パナマ(2)ボケテ(Boquete)名物! 最高級の希少種ゲイシャコーヒーを堪能!
世界一周の途にあります私は、現在中米のパナマに来ております。滞在しているのは、高原リゾートな町ボケテ(Boquete)。昨日は、ハードな旅で疲れ切った右前腕筋群の疲れを癒すため、森林浴も楽しめる露天風呂ツアーに参加してまいりました。そうして本日は、ここボケテに来たら絶対に飲んでみたかった希少な「ゲイシャコーヒー」に関するレポートです。
【現在地】ボケテ(パナマ)
Boquete(Panama)
【気温】25度(昼)、17度(夜)
【天気】曇り
【通貨】1USドル=約115円
ボケテ(Boquete)はコーヒーの名産地です
ボケテは、パナマきってのコーヒーの名産地で、その生産量は国内のおよそ7割を占めています。なかでも人気なのはコトワ(Kotowa)ブランドのコーヒー。パナマシティにあるあの有名な「パナマ運河」の建物内にもKotowaコーヒーの店舗があることから、その人気っぷりがうかがい知れます。
そんなKotowaコーヒーですが、ここボケテにも店舗がございます。地図で言うとこちら。
コーヒーを愛してやまない私は、2日前にボケテに来た際に、さっそく訪問しておりました。
落ち着いた雰囲気の渋めの店内。
おみやげにぴったりなコーヒー豆も売られています。
オーダーしたのは、CAFE CON LECHE。コーヒー好きを豪語するくせに、安定のミルク入りのコーヒーです。
ミディアムサイズ2USドル(約220円)。
で、このKotowaコーヒーで取り扱っているコーヒーの中に、私がここに来たらぜひとも飲んでみたいと思っていたコーヒーがございます。
それがこちら。
12onz(340g)で、25USドル。
に、にじゅうごぉぉ!???!!
25USドルっていったら2,800円くらいです。ほかの豆はだいたい7USドル(約800円)くらいで、高くても15USドル(約1,700円)くらいなのに、2,800円って…。
そう、この豆こそが、かの有名な「GEISHA種」なんですねぇ。
コーヒーがお好きな方はたぶんご存じだと思うんですけれども、このGEISHA(ゲイシャ)コーヒーは、国際的にも絶賛される希少な最高品種と言われています。日本語の「芸者」とは一切関係ありません。
“希少種”とか言われると、モンハンのことしか思い浮かばないのですが、レウスレイアの希少種は金銀、ティガレックスの希少種は深紅。いやー、もうね、かっこいい。じゃあコーヒーの希少種はどうかっていうと、それがGEISHA。そりゃあすごいに決まってます。
GEISGAというのはコーヒー豆の品種の名前ですので、これを栽培しているのはKotowaカフェの農園だけではないのですが、このKotowaカフェが催行する「コーヒー農園見学&試飲会」ツアーでは、ゲイシャコーヒーを心ゆくまで堪能できるって言うじゃないですか!! ということで、ツアーに参加してみることにしました。
申し込みは、ボケテのコトワコーヒーの店舗奥にあるツアーデスク。私は、参加の2日前に予約しました。ツアーの詳細は以下の通り。
【Kotowa(コトワ)農園のコーヒーツアー】
午前の部/8:00~、午後の部/13:00~
所要時間4時間
料金30USD(約3,300円)
ツアーは午前の部と午後の部がありまして、どっちでもよかったんですけれども、ツアーデスクの方に「おすすめはどちらですか? 」と聞くと「午後の部のがいいよ」とのことでしたので、午後の部をチョイス。理由はよくわかりません。
というわけで、本日午後から行ってまいりました、コトワ農園のコーヒーツアー。
Kotowa(コトワ)農園のコーヒーツアーに参加したよ
ツアー開始は13:00ですが、12:30にコトワコーヒーボケテ店に来るように言われておりました。
13:00出発
13:50 コトワ農園の農場&試飲会会場到着
お天気は曇りではありますが、山の中で空気もおいしく、とてもよいところです。軽井沢っぽい感じ。
