エチオピア(4)ラリベラの土曜マーケットとうっとうしすぎるラリベラ男子
現在世界一周の途にあり、アフリカを北上しております。滞在しているのは、エチオピアのラリベラという町。ここは、世界遺産にもなっている石窟教会で有名な場所です。昨日は、その教会群をたっぷりしっかり満喫し、本日はもうひとつ、楽しみにしていたイベントがありました。
【現在地】ラリベラ(エチオピア)
Lalibela(Ethiopia)
【気温】22度(昼)
【天気】晴れ・くもり
【通貨】1ビル(ブル)=約5円
必見!! ラリベラのサタデーマーケット
ラリベラで土曜日といえば、毎週開催されるサタデーマーケット。ラリベラの周辺の村々からたくさんの人が訪れるため、その規模はかなり大きいと聞いています。20kmとか25kmとか、かなり遠くから荷物をたっぷり積み込んだロバを引き歩いてやってくる人々。
そして、地元の商品を売り、現金を得たり、何か新しいものを買ったり、このあたりの人々にとってはとても大きなイベントだそうです。
マーケットはだいたい朝の8時ごろからはじまります。そして、どんどん人が集まり、一番盛り上がるのがお昼ごろ。というわけで、10時ごろにはその会場に出向いてみることにします。
マーケットが開かれるのは地図でいうとこのエリア。
てくてく歩いていると、マーケットに向かうたくさんの人々といっしょになります。
そして近づくにつれこの人手!!
期待に胸膨らませ、会場に到着!!
着いてみるとビックリ! 想像以上の盛り上がり。
これはリュックを前に持たなければいけないパターンのやつですね。
洋服、食べ物、家畜、などなど各アイテムごとになんとなく出店場所が分けられおりますので、順番に見て回ることにします。
とりあえず洋服から。昨日の投稿で書きましたが、エチオピアの民族衣装は総柄で柔らかい素材を使用したロングワンピ。
市場には様々な柄のワンピースが勢ぞろい。
もうちょっとディスプレイ的な工夫をしたほうがいいんじゃないかと思いました。
ワンピース屋さんで見かけた娘さんとそのお父さん(たぶん)。
娘さん、新しいお洋服を買ってもらうんでしょうね。笑顔が、それはもうキラキラと輝いていてとてもかわいかったです。
私は、買うか買わないかすごく悩んだのですが、たぶん今日と明日くらいは着て、その後ぜったい二度と着ない気がしましたので、今回は自粛。
次に向かったのは、ストール屋さんのエリア。
この町は、第二のエルサレムと呼ばれるほどにキリスト教の聖地。教会に入るときにみなさん白いスカーフ、ストールなどをお召しになっております。
町を歩いているだけでも、男女問わず白いストールを着用した人々をたくさん見かけます。
このストール素敵だなあとラリベラに到着してすぐに思った私は、本日このマーケットで1枚ゲットしようと決めていました。
それに明日は日曜ミサの日。平日は有料でしか遺跡内に入れない地元の方々ですが、日曜の朝のミサのときだけは出入り自由。たくさんの地元の方々が教会を訪れるのにまじって私も行ってみたいと思っています。
そうなってくると、やっぱり白いスカーフ、必要じゃないですかー。
こちらがストール、スカーフなどなどの白い布全般を取り扱うエリア。
本体はもれなく真っ白なのですが、生地の端の部分のデザインは様々。キラキラ光る金糸銀糸を用いた上品なものから、太目の糸で織った素朴な風合いのものまで、目移りしすぎてなかなか決められません。
サイズも、全身を覆う大きなサイズから、頭と上半身のみを覆うもの、2枚セットで上下に別れているものなど幅広い品ぞろえ。
迷いに迷って手に入れた私の白いストールはこちら。
温かみのある手織りのエスニックなデザインにしました。1枚200ビル(約1,000円)。
それからこちらは、ラリベラの全人口の5割くらいの人がはいているサンダル。
PVCのサンダル、大ブームみたいです。
このあとは、食品エリアに向かいます。エチオピアといえばコーヒー。まだ煎る前の緑色の豆を売っています。
私には違いがよく分かりませんが、いろいろあるんですねえ。
こちらはラリベラ名物のハチミツ。
「ラリベラ」という町の名前は現地の言葉で「ハニーイーター」という意味なのだそう。要はプーさん。嘘。
昨夜、フライデーナイトを満喫した(たいしたことしてない)レストランで飲んだハニービア。
ハチミツを使ったビールなのですが、その原料になっています。こちらが、色といい容器といいいろいろつっこみどころ満載なハニービア。
ビールにするのは、パンに塗る黄色いハチミツとは違う種類だそう。下の写真の、青い入れ物に入った茶色っぽい色のハチミツがビール用。
この白い穀物は、ソルゴーン。
ハニービアの原料のひとつです。ところで、ソルゴーンてなんですか?
