メキシコ2(4)マジカル☆バカラと世界最古の生物ストラマトライト
現在中米はメキシコを旅しております私は、プラヤデルカルメンに滞在中。ここで念願のアイテム「ハンモック」を購入し、いよいよ怒涛の中米南下を敢行いたします。と、その前に、あともう一か所だけ、メキシコで行っておきたい町があるのです。その名は「バカラ(Bacalar)」。
【現在地】バカラ(メキシコ)
Bacalar(Mexico)
【気温】30度(昼)
【天気】晴れ
【通貨】1メキシコペソ=約5円
“魔法のように美しい”マジカル☆バカラ
Bacalar(バカラまたはバカラール)という名前の町の名を聞いた方はそう多くないかもしれません。私も、メキシコに来るまでは全く知りませんでした。
しかし、メキシコを旅していると、何度となく耳にするこの町の名前。
「バカラは絶対行ったほうがいい!! 」
「バカラほど美しい場所はない!! 」
「ユカタン半島でバカラが一番よかった!! 」
みんなすげーバカラ推し。地元メキシコ人も、欧米からの旅行者さんも、「メキシコでどこが好きだった? どこがおすすめ? 」と聞くと、こぞってこの地をおすすめしてきます。
バカラと言われると思い浮かぶのは、フランスの高級クリスタルガラスメーカーかもしくはカジノでやるトランプゲーム。これらは英語で書くと「Baccarat」なんですけれども、どうやらメキシコのバカラは「Bacalar」と表記するようです。みなさん「バカラ」って呼んでましたけど、もしかしたら「バカラール」なのかもしれませんが、そんなことはまあどっちでもいいのです。
それよりも、この場所がどんなところかといいますと、
とにかくね、キレイ、美しい、ビューティフル、アメイジング、オーサムなんですって!!
最大限の誉め言葉が並びます。
え、バカラってどこー? そんなの知らなーい。
バカラ推しの方々に詳しく聞いてみるとですね、バカラというのは地図で言うとここ。
居心地が良すぎて長居した、カンクン、プラヤ・デル・カルメン、トゥルムがあるユカタン半島からもっと南。ベリーズに近い場所です。
それではまずは行き方から。えー、カンクン、プラヤ・デル・カルメン、トゥルムのどこからでも、メキシコの長距離バス会社「ADO」のバスで一本です。とても簡単。
私はプラヤ・デル・カルメンに滞在しておりましたので、ここからADOバスに乗りました。プラヤ・デル・カルメンからバカラまでは250ペソ。約4時間かかります。料金は乗車する便と購入のタイミングで変わってきます。
10:50 プラヤ・デル・カルメンのADOバスターミナル出発(アベニーダシンコにあるほうのターミナル)
14:40 バカラのADOバスターミナル到着
バカラのADOバスターミナルは、今まで行ったターミナルの中で一番小さいです。
幹線道路沿いで、けっこう雑多な感じ。場所はこちら。
さあ、それではここから徒歩でホテルに向かいます。
途中でみつけた迫力のある鳥。
初めて見たフォルムでちょっとビビる。
20分ほど歩いて、到着いたしました。ホテルの名は「Cabañas Hostal & Camping Magic Bacalar」。
ホテルの紹介をする前に、まずは、バカラという町の立地について。地図で見ると、こうなっております。
近くに、ほそながーいラグーン(湖)がありますね。海に近いんですが、海からは切り離されておりますので、ここの水は淡水。そして、この湖こそが、バカラの一番のセールスポイントでございます。
なんでも、その水の色が7色に輝いていて、とんでもなくきれいだっていう噂。
ですから、ここで私が予約したホテルは、湖沿い。いつもであれば、Booking.comで検索して最安値の宿を選ぶことが多いのですが、バカラでは、安いほうから3番目くらいの、ホテルの敷地内からダイレクトに湖にアクセスできるところをわざわざ選びました。
■バカラ(Bacalar)でおすすめの安宿・ゲストハウス
Cabañas Hostal & Camping Magic Bacalar
(カバーニャス ホステル&キャンピング マジックバカラ)
オウムがいて、狂ったように鳴いていました。
チェックインを済ませ、さっそくドミトリールームへ案内していただきます。ドミトリールームの建物前には、ハンモック完備。いいですねえ。
【宿泊日】2017年1月
【部屋のタイプ】ベッド12個ドミトリー。男女混合。
【金額】225ペソ(約1,200円)/1泊
【設備】室外に共同シャワートイレあり。キッチン狭いけど自炊可能。Wifiはレセプション付近のみ使用可能。朝食付き。湖に面していて立地最高。
荷物を置きましたら、いよいよ湖に。このドミトリールームの建物からすぐ。もう目の前が湖です。
!?
わぁっ!!!!
なにここ超やばいじゃーん!!
7色かって言うと、ちょっとあれですが、超キレイです。
想像以上の美しさに、しばし茫然。メキシコ、まだこんなすごい武器隠し持ってたかぁー、やるなぁ。
ちなみに、ここバカラでは「Puebulo Magio」という表記をよく見かけます。
Puebulo Magioとは、メキシコ政府観光局主導のプログラムでの名称。メキシコ国内から魔法のように魅惑的な自治体を毎年選出するというもの。
そこに、象徴的な建造物等や伝説、歴史、その他突出した特別な(観光)要素を有すると同時に、今もそこで日常生活を送る人々が住んでいる。つまりは、そこの社会文化にあるもの一つ一つ全てが魔法のように魅惑的で、絶好の観光地となる場所のこと。
バカラは、この魔法のような魅惑的・魅力的な町として、2006年に選出されているのです。ちなみに、現在80以上の自治体が登録されておりまして、これはちょっと多すぎるのでは、と思わなくもないですが、メキシコには素敵な場所がたくさんあるということだと受け止めましょう。
ホテルの名前にもしっかり“Magic”と入っておりますし、この幻想的なラグーンが醸し出す雰囲気は、たしかに魔法と言っていいかもしれません。
それほどに、ここは美しい!!