ここは、「Boquete Tree Trek Mountain Resort」という、ツアー会社が経営するリゾートホテルの一角にあるようです。場所はこのあたり。
到着すると、本日いっしょにツアーに参加するフランス人ご夫婦を紹介されます。まず向かうのは、コーヒー豆が生えているところ。最初に吊り橋を渡ります。
コーヒー農園はこちらー。
ただし、ここは大規模な農園ではなく、ツアー用に各品種を分かりやすく紹介するためのこじんまりとしたコーヒー畑のようなところです。
彼が本日のガイドさんで、歩く道すがらも、コトワ農園のコーヒーについていろいろ説明してくださいます。
Kotowa(コトワ)というのは、この地域のインディアの言葉で“山”を意味するそう。コトワブランドのコーヒーは、標高1,600から2,000mの間で栽培されており、このへんの標高が、コーヒー栽培にもっとも適しているんですって。
コトワコーヒーでは「エコロジカル」なコーヒー栽培の手法をとっているらしく、これとは別に「オーガニック」な手法もあるらしいのですが、そっちではないんですって。私はそのへんの違いがよくわかりませんけども。
エコロジカルな製法は、「バイオコントロール」というやつをしているそうで、そこらへんで生活している昆虫や周囲の雑草を過度に排除することなく、ともに生かしながらコーヒー豆を作っているそう。
だから、こんな感じで、
コーヒーの木以外にもいろいろ生えていて雑多な印象をうける農園ですが、
「ケアしてないわけじゃないんだよー!! 」とのこと。
コーヒー木の間をあるいてくと、まず見せてくれたのは、コーヒーの花。
こうして自然に咲いているコーヒーの花って初めて見た気がします。 花はジャスミンのような爽やかな香り。実は、同じ仲間なんだとか。
コーヒーの産地だけあって、パナマの人もたくさんコーヒーを飲むそうですが、最近は普通のドリップ方法とは別に“コールドブルー”と呼ばれる水出しコーヒーが新たなトレンドになっているらしいです。
コーヒー豆の収穫は、11月から4月がベストシーズンだそうで、このこじんまりとした農園のコーヒーの樹も、しっかり実をつけておりました。
コーヒーの木&実が成長する過程を説明してくれるガイドさん。
おぉ、なんかわかりやすい。
で、お目当てのゲイシャ種のコーヒーなんですけれども、この豆はエチオピアが原産国。そして、タンザニア、ケニアを通って中米に伝わり、コスタリカ経由でパナマのボケテまで伝来したんだそう。
実は、エチオピアでの表記は「gesha」。それがコスタリカでなぜだか間違って「geisha」になり、パナマにも「geisha」として入ってきて今の呼び名になっているそう。ゲイシャではなくゲシャだったんですかー。
で、なぜこのゲイシャ種がこれほど希少な品種なのかというと、ゲイシャ種の木は大きく、それなのに枝の先にわずかに実をつけるのみだから。同じ敷地面積でも、収穫量が約1/8程度だそう。
豆のサイズも小さいです。ガイドさんが右手に持っているのがゲイシャ種。
手に入りにくいという希少性に加え、お花のようなさわやかで品のある香りと味わいは世界でも類を見ないんだそうで。いろんな意味でほかのコーヒーとは一線を画しておりますから、世界中のコーヒー愛好家から大注目されることになります。
こうして、コーヒー豆鑑定士・愛好家・焙煎技師から高い評価を受けまくり、ゲイシャコーヒーの価格も評判も、毎年右肩上がりに更新されていきました。
おかげさまで、現在では「世界一高価」とか「まぼろしの希少種」とか、それはもうコーヒー好きなら誰もが興味をそそられるであろうキャッチコピーとともに語られるようになったんですねぇ。
豆のことやら生産のことやらを一通りお勉強し、コーヒーの木に成ったコーヒーの実を口に入れ「意外と甘くておいしい」と思ったり、本来はその豆は吐き出すべきなのに、勢い余って飲み込んじゃったりしたあとは、屋内の施設へと移動します。
世界一高価なゲイシャコーヒーを試飲してみよう