こちらは塩。ダナキル砂漠周辺でとれたもの。
少し赤っぽいこちらの穀物は、エチオピア人のソウルフード「インジェラ」の原料「テフ」です。
日本人にとってのお米みたいなポジションですから、これはとても大切。たくさんのお店が出店していました。
これはスパイシーなやーつ。
インセンス(香料)屋さん。
玉ねぎ。
荷物を運んできてくれたロバたち。
人もロバもごちゃ混ぜになっていてかなりカオス。
柵の向こう側は、動物マーケットです。
カラフルな毛布屋さん。
今くっそ暑いので、毛布はノーサンキューなのですが、寒い時期にはこのカラフルな毛布をまとってみたいなあと思います。
こうしてぐるっとマーケットを1周。時刻はお昼近くになっており、多くの人でひしめきあっています。ラリベラの土曜マーケットは必見!! 私はとてもキュートな白いストールを購入することができまして、大満足です。
絶景を望めるホーリーな山の上の教会
この後は、ラリベラの教会群から少し離れた場所にある山の上の教会「アシェトン(アシェテン)の聖マリア教会」を訪問します。山の上にあることから、天国と神により近い教会と言われております。
ラリベラの町中からは、トゥクトゥクで約30分の距離にあり、一本道ですので簡単にたどり着けそう。町の中心あたりに停まっているトゥクトゥクドライバーさんに「アシェテンに行きたいんですけどー」と尋ねてみますと、
返ってきた答えはNO。
な、なんでですか!?
「昨夜の雨で道がぬかるんでて、今日は教会までいけないよ」とのこと。
そう、エチオピアは現在雨季の終わりかけ。1日中ずっと雨という日は今のところないのですが、時おりザーッと雨が降るタイミングというのがあります。運悪く、昨夜はけっこうな大雨で、朝には止んでおりましたが、道はこのような状態。
確かにこれはきついなあ。
しかし、昨夜の雨とは打って変わって、今現在はものすごくいいお天気。頂上からの景色はかなり素晴らしいと言われる山の上の教会に行くなら、ベストなタイミング。雨季だからこそ、お天気を味方に付けることはとても大切なのです。
困ったなあと思っていると、一人の男性が話しかけてきます。あのー、ラリベラの町中には、無職の私が言うのもなんですが「この人いったい何やってんだろう」みたいな暇を持て余したごろつき男子がいっぱいいます。
そして、旅行者を見つけては話しかけ、あわよくば何かをおごってもらったり、どうにかしてお金をむしりとったりしようと、常に周囲に目を光らせているハイエナのような人々。
このような人たちと関わってもあまりいいことはありませんから、ずっと無視したり、付いてこないでと言ったり、距離を置くようにしてはいたのですが、いかんせんしつこい。本当に暇なんだと思うのですが、前を通るたびになんやかんや言ってきて、めんどくさいったらない。
話しかけてきたのはそんなゴロツキさんのうちの一人なのですが、彼は私がトゥクトゥクのドライバーさんに断られたのを見ていたようで「アシェトンに行ってくれるよう俺の友達のトゥクトゥクドライバーに頼んでやろうか」と言ってきます。
うーん。どうしようかなあ。きっと彼は、私に相場より高めのお金を払わせて、その差額を受け取るんだろうなあ…。とはいえ、どうしても今日行きたかった私は、彼に頼んでみることにしました。
彼の言い値は、450ビル(2,250円)。正直、相場がよく分からないのですが、たぶんやや高め。しかし、このぬかるんだ道を30分以上かけて行ってくれるんならよしとしましょう。
彼が友人のトゥクトゥクドライバーさんに電話をかけると、トゥクトゥクはすぐにやってきました。それでは、いざ出発!!
