る伝統的な手工芸品で有名な町。そこで見つけたワンピースの魅力にとりつかれ、本日はその生産地の村を訪問してみました。
【現在地】サン・クリストバル・デ・ラス・カサス(メキシコ)
San Cristóbal de las Casas(Mexico)
【気温】22度(昼)
【天気】晴れ
【通貨】1ペソ=約5円
繊細で立体的な織り生地のワンピース
ここサン・クリストバル・デ・ラス・カサスに到着し、馬鹿みたいに買い物に励んでいる私には、もうひとつ、どうしても手に入れたい洋服がありました。
こちらや、
こちらで、
さんざん雑貨は買ったのです。ほんとにもう、世界一周ブログではなくどっかよそでやってくれと言われそうなほどに「これかわいいでしょ自慢」みたいなことを延々と描きました。が、それとは別に、私の心をつかんで離さないのが、素敵な織り生地を使ったワンピース。
どんな織り生地かというと、それがこちらです。
サン・クリストバル・デ・ラス・カサスのお土産屋さんでも扱っているところは多く、チュニックやワンピースなど、たっぷり目にすることができます。事前にこの地域の情報を検索しているときたびたび見かけたこの織り生地は、サンアンドレス・ララインサールという村で作られているそうです。
オアハカで毎日毎日見てきたお花モチーフの洋服たちは、私にはちょっとファンシーすぎるんじゃないかと思う部分がありましたが、この織りはなんだかかっこよくて甘さ控えめ。これなら私でも堂々と着られそうです。
ワンピースはできるだけ長めの丈で、色は紺色、値段はまあ安いほどいいよね、という希望を胸に抱いてサン・クリストバル・デ・ラス・カサスのマーケットを見て回っていると、なんと、ありました。あっさり見つかりました。普通に売ってました。全然苦労しなかった。
黒に見えますが、濃紺です。で、胸元に使用された織り生地がサンアンドレス・ララインサールのもの。
スカートや袖はガーゼ素材に切り替えられておりまして、この部分は織りではありません。同じ織り生地が袖口にもあしらわれております。
丈は、裾から靴が見えるか見えないかくらいのマキシ丈。お値段500ペソ(約2,500円)。大変お買い得な気がしますねえ。ちなみに、全体が織りで作られたワンピースですと1,000ペソ(約5,000円)を超えるものもあります。
ひし形の柄の中に少しだけ色がちりばめられた宝石のようなデザイン。メキシコに古代から伝わる「腰織」という手法で織られており、その中でも「浮き織り」という、絵柄が浮き上がって刺繍のように見えるテクニックが使われています。
村ごとに特徴的な幾何学模様や動物の模様があり、すべてに意味が込められているそう。そしてその模様や手法は、代々親から子へと伝えられている大変貴重なもの。
この織りの模様、菱形は“宇宙”を表しているそうなのですが、正確なところはよくわかりません。とはいえ、宇宙人との交流が噂されるマヤ文明、ドキドキわくわくオカルトチックな妄想を掻き立てられる素敵なデザインです。
見事なジオメトリック模様の織物で有名なサンアンドレス・ララインサール
このような美しい織り物製品が生産されているサンアンドレス・ララインサール。滞在しているサン・クリストバル・デ・ラス・カサスからはバスで1時間の距離にあります。手軽に行ける場所なので、本日はその村を訪れてみることにします。
■サン・クリストバル・デ・ラス・カサスからサンアンドレス・ララインサールへの行き方
【場所】サンアンドレス・ララインサール(San Andrés Larráinzar)
【サン・クリストバル・デ・ラス・カサスのバスターミナル】
大通りから少し入ったところにあります。看板が出ているので、お見逃しのないように。
立派な車庫がありまして、その内部にコレクティーボ(乗り合いバン)が停まっています。
【料金】コレクティーボ(乗り合いバン)で片道20ペソ(約100円)
【所要時間】約1時間
サンアンドレス・ララインサールの村の様子
バスを降りたところは、村の中心。教会の目の前です。
昨日訪問した、サンファン・チャムラやシナカンタンはもっと観光客の姿を見かけたのですが、ここではほとんど目にすることはありません。
もっと観光客がいて、お土産屋さんがあって、みたいな感じを想像していたのですが、まったくそんなことなくって戸惑いを隠しきれません。
というのも、本業で朝から晩まで織物やってます、という方は少なくって、ほとんどの方が農作業などのかたわらに、空いた時間を使って作っていらっしゃるそう。ですので、サンアンドレス・ララインサールに行けば織り物アイテムをいっぱい買えるし、どこでも作っているところを見られるよ、というわけではないんですねぇ。
お土産を買いたいなら、断然サン・クリストバル・デ・ラス・カサスのマーケットのほうが種類豊富。サン・クリストバル・デ・ラス・カサスのお土産屋さんをうろついていると、たまに自身の作った商品を売りに(卸しに)着ていらっしゃるインディヘナの方々をお見かけしますので、周辺の村で手作りされたものは大きな町に集まってくるのでしょう。
とりあえず、教会前からメルカド方面に向かって歩いて行くと、なんと、たくさんの女性たち。みなさん民族衣装の刺繍ブラウスを着ていらっしゃる!!
