ホンジュラス(3)発狂寸前! 恐怖のサンドフライ。出られない島と眠れない夜
昨日大大大満喫したものの、いまいち承服しかねる不思議料金形態にもやっとしてしまったウティラ島ダイビング。とはいえイルカともジンベイトも泳ぐことができて最高の思い出ができました。そうして本日はウティラ島を後にし、本土にあるラ・セイバに戻る予定でおりました。
【現在地】ウティラ島(ホンジュラス)
Utila Island(Honduras)
【気温】31度(昼)
【天気】晴れ
【通貨】1レンピラ=約5円
ウティラ島から出られない件
戻る予定でおったのはいいんですけども、今朝のウティラ島の様子はこちらー。
本来であれば、この船着き場には、このような赤いフェリー「Utila Dream号」が停泊していなければなりません。
しかし、その姿はなく…。
なんとこの日、ハリケーンがウティラ島を直撃。
未明から雨と風が激しくなり、フェリー出発時間である朝6:20の30分前にフェリー乗り場に行くと、「本日フェリーは運休します」という悲しい宣告を受けてしまいました。
まあ、この後の移動が決まっているわけではありませんので焦る必要はないのですが、島から出られないという缶詰め状態はけっこうつらいものがありますね…。
これだから離島ってやつは…。
この先もしも私が離島に住むことがあるならば、こういうこともあるんだぞっていうのを肝に銘じて上陸するようにしたいと思います。
あたりまえですが、嵐のためダイビングボートも動けません。「島から出られないなら今日もダイビングするかー」というわけにもいかず、宿でごろごろするしかない状態。
そういえば、旅を初めて9か月くらい経ちますけど、私は乾季を選んで旅をしてきましたから、こんなふうに本格的な雨にやられて移動の予定を変更せざるを得ない、なんて経験は初めてのこと。島に缶詰め、ホテルに缶詰め、なんていうのも初めてです。
とはいえ、もともと生粋の、どこに出しても恥ずかしくない、むしろ自信をもって誇れるレベルの引きこもり気質の私ですから、こんな状況ですが、ストレスもフラストレーションもたまりません。これはこれで悪くないです。
こないだkindleでダウンロードした「ミレニアム4」をじっくり読みたかったんですよねー。今回もリスベットは安定のかっこよさ。
ホテルにはレストランがあるのでコーヒー(15レンピラ/約75円)なんかも飲めますし、食事も可能。移動式ドーナツやさんがやってきてドーナツを買うこともできます。
こういう売り方いいよねー。なんか買いたくなるよねー。このドーナツ、超おいしかったです。
1個15レンピラ(約75円)。
いろんな意味で私よりはるかに上がいた
嵐で動けないのをいいことに、思う存分ごろごろしておりましたが、夕方近くになると、ダイブショップでガイドをやっている韓国人の女性から話しかけられます。彼女はジンちゃん。
ベリーズ以南、東アジア人の旅行者がガクッと減りました。日本人だろうと韓国人だろうと、とにかく東アジアっぽい見た目の人が少ないので、たまに出会うと、なんとなく無言のうちに仲間意識みたいなのが芽生える気がいたします。
そんなこともあって、顔を合わせるたびにちょくちょくおしゃべりをしていたジンちゃんが「せっかくだから、うちに晩御飯を食べに来ない? 」と誘ってくれました。
彼女は、韓国から3か月前にホンジュラスにやってきて、ここでダイビングマスターまでとったダイバーさん。しかもダイビングマスターになったのはつい2日前のことだそうで、ホヤホヤのガイドさんなのです。
年齢も近そうに見える彼女から夕飯にご招待いただき、お言葉に甘えることにしました。
スーパーで野菜などを買い、おしゃべりしながらジンちゃんが一人暮らしをするおうちへと向かいます。
私「ダイビングマスターってすごいねー!! やっぱり昔からなりたかったの? 」
ジンちゃん「そうでもないよ。はじめてダイビングをしたのが1年ちょっと前で、そこでダイビングが大好きになっちゃって!!! それまで1回もやったことなかったのに。それから、いろいろ悩んだんだけど、結局仕事もやめちゃって…やっぱりダイビングやりたいなって」
私「わぁー! 似てるねー! 私もダイビング始めたの1年ちょっと前だよ。で、同じように、ダイビングが大好きになっちゃって、なんやかんやで仕事辞めて旅に出たんだよー!! 」
ジンちゃん「えーそうなのー!? いいよねーダイビング」
私「いいよねー!! でもさー実はそのこと父親に言ってないんだよね。仕事辞めたことも知らないと思う…」
ジンちゃん「あはは、うちなんて両親とも知らないんだ。で、今はオーストラリアで英語留学してることになってる…。ほら、時差とかだいぶあるから、メール返信する時間とか気を遣ってる」
