パナマ(8)パナマビエホ&カスコビエホ。2つのビエホ(Viejo)を巡ってみよう!
世界一周をしようと思っていたんですけれども、けっきょくしない感じになっちゃっている私は、現在パナマの首都パナマ・シティにおります。昨日は、パナマといえば! な「パナマ運河」に行ってまいりましたが、本日もまたパナマ・シティの定番観光スポット「ビエホ」の2本立てでお送りしたいと思います。
【現在地】パナマ・シティ(パナマ)
Panama City(Panama)
【気温】36度(昼)
【天気】晴れ
【通貨】1USドル=約115円
Viejo(ビエホ)ってなんですか?
ビエホはスペイン語で「古い」という意味です。
つまり、本日は「パナマ・ビエホ」、「カスコ・ビエホ」という2か所のビエホを訪問し、むかーし昔のパナマに思いをはせてみましょうよ、というわけです。
まずは、この2つの「Viejo(ビエホ)」の関係性について。
「パナマ・ビエホ」というのは、1519年にスペインが初めて太平洋岸に築いた植民都市
の、廃墟です。
インカ帝国の黄金など、この地域に古くからあった金目のものを奪ったスペイン人。彼らはそれらの富を、パナマ地峡を通って大西洋に運びスペインに持ち帰りました。莫大な金品が行き来する場所ですから、町は当時おおいに繁栄していたそうです。ところが
1671年、イギリスのヘンリー・モーガン率いる海賊団が内陸から侵攻し、この地を荒らしに荒らしまくったそう。
結果、廃墟に。
この地での町の再建を早々にギブアップしたスペインは、ここから多くの建築資材を持ち出し、新たな場所に都を建設。これが今の「カスコ・ビエホ」。
こうして、どこに出しても恥ずかしくない見事な廃墟「パナマ・ビエホ」が完成し、「カスコ・ビエホ」は、植民地化を推し進めるスペインの勢いと同様、それ以降もしっかりと繁栄いたします。
そして、現在では、スペイン様式のコロニアル建築が並ぶ美しいカスコビエホの町並みは「パナマ歴史地区」として世界遺産に登録されているのです。
一口に“古いです”と言っても、パナマビエホは廃墟中の廃墟、カスコビエホはクラシカルでおしゃれな町、と異なる進化をたどったんですねぇ。とはいえ、それぞれどちらも魅力に溢れた場所ですから、現在でも世界中から多くの観光客が訪れています。
それでは、まずは「パナマ・ビエホ(Panama Viejo)」から行ってみましょう!!
Panama Viejo(パナマ・ビエホ)に行ってみよう!
パナマビエホの場所はこちら。
メトロバスに乗っていくことができます。私が滞在しているホテル「Hostal Loco Coco Loco」からの行き方になってしまうのですが、バス乗り場はこちら。
バスは、「Nicanor A.de Obarrio」という大通りを通ってやってきました。この通り経由でパナマ・ビエホに行くバスはそんなに本数が多くないようですので、乗車時に運転手さんに「パナマ・ビエホ? 」と確認したほうがよいです。
バスは、住宅街を抜け、
海沿いの高層ビル群の脇を通り、
パナマビエホへと近づいていきます。ほかに旅行者っぽい人は乗っていませんでしたので、ちゃんと降りられるか不安。
観光地に行くと、観光客はそれなりにいらっしゃるんですけれども、ローカルな交通手段に乗ったとたんに観光客がいなくなる不思議。たぶんみなさんツアー参加かタクシー利用なんだと思います。
で、ここであることに気が付くんですけれども、
「パナマ・ビエホ」ってね、このあたりの地域一帯を指すみたいです。
ピンポイントで遺跡のことを指すんだとばかり思っていましたが、どうやら違うんですって。
さきほどからバスの運転手さんに「パナマ・ビエホ行きたいアピール」をしていたんですけれども、運転手さんにしてみれば「パナマ・ビエホは分かったから、あんたいったいパナマ・ビエホのどこに行きたいんだよ」という話なわけで。
あわてて「Ruinas(遺跡)!! Entrada(入口)!! 」という単語を付け加えました。
この先パナマビエホの廃墟を見に行かれる方は、バスのドライバーさんにEntrada de las ruinas(遺跡の入口)というアピールも忘れずするようにしてください。
バスの運転手さんが「ここが入口だよ」と教えてくれたところでバスを降ります。
あれが、チケット販売所。
『地球の歩き方』には、6USドルと書かれていた遺跡のチケットですが、12USドル(約1,300円)になっておりました。※歴史博物館の入場料込み。
全体マップはこのようになっております。
それではさっそく内部に入ってみましょう。
わぁー!! そこかしこに広がる見事な廃墟。
廃墟好きにはたまらない景観。
観光客も少なくて、しーんと静まり返っております。
ところで、パナマシティは、日中の気温が35度を超えてきます。
ポカポカ小春日和の日本のみなさまはなかなか想像しずらいと思いますが、この温度は、観光に支障をきたすレベル。
暑さが伝わるといいなと思いながら写真を撮ったんですけれども、いかがですか?
