ホンジュラス(6)コパン遺跡観光。芸術的でシュールで楽しい彫刻に感激
世界一周の途にあります私は、現在ホンジュラスを旅しています。海沿いの町ラセイバからシャトルバスでやってきた「コパン・ルイナス」の町。到着したのは昨日の夜。そうして本日は、楽しみにしていたコパン遺跡の観光でございます。
【現在地】コパン・ルイナス(ホンジュラス)
Copan Ruinas(Honduras)
【気温】31度(昼)
【天気】晴れ
【通貨】1レンピラ=約5円
コパン・ルイナスの町からからコパン遺跡へ
ホンジュラスにある最も大きなマヤ遺跡がこの「コパン(Copan)」。紀元5世紀から9世紀にかけて栄えたマヤ南東部の有力都市だったコパンは、見事な彫刻群が特徴的な遺跡です。
マヤ遺跡の中でも際立った芸術性。
規模で言うと、もっと大きなものがグァテマラやメキシコにありますが、これほど状態がよく、精緻な彫刻が多く残されているマヤ遺跡は他にはほとんどなく、数多いマヤの遺跡の中でも稀有な存在なんだとか。
コパン遺跡の観光起点となるのは私が滞在している「コパン・ルイナス」の町。町から遺跡までは徒歩20分くらいです。
石畳のひかれたかわいらしい町。
建物の壁にマヤ風イラストが描かれていました。
治安が悪い、というイメージがあるホンジュラスですが、ここコパンルイナスは、いたって平和。治安はとてもよいように思います。昼間であれば、女性一人でも、全く危険を感じることなく歩き回れます。
のどかで牧歌的な風景を眺めながらゆっくり歩いていくと、
あっというまに到着いたしました、コパン遺跡。
チケット売り場のある建物。
近くにあった看板。
遺跡の発掘・修繕・保存などに日本も援助しているそうです。地球の反対側で日本の国旗を見ると、なんだかうれしくなります。
入場料15USドル(約1,600円)。
こちらは遺跡全体の模型。
それではさっそく遺跡へと向かいましょう。
コパン遺跡を観光してみよう!
遺跡にただりつく前に、まずは、森の中の小道を15分くらい歩きます。
遺跡の中にいらっしゃった警備員さんかアーミーの人。こんなところですらショットガンが必要なのでしょうか。
もちろん打たれる要素はないのですが、武器全般に免疫のない私は横を通り過ぎるだけでも少し緊張してしまいます。
途中でみかけたコンゴウインコ。
スペイン語でGuacamayos(グァカマヨス)。
オウムかと思っておりましたが、インコなんですねぇ。色鮮やかで、鳴き声もなかなか激しかったです。
それから、こんな動物も。
何という名前の動物かわかりません。もし動物博士さんがいらっしゃいましたら、ぜひ教えてください。
いろいろ出てきて、歩いているだけでも楽しい道のりを抜けると、ついに見えてきましたコパン遺跡中心部。グランプラサ(大広場)です。
芝生に覆われた広場の真ん中に鎮座するピラミッド。その北側には、7本の石でできたトーテムポールのような建造物。
こちらは森の王という説明がありました。
ひとつひとつじっくりと見てまります。
なんか亀っぽいやつ。
いかんせんディープな知識がないもので、ただただ奇妙だけどなんだか愛嬌のある彫刻を見て、面白いなーとしか思わなかったんですけれども、これらを作ったのが1,500年くらい前の人なんだと思うとすごく不思議。
これらの石碑は、当時真っ赤に着色されていたそう。ただ経年劣化により、今では地の石がむき出しですが、少しだけ、赤い塗装が残っている部分もありました。
これが当時の色かあ…。
大迫力。
次々と現れるシュールな彫刻群。
なんかなごむー。
グランプラサの南側には、古典期(西暦300年~900年)では最大の規模を誇る球戯場があります。
多くのマヤ遺跡で見てきた球戯場。
地上から少し高い位置に設けられたループに球を入れて得点を競います。
マヤでは球技は神聖な儀式で、この結果は王朝の運命を左右するほど重要なもの。球技とはいえ遊びではないのです。
そうしてそのむこうに現れるのが、このコパン遺跡のハイライト。
ピラミッド型神殿と、その階段に刻まれた神聖文字。
(絶賛修復作業中)
残念ながら、シートがかかっていて、遠くからは良く見えません。近づくと、シートの下から覗き込む形でそれなりに見ることはできました。
当時の様子。
階段の正面にある石の彫刻。
そこからさらに奥に進むと、もっと大きなピラミッド状の建物が現れます。
年季の入ったルックスで、石の土台に絡みつく植物が、古からの時間の経過を感じさせます。
階段をよいしょよいしょと登っていくと、先ほど通ってきた広場や神殿を見下ろせる場所に到着します。
飾ってあったイラスト。
ここに王が座り、数百段高いところから球技や神殿を眺めていたんだなあということがわかります。当時の景色はこんなだったんですねぇ。
今、同じアングルで写真を撮るとこうなります。
木が生えていてよく見えません。
マヤの遺跡は、だいたいが密林の真ん中にありますので、周囲の景観はこんな感じ。
遺跡の中にも森が侵食してきていて、レンガを押しのけて力強く生えてきた木を見ることもできます。
かっけーな。
遺跡のもっとも奥にあるピラミッド。
中腹には、ドクロを模した彫刻があります。
コパン遺跡はこんなんばっかりで、ゆるーいと思いきや、急にこういったリアルな彫刻が現れるからびっくりします。
さらに奥へ奥へと進んでいくと、遺跡はどんどん廃墟感を増し、植物の浸食を大きく受けたラピュタ的な空気が漂う趣のある状態に。
このへんまでくると、ほんとうにあたりはシーンと静まり返って何の物音もしません。聴こえるのは、自分が歩くたびに聞こえる木の枝を踏む音と、遠くで鳴いている鳥の声のみ。
静謐!!!!
