惜しまれながらも「エクストリーム・ステイ」界からの引退を宣言
私が、旅行の情報を調べたり、ブログを書いたりしているのは、荻窪にある「コメダ珈琲荻窪南口店」。私の家、通称「荻窪のトキワ荘」にはデスク+椅子がなく、床に座って書いてると、腰へのダメージがじわじわくる。荻窪のトキワ荘、有名漫画家とか住んでないけどね。っていうか引っ越してから4か月たったけど、未だほかの住人に会っていない。とにかく、だいたいここに居座り、PCモニターを眺めて過ごしている。
「荻窪のトキワ荘」についての詳細はこちら。
長時間にわたる居座り行為、しかもその頻度もけっこうなもんだから、お店の人もいいかげんイラッとしているかもしれない。申し訳ないので、少しでも宣伝活動のお力になれたらと思いお店の紹介をします。
■コメダ珈琲 荻窪南口店
AM10時50分、コメダ珈琲荻窪南口店に滑り込む。今日も無事、たっぷりカフェオレを注文すると無料で付いてくる半分に切ったトーストと手作りたまごペーストにありつけた。名古屋が誇る異常に豪華な無料のモーニングサービス文化。最初知ったとき、全然意味が分からなかったけど、とにかく名古屋では、うどんだのパスタだのカレー&ナンだの定食だのがコーヒーに無料で付いてくるらしい。すごいね、ありがたいね。
名古屋に本社を構える喫茶店「コメダ珈琲」もその例にもれず「店舗限定 選べるモーニング」なるサービスがあり、無料でいただけるパンと卵ペーストは私のような貧困にあえぐ人々の生きる糧となっている。ただし、このサービスが受けられるのはAM11時まで。そして今日もなんとか間に合った。滑り出しは上々だ。ちまたでは確かこういうのをリア充って言うんですよね。
店内の大部分を占める禁煙エリアはカップル、家族連れ、お年寄り、学生、いろいろいて、だいたい混みあっている。そして、暗く閉ざされた扉の向こう、喫煙エリアこそが戦いの舞台となる。
「エクストリーム・ステイ」
エクストリーム・謝罪、エクストリーム・土下座に代表される、エクストリームスポーツのひとつ。
カフェやレストランなど公共の場において、他人の迷惑となるステイ(stay=居座り行為)を行い、いかに長時間滞在できるかを競うスポーツ。
エクストリーム・ステイにおける評価は、支払った金額÷滞在時間で計算され、そこに後述する減点、加点項目に応じたポイントを合算し、最終的な得点となる。評価は、個人と団体(2名以上)とを区別して行う。(複数人で競技参加の場合、一人より精神的余裕が生まれるため)
休日のコメダ珈琲荻窪南口店。ここに集うのは手練れのステイヤーたち。その顔触れは、まさに多士済々。
ニート(っぽい人)、物書き(っぽい人)、大学生(っぽい人)、あと何やってるかよくわからない人その1、その2、その3…。ただただ自分自身と向き合う孤高の戦士たち。一目でわかる、「こいつら長居する気満々だ」。己の忍耐力、持久力、そしてハートの強さをフルに発揮して挑むストイック極まりないスポーツ。それがエクストリーム・ステイ。
ゲーム開始直後、まず行うべきは、この競技の要となる「電源席の確保」。これに失敗すると、PCやゲーム機器、タブレット、スマートフォン等を武器とするステイヤーは、充電が切れた時点で帰宅を余儀なくされ、おのずと高得点は見込めなくなる。
この点においては、電子機器を用いない、読書・学習を得意とするステイヤーにアドバンテージがあると言えよう。しかしこのスタイルは「本読み終わった」、「課題終わった」など「そろそろ帰ろっかな」と思うタイミングが訪れやすく、電子機器を武器とするステイヤーに比べると不利な面も持ち合わせていることを忘れてはならない。
少数派ではあるが、中には一切の武器を必要としない「睡眠」という手段をとる猛者もいる。これはハートの強さという点で高得点が期待されるが、店員さんに「家でやれ」と思われた結果、失格(退店を余儀なくされる)となる恐れがある諸刃の剣である。
いかに、店員さんに「ここにいる必要性」を感じさせるかが競技の鍵をにぎるのだ。
競技の要所要所で必要となる代表的なコールが下記。コミュニケーション能力に自信がなくても、最低この4パターンをコールするスキルがあれば、エクストリーム・ステイの参加資格を得ることができる。
「喫煙席、1名です」
これをコールすることが、ゲームへの参加表明となる。入店時、すでに混雑していて「紙に名前を書いてお待ちください」の場合は、待機者リストへの記入が完了した時点でゲーム参加の意思があるとみなされる。
「大丈夫です」
サービスが行き届いたコメダ珈琲の店員さんの「追加のご注文はいかがですか? 」に対する返答。いかに低予算で長時間居座ることができるかを競うエクストリーム・ステイでは、過度な注文は厳禁だ。しかるべきタイミングでしかるべきメニューを注文することが高得点を狙う上で最も重要なカギを握る。
「お願いします」
サービスが行き届いたコメダ珈琲の店員さんの「お水はいかがですか? 」に対する返答。無料でいただけるお水は孤独な戦いを続けるステイヤーたちに「命の水」として崇められている。ただし、「こいつさっきから何も頼まないくせに水ばっか飲んでんじゃねーよって店員さんに思われてるかも」といった精神的なプレッシャーも大きいことから、「お願いします」ではなく、「大丈夫です」を使用するステイヤーも少なくない。
