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2016-11-20

メキシコ(25)セノーテに潜る方必見!! セノーテダイビングの特殊性と独自ルール

カンクン_セノーテダイビング

世界一周をしております私は、メキシコのトゥルムという町におります。世界一周にテーマはとくに設けておりませんが、ダイビングをいろんなところでやりたいなあ、とは思っておりまして。9月末にエジプト・ダハブで潜って以来、約1か月半ぶり、本日は久々のダイビングにチャレンジしてきました。

【現在地】トゥルム(メキシコ)

Tulum(Mexico)

【気温】32度(昼)

【天気】晴れ

【通貨】1ペソ=約5円

セノーテってなんですか?

広い国土に手つかずの大自然がたっぷり広がっているメキシコには、数えきれないくらいのダイブサイトがございます。当然海だってとんでもなく美しいのですが、今回私がチャレンジするのは、塩水ではなく、淡水ダイビング。

そう、セノーテ(Cenote)です。

セノーテ(Cenote)は、淡水&洞窟の中を潜るので、今までのダイビングとはいろいろと勝手が違います。本日はその独自ルールや潜り方について。ダイビングに興味がない方は一切面白くないと思います。ごめんなさいね。

ここ数日の投稿で何度かセノーテというワードが出てきたかと思いますが、なんだそれは、という方にまずは軽くご説明いたします。

【セノーテ】

陥没穴に地下水が溜まった天然の井戸、泉のこと。その多くは内部に鍾乳洞が沈没していて、地底湖と呼んでもいいほど巨大なものもあります。メキシコ東部ユカタン半島の低平な石灰岩地帯にたくさん存在しています。

■地学的、歴史的に…

セノーテの奥に眠る鍾乳洞。そもそも鍾乳洞は水面下では決して形成されることがありません。

つまり、これらはもともと地上にあったものです。

ところが氷河期が終わりを迎えたころ、溶けだした氷のせいで海面が上昇し、それにつられて内陸部の地下水位まで上昇し、洞窟系全体が水没してしまったんだそう。このような洞窟の天井の一部が崩落して特殊な地形を生み出し、今のセノーテができたのです。

地下にある鍾乳洞のおかげで、微生物が少なく、水の透明度は100mとも言われています。もちろん、各セノーテによって違いがありますし、全部が全部そんなに透明かって言うとそうでもない気がしますが、それでも、どこまでも透き通った青い色は、とても幻想的。

セノーテは、いくつかの水系のもと、地下でひとつにつながっています。長いものでは100km以上もあるとか。いまなおすべてのセノーテ・水系が明らかになっているわけではなく、引き続き調査中。あまりに巨大な地底水脈システムの全貌が明らかになるのはいつになることやら…。

■マヤ的に…

ユカタン半島の北部低地では、川も湖もないため、古代より主要な水源だったセノーテ。セノーテの語源は古代マヤ語の「ゾノト (dzonot) =泉」から来ているそうです。

マヤ人にとってセノーテは、「別世界(地下世界)への入り口」で、ここを神聖視していたそう。地下世界には幽霊や恐ろしい神がいて人々の敬意を求めていると信じていたらしいです。あとは、雨の神様チャックの住処とされていたセノーテもあります。

そのため、多くのセノーテには地下世界もしくは神様へのささげ物が沈んでいます。

“地下世界へのささげもの”、それはときに、生贄、または人間の心臓など。干ばつが続いたときなんかには、ぜひ恵みの雨を、ということでいろいろなものが投下されてきたんですねえ。セノーテの底を調査した際には、遺骨や、翡翠のビーズ、貝殻、石器などの副葬品も発見されているそうです。

セノーテに潜らせてくれるダイブショップinトゥルム(Tulum)

【ダイブショップ】KO’OX TOURS

トゥルム_セノーテ_ダイビング

【場所】

【料金】午前中に2ダイブで160USD(機材レンタル、セノーテ入場料などすべて込み)

トゥルム_セノーテ_ダイビング

ダイブショップはとくに比較検討しておらず、宿泊していた「Emotion Tulum」というホテルの真向かいにあったこちらのダイブショップにしました。あとで調べてみたところ、セノーテダイビング、プラヤデルカルメンで申し込んだほうが安いかもしれません。

