レソト(7)鼻水×毛布×絶景!! サニパスでのホーストレッキング
世界一周的なやつをやっております私は、現在アフリカの「レソト」という国に来ています。南半球は、日本とは季節が反対ですから、冬真っただ中。さらに今いる場所は、「サニパス」というところ。ここの標高は、2,873m。つまり極寒なのでございます。
【現在地】サニマウンテンロッジ(レソト)
Sani Mountain Lodge(lesotho)
【天候】晴れ
【気温・湿度】1度・29%(朝)
【為替】1ランド=約7円
女子はすぐ寒い寒いって言うけどさあ
Sani Pass(サニパス)は、日没時点で気温は0度。昨夜は私が把握している限りでマイナス5度まで下がりました。いわゆる氷点下というやつですね。
決して遊び半分で来てはいけないところ。
当初の旅の予定では、レソトは全くルートに入っておらず、まさかこんなところに来るなんて思ってもみませんでした。ですので、私はほぼ丸腰の状態で過酷な冬山にアタックしているような状態です。
首都マセルからここへ来るまでの間に、尋常じゃない雪景色を目にしておりものすごいびびっておりましたが、
危惧していた“あたり一面白銀の世界”というのだけは避けられ、ほっと胸をなでおろしているところです。
ちなみに、雪は先月(6月)にたくさん降ったようで、ロッジに貼ってあった写真を見ると、シーズンによってはとんでもないことになるみたいです。
あと、気温の下がりっぷりもだいぶやばめ。
もし今後行かれる方は、しっかり情報を仕入れてからの方がよいですね。
しかしまあ、ただ「寒い寒い」言ってても誰も助けてくれませんから、
私だって必死で対策を講じるわけです。
サバイバルですね。
私のウルトラライトダウン(ユニクロ)だって、さすがに
冬×標高3,000m近く×氷点下
のメインアウターとして投入されるのは「ちょっと荷が重い」と感じていると思います。そこでできることと言えば、もはや一つしかありません。
いっぱい着る。
これに尽きます。幸い洋服に関しては無駄にたくさん持ってきておりますから、いっぱい着るぶんには困りません。
というわけで、私の苦し紛れの防寒装備。
【上半身】
キャミ、Tシャツ×2枚、ヒートテック(長袖カットソー)、ヒートテック(フリース)、ダンガリーシャツ、ニットカーディガン、スウェットパーカー、ウルトラライトダウン(ユニクロ)、ナイロンパーカー(ナイキ)+ニット帽
合計10枚
【下半身】
ショーツ、ヒートテック(レギンス)、スウェットパンツ(テント泊の寒さに負けてナミビアで購入)、チノパン+靴下2枚重ね履き
合計4枚
仕上げに最強のパソトブランケット(レソト伝統の毛布)を巻けば完璧。
たぶん、10枚の洋服を一気に来たのは生れてはじめてだと思います。
昔流行った大人の遊びに、野球拳というのがありました。よくわからないふざけた感じの歌に合わせて踊り、最終的にじゃんけんをして、負けたほうが1枚ずつ服を脱いでいくという卑猥な遊び。
今あれやったら私、無敵だと思います。
このように、手持ちの服でもまあなんとかなってはいるのですが、人間これだけ着ると、後ろなんて振り返ることができないんですね。物理的に。横を見るのもギリ。若干、肺とか内臓も圧迫されている感じがします。“着ぶくれの向こう側”ぐらいの感じ。元の体型全然分からないくらいの膨らみ方です。
「そうだ! レソト行こう! 」みたいに急きょ冬のレソト行きを決断するとこういうことになります。
太って見えたくない、とかではなく、死にたくない、ですからこれは仕方のないこと。
ただ、安心してください。標高が高い分日差しも強いので、日中はまあまあ日がっていて暖かいです。洋服の枚数を7枚くらいまで減らしても大丈夫。それから、夜は、暖房のないドミトリールームでしたが、お布団+寝袋という組み合わせなら寒くないということが分かりました。みなさまもぜひお試しください。
サニマウンテンロッジでホーストレッキング!!