ってなんであなたも付いてくる感じになっちゃってんですか!?
ゴロツキ男子は「付いてこなくていい」「ガイド料とか払わないよ」と何度言っても付いてくると言って聞きません。しかたないので、彼も同行。
緑豊かな山道を登っていくと、さっそくトゥクトゥクがぬかるみにハマッてしまいました。
やっぱこうなるよね。
同乗してきたごろつき男子、そして罪のないまわりの人たちに手伝っていただいてなんとか脱出。
アシェテンマリア教会、道が悪いとかなり大変です。雨季の時期はお気を付けくださいー。
雨季の終わりで緑豊かな山々を眺めながら気持ちの良いドライブ。
そうして、通常であれば30分で到着するところを50分かけてなんとか到着。
駐車場から教会までは、さらに徒歩30分くらいかかります。
わーーーー遠いよーーー。
私は標高が高いところが苦手です。高所恐怖症とかではなく、もっともっと高いところ。標高2,000m以上くらいの場所で活動するのがものすごくつらい。
過去にこの「アシェテンマリア教会」を訪れた方のブログを読んでも、そこまで標高については言及されていませんが、これから行かれる方はよーく心にとどめておいてください。
「アシェテンマリア教会」は、標高約3,200mに位置します。
中途半端な覚悟で行くと後悔します。
駐車場から教会までの道のりは、低地であればたいしたことない起伏ですが、かなりの体力を要します。ハアハアなります。景色はね、このように素晴らしく、
これは噂通りなのですが、心肺にかかる負担は相当なものであることを覚悟しておいてください。
お祈りを終えた地元の方々とすれ違い「サローム(ハロー)」と挨拶をしながら登っていくこと30分。
とてもつらい思いをして頂上付近にたどり着くと、洞窟の中にたくさんの人がいるのを発見。教会にお祈りにいらっしゃった人々で、手作りのローカルビアを飲んでいるところでした。みなさん英語を話さないのですが、なりゆきでいっしょに付いてきたゴロツキさんが通訳してくれて、私もご招待いただけることに。
ゴロツキさんは、意外と役に立ってくれました。
こうしてワクワクしながら、ローカルビアとやらをご馳走になります。
まずは、パンを少しいただき、
そうしてローカルビア。これですね。
とりあえず、この時点で、軽々しくここに参加したことを激しく後悔。
だって、なんかこれ、ねえ…。
ミルクティー色の液体に、少し固形物が浮かんでいて、危険な香りがプンプンします。心臓がバクバクいっています。
しかし、この場にあって「いりません」とか言えるほどハートが強くない私は、必死で「少しだけ!! 少しだけでお願いします」とアピールしつつ、ビールを受け取りました。変に泡立ったビール的ななにか。プラスチック容器があやしさに拍車をかけます。
よ、よーし!!!
意を決して一口。
!?