農場をあとにし、建物に中に入ります。通されたのはこちらのお部屋。
試飲会のために用意されたお部屋だと思います。ただ、試飲会っつっても、ガイドさん+参加者3人ですので、とても和気あいあいとした楽しいものになりました。
まずは、コーヒーの作り方のお勉強。こちらの男性がコトワコーヒーの創設者。
そうしてコーヒー伝来のルートを世界地図を使って学習します。
続いては、果実の状態の豆からコーヒーが出来上がるまで。
コトワコーヒーでは、収穫したコーヒー実を、まず水に浮かべます。そして、沈んだやつだけを販売用の豆として使うのだそう。浮いたやつは、リーズナブルな価格で売るコーヒーのラインに。捨てるわけではありません。
続いて、コーヒーの実を乾燥させます。このとき、750パウンドある実は、乾かしたあと、150パウンドにまで減ってしまうんですって。
そのあと、4~7か月ほど保管します。その間も、専門がが毎週テイスティングして、そろそろオッケーかまだかを確認しているんですって。かなり手をかけていらっしゃる。
途中、豆はその大きさごとに分けられます。これはローストの時に大きさが違うと、均一にならないから。コトワコーヒーでは、15分でライト、16分でミディアム、17分でダークと、同じ温度でロースト時間を変えてます。ほんの少し差でコーヒーの味に大きな違いが出てしまうそうですよ。
こうしてコーヒーの知識をちょっぴり蓄えましたところで、いよいよテイスティングに入っていきます。
「コーヒーのコンペの時は100杯以上テイスティングするんだよ」というガイドさんは、テイスティングのプロ中のプロ。我々に、正しいテイスティングの方法を伝授してくださいました。
まず、テイスティングの際に必要とされるのが、こちら。
「COFFEE TASTER’S FLAVOR WHEEL」というものです。
これは、コーヒーの香り、アロマ、味などなど、口の中の化学反応を表現するために用いる表。
「飲んだあとさっと味が消えてく」とか「飲み口がまろやか」とか「後味がチョコっぽい」とか、コーヒーに対するありとあらゆる表現が書かれているこちらのサークル。
ここにきて、内心、急にあわてる私…。
えー、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、私は、食べ物の味に関してはまじで味覚障害なんじゃないかってほどになんでもおいしくって…。基本的に「すごくおいしい」か「ふつうにおいしい」か「そうでもない」の3種類くらいでしか口の中に入れたものを判断できないのです。
それがなにこのホイール。
いったい何種類あるんでしょう。こんなん出されて「ゲイシャは後味がライムっぽくて、ライトローストは後味がグレープフルーツっぽいんですよ」とか言われても、
いやーこの繊細な違いが私に分かりますかねぇ…?
コーヒー通ぶって、コーヒーテイスティングツアーに参加してみたものの、全然違いがわからなかったらどうしよう…。そりゃもちろん「だよねーライムっぽいよねー」なんて話を合わせることは可能だと思いますが、せっかくテイスティングにきたのにそれではあまりに残念すぎる…。
そんな不安を抱えながら、まずは、粉に挽いた状態のコーヒー豆のにおいをかいでいきます。今回の試飲は、この農園でもっとも多く生産されているカトゥーラ種と、噂のゲイシャ種。
えー、手前から、
カトゥーラ種のライトロースト、カトゥーラ種のトラディショナルプロセス、カトゥーラ種のエスプレッソ、カトゥーラ種のオーガニック、ゲイシャ種のイエロー、ゲイシャ種のグリーン、ゲイシャ種&カトゥーラ種トラディショナルプロセスのハーフ&ハーフ。
無理ゲーだと思いながらも、においをかいでみます。
あ…!? それぞれちゃんと違います!!
続いてお湯をいれていきますよ。
まずはお湯をいれたコーヒーのにおいをかぎましょう。
粉だけの状態よりも、香りが強くなり、それぞれのコーヒーの香りがダイレクトに嗅覚を刺激します。
いける!! これはいける気がする!!