事前にダイブショップへ行き、いろいろセノーテのことを聞いてみました。

「セノーテでダイビングをしたいんですけどー」

「OK!! で、どのセノーテに潜りたいの? 」

(え、どんなセノーテがあるのかわかんない…)

というわけで、見せていただいたセノーテカタログ。

トゥルム_セノーテ_ダイビング

トゥルム_セノーテ_ダイビング

トゥルム_セノーテ_ダイビング

 

トゥルム_セノーテ_ダイビング

トゥルム_セノーテ_ダイビング

トゥルム_セノーテ_ダイビング

トゥルム_セノーテ_ダイビング

聞いたことあるのは、「グランセノーテ(Gran cenote)」や「ドスオホス(Dos Ojos)」。この有名な2大セノーテ以外にもいろいろあるんですねえ。セノーテは自然の産物ですから、それぞれにはっきりと違いがあり、どれも個性的で、興味をそそるものばかりです。

カタログの中で私が一番気になったのは、「セノーテ カラベラ(Cenote calavera)」。

カラベラは、スペイン語でドクロ、がいこつのこと。メキシコ編に突入してからというもの、このブログでもさんざんドクログッズについて紹介してまいりました。というわけで、なんだかメキシコっぽいこのセノーテを希望してみることにしました。

「あー、そこね…。そこは本当に素敵よ。でも、あなたセノーテは初めて? やっぱり海とは違うから、できれば、最初は簡単なセノーテに潜って、それで大丈夫そうならカラベラに挑戦してほしいんだけど…。

もちろん、どうしてもって言うならいいんだけど、通常は、最初にドスオホスやグランセノーテなんかに最初に潜る人が多いわ。で、そのときいっしょに潜ったインストラクターと相談して、セノーテ・カラベラに潜ってもOKかどうか決めたほうがあなたのためだとと思うけど」

なるほど、なるほど。確かにセノーテって洞窟だしケーブダイブ(Cave Dive)とかカヴァーンダイブ(Cavern Dive)とかっていう、テクニカルダイビングの領域。いちげんさんがほいほいと高難度のセノーテに挑戦するのは若干危ないのです。

というわけで、初日は、難易度低めの「Dos Ojos」と、ダイバーならではの世界を堪能できる「The Pit」の2本。で、もし問題なければ2日目に「Cenote Calavera」に潜ることに決定。

ここに来るまで知らなかったのですが、セノーテダイビングって、「カヴァーンダイブ(Cavern Dive)」という高度なダイビングの“体験ダイブ”という位置づけなんだそうです。

本来のカヴァーンダイブ(Cavern Dive)は、特別な講習を受け高度な技術と知識を身につけたうえで、洞窟専用の機材を用いて行われるのですが、その“体験版”ということで、使用する機材は、通常海で潜る時のものと同じです。

とはいえ、潜る時のルールは、カヴァーンダイブ(Cavern Dive)のものが適用されますので、これをしっかり頭に入れておかないといけません。それから、セノーテダイブ独自のルールなんかもありますので、いつもと違うことだらけなんですねえ。

【セノーテダイブのルール】

セノーテダイブ_ルール

この図解セノーテルールは、どこのセノーテに行っても大きく掲示してあります。このルールを守って潜ります。

●引率(インストラクターさん)はフルケーブダイバー+ダイブマスター以上

セノーテは海とは大きく違う特殊な場所。というわけで、我々ダイバーを案内してくださるガイドさんにはかなり高いスキルが求められております。

●ケーブダイバー(ガイドさん)が引率できるダイバーは4人まで

カンクン_セノーテダイビング

この図の真ん中の段がそれを表しております。先頭にフルケーブダイバー。そのあとにダイバーが続きます。順番は、ダイビングの経験が浅い順もしくはレベルやスキルが低い順です。

今回いっしょに潜ったのは、ドイツからお越しのご夫婦で、旦那さんがインストラクター、奥様がダイブマスターでした。よって、この日の並び順は、①フルケーブダイバー②私(アドバンスオープンウォーター)③奥様(ダイブマスター)④旦那さん(インストラクター)の順。

