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2016-02-22

ロ、ロマンスの神様なんて信じてない! 信じてないんだからっ…!!

ロマンスの神様

お、今日はこいつ恋愛ネタについて書くんじゃないか? そう思ったみなさま。あなたたちが期待しているような、性的欲求不満を満たしてくれるエロくて興奮するエピソードは出てきません。

ロマンスの神様」とかいうやつ、いわゆるロ神(ろしん)。周り見てるとまあいなくもない感じするから、いるんでしょうね、どっかに。

かつて広瀬香美さんが歌った伝説のラブソング『ロマンスの神様』。アルペン(スキー用品のメーカー)のCMで起用され、スキー場でもエンドレスでリピートされたことから、真っ白なゲレンデを彩るロマンチックな曲として1993年の冬頃、トレンディな若者たちの間で大ブームを巻き起こしました。当時のスキーウェア。

若干の悪意を感じる当時のスキーウェアをまとめたサイトがこちらです。

当時私は小学校低学年。鼻水垂らしてほっぺたを真っ赤にしながら全力で野山を駆け回っていたころです。時折耳にするこの曲を聴いたところで、ロマンスの意味も分かりませんし、スキー場にすら行ったことがないので、とくになんとも思いませんでした

去年の冬、帰省した実家から東京に戻るために乗った飛行機(スターフライヤー)の機内で再び聴いたのが『ロマンスの神様』。「相変わらず薄っぺらいタイトルだなー」くらいにしか思っていなかった私は、はじめてちゃんとフルで聴いて、鳥肌がたちました。「ゲ、ゲレンデの女神が降臨なさったぁぁぁ!! 」思わぬ神曲との出会いに興奮冷めやらず、飛行機を降りたその足でTSUTAYAに向かったのは言うまでもありません。

30歳超えてからこの歌の素晴らしさが身にしみてわかるようになりました。沁みる、染みる。ほんともう魂を揺さぶられますね。さぁ、どうぞ。


先日、友人の結婚式に出席してまいりました。受付という大役を仰せつかっておりましたから、さすがにそれなりに着飾って行くわけですけども。髪なんか巻いちゃって、こうクルンと内巻きに。いまどきな感じでね。新婦は、私が雑誌の編集者だったころの同僚。人生で一番つらい時期をいっしょに乗り切った、いわば戦友です。

しょっちゅう一緒に飲みに行き、二人して、タバコと酒にまみれ、聞くに堪えない罵詈雑言を繰り出しながら、熱く語り合った若かりし日々。捨て身の特攻、名誉の負傷、勇気ある撤退、華麗な玉砕、耳をふさぎたくなるような傷だらけの恋愛トークに花を咲かせたのも今では懐かしい思い出です。

そんな彼女も美しき花嫁となり、なんとお腹に赤ちゃんまで。幸せすぎて言葉が出ません。いや、祝福の言葉は出る

手練れの合コンプレーヤーだった彼女は「実際コンパは何の生産性もない」と、ある日突然コンパに見切りをつけた。そして「信頼できる友達に紹介してもらった人とサシで会う」というもっとも堅実なスタイルに切り替え、結婚という目標に向かって着実に歩みを進めていったのだ。その間、煙草をやめ、料理の腕を上げ、自分磨きを怠らなかった。

彼女は賢く美しい、そして何より努力家だ。最大級の幸せに満ち溢れたあの笑顔は、これまでに積み重ねた努力の集大成。これをロマンスの神様が見逃すわけがない。ちゃんと素敵な旦那様との出会いをプレゼントしてくれたのだ。いるいるとは聞いてたけど、やっぱホントにいるんだねー、ロマンスの神様。ということで私にも…

そうやって言うけど、じゃあおまえは何をしてきたんだ

そう、私は何もしていなかった。彼女が着々と結婚へのステップを登っているころ、私は自分を磨くための努力を一切放棄し、ひたすらゲームや読書、海外旅行に興じ続けていた。モンハンのプレイヤースキルを向上させ、漫画『ONE PIECE』にちりばめられた伏線についての知識を蓄え、中東情勢について多少詳しくなった。恋愛においてただの1ミリもアドバンテージにならないであろうスキルに執拗に磨きをかけていったのだ

そして、「組み合わせに悩まなくていいから」という理由で買い集めた白いシャツと黒いパンツのせいで、ワードローブはRGBもCMYKも必要としない白黒2階調になった。集まってくる男性といえは、「“サブカルを理解しない”という1点のみが難点のかわいくてやさしい嫁」を持つ既婚者ばかり。もっと彼女と一緒に切磋琢磨すればよかった…。

結婚式でいただいた、ほんのひととき甘くとろけるような幸せな妄想の世界へといざなってくれ、結婚への淡い期待を抱かせてくれた「ブーケ」とかいう花束はとっくに枯れ、今では一段と残念な部屋を形作るオブジェと化している。それを見て「枯れたブーケは燃えるゴミかな、燃えないゴミかな」なんて思いながらまだ放置しているような人間。それが私です

こんなやつのとこになんてロマンスの神様来ません。

ロ神そんな暇じゃねーわ。

いや別に自分を卑下してるわけじゃないんです。どっちかっていうと自己評価高い方なんで。いいんですよロマンスの神様来なくたって。逆に今来られてよけいなことされても困る。

「無事に帰ったら結婚しよう」

フラグが立ったぁぁぁーーーー!!! 数ある死亡フラグの中で、最も美しいとされる完璧な形のフラグじゃねーか。今ロマンスの神様来ちゃって誰かにこんなこと言われたら、ほぼ確実に私生きて帰れない。さらにここで

「そっか。今まで一人で生きてるって思ってたけど、そんなことなかったんだね。私、ちゃんと愛されてたんだ…」

なんて言おうものなら、これ完全に死亡フラグの上塗りです。“これまで孤独だった人が突然愛や友情に目覚める”これもうテンプレ。目覚めたら最後、だいたい帰らぬ人となります。やばい。私、ロ神に消される

だからロマンスの神様、ちょっと今もうほっといて…。


「Boy Meets Girl 土曜日遊園地 一年経ったらハネムーン」

『ロマンスの神様』広瀬香美

いいよね、このフレーズ。なんかかわいいよね。

「Boy Meets Girl 土曜日コメダ珈琲 一年経ったらボリビア」こっちが現実。GirlはBoyにMeetsしない。このタイミングでこれを言っても何の説得力もないですが、

「Boy Meets Girl 恋する気持ち 何より素敵な宝物」

『ロマンスの神様』広瀬香美

ですよね。わかります。こう見えて、究極の恋愛体質・魚座

【魚座の恋愛傾向】

恋に人生そのものを賭けると言っても過言ではない魚座。一度人を愛したら、相手にすべてを捧げ、自分の人生もその人に合わせて変えてしまうほど。

こいぴた』より引用

オラァ、よく見てみろ、この占い。ポテンシャルは十分備わってんだよ。ロマンスの神様、今はいい。今はいいですけど、でもこの先、然るべき時が来たら、ぜひいらしてほしいなー…なんて。

海外出張手当出すからさ。

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