【サニマウンテンロッジのホーストレッキング詳細】
ホースライディング、ホーストレッキングとも呼ばれるアクティビティ。地元の方が飼育していらっしゃる馬に乗って、周囲の山をトレッキング。
私は、半日4時間のコースで午前9時から午後1時までの午前中をチョイス。320ランド(約2,240円)。
午後は午前より風が強くなることが多いそうなので、午前中がおすすめです。
山の上の天気は本日も快晴。朝日が昇る前の空の何とも言えない色合いに感動しつつ、1日が始まります。
しっかりと朝ごはんを食べて準備万端。9時少し前、レセプション横のベンチに座っていると、馬を連れた男の人がやってきました。それから、ホテルのスタッフさんに「彼が今日のガイドだよ」と紹介されます。そして「彼は英語しゃべれないから、質問とかあったら今言って」と。
私は先日マレアレアというところでポニートレッキングは経験済みですから、とくに質問もありません(マレアレアロッジでのポニートレッキングの投稿はこちら)。
というか、コースとか、どこまで行くのかとか、全体的に不明ではあったのですが、まあいいやとゆるーい感じでトレッキングスタート。
しかし、マレアレアに比べると、ここは標高も高く、風も寒さもかなり激しい場所。馬の背に揺られているだけなのに、鼻水がとどまるところを知らず、体中の水分が鼻水となって出て行ってしまうのではないかと思うくらいの鼻水っぷり。
おまけに、周囲の景色もこのように、あまり植物もなく、
マレアレアでのホーストレッキングとは完全に別物。
しかも進めば進むほど荒涼とした大地がその姿を現し「これなんのトレーニングなんだっけ? 」と思うほど過酷になってゆきます。ぜんっぜんゆるくない。
もちろん、一番つらいのは、私を背中に乗せているお馬さんなんですけれども、背中に座っているだけで、高地の強風がびゅうびゅう吹き付けて、呼吸するのもなかなか大変なのですよ。
ガイドさんが遠くの山を指さし、レソト語で「あそこに登るから」的なことを(たぶん)言っているのですが、あそこがどこかもよく分かりません。
そんなことより、民族衣装の毛布をまとったガイドさんがものすごくかっこよく、私はとりあえずその姿に見とれておりました。
最初はゆるやかだった上り坂も、最後はかなり急こう配になり、さすがに馬がかわいそうなので、馬から降りて登ります。
激しく吹き付ける風の音しか聞こえない中、ガイドさんの後ろをついて無言で山を登り続けます。
そしてスタートから1時間30分。
ガイドさんが笑顔で後ろを振り返り「着いたよ!! 」的なことを(たぶん)叫びました。
足を滑らせないように、ほぼほぼ下を向いて歩いてきた私が顔を上げるとそこには…
……。
まったくすごいね、この景色は…。
まるで地球ではないみたいです。
山の斜面が作る曲線はなだらかなのに、地表の色と植物のない無機質な感じがどこか荒々しさを感じさせる独特の景観。ここは「ドラケンスバーグ」山脈の一部。ドラケンス、つまり「ドラゴン」。その名のとおり、龍が這っているような実にかっこいいランドスケープ。
反対側を向いても…。
これは言葉もでませんわ。
寒さと疲れ、それに垂れ下がった鼻水も一瞬で吹き飛ぶ素晴らしい景色。写真右下のガイドさん、すごく絵になります。
毛布の2人で記念撮影し。
ここから来た道を戻っていくわけですが、下る途中に、先ほど登っていた山が見えました。
ほら、写真の真ん中あたり、撮影した岩の穴もなんとか見えます。
あんなところまで登ったのですねえ。
先日体験したマレアレアロッジでのホーストレッキングは、ゴール地点に滝やサン族の壁画が設定されてはいたものの、なんというか、そこに至るまでの道中を楽しむのがメインなところがあったように思います。
遠くの山々を見上げたり、足元の植物や川を眺めたり、地元の方々とすれ違ったり。表情豊かなレソトの自然の風景を感じるためのトレッキング。ゴールにはそこまで期待しないで行くのがちょうどいい。
しかし、サニマウンテンロッジのホーストレッキングは、完全にそれとは反対だと思いました。
道中は、はっきり言って、過酷ですし、見える景色もそこまで変化がありません。しかも、この場所がもっとも高いので、遮るものや隠すものが何もなく、「単調」と表現してしまってもいいくらいです。
しかし、ゴールに待っているものがすごい。
サニマウンテンロッジのホーストレッキングはこれ、
目的地に期待していいやつです。
たどり着いた先で見ることのできる景色が、想像を超えてた。言葉を失うとはこのことです。
山の頂上では、涙と鼻水と汗がぜんぶ垂れ流し状態で、性別を超えた残念さだったかと思うのですが、そんなことはどうでもよくなるくらいの絶景を堪能させていただきました。
帰りも、草もまばらな荒れた大地をゆっくりトレッキング。
下りが急すぎる場所は、再び馬を落りて歩きます。
期待していた以上に、とんでもなく素晴らしいものを見せていただいた往復約4時間のツアーでございました。
日本でこのブログを読まれている方は、夏の気配を感じる熱帯夜をお過ごしかもしれません。寒い寒い言われても、あまりイメージ沸きませんよね。よく考えたら、私だってちょっと前まで砂漠とかサファリとか、なんかめっちゃめちゃ暑いところにいたような気がするのですが、今となっては
「“暑い”ってなんですか? 」状態。
私、半袖短パンで写真撮ってましたよねえ(涙目)。しかし、声を大にして言いたいのは、そんな寒さも一瞬で忘れさせてくれるほどの絶景がレソトにはあるということ。
本日のホーストレッキングで見た景色は一生忘れられないものとなりましたが、明日は、一人トレッキングに参加して、さらなる絶景を追い求めてみたいと思います。というか、参加もなにも、勝手に一人でトレッキングに行ってきますというだけのことなのですがね。いよいよ国境の向こう側へと…。
本日も最後までお付き合いくださってありがとうございました。ではまたあしたー。
コメント4件
mayumiさん初めまして、まだまだ先の事ですが再来年の今頃にボクもアフリカ大陸とアメリカ大陸の一周と言いますか周遊と言いますか放浪という様な事をしようと考えております。色々と参考になる様な情報をネット等で収集してる時にsekainodokokade.comを発見して、旅の初めとなったマダガスカルからのブログをゆっくりですが楽しく読ませて頂いてます。←本当です。
ここまで読ませてもらって2度ほどチケットを購入される時に住所等記入する様ですがどちらの住所を記入してらっしゃるんですか?泊まってる宿でしょうか。。
お返事ありがとうございます。
確かに!一日終わるのも早いですもんね〜。
日曜日の休みなんか、何して過ごそうかなーって
考えてるうちにサザエさん始まってますからね。。
むかし笑っていいともでタモリさんが40歳過ぎると50歳は向こうからやってくるって言ってました。あ、ボク45歳です。
国を渡り歩くといった経験が無いんで解らない事
また性懲りもなく聞いてみようと思うので
面倒ですけど優しい対応希望します!
今は一時帰国の様ですね
まだそこまでブログ読めてないですが
第二弾有るんですよね?
mayumiさんも良い旅を〜。