私「うわぁ…両親ともかぁ。そりゃ大変だねー。ちなみに、何の仕事してたのー? 」
ジンちゃん「医者」
私「え…。お医者さん!? それ辞めちゃったの!? 」
ジンちゃん「うん。だって私もいい歳だから動くなら早くしないとと思って」
私「わかるー。ジンちゃん今いくつ? 」
ジン「37」
私「ジンちゃんいろいろすごいねー!!! 全体的に私の上をいってるねー!!! 」
境遇が似ている我々は、すぐに打ちとけ、ジンちゃんのおうちで、彼女の作るすごい辛いけどすごいおいしい野菜スープをごちそうになりました。
辛ラーメンの味がした。
ウティラ島のナイトライフについていけない
お腹がいっぱいになり、そろそろおいとましようと思っていたところ、ジンちゃんから二次会の提案が。「ウティラで人気のバーに飲みに行きましょ! 」とのことです。
そんでもって、お友達やほかの旅行者さんと「ビアポン」と呼ばれる遊びをしましょ! と。
お若い旅行者さんが圧倒的に多いウティラ島。仕方のないことですが、夜はクラブやバーでウェイウェイしてらっしゃる方々がたくさん。そこで催されるゲームが、ウティラ島名物「ビアポン」。
【ビアポン】英:Beer Pong
通常、1チーム2人から4人で構成された2チームによって競われ、プラスチックカップ10個、テーブルの両端に三角形に配置し競技される。カップには、水もしくはビールがカップの4分の1程度満たされている。玉がカップに入った場合、入れられた側のチームはカップを規定の位置から外し、テーブルのサイドへどけていき、カップ数が決まった数になった時にカップをリフォーム(re-rack)し、決まった形に整え、最後のカップ”ラストカップ”の時は中央に配置、相手よりも早く全てのカップにピンポン玉を投げ入れたほうが勝ちという基本ルールとなる。投げる順番は、ルールによって異なる。通常、1人1球ずつ交互に投げていくという形で進められる。
Wikipedia「ビアポン」より引用
はじめて耳にするゲームです。説明聞いてもいまいちルールが分からないのですが、要は、こういうこと。
パーティーを主催する家主やプレーヤー同士でルールを定める。 特定した仕様がなく、競技よりもアルコールを楽しむ要数が多く、入れられたカップのビールを飲み干さないといけないルールをはじめ、ゲームに負けたら全裸でダンスなどの罰ゲームを設ける。 飲んではしゃくことが目的のルールである。
Wikipedia「ビアポン/パーティールール」より引用
ここウティラ島におきましても、敗者に課せられるペナルティは「全裸」。なぜたかがゲームに負けただけで全裸にならなければならないのか理解に苦しむのですが、とにかくそれが絶対ルール。
もしかしたらブログ読者さんはその様子なんかをレポートした投稿をお読みになりたいかもしれませんが、
私はそんなゲームは、絶対にやりたくありません。
正直なところ、自分が参加しなくても、そっち系のノリがどうしても苦手なもので、そのような場にいることすら苦痛。というわけで、ここは丁寧に辞退します。
「いやー私はいいかなー。全裸とかはちょっと…。ジンちゃんお友達と行ってきなよ。私はほら、もう寝なきゃ。今日は本当に楽しかった、ありがとうね」
「え、まだ8時」
「だよね。でもほんと、大丈夫。あ、私、お酒飲めないし」
「気にしなくっていいって! コーラ飲んでればいいからさ」
「いやいやいやいや、シラフで全裸のほうがもっと無理」
いくらノリが悪いと言われようとかまいません。私は本当に心の底からビアポンには参加したくなかったのです。10分程度の押し問答の末、やっとあきらめてくれたジンちゃん。こんな性格ですみません。
ちなみに、ウティラ島では、クラブやバーなんかで、マリファナがわりと普通に出回っていました。あとコカインも。もちろんどちらも違法です。薬物乱用防止「ダメ。ゼッタイ。」
そういうのとも距離を置いときたい私はノータッチですけど、夜ホテルに戻る途中に、ジンちゃんが「あれ、コカインクッキーだよ」と教えてくれたんですけれども…。生地にコカインを練りこんだ特製手作りクッキー1枚30レンピラ(約150円)を路上で売っていました。
ほ、ほんものかなぁ…。
とはいえ、治安が悪いかっていうと、全然そんなことないんですよねぇ。マリファナもコカインも無理やり接種させられるなんてことはもちろんありませんので、距離を置いときたい人は置いとけます。そして様子のおかしいジャンキーがうようよいるとか、そんなんも皆無。遅くまで遊んでいる旅行者さんが路上にちらほらいますので、夜でも普通に出歩ける雰囲気なんですねぇ。なんだか不思議な島です。