カラフルー!! 近くの施設で何かしらの行事が行われていたようです。
ところが、みなさんが着ていらっしゃるデザイン、お土産屋さんでみかけるのと少し違うんですねえ。色は赤っぽいものが多い。それにフレアスカートを合わせたかわいらしい着こなしです。
村を歩いていると目に入ったお土産屋さん。
「ARTESANIA」というのが伝統的な手工芸品のことなのですが、そんなに品揃えは多くありませんでした。そこで、もっとこういうの買いたいんですけど、と尋ね、教えていただいたのがこちら。
村に入る手前の道を左に入っていったところにあります。村の中心部から徒歩15分くらい。
「PORTAL ARTESANAL SANANDRES LARRAINZAR」という手工芸品ショップ。サンアンドレス・ララインサールの伝統的な織物のお店が4店舗ほど軒を連ねています。場所はこのあたり。
お店の前には、織り作業中の女性の姿も。
これが、伝統的な「腰織」という手法です。大きな織り機を使うのではなく、自身の腰と、家の柱なんかを使って織っていくんですねえ。
手元を覗き込むと、縦糸に横糸を一本ずつ丁寧に差し込んでいらっしゃる。
1段1段、仕上がりを計算しながら糸を通していく気が遠くなるような工程…。
これでタペストリーなり洋服なりを作るのは、とんでもなく時間と手間がかかることでしょう。昨日買ったワンピース2,500円がとんでもなくお買い得な気がしてきました…。
ちなみに、この女性が着ていらっしゃるのも、やはりお土産屋さんで売っているのとは違う織りの生地でした。
ここに集まるお店はそんなに大きくはないのですが、それでも品物は結構充実しております。
ここで、ポーチと小さめの壁掛けを購入。
これお母さんの誕生日プレゼントにしたいんですよねー。すでに過ぎてしまった上に、当日何の連絡もしなかったどうしようもない娘ですが、遅ればせながら贈り物を、と。しかしどうやって送ったらよいものか…。現在検討中です。
話ついでに、売り場の女性に「みなさんが着ていらっしゃるブラウスを買いたいのですが、どこで買えますか」と尋ねてみると、なぜか失笑されました。なんでだろうと不思議に思いながら、村のメイン通りを歩いていると、地元の女性たちでにぎわっているお店を発見。ここは手芸品店。
たくさんのカラフルな糸が並んでいます。もしかして、みなさん自分で刺繍なさっているんでしょうか…。だから売っていないのかなぁ。スペイン語が分からなさ過ぎて、聞こうにも聞けないところがくやしいのですが、とりあえずここにきてわかったことは
サンアンドレス・ララインサールの代表的な織りですよと紹介されている生地はたぶん洋服用ではなく、壁掛けやおうちの装飾品などに使う用。
で、それを洋服に仕立てたものが観光客用としてマーケットで売られている、ってことなんだと思います。
というわけで、地元の方々が着ていらっしゃるわけではないんですねえ。しかし、似たようなウイピルはサン・クリストバル・デ・ラス・カサスのマーケットで売られているのを見かけましたので、欲しい方はぜひー。
変なあだ名を付けられる前に
サンアンドレス・ララインサールの村からサン・クリストバル・デ・ラス・カサスへは、夕方には戻ってまいりました。片道1時間かかり、村での観光は長くて3時間くらいだと考えると、合計5時間みておけば十分かと思います。
そうして再びマーケットあたりをうろついていたんですけれども、こうも毎日毎日「ムイ、ボニータ!!! (超かわいい!! )」を連発しながらマーケットを物色していると、そろそろ地元の人から「ボニータ女」的な変なあだ名を付けられるんじゃないかと危惧しています。そうなる前に、立ち去らなければいけません。というわけで、本日はサン・クリストバル・デ・ラス・カサスを発ち、次の目的地「カンクン」へ向かいます。長くなったので、移動情報は明日の投稿にまわします。
それでは本日の投稿はこれにて終了。サン・クリストバル・デ・ラス・カサス編も終了です。最後までお付き合いくださってありがとうございました。
■サン・クリストバル・デ・ラス・カサスでおすすめの安宿・ゲストハウス・ホテル
13 Cielos Hostel(トレセ シエロス ホステル)
【宿泊日】2016年11月
【部屋の種類】2段ベッド3台の6人部屋。女性専用ドミトリールーム。
【料金】100ペソ(約500円)/泊
【設備】
シャワー・トイレ共同、お湯たっぷり。無料Wifiサクサク。キッチンあり。冷蔵庫もありますので自炊可能。ホテルの方はとてもフレンドリーです。場所も、ソカロから近く、どこへでも徒歩で行ける便利な立地。ADOバスターミナルまで徒歩15分くらいでした。ホテルの規模の割に、シャワーとトイレの数が多くって、居心地もすごくよかったです。またこの村に来たら泊まりたいなあ。
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