「ごちそうさまでした」
会計終了後、レジを打ってくれた店員さん、およびその他の店員さん、そしてコメダ珈琲という店舗に対して心から言うべきコール。おつりを受け取った直後、店から出ながら、店の外から、などステイヤーによってそのタイミングは様々だが、爽やかに、元気よく、感謝を込めて発するのがもっとも理想的とされている。
店内が混み始めるランチ時はステイヤーの腕の見せ所だ。地域でも1、2位を争う人気店であるコメダ珈琲荻窪南口店。この時間帯は入り口付近に行列ができるのもうなずける。お腹を空かせた人々が、席が空くのを今か今かと待っている。ただの行く当てのない暇人なら、この状況、リタイア確実だ。しかしここに集うのは歴戦の猛者。数々の修羅場を潜り抜け強靭な精神力を身に付けたステイヤーたち。
「まだあわてるような時間じゃない」
店員さんはこの時間帯、まっとうなお客様の対応で忙しい。喫煙エリアでただひたすらじっとしているステイヤーなんて眼中にないのだ。むしろオーダーとか余計なことしないで、接客に集中させてほしいとさえ思っているだろう。「おまえらの相手してるほどヒマじゃねーわ」。忙しそうに動き回る店員さんの背中にそう書いてある。
多くのステイヤーは、お昼のピークを過ぎ、おしゃべりに興じるおばさまがたの割合が増えてきたころ、おもむろにメニューブックを手に取る。店員さんの忙しさがひと段落したころを見計らってオーダーをする配慮は、大きな加点要素となる。
注文すべきは、「フィッシュフライバーガー」(450円)。
この価格でこのボリューム。コスパ最強。フィッシュフライ×タルタルソースという安定感のある組み合わせで、多くのステイヤーをうならせる抜群のお味。さらに炭水化物(パン)、たんぱく質(フィッシュ)、ビタミン(キャベツ、ピーマン、玉ねぎ、にんじん)が一気にとれる。乳製品(チーズ)まで挟まっている。ステイヤーの健康を気遣い、しっかり栄養バランスを考慮してくださったメニュー。さすが、コメダ珈琲だ。
これを注文することで、精神的にぐっとラクになり、ゲーム終了までなんとか持ちこたえることが可能になるといっても過言ではない。ステイヤーにとって大きな心の支えとなるフィッシュフライバーガーではあるが、「あったかいうちに食べたほうが絶対おいしい」という誘惑に勝てず、早々に完食してしまうという点で、かなりリスキーなメニューであることを忘れてはならない。
“早々に完食”は、「オーダーした飲食物は可能な限り時間をかけて摂取する」というエクストリーム・ステイの基本原則を逸脱しており、減点の対象となるため注意が必要だ。
午後10時30分、店員さんの「OS(オーダーストップ)コール」により、競技は幕を閉じる。OSコール後は、さっさと荷物を片付けて早々にお会計を済ませ退店するのが最も美しいプレイスタイルとされている。飲食店でバイトしたことある人は分かると思う。この時間帯、店員さんの心の中は「早く帰りたい」しかないはずだ。そのため、OSコール以降、とくに去り際が美しいプレーヤーには特別加点が行われる場合がある。
そそくさと伝票を手に取り席を立つ。今日の支払い、たっぷりカフェオレ540円+フィッシュフライバーガー450円。合計990円。悪くない。
会計終了後、忘れてはならないのが「ごちそうさまでした」コール。「そういえばこの人朝からずっといたけどまあ別に無害だったし、なんか感じがいいから許してやるか」と思ってもらえる可能性は否定できない。つまり、ここでの所作により、大きく得点が跳ね上がる場合があるのだ。最後の最後まで気を抜けない。奥深きエクストリーム・ステイ。
今日ちょっと悪ふざけで書きました。さすがにぶっ通しで12時間いたことはありません。こんなことしたら、確実にお店やほかのお客さんにとって迷惑です。ということで、最近は、渋谷の「Lightning spot」というコワーキングスペース的なところに活動の拠点を移しました。別に拠点ではないけど。
こっちに来てみてびっくり。超集中できる。椅子とかさ、ビジネスパーソン向けだから、長時間座ってても全然疲れないし。何がエクストリーム・ステイだ、私は激しくバカか。と思いました。難点は、あたりまえですけど禁煙で、タバコは渋谷駅前の喫煙所まで行かなければならないこと。でも食べ物、飲み物の持ち込みは自由で、一日(10時~19時)たっぷりいても1,000円。素晴らしい。
コメダ珈琲荻窪南口店さん今まで本当にすみませんでした。ちゃんと宣伝しときましたから許してください。たまには顔出しますね。もう長時間居座ったりしないので今後ともよろしくお願いいたします。
コメント4件
まゆみさんのブログが面白すぎて、引っ越し作業が全然進みません~ほんとに明日引っ越すのかい?!という具合にまだ1つも段ボール積めてないです!何回も同じ記事読んで笑ってる私は気持ち悪いです(笑)
荻窪でまゆみさんのコメダ珈琲店発見しました~!朝7時からみたいなので、今度朝食にいってみます‼
お返事ありがとうございます(=゚▽゚)/
まゆみさん、さすがです‼もう引っ越しの師匠です(笑) 私はあと13時間ありますので、必死に頑張ります‼
コメダでエクストリーム、是非ともよろしくお願いいたします!技を継承します‼