最後は小さなスプーンでコーヒーをすくって味をみるのですが、そのテイスティング方法がこちら。
足を肩幅ほどに開き、任侠映画や『龍が如く』でよく目にする挨拶のように、やや前傾姿勢を維持しつつ、スプーンを口元に持っていき、
シュ!!!!!
と勢いよく吸い込む感じで。テイスティングのプロ中のプロであるガイドさんがお手本を見せてくださいましたが、これがなかなか難しかったです。
見た目は、全部「普通のコーヒー」。さあはたしてそのお味は…?
んっ!!!! 味、ぜんっぜん、違います!!
カトゥーラ種は、コトワ農園でもっとも多く生産されている品種の豆。コクも酸味も苦みも強く、ガツンと来るテイストが特徴的。 その豆の製法違いでいろいろありますけど、全部しっかり差があります。
で、肝心の、ゲイシャ種はといいますと、
これがもう笑っちゃうくらい別物。
どんなに味の分からない人でも、これはたぶん、違いが分かると思います。それほどまでに個性を放っております。これは確実に、もう完全に、普通のコーヒーとは別物です。
“The garden in the cup.”
ガイドさんがこのように表現しておりましたが、まさにまさに、「カップの中のお花畑やー」です。
かなり強いジャスミンっぽいお花の香り!! お味は爽やかな柑橘系!!
見た目はどっからどう見ても完全にコーヒーなのですが、そのお味はまるで…
まるで…
紅茶!!!
…
……
「紅茶がいいなら、紅茶を飲んだらいいんじゃないか」そう思った方、正解!!
実のところ「ゲイシャコーヒーはフルーティすぎて紅茶みたいだからあまり好きでない」というコーヒー通のパナマ人も少なくないそう。さんざん煽って本当に申し訳ないのですが、正直、私も、コーヒーならコーヒーらしく、もっとこうガツンときてほしいかなって思いました。
そんな方におすすめなのが、ゲイシャ種&カトゥラ種トラディショナルプロセスのハーフ&ハーフ!!
「ゲイシャコーヒーに足りない“コーヒー感”を出すために、よりコーヒーらしいお味のカトゥーラコーヒーを混ぜてみたよ」というスペシャルなミックスパックです。
コーヒーとかコーヒーじゃないとかコーヒー感とかコーヒーっぽいとか、
コーヒーってなんなんだろう(遠い目)。
だんだんよくわからなくなってまいりましたが、とりあえず、私はこれが気に入りました!!
ただね、ゲイシャコーヒーは、ミルク入れずに飲んだほうが、爽やかなフローラル感が生きてくる。というわけで、牛乳入れて飲むように、一番ガツンときたワイルドなコーヒー「オーガニック」も購入。
この会場でもコーヒー豆は買えますし、ボケテの町中のカフェでも同じ値段で買うことができます。ゲイシャ種&カトゥラ種トラディショナルプロセスのハーフ&ハーフ15USドル(約1,700円)、オーガニック10USドル(約1,100円)。
17:00ボケテの町に戻ってくる
コーヒーツアーはいかがでしたでしょうか? ゲイシャコーヒー爽やかでおいしかったです。あと、ものすごく勉強になりました。
・カフェインの量は、ライトローストの方が多い
長くローストすると、カフェイン失われるから。
・ローストが長いと豆が柔らかい
短いと豆は硬いから、その分グラインド時間が長くなる。
みたいな、今まで知らなかったコーヒーのあれやこれやをいろいろ教えていただきました。話が面白くて引きこまれましたよー。
ブログを書くためにメモを取りながら話を聞いていましたが、真剣過ぎて「この人コーヒー関係の仕事なんだろうなぁ」と思われていたんじゃないかなあ。ただの無職なのに。
このツアー、内容盛りだくさんで、おすすめでございます! ボケテに行かれた際はぜひー。それでは本日の投稿はこれにて終了。明日は、ボケテから、次の町「サンタカタリーナ」に移動します。それでは、本日も最後までお付き合いくださってありがとうございました。
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