ジンバブエ(2)旅との向き合い方を若き旅友から学ぶ@ルナレインボー
ビクトリアの滝を観賞するため、ジンバブエのビクトリアフォールズという町に滞在しておりました。現在は、次なる目的地に向けて絶賛バス移動中でございまして、とくにこれと言っておもしろいことはありません。ということで、本日の投稿は、昨日の午後の出来事について記します。
【現在地】ビクトリアフォールズ/ジンバブエ
Victoria Falls/Zimbabwe
【天候】晴れ
【気温・湿度】30度・34%(昼)
【為替】1USD=約105円
ついに出会う、同じ干支の若き旅友
ザンビア側からの昼間の滝と、夜のルナレインボーを観賞し、さらにジンバブエ側からも滝を堪能した私は、ビクトリアフォールズの町の中にあるゲストハウス「シューストリング・バックパッカーズ」へとやってきました。ここは、日本人のバックパッカーさんもよく利用されるところです。
私はこの翌日にチェクアウトしますので、本当にただ寝るだけ。というわけで、リーズナブルにテント泊を選択。8USD(約840円)。
ここ最近、パンとりんごとお菓子しか食べていなかったので、久しぶりに野菜を食べようと、スーパーで材料を買ってきてスープを作りました。
味付けは安定の「鍋キューブ(鶏だし・うま塩)」。
具材を煮込む間、付近をうろうろしていると「日本の方ですか? 」と声をかけられました。
見た感じ、日本人男性っぽいのですが、英語の発音がものすごくきれいな男性。きっと外国の方なんだろうなと思っていたその人は、実は普通に日本の方だったようです。
「はいそうです」と答え、二言目に「あの、スープ飲みます? 」と聞いた私はやはりコミュニケーション能力に難ありなわけですが。
少し動揺しながら「え? あ、は、はい」と答えてくれた彼の名前はだいすけさん。10カ月にわたるアメリカに留学を終え、日本に帰る前に少し旅行にとアフリカにいらしたそうです。
適量が分からなくて作りすぎてしまった私のスープを「おいしい」と言ってくださって大変ありがたかったです。
しかし調子に乗って「なんか味、ちょっと濃くなっちゃったかもしんない」と、
さも自分が味付けしたかのような発言をしましたが
これは完全に「鍋キューブ(鶏だし・うま塩)」そのもの。
ごめんなさいね、料理とか全然得意じゃなくって。
健康的に日焼けし、とてもハキハキした話し方が印象的な、どこからどうみても爽やか好青年な現役大学生のだいすけさん、二十歳。
は、はたち!?!!?
ちょっと前まで未成年とかww。
「ん…? 二十歳? ってことは…」そう思って尋ねます。
「も、もしかして、いのしし年ですか? 」
「はい!! このあたり、ふつーに町中にもいのししがたくさんいますよね!! びっくりするわあ」
いるね。いるいる。今目の前にも、あなたよりひとまわり大きなイノシシが座ってたばこ吸ってるよ。
ほんとびっくりするわあ。ついにこの日が来てしまいました。自分よりひとまわりもお若い旅人さんとの遭遇。
「うわあああ。やばいねー若いねーwwひとまわり違うよ、どうしよう」と言う私に、
「まじっすか!! 僕がその立場だったらちょっとヘコみます!! 」と爽やかにおっしゃいますが、ご心配なく。ちゃんとヘコんでますから。
私も彼も、ナミビアからボツワナ、ザンビア、ジンバブエへとたどってきており、通ったルートは違いますが、訪問してきた場所の話で盛り上がります。
安定の公共交通機関を駆使し、“安全”最優先でここまでたどり着いた私とは違い、もっとローカルな乗り合いバスやヒッチハイク、現地の方のお宅に宿泊など、バイタリティ溢れる旅のお話は、同じ場所に行ってきたとは思えないほど、「冒険」に満ち溢れていました。
ナミビアでのスカイダイビングや、ここジンバブエでのラフティング。そして、次に行かれる南アフリカではバンジーをやりたいということ。そのあたりを嬉しそうに話してくれて、写真まで見せてくださいました。
臨場感あふれるアトラクションの動画や写真、それに目の前で生き生きと話す彼を見て、
「旅を楽しんでるなー」ということがすごく伝わってきました。
これが若さによるものなのか、個人の性格に由来するものなのかよくわかりませんが、いろいろなことに挑戦してやろうという彼の気概は、ぜひとも見習いたい。
私も、やれセーブマネーだやれコスパだなんて言ってないで、やりたいことは我慢しないでどんどんやってみようとあらためて思いました。