灼熱の廃墟というのはなかなかにきついものがあります。
すんごい大きな樹の木陰でひとやすみ。
鳥の巣が落ちてた。鳥は大丈夫かなぁ。
序盤の遺跡エリアを抜けると、この廃墟の一番の目玉、鐘楼「パナマ・ビエホ塔」です。
あっちのあれです。
あつーい。あついよぅ。
塔の上には登ることができます。
階段は、登りやすいようにしっかりと整備されているので、足腰に自信がない方でも大丈夫だと思います。
この塔からの眺めが大変よくって! 私はとても気に入りました。遺跡の全景を見渡せるのはもちろんのこと、
何がよいかっていうとですね、
このように、当時を再現したイラストと、現在の風景が対比して見られるようになっているのです。
これが、
500年後、こうなっちゃうなんて。
パナマの発展はすげぇなぁ。
しかも、まだまだ成長を続けているっぽいですからねぇ。
「パナマ・ビエホ塔」をひとしきり楽しんだら、こんどは、遺跡の後半戦。
教会の廃墟。
ここの内部もまた素敵で。
いやー、いい廃墟だ。
かなり整備されてはいるのですが、壁などはきっと当時のままなんだろうなぁ。
これが当時の様子。
豪華さに、その繁栄っぷりがうかがえます。
途中でみかけた大きな木。
さらに先へ進んでいくと、パナマ・シティの新市街が見渡せる、干潟に出ました。
近代的なビル群を背景に、大量の鳥が群れを成しています。なんだろう…。
最後は、歴史博物館。
内部の説明書きはオールスペイン語ですので、スペイン語が分からない人は、展示品そのものと写真だけを見てまわることになります。
土器。
土器。
土器の伝来。
人骨。
以上でパナマビエホ終了です。
パナマビエホの敷地内、このような乗り物が定期的に走っています。
乗車料金はチケット代に含まれておりますので、暑くてハートが折れそうになったらぜひご利用ください。
ここからは、バスに乗って旧市街「カスコ・ビエホ」を目指しましょう。
カスコ・ビエホ(Casco Viejo)へ行ってみよう
カスコビエホは、地図で言うとこのあたり。
この方向に行くであろうバスに適当に乗ります。
運よく乗ったバスが、カスコ・ビエホ徒歩圏内まで行ってくれました。ラッキー。
カスコビエホ入り口付近から見たビル群。
パナマシティは想像していたよりもずっと近代的。
さあこちらがカスコビエホの中心にある独立広場&カテドラルです。
(修復中)
美しい正面の飾りを持つカテドラルは、この旧市街の象徴でもあります。
そしてこちらがパナマ運河博物館です。
(修復中)
瀟洒な白い建物は運河の歴史が手に取るようにわかる展示品が魅力。
えっとー…、コーヒーでも飲みましょうか。
レトロでおしゃれな建物が多いこのエリアには、町並み同様おしゃれなレストランやカフェがたくさん。私が行ったカフェも、なかなか雰囲気がよく、とてもくつろぐことができました。
アイスカフェラテ4USドル(約440円)。
パナマは公共交通機関のターミナル、医療機関、ショッピングセンター、ホテル、レストランなど公共の場では禁煙が義務づけられています。たばこは外で。
非常に喫煙率の低い国パナマでは、喫煙者は肩身が狭いです。おまけに、マルボロ1箱6USドル(約660円)。いやー、高いなぁー。
最後に、カスコビエホで唯一入れた「サン・ホセ教会」。
外見はかなりシンプルなこちらの教会ですが、中に入ると、
黄金の祭壇!!
すんごいキラキラー!!
かつてこの地を徹底的に破壊し、ありとあらゆる金品を持ち去った海賊ヘンリー・モーガンですが、当時の町の人々はこの祭壇に漆喰を塗り、隠しておいたそう。苦肉の策が功を奏し、略奪をまぬがれたんだとか。
絢爛豪華な黄金装飾! これは一見の価値ありですぞ!
以上で2か所のビエホレポートを終わります。暑い中観光するのはフィジカルの強さとハートの強さを要求されます。パナマに行かれる方は、心してかかってください!
それでは本日の投稿はこれにて終了。最後までお付き合いくださってありがとうございました。明日は、ここパナマのお土産事情についてご紹介したいと思います。
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