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2016-09-10

エチオピア(21)大晦日のジンカの土曜マーケットにてムルシ族と遭遇

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世界一周をやっております私は、現在エチオピア南部にあるジンカという町に滞在中。このあたりには、個性豊かな少数民族さんがたくさん暮らしていらっしゃいまして、その方々にお会いするのが目的です。インフラ的なものが崩壊しているこのエリアで、砂埃と汗にまみれ、どんどん薄汚れて行きながらも、大変充実した毎日を送っております。

【現在地】ジンカ(エチオピア)

Jinka(Ethiopia)

【気温】25度(昼)

【天気】晴れ

【通貨】1ビル(ブル)=約5円

「ジンカ」という町に滞在している目的は、再び、少数民族さんのお宅にホームステイをするため。先日は、ディメカという町の近くに暮らすハマル族さんのお宅に一泊させていただきました。なかなか知ることができないハマル族のみなさんの暮らしぶりを近くで見ることができ、とてもいい経験になりました。(投稿はこちら)

これに味をしめた私は、今度はここジンカから20kmほど離れた場所にあるアリ族という民族のお宅にホームステイさせてもらえるよう、おなじみ、ガイドのアスマモさんにお願いしていたのです。

トゥルミでもお世話になったアスマモさん。基本的に彼のガイド料兼コーディネーター料は、1日35ドル。一緒に行動しますから、食費や交通費は折半。村への入村料は別途です。

この金額は決して安くはないと思うのですが、民族に関しての知識が豊富な彼に、いろいろ説明も聞きたいしあれこれ質問もしたい。私からすると、彼の聞き取りやすい英語はとてもありがたいのです。

それに、少数民族のみなさまは独自の言葉をお持ちですから、英語+民族の言葉を話せるガイドさんがいないと、まともにコミュニケーションも取れないのです。

せっかくの機会なんだから、通訳を介してでも、いろいろお話してみたいじゃないですか!

アリ族村に行くのは午後から。ということで、まずは週に一度のジンカの土曜マーケットの様子をお伝えします!

ムルシ族に会えるジンカの土曜マーケット

この日は我々が使用しているカレンダーで9月10日。エチオピア暦では8月31日。エチオピアは独自のカレンダーを採用しておりますので、我々のカレンダーとは少しずれているんですねえ。ちなみに、エチオピアは今2008年で、年が明けると2009年になります。

エチオピア暦の9月1日(我々のカレンダーでは9月11日)は、彼らのお正月。つまり、この日は大晦日。そして明日はめでたいめでたいニューイヤーズデー。日本人の私からするとかなり中途半端なタイミングで突然のお正月なんですけれども、町はそわそわと浮かれた人々で賑わっており、明日どうなるのかすごくワクワクしております。

そして本日は週に一度の大きなマーケットの日。ジンカの土曜マーケットです。

20kmとか30kmとか、かなり遠くの村から人々が訪れ、作物や家畜、手工芸品を持ち寄り売買します。この日は新年を迎えるのに必要なアイテムを売り買いする人々で、いつもよりさらに賑わっています。

ジンカ_マーケット

ジンカのマーケットにいらっしゃるのは、ほとんどがアリ族写真に写っている人々はほとんどがアリ族です。

ムルシ族

あとは少しのムルシ族。

アリ族は、その見た目に大きな特徴があるわけではありませんが、ムルシ族はかなり個性的。

このムルシ族目当てにここを訪れる旅行者さんもたくさんいます。

耳にでっかーいピアスを入れていたり、下唇にお皿のようなアクセサリーを入れていたり。そりゃもうインパクト抜群。写真は後ほど掲載します。

数年前、アリ族とムルシ族の間で争いがおこり、しばらくの間ジンカのマーケットにムルシ族は姿をみせなかったそうですが、それも昔の話。今では、ちらほらとムルシ族もいらっしゃいます。

ここジンカの町から、ムルシ族さんの村を訪問するツアーをアレンジできるのですが、私は今回、そこに行くかどうか悩んでおりました。

理由のひとつはその料金。

ムルシ族村は、国立保護区内にありますので、入村料、村までの交通費、ガイド料、パークフィーが必要。さらに、このエリアの治安はあまりよくないらしく(山賊的なあれで)、ガードを雇う必要があり、その料金がプラスされます。そうすると、総額で1,000ビルから1,500ビル(5,000円から7,500円)。

なかなかいいお値段…。

それから、私はここ最近、民族衣装を着たかわいい女の子たちの写真を撮るためのテーマパークと化したダサネチ族の村とカラ族の村を訪れ、少々げんなり&がっかりするという経験をしました。

で、ムルシ族の村に関してもそうなっちゃうんじゃないかなあと。苦労してお金をかけて行っても、結局ただ写真撮ってチップ払って帰ってくるだけなら、わざわざ行かなくていいんじゃないかと思ったわけです。

個性的なムルシ族さんの写真なら、ジンカのマーケットで撮らせてもらえばいい話。

ところが、ムルシ族の女性がいつもいつも下唇にお皿をはめていると思ったら大間違いです。マーケットに来てらっしゃるムルシ族の女性は、誰もお皿をはめていません。

ガイドのアスマモさんに「お皿はめてないんだね。ムルシ族といえばお皿だから、はめてる写真撮りたかったなあ」と言うと、「お皿を買うかレンタルして渡せばはめてくれるよ」とのこと。

え? お皿を買う? もしくはレンタル? 私が?

なぜ!?