何か質問すると、返ってくる答えの予測が全くつかないので、それがとても面白く、あれやこれやと聞いてみるのですが、すべてに対してハキハキと丁寧に真摯に答えてくださるものですから、
まるで就活中の学生さんと面接官。
そんなに真面目に答えなくていいのに、と思うほどのしっかりとした受け答えは、私が二十歳のころと比べると天と地ほども差があり、なんかおばさんみたいで本当に嫌なんですけど、
「最近の若い人はちゃんとしてるなー」としみじみ思いました。
若き旅人に行くか行かないかの判断をゆだねてみる
そんな彼とビクトリア滝の話になり、ふと、「ルナレインボーは見た? 」と聞いてみました。すると
「なんですか? それ」という答え。ここから喜々としてルナレインボーのうんちくや、そののすばらしさ、いかに素敵だったかを熱く語ったことは言うまでもありません。ルナレインボーの詳細はぜひ一昨日の投稿をご覧ください。
「うわールナレインボーかー。いいっすねーそれ。でもなー入場料40USDかー。けっこうしますねー」
私は、ザンビア側から日中の滝と夜の滝を見て、ジンバブエ側から日中の滝を見ましたので、正直ジンバブエ側からのルナレインボーに関しては、見るか見ないか迷っておりました。
ジンバブエ側のルナレインボーの参加費用は40USD。これは安くありません。見たいけど、昨日も見たし、ここは我慢か…という内なる自分の声が聞こえないでもない。
というわけで、私がジンバブエ側からもルナレインボーを見るかどうかは、だいすけさんの決断に任せてみることにしました。
「うわー見たいなー。今日がルナレインボーを見られる3日のうちの最終日なんですよね? 迷うなー」とおっしゃるだいすけさん。
この時点で私は行くとも行かないとも言わず、心の中で(さあどうする、若者よ)とちょっとわくわくしながら眺めている状態。そして、しばらく悩まれた末、
「やっぱ俺行ってきます!! ルナレインボー」
とのこと。
だよね。やっぱ行くよね。
「じゃあ私も行きますー」と、心を決め、ビクトリアの滝通算4度目のアタックに挑むことになりました。
ジンバブエ側からのルナレインボー観賞
ジンバブエ側からのルナレインボー観賞は、ザンビア側のスタイルとは違います。
時間が決められていて、その時間に集合。
エントランス付近でガイドさんからの説明を聞いて、ガイドさんの後ろに付いてみんなでビューポイントを周ります。
ルナレインボーの期間中は、滝のゲート前に、このような紙が張り出されています。
これを見て、何時に集合すればよいか事前にチェックしておきましょう。
この日は3日あるルナレインボーの最終日。19:30~20:30にルナレインボーツアーが開催されます。7時くらいにゲストハウスを出てタクシーでGO。片道5USD(約525円)。
到着すると、ゲート前にはすでにたくさんの人が集まっており、日本からツアーでいらっしゃった方々もちらほら。その方々と少し会話をしながら、開門を待ちます。19:30少し過ぎにゲートがオープンしみなさん中へ。合計50人くらい参加者がいたような気がします。
中で滝の説明とルナレインボーの説明を聞き、いよいよ滝へ。
ゲートから遠い側(ザンビア側)からスタートし、ビューポイントごとに立ち止まり虹を確認しますが、
虹、全然見えません…。
滝の中心側は、水煙がすごすぎて、月明かりをさえぎってしまっているのです。せっかく明るい満月なのに、これでは虹も出現しないではないですか。期待していたのにもしかして虹見られないのかなと心配になりつつ、順番にビューポイントを移動します。
すると、先を歩いていたガイドさんが小走りで引き返してきておっしゃいます。
「今この先で虹が見えるよ!!! 」
こうしてやっとお目にかかれたジンバブエ側からのルナレインボー。
美しい滝と虹が非常に絵になります。
薄暗い中に、ぼんやりと浮かび上がる虹。これはとても幻想的。
日中も、滝の姿をくっきり鮮明に見ることができるジンバブエ側ならではのルナレインボー。
ザンビア側とはまた一味違う、絵になる風景にうっとりします。
今日一の写真がこちら。
「虹と星」という組み合わせがとてもお気に入り。普段なかなか目にすることはできませんものね。
観賞可能ポイントは数か所と、そう多くはありませんでしたが、しっかりとこの目に焼き付けたルナレインボー。1時間はあっという間だったのですが、
「ルナレインボーきれいでしたね。来てよかったです」というだいすけさんの言葉に、私も激しく同意。