コパン遺跡、超雰囲気いいですよ。
メキシコの人気の高い遺跡はどうしても観光客の数が多く、たくさんの人といっしょにわらわらと観光をしてきましたが、午前中のコパン遺跡はほとんど人もおらず、とてもゆっくりじっくり観光を楽しむことができます。
途中で見つけた不思議な木。
2本が一体化しています。
鳥の羽拾ったー。
コパンに来たら見ておきたい! 知られざる魅惑の地下世界
遺跡の外側をぐるっと見て周ったら、続いて向かうのは、東広場。
広場の周囲にも、たくさんの彫刻が配置されておりまして、私はこのへんのものがすごく好きでした。
当時の人々は、もちろん真剣に作ったのでしょうが、なんだろうこのゆるい感じ…。
ほんとうにまじめに作ったかなぁ。
で、この東広場、このように、真ん中は何もない芝生の広場なんですけれども、
実はここには、隠された秘密の地下通路がございます。
いや、実のところ別に隠しているわけではないと思うのですが、いかんせん分かりにくい。下手したら気づかないまま遺跡を出てしまうんじゃないかと思うくらい。
地下への入口は2か所。こことここ。
15ドルのチケットを買っていれば、追加料金なしでそのまま入ることができます。
写真右上の通路1は、それほど奥まで道はなく、見終わったら同じ出口に戻ってきますので、先に、右上の地下通路に行くのがよいと思います。
内部はこのようになっておりまして、
今では土の下に埋もれてしまった、遺跡の土台部分の装飾をじっくりと観察することができます。
埋もれてしまっていたがゆえに、状態はとてもよく、なかなか興味深いんですねえ。
第一の地下通路が終わったら、第二の地下通路へ。
こちらは、地下というか、ピラミッドの内部をじっくりと観察できる通路。規模が大きくて、迷路のようになっております。
うっすらと赤いのは、たぶん当時の色。
イラストとの比較もおもしろーい。
ピラミッドの中に入るなんて素敵体験はなかなかできることではありませんから、これは貴重ですねえ。
迷わないように細心の注意を払い、ついに脱出。
こんなところから出てきます。
あぁ、ほんとにピラミッドの中にはいってたんだ…。
探検気分でとても楽しかったです。
そうして再び遺跡の中を抜け、休憩中のおじさんたちを横目に、遺跡をあとにします。
再び森の中の小道を抜けていきます。
コパン遺跡いかがでしたでしょうか。私はすげー楽しかったです。じっくり自分のペースでいろいろ見られたので、今まで行ってきたマヤ遺跡の中で、一番お気に入りとなりました。やっぱり遺跡は制限時間なしのほうがいいということが分かりました。
遺跡の観光所要時間ですが、おそらく普通に観光して、3時間~4時間くらいあればよいんじゃないかなあと思います。時間帯は、まだ涼しい午前中がおすすめ。森の中はひんやりとしていて、観光客も多くなく、とても快適でした。
それでは本日の投稿はこれにて終了。明日は、ここコパンから、いよいよグァテマラへとむかいます。本日も最後までお付き合いくださってありがとうございました。
今回グアテマラ側でコパンと勢力を競っていたキリグア遺跡に行ってきました。
ステラはコパンの方が彫刻が精緻ですが、キリグアの方が背が高いものがあります。(11m)
動物は、おそらくアグーチというネズミの仲間でしょう。
今回もベリーズ動物園で見かけました。