みなさんが強力にプッシュしてきた理由がわかりました。
こんな絶景に囲まれて、こんな三角屋根の中でゆるーい時間をすごすことができるなんて最高ではないですか!!
ここにもハンモックがあります。
ゆらゆらゆられて、暑くなったら湖にドボン。最高です。
ちなみに、ここはキャンプエリアもあり、テントを持っていれば一泊10ドルになります。そんなに安くはないんですねえ。あとはキッチンがあり自炊が可能。
湖に浮かぶ三角の小屋は、滞在者は使い放題です。
ストラマトライトってなんですかー??
三角小屋で本を読んだり、うとうとしたりした後、とりあえずラグーンを泳いでみました。湖なので、流れもほとんどなく、ひんやりとした水の冷たさが心地よい。ただ闇雲に突き進んだり、ときおりぷかーっとうかんだりしながらラグーンスノーケルを満喫。
そうして宿に戻ってくると、一人のおじさんが興奮気味に話しかけてきます。
「ねえ、ラグーンで泳いだ!? 」
「ええ、まあ」
「まじで!? じゃあさ、じゃあさ、あれ見た? あのストラマトライト 」
「(早すぎ&発音良すぎでよく聞き取れない)もっかいお願いします」
「ストラマトライトだよー!! もしかして見てないのー!? 」
「ストラマ…はぁぁあ!? なんですか? 何言ってんですか?」
「水の中に岩みたいなのがあって、それに苔が生えていたやつ、見たでしょー? 」
「あー…確かそんなんあったような」たぶんこれ↓
「あれがストラマトライトだよ。最古の生命体!! せっかく貴重なものを見られるのに知らない人が多いから、みんなに教えてあげてるんだ」
ストラマトライトが何なのかまったく存じ上げなかった私は、急にテンションの高いおじさんが前のめりでわあわあ言ってくるもんだからびっくりしてしまいました。とはいえ、じっくりお話を伺ってみると、どうやら地球上でもそう多く生息はしていないストラマトライトという植物が、このあたりのエリアに生えているそうで…
ストラマトライトおじさんに「stromatolite」と英語の綴りをメモ帳に書いていただいて、Google先生にお尋ねしてみました。
【ストラマトライト(stromatolite)】
それは、20億年以上も前という途方もない大昔の海中で始まりました。初めて、光合成により酸素を作り出すシアノバクテリアが出現したのです。ストロマトライトは、そのシアノバクテリアの活動によって造られた層状の堆積構造です。地球上の酸素は、はるか20億年以上も前に、海の中から誕生したんですね。私たちは、そんな大昔のシアノバクテリアがつくりはじめた「酸素のタネ」のおかげで、この地球に生まれ出ることができたのです。
東北大学総合学術博物館HPより引用
えっとー、つまり、むかしむかーし、20億年以上前に、はじめて光合成により酸素を作り出した細菌がおりました。その名がシアのバクテリア。そのシアノバクテリアの活動によって作られた堆積物が、ストラマトライト。
わぁ、よくわかんないけど、なんかすごいじゃん!!
先カンブリア時代(地球が誕生した約46億年前以降、肉眼で見える大きさで硬い殻を持った生物の化石が初めて産出する5億4,200万年前以前の期間を指す地質時代。約40億年にわたる)には、シアノバクテリアは地球上いたるところに生息していて、酸素をたっぷりと供給していたそうです。しかしその後、シアノバクテリアを餌にする生物が現れたことにより数が激減。
億とか言われると、ちょっと私はもうついて行けてないですけど、ストラマトライトは、最古のものだと、37億年前の地層からも見つかっているのだとか。
ここバカラにあるストラマトライトが正直どのくらい前から生息しているのかはわかりませんが、とにかく貴重なものだといわれると、俄然ありがたみが増します。おじさんに感謝。
こんなただの岩が、なかなかすごいやつだったんですねえ。
Mr.ストラマトライトはその後も、新しい宿泊客がやってくるたびに、ストラマトライトのことを熱心に教えてあげていました。
バカラを訪れる方が、どれほどストラマトライトにご興味があるか分かりませんが、もしこのような生物がお好きなのであれば、ここはストラマトライト見放題です。たっぷり堪能してください。
魔法のように美しく、そして、地球上ではじめて酸素を供給してくださった生物の末裔が生息するBacalar(バカラ)。素敵なところじゃないですか。私的にはものすごくおすすめの町でございます。
私は参加しておりませんが、宿ではこのラグーンをたっぷり堪能できるカヌーツアーやスノーケリングツアーを催行しておりました。ボーっとするだけではなく、もうちょっとアクティブに楽しみたい方も満足できると思います。
それでは本日の投稿はこれにて終了。最後までお付き合いくださってありがとうございました。明日もバカラに滞在です。バカラでの生活の様子をご紹介します。
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