まずい、と言ってしまえばそれまでなので、「まずい」という言葉を使わずに説明します。
印象的なのはその酸味。酸味と言うかシュワっと感。舌の上にとてつもない刺激を感じるサワーな口当たり。しっかり発酵している証です。それで、味は、なんだろうなんだろう。わかんない。説明できません。とにかくすっぱい。
お世辞にもおいしいとはいえないお味…。
なんでもおいしい系バックパッカーの私は、ある程度のものは、おいしいと思って口にすることができるのですが、これは無理かなあ。
しかしながら「無理でした」と残せるほどハートが強くはありませんので、自分のコップに注がれたぶんはしっかりきっちり飲み干しました。「おかわりは? 」と聞かれましたが「おなかがいっぱいです。イナフ!! イナーフ!!! 」と丁寧に辞退。
私に関しては大丈夫でしたが、人によっては、お腹を壊してしまう可能性があると思います。あと、飲んでいるときは、極度の酸味しかなく、とくにアルコール感はないのですが、少しアルコール入っていると思います。いろいろとご注意ください。
教会にたどり着く前に、思わぬ試練を経験いたしましたが、このあと無事に頂上に到着。
頂上から見下ろす景色は、それはそれは素晴らしかったです。
とくにキリスト教でもなんでもない私からすると、教会がどうのこうのより、まずは苦労して登ってきたトレッキングの達成感で満たされます。
それから、教会内部に入ります。内部には、こまごまとしたお祈りのグッズや絵画が飾ってあり、
司祭さんが聖なるクロスを見せてくださいました。
こちらの木でできた本は、700年前のもの。
こちらは500年前。
なんだかアーティスティックでポップなテイスト。そうしてこちらはなんと800年前のものらしいです。
書かれている文字はグズ文字という、エチオピアの最初の文字。
現在は司祭さんなど聖職者しか読むことができないそうです。
この教会も、ラリベラの町中にある教会と同じく岩をくりぬいて作られておりまして、内部はひんやりとしてとても涼しいです。
ローカルビアにやられたのか、標高にやられたのかわかりませんが、教会の外観を撮影するのを忘れていたようで、写真がありません。
教会を見終わると、下山します。アフリカとは思えないほど緑豊かで美しい光景に息を飲みます。
この近くに住むお子様たち。
そして、村の住居。
こうして教会訪問を終え村に帰還。コーヒーでも、ということで、ドライバーさんとトゥクトゥクを手配してくれたゴロツキさんとでカフェに入りました。
コーヒーは安定のおいしさ。
しかしなぜか、お会計は私。なんで、というと「紹介してやっただろ。俺のおかげで行けたんだ」とのこと。うっとうしいなあと思いはしたものの、1杯50円のコーヒーでもめるのもめんどくさいなと思い支払いました。
いい年した男性がなんやかんや理由を付けて旅行者にたかる姿は、とても情けないなあと思うのですが、ここではこれが普通のよう。それから勝手に私のタバコを吸い、当たり前のようにお礼も言わず去って行きました。
ラリベラに着いてから数日。教会の敷地内にいるときは彼らのいないゆっくりとした時間を過ごすことができるのですが、教会を一歩出た途端、誰かしらにからまれ、ずっとずっと誰かが付いてきます。町の中心、とくにホテル周辺に戻ると、そこにたむろしているゴロツキさんの数はさらに増え、カフェでゆっくりコーヒーを飲むこともできません。
しかしこれは確実に「モテている」という状態とは明らかに違って、それはなんというか「金銭的な獲物」。
今まで、インド、エジプト、モロッコと、”うざい場所”として有名な場所に行ってきましたが、それとは違うんですよねえ。もっと閉鎖的な感じ。うざいというより、なんか気持ち悪いんですよ。
別に襲われるとか何かされるとかではないのですが、小さな小さな町では、たぶん全員が知り合いで、みんな友達。私のような異物が入ってくると、その居場所なんて一瞬でわれてしまうようです。秘密のネットワークがあるんでしょうね。全然一人になれなくて、ストレスがたまる一方。
女性一人でのラリベラ滞在は、相当にうっとうしい。
明日は楽しみにしていた日曜ミサ。クリスチャンではないですが、この神聖な町の一番のハイライトです。というわけで、明日はどうにか彼らのいない平和な日曜日を過ごすべく、がんばっていきたいと思います。それでは本日も最後までお読みくださってありがとうございました。
コメントを残す