ザンビア(1)ビクトリアの滝というよりむしろ虹。その日私は虹を歩いた。
現在、ザンビアの「リビングストン」という町に滞在しております。ここは、世界三大瀑布のひとつ「ビクトリアの滝」への玄関口。アフリカ大陸のハイライトのひとつでもある憧れの滝に、ついに行くことができました。その様子をレポートします。
【現在地】リビングストン/ザンビア
Livingstone/Zambia
【天候】晴れ
【気温・湿度】30度・34%(昼)
【為替】1クヮチャ=約10円
■ビクトリアの滝(Victoria Falls)とは
ザンベジ川の途中にあるビクトリアの滝。最大落差108m、幅約1.7km。ちなみにこれが3大瀑布の大きさ比較。Wikipedia掲載情報です。
ビクトリアの滝、最大落差が断トツで高いですね。あ、ベネズエラのエンジェルフォールは落差978mで、それと比較しちゃうと…いやいや全然ビクトリアの滝もすごいんですよ。幅だって1708mもあるし! この1708m、実は6つの滝からなっておりまして、3つはジンバブエ側、3つはザンビア側です。それらが合わさって「ビクトリアの滝」となるわけです。
上の図のように、「デビルズ・キャタラクト」、「メイン・フォールズ」、「ホースシュー・フォールズ」がジンバブエ側、「レインボー・キャタラクト」、「アームチェア・フォールズ」、「イースタン・キャタラクト」がザンビア側。滝の幅1.7kmのうち1.2kmがザンビア、残り0.5kmがジンバブエに属します。
【まずはじっくり眺める! 】
せっかくビクトリアの滝を訪れるなら、そりゃあ水量たっぷり、勢いよく流れ落ちる瀑布が見たい! そんな人におすすめのシーズンは、水流量がピークを迎える3月~7月。ザンベジ川で最も水が蓄えられている場所は、ビクトリアの滝よりかなり上流にあるそうで、雨季でたっぷり振った雨水がビクトリアの滝に来るまで数か月かります。つまり、このあたりの雨期が11月~4月くらいなので、水量が一番増えるのは3月~7月なんですね。そして、最も少ないのは10月~12月。雨季に行っとけば水たっぷりあるでしょ、と思ったら大間違いなので、行く方はお気を付けください。ちなみに、水量がたっぷりのときとそうでないときの差は10倍もあるそうで。こんな写真もございます。
ジンバブエとザンビアの国境にまたがっているので、両方から入って観光することができます。もちろん私は両方行くつもりでおりますよ。
ビクトリアの滝をザンビア側(リビングストン)から観賞
早朝5:00起床。とりあえず「滝から昇るサンライズ見とこうか」と思い、朝一で滝を目指します。
タクシーは、前日に宿の人にお願いして、6:00に迎えにきてくれるよう頼んでおきました。リビングストンの町の中にある「リビングストンバックパッカーズ(昨日の投稿)」から、ビクトリアフォールズのゲートまで約15分。50クヮチャ(約525円)。
6:15ビクトリアフォールズのゲートに到着。
サンライズ前なので、当然外は真っ暗。滝周辺のマップなどはまったく頭に入っておりませんでしたが「行ったら誰か観光客がいるだろうから、後ろについてけばいいよね」なんて思った私が甘かった。
だっっっれもいないのね。
くしくも1番をGETしてしまった私は、受付で入場料20USDを支払い、滝の音だけを頼りによく分からないまま突入します。
入り口を入るとすぐ道は二手に分かれておりまして、右手に行くと川の上流(滝の落ちる前段階)、まっすぐ行くと滝の正面に沿ってビューポイントが設けられている道。
あたり一面、水の流れ落ちる爆音が轟いておりまして、とりあえず、まっすぐ進んでみることにしました。
薄暗い森の中で滝の音だけがゴウゴウと響き、若干の恐怖心を覚えます。そして、歩き出すとすぐに目の前に飛び込んできたのは
ビクトリアの滝。
はじめましてー。
やばい、いきなりかっこいい!!! なんかこう、アドレナリンが出る!!!
今日はめいいっぱい滝を堪能しまくって「滝しばらくいいわー。もうおなかいっぱい」ってなるくらいに、滝にどっぷり浸かってやりたいと思います。
この隙間から見える滝ですら非常に迫力があるんですけど。この先どうなっちゃうんですかー!!
朝もやの中、浮かび上がる滝。
方角とかよく分かっていませんでしたが、どうやらいい感じに滝の上から太陽が昇ってくる予感。
あ! 来ましたよ!