洞窟内部は暗くて狭いので、この並びを崩さないように、常に縦1列になって進んでいきます。

●エアーの残量は3段階に分けて考える

上の図の下段のイラストがそれを表しています。これはカバーンダイブのタンクルールで、海とは大きく違うところ。普段エアーの残量は「bar」を使用しておりましたが、このあたりは「psi」を使用するそうで、一応両方表記があります。

こちらが残圧計。タンク内に残っている酸素の量を表すメーターです。

セノーテダイブ_ルール

人によって、酸素の減り方は違いますので、各自がしっかりと残量をチェックしなければなりません。セノーテダイブでは下記のように3段階に区切っています。

①最初は210barでスタート

機材をセットするときに、しっかり残量を確認。

②140bar(全体の1/3)になったらインストラクターさんに報告

グループ内で誰か1人でも140barを切ったら、どこにいてもその場でUターン。もしくは戻るためのルートに入ります。「140barになりました」のハンドサインは、海で使うのよりももっと簡単な、“ピースサイン”でした。2,000psiを意味するそうですが、暗い洞窟で手にはライトを持っていますし、複雑なサインよりもピースサインのほうが簡単です。

③エキジット時に70bar残る

70bar減った状態で折り返せば、70barを残して安全にエキジットすることができるよね、という計算です。

さらに、引率するインストラクターさんは、タンクを2つ持って潜ります。

セノーテダイブ_ルール

海であれば、万が一エアー関連のトラブルが起こっても、最悪浮上すれば空気を吸うことができます。しかし、洞窟の場合そうはいきません。浮上しても空気はない。そこにあるのは、鍾乳洞の天井…。というわけで、予備のエアータンク1本分を背負って潜ってくれるのです。ありがたいことです。

●この看板の向こう側には行かない

セノーテダイブ_ルール

これより先は、“体験ダイバー”の身分の人は入ることはできません。こんな看板は、見ただけで入る気なんて起こらないと思います。

●中世浮力の維持

フィンや手を洞窟の底についてしまうと、砂が巻き上がって透明度が下がってしまう。逆に浮きすぎると、機材が鍾乳洞にぶつかって傷つけてしまう、もしくは自分がケガをする。洞窟の隙間をちゃんと通り抜けるためには、中世浮力を取り続けることが絶対条件。

●フロッグキック

膝を90度折り曲げた状態で泳ぐテクニック。私、これ苦手です。もっと練習しておけばよかった…。水底をキックしないようにするためには、どうしても必要。インストラクターさん、当たり前ですがこれがすごく上手でした。さすがプロです。

●リラックス

洞窟ダイブで一番怖いのは、おそらくパニックに陥ること。「あぁここで酸素切れた終わりだな」とか「なんかあっても緊急浮上できないどうしよう」とか「閉所・暗所こわいー」とか、悪いことを考えてしまうとよくないです。エアーもどんどん減るんじゃないかなあ。

セノーテは基本淡水ですのでカレントもありませんのでセノーテ内はとても穏やか。その道のプロが引率してくれているハズなので、リラックスして潜るとよいと思います。普段、エアーの減りが遅めの方は、往復しても150barとか140barとか残ります。

●ナイトダイブの応用

“光のカーテン”なイメージが強いので、そんなに暗くないと思っていたら、セノーテの奥のほうは真っ暗。ライトを持って潜ります。ナイトダイビングの知識が役に立ったー。といっても、ライトで円を描くとOKサイン、注意を引きたい時は横にライトの光を振る、やばいほど、振る速度を早くする、とかそんな感じですので、ナイトダイビングやったことない方でも大丈夫と思います。

ライトのスイッチは、途中で絶対OFFにしないことが鉄則で、暗くしたいときは、ライトを体に当てたり手で覆ったリします。

●寒さ

水温は、だいたい25~26度で、洞窟内部は光が入らないので寒いです。ウェットスーツの下にラッシュガード的なものを着たほうがよいかと思います。あと、フードもあるといいかなあ。

というわけで、本日は、セノーテダイビングについての説明のみをさせていただきました。明日の投稿ではしっかり潜った様子をレポートします。せっかくなので、ちょっとだけ、写真を…。

Dos Ojos_cenote_mexico_ドスオホス

セノーテ、すごかったですww

本日も最後までお付き合いくださってありがとうございました。それではまた明日ー。

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