なんだか変なシステムです。アスマモさん曰く「ジンカの町でお皿をはめた写真を簡単に撮ることができちゃうと、観光客がわざわざムルシ族の村まで来なくなるからさ。みんな、お皿は村に置いてきているんだ」ということなのですが、実際どうなんでしょう。

数秒の逡巡を経て、決断。

お皿をレンタルする。そして、ムルシ族の村には行かない。

オモバレーを旅しているうちに、エチオピアの少数民族産業界にだんだんと腹が立ってきました。

少数民族に会いに来た私がこんなこと言うのも変な話ですが、これ以上、少数民族産業を牛耳る人たちのために大金を支払うのが嫌になったのです。確かに、オモバレーに暮らす少数民族さんは、個性豊かで、ユニーク。観光客を集めるのに充分な魅力を秘めた唯一無二のキラーコンテンツです。

しかし、それを動物園にいる珍しい動物と同じように扱い、観光客にただ写真を撮らせて、お金を払わせているだけでは、そのうちすぐ飽きられる。

だって、みなさんただ撮影をするためだけに高いお金を払ってこんなところまで来たわけではないでしょう。写真がほしいなら適当にググってダウンロードすればいい。

そうではなくって、「ここに来なければできなかったこと」を経験するためにわざわざ来てるんじゃないんですか? 世界中からやってくる目の肥えた旅行者たちが、今のエチオピアの少数民族産業のやり方に満足するわけないと私は思います。

旅行者がもっとちゃんと彼らと触れ合う機会を設けたり、生活や文化を知る場を作ったりすればいいのに。

と、個人ブログでこんなことを愚痴ってもなんの意味もないのですが、ムルシ族に関しては、せっかくジンカまで来たのだから、お皿をはめた女性の写真だけは撮る。それで終わり。

こうして、なぜかムルシ族のお皿を手に「誰かこのお皿をはめて写真を撮らせてくれる人、いませんかー」と尋ねてまわるという、かなりおかしな状況に。

ムルシ族_皿

お皿レンタル100ビル(500円)。購入すると250ビル(1,250円)。ああバカバカしい。

しばらくすると、ガイドのアスマモさんが1人のムルシ族の女性を連れてきました。「彼女が了承してくれた。さあ撮るんだ」とおっしゃいますが、

ほんっっっとーに、了承したのですか??

ムルシ族

私にはとてもそうは思えないんですけど。

たぶんこれ隣にいる男性が了承しただけで、本人完全に嫌々ですよ。

もうこの状況やだー。早く終わりにしたい私は、正面から1枚だけ女性の写真を撮り、カメラのスイッチを切りました。

「この子たぶん嫌がってるからもう写真はいいよ」

そう言うと、となりの男性が、

「もっと撮っていいんだぞ。一緒に並んで撮ればいいじゃないか。ただし、1カットにつき5ビル(25円)だ」と言ってきます。他の少数民族さんは、1人につき5ビルでしたので、それに比べると、ムルシ族さんはチップの支払いに関して非常にシビア。

あのー、嫌々な人と一緒に写真に写るなんて、こっちも嫌なんで、もういいです。大丈夫です。

ムルシ族、しゅーーりょぉぉぉ!!!!

町中で隠し撮りしたムルシ族さんの写真。

ムルシ族

ムルシ族

ムルシ族

ちなみに、なぜムルシ族の女性が下唇にお皿を入れているかというと、それは美しさを損なわせるためだそう。オモバレーでは昔から、他部族の女性をさらって奴隷にしたリ嫁にしたりするという、よからぬ風習がありました。そこで、ターゲットになるのを阻止するために始めたのがこのお皿。とても、体を張った対抗策。現在では、女性をさらってどうのこうのということは無くなったようですが、それでもこのお皿の風習は残ったままなんですねえ。

少数民族の間にも、民族性みたいなものがあるそうで、ハマル族やアリ族などは、外からの訪問者に対してかなり友好的。しかし、ガイドのアスマモさん曰く「ムルシ族は、アグレッシブ」とのことで…。

もちろんみんながみんなそうというわけではないと思うのですが、気性が荒い方が多いのでしょうね。殺人などを含む大きな事件や争いがよく起こるのがムルシ族だそうです。

私がアニマルマーケットに来た理由

エチオピア南部オモバレーの中でもっとも大きい町は「アルバミンチ」。その次に大きいのがここ「ジンカ」。マーケットの規模も大きく、おまけに大晦日ですから、みなさん新年を祝うご馳走用の食材をたくさんお買い上げの様子。

なかでもかなりの賑わいを見せていたのが「アニマルマーケット」。

アニマルマーケット

大晦日から新年にかけては、みなさんヤギや羊、牛を食べ盛大にお祝いするそうです。普段ならあまり近付くことのないアニマルマーケットですが、本日は違います。用があるんですよ。

まさか、自分がアニマルマーケットでアニマルを買う日が来ようとは…。

先日ハマル族村でヤギをさばいて食べたのも記憶に新しいのですが、本日は一年を締めくくる大晦日!! みんな大好き肉パーリィをしない手はありません!! このあとのアニマルマーケットと、アリ族村訪問の様子は、明日に持ち越し。本日も最後まで読んでくださってありがとうございます。ではまたあした。

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コメント2件

  • kikuna より:

    エチオピアの正月
    エチオピアの元旦は日本の暦では9月11日だったと思います。

    • mayumi mayumi より:

      kikunaさん
      コメントありがとうございます。
      なんだか、カレンダーとか日にちとかごっちゃになってしまって、自分でもよくわからなくなってしまいました笑
      エチオピアに行くまえに「独自のカレンダーを採用している」と知ってはいたのですが、
      実際行ってみて本当に現地の方々がおっしゃる日にちがエチオピア歴だったりすることが多いので、とても驚いています。

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