ウティラ島のサンドフライについて
最後に、もうひとつ、今後ウティラ島に行かれる方にお伝えしておきたい情報が。ダイビングをした翌日にさっそくこの島を出ようとしていたことと関係があります。ウティラ島は、島の雰囲気も悪くないし、風紀は若干乱れてはおりますが、居心地が悪いわけではないんです。離島大好きな私ですから、いつもであればもう1、2泊しているはずなんですよ。
でも、でも、それがどうしても無理だったのです。
その原因は、虫。
あのー、大きなゴキブリとか蛾とかバッタとか、そういうのは全然平気なんですけど。ただですね、いかんせん私は、刺したり噛んだりしてくる虫に弱いようで…。
ウティラ島には、地元の言葉で「ヘヘン」、英語で「サンドフライ」と呼ばれる虫が大量にいます。日本語だとなんなんでしょう…。日本で「ヌカカ」と呼ばれているやつに近いのかも? 正確なところはよくわかりません。
体長1mm以下の黒くて小さい虫。
羽が生えていて、飛びます。
そして、刺します。
刺されるとチクっとするんですけど激痛というほどではなく、そんなことよりもむしろそのあとのかゆみが尋常じゃないくらいやばいです。
おまけに、通常のモスキートスプレーは効果がありません。ベビーオイルを塗っとくといいと後から聞きましたが、そのへんよくわかっていなかった私は、大量のモスキートスプレーを体にかけ安心しきっておりました。
そうしてこの島で1日過ごしたところ、ひざから下が大惨事。
数十か所刺されました。見た目ももちろんひどいのですが、それよりも、夜、ほんとうにかゆくてかゆくてかゆくてかゆくて。
クッソかゆいんですけどちょっともうなんなんですかこれ。
夜中に何度も目が覚めるレベル。発狂寸前でした。
海は好きだけど、もうここにはいられない…。
本当につらいのです(涙目)。
刺されたあとの反応の出方は人それぞれだそうで、ひどく炎症を起こしてしまう人もいますが、反対になんともない人もいます。真偽不明ですけど、地元の人は「アジア人は肌が柔らかいから狙われやすい」とおっしゃってました。
ちなみに私の場合、かゆくて夜中に目が覚めるという症状はその後1か月以上続き、最終的に結節性痒疹と診断される状態になりました。この跡はきっともう一生消えないだろうなぁって思います(遠い目)。
おまけにその虫刺されをほっといたらそこから菌が入り、「蜂窩織炎」にまで悪化。海外旅行保険のお世話になり、抗生物質の点滴をしたりと、あんまり笑ってられない状態になりました。これ途中からサンドフライのせいっていうか自分の体質とか免疫力とかのせいだと思いますが、きっかけはサンドフライ…。
「こいつこないだも虫に刺されておかしなことになってたよね。バカなの? 」とお思いの方、いつもブログを読んでくださってありがとうございます。そうですね。エジプトで刺された虫のせいで、メキシコ到着早々困ったことになっていました(詳細こちら)が、今回もまた虫です。ほんとこれだから虫ってやだー。
ウティラのネガキャンがしたいわけではありませんのでちゃんと言っときますけど、
ウティラに来たからと言ってみんながみんなサンドフライの餌食になるとは限りません。ただ、その可能性もあることをしっかりと頭に入れて、相応の覚悟を持って、この島に上陸するようにしてください。たかが虫だと思ってなめてかかると痛い目見ます。
とりあえず、ベビーオイル塗っとこう。
それでは本日の投稿はこれにて終了。最後までお付き合いくださってありがとうございました。明日は、嵐が過ぎ去っていることを祈ります。ではまたあしたー。
コメント6件
初めまして!たまたまこのブログにたどり着いた者です。私は12月の終わりにUtilaにいて、まさにキャプテンモーガンでダイビングやって、ジンさんもダイブマスター取得中でした!私は1週間ほど滞在したのですが、ジンベイザメにもイルカにも会えませんでした。Mayumiさんはラッキーすぎます!しかも、私もサンドフライにも悩まされ、まさしく同じ気持ちでした。あと、余談ですが私がいた時はジンさんビアポンで優勝されましたよ~!
ウティラ島、初めて知りました。
一度潜ってみたいです。
20年数年前
サンドフライで10日間、苦しみました。
ひたすら、冷水で冷やしてました。
体調、気をつけてくださいね。
はじめまして。
偶然、mayumiさんのブログに辿り着き読んでいたら「サンドフライ」のお話し。
フロリダのキーウェストに住んでいた頃、毎日刺されてました。膝から下は刺された跡がスゴかったです!
痒みも西海岸に引っ越してから3ヶ月くらいは残ってましたが跡は消えましたよ。時間は掛かりましたが…
私も山口県出身です(^^)