はい! 日の出です。
おはようございまーす。
荘厳な雰囲気のサンライズを拝み、滝に沿ってルートを奥へ奥へと進んで行きます。はじめは普通のカメラで大丈夫だったのですが、途中から、
土砂降り。
雨ではありません。滝です。巻き上げられた水煙が雨のように降り注ぎます。この橋がいちばんすごかったなあ。ちょっと濡れる程度、とかではなく、完全に「豪雨」に分類される水量ですので、心してかかってください。
空が明るくなって、少し青空がのぞき始めます。ビクトリアの滝が、徐々に全容を現し始めました。
そして滝をバックに、大きくかかる1本の虹。
うっすらとしか見えませんが、ここで私のレインボースイッチがオンになりました。
虹って、とてもきれいだ。
こんなに大きな滝なんだから、きっと至る所で虹を見られるに違いない。
今日はめいいっぱい虹を堪能しまくって「虹しばらくいいわー。もうおなかいっぱい」ってなるくらいに、虹にどっぷり浸かってやりたいと思います。
こうして早々にコンセプトがすり替わっているのにも気づかず、滝のビューポイントに立つごとに、虹の有無や所在を確認し、次々と撮影していきます。
隙間からの虹と滝。
ビクトリアブリッジ(Victoria Falls Bridge)にかかる虹。
これなんてもう滝写ってませんからね。
遠くの滝と虹。
滝の正面に沿ってビューポイントが数か所設置されておりまして、そこを行ったり来たりしました。気持ち悪いくらい何往復も。
ちなみに、水量の多い6月は、水煙&水しぶきがすごすぎて、ジンバブエ側からはそんなにくっきりと滝自体が見渡せませんでした。ちゃんと水の流れを写真に撮れるスポットはごくわずか。でもそのぶん虹はたくさん見られます。
滝になる直前のポイントもなかなかいい
滝の正面側でたくさんの虹を見つけた後は、ゲート付近まで戻り方向転換。今度は滝が流れ落ちる直前の場所を見られるポイントに移動します。こちらもたいそうきれいな虹が出ておりまして。直径が大きいと言いますか。くっきりと鮮明に虹を見ることができました。
ここから滝として水が流れ落ちていくわけですが、そんなことより、みなさん気になると思います。
虹の根元がどうなっているか。
それがこちら。
ふつうに、地面から虹が生えてきています。
この、滝になる前段階の部分には、テーブルとイスがありまして、ピクニック気分で朝ごはん。
パン、リンゴ、水という非常に質素なメニューでかわいそう、とか思わないでください。虹を眺めながらの朝ごはんは、たいそうおいしいものでした。滝を訪れる方は、ぜひどうぞー。
滝つぼ付近へも降りられます
上からの滝を堪能したあとは、滝つぼ付近へ降りて見ます。滝つぼ付近へは、下り15分、登り25分だそうです。登りは息が上がりました。
下り始めると急にジャングルみたいになって、上とはまた違った雰囲気を楽しめます。
涼しい。そしてマイナスイオン浴び放題。
たどり着いた先は、ビクトリアブリッジのすぐ近く。橋を見上げつつ、濁流を間近で堪能。大量の水がせめぎあい、右へ左へと複雑な流れを作り出しています。そして、写真の左下にはしっかりとレインボー。
滝つぼからUターンし、元来た道を戻ります。再度、滝正面へ行ったり、滝の上流に行ったり、ほんとうにもう一生分の滝と虹を満喫したような気がします。
いろいろ移動して気付いたのですが、水煙が雨のように降る位置は時間によって変化するんですね。あと風向きも影響します。降水量は、サンライズのころが一番多くて、日中はやや収まりました。
私の装備は、チャラついたレインコートに、短パン、サンダル。リュックにはザックカバーを付けて、防水カメラ(NIKONのAW130)持参。
このような、どこかの少数民族(ニュータイプ)のような風貌で、滝周辺をうろうろすること約6時間。お昼ご飯の時間になり、空腹に耐えかねて滝観光終了。
そして、これが今日一の虹。
きれいでしょう。
急転直下した川の水が、再び虹となって空へと上がっていく様子を切り取った1枚。しかもダブルレインボーでございます。今がふんばりどきの方へのカンフル剤としてぜひお役立ていただきたい写真です。
ちなみに、今日初めて知りましたけれども、ダブルのレインボーって、色が対称になるんですね。
片方は青から赤へ、もう一方は赤から青へ。
とてもきれい。とても不思議。
それから、当たり前ですが、虹の位置は時間によって変わります。シングルの虹が…
ダブルになり、
滝から離れてゆきます。
ご自身の中でもっともよいと思われる虹と滝の程よい距離感を見つけ出してください。
いっぱい撮ったなー、虹の写真。
滝を中心としたアトラクションに関しまして
ビクトリアの滝と言えば、橋からのバンジージャンプや、激流を下るラフティングが人気です。ここを訪れた多くの方々がチャレンジなさっているよう。私も「行ってみて興味が沸いたら、何か1つくらいやってみようかな」と思っていたのですが、意外とどれにも興味が沸かず、やってみたいものがありませんでした。
というか滝と虹に夢中すぎてそれどころじゃなかった。
もしかしたら、『天空の城ラピュタ』の冒頭のシータのような私の落下姿を想像して、「親方! 空から女の子が! 」とか言う用意をされていた方もいらっしゃるかもしれませんが、
女の子はそうそう空から降ってくるものではありません。
飛行石を持たない私は、その代わりに、虹の上を歩けます(合成写真ではないんですよー)。
それでは本日も、最後までお付き合いくださってありがとうございました。大変申し訳ございませんが、明日もまた滝です。
■ビクトリアの滝(ザンビア側)詳細
【入場料】20USD
【ガイド】つけたい方はどうぞ。料金は無料で、チップをお支払いすればよいそうです。私は、早朝すぎてまだガイドもさんも来ておらず、ガイドなしでしたが別に困ったことはありませんでした。
【オープン時間】06:00~18:00(2016年6月。季節によって変わるのかもしれません)
【ポイント】
- レインコートは必須。ゲートを入った後、滝の近くでレンタル可。足元はすごくぬれるのでサンダルがよいですが、朝は極寒です。トレッキングシューズとかだとよいのかもしれません。
- ゲート内には小さなキオスク1店舗しかありません。滝付近で飲食したい場合は、購入してから行くことをおすすめします。
- 防水カメラもしくはハウジングがないと撮影できないポイントもあります。びしょぬれです。無い方は、ぬれない位置でのみ撮影することになります。
- 通常の滞在時間はたぶん3時間ぐらいだと思います。でものんびり観賞するのであれば、もっと長くてもよいかも。
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