こうして、素晴らしい滝×虹の姿を拝み、滝観賞を締めくくりました。
だいすけさんのメインカメラはGoProそしてサブカメラはiPhone。さすがにこれでは暗闇に浮かび上がるルナレインボーの写真を撮るのは難しいので、私の撮影した写真のデータを差し上げることにしておりました。
カメラの設定をいろいろ変えて、同じ画角で撮った写真が何枚もあるので「ざっと見て適当にいいやつ選んでUSBにコピーしたらいいよ」と言うと
「いや、じっくり時間をかけて選びたいんで、写真全部コピーしていいですか」と。
全然いいんですけど、
92枚、357MBありますよ。
わずか1時間でよくこれだけ撮ったなあと自分でもちょっと引くぐらいのボリュームです。しかし彼は「それでも大丈夫です。せっかくきれいな虹だったんで、時間あるときに落ち着いてちゃんと全部の写真を見ておきたいです!! 」と。
なんかもう、まっすぐで、素直で、こういうのにキュンとしてしまいます。
旅で得た経験のひとつひとつを大切にし、心の底から旅を楽しんでいるように見えるだいすけさん。
なんだかすごく丁寧に旅をしていらっしゃる彼を見ていると、
あれもこれもやりたくて気が急いてしまうあまり、つい駆け足になっている自分を少し反省いたしました。ひとまわりもお若いとはいえ、見習わなければならないことがたくさんあるものです。
本日私は次なる目的地にむけて移動を開始。だいすけさんは、飛行機でケープタウンに飛び、そのあと帰国なさるそうです。
久しぶりにご両親や彼女さんと会える嬉しさが溢れ出ちゃってる彼からの質問。
「親孝行とかって、何されてます? 久しぶりに親に会うんで、何したらいいかなって」
私に言わせれば「親孝行ってなんですか? 」としかお答えできないのですけども。
最近の若い方は本当に立派だなあとしみじみ思ったところで、私のビクトリアの滝観賞は終了です。
ここ数日毎日毎日滝のことばっかりで、ブログを読んでくださっている方も正直げんなりしていらっしゃるとは思いますが、最後まで読んでくださってありがとうございました。
■ビクトリアの滝のルナレインボー(ビクトリアフォールズ/ジンバブエ側)
ザンビア側と同様、月によって、また、水量によって開催の可否が決まってきます。実施するかどうかはそのときの滝の状態次第。実施の場合、日中、ゲート付近に張り紙で開催時間を知らせていますのでチェックしてみてください。
【メカニズム】
夜、月の光によって作られる虹が、滝の水煙&水面をスクリーンにしてくっきりと浮かび上がる現象。よって、「月が明るいこと(満月)」「滝の水量が多いこと」が開催条件。
【見られる時期】
通常であれば、毎年3月から7月。
滝の水量が多いこの5ヶ月で、「満月」の前日、当日、翌日の3日間のみ。だいたい月に1度満月のタイミングがおとずれます。
しかし、2016年は3月と4月の水量が少なく、ルナレインボーは実施されなかったそうです。よって、5月・6月・7月の3ヶ月のみ実施。このように、水量が少ないと見られない場合もありますのでご注意ください。
★もっともきれいに見られるのは6月。そして5月、7月もきれい。とのことです。私が行ったのは2016年6月の満月当日で、確かにものすごく美しいルナレインボーを見ることができました。
【ルナレインボー時入場料】
40USD
【開催時間】
日によって違います。
【当日の流れ】
通常のビクトリアの滝の営業時間は18:00まで。一旦そこで営業終了。ルナレインボーツアーの開催時間に合わせて集合し、そこから1時間のツアー。
【ポイント】
ガイドさんの説明を聞いてから滝に向かいます。そして、滝付近でも基本的にガイドさんお後ろに付いてまわることになります。虹がよく見えるポイントなどを教えてくれます。
昼間あたたかくても、夜は気温がぐっと下がりますので、アウターなどをお持ちになったほうがよいと思います。また、滝周辺、夜は真っ暗ですので、ライトをご持参ください。
こんにちは。
いつも楽しくブログ読ませて頂いてます。
mayumi さんの一回り上!のいのしし年ですが、来年念願の世界一周をする予定です。
mayumi さんの一回り下-1(後3日早く生まれてくれれば、同じいのししだったのに、残念!)の息子も、再来年、大学を休学して世界一周予定です♪(別行動ですが)
これからもブログ楽しみにしています。
お気をつけて、旅を楽しんで下さいね♪