レソト(2)天空の王国というより毛布の王国「レソト」までの道のり
現在世界一周をしている私は、アフリカ大陸にある「レソト」へとやってまいりました。周囲を完全に南アフリカに囲まれたこの小さな国は、世界で最も標高の高い国のひとつで「天空の王国」なんてかっこいい名前で呼ばれていたりします。でも私にとってこの国は、もはや「毛布の王国」になってしまっております。
【現在地】マレアレア(レソト)
Malealea(lesotho)
【天候】晴れ
【気温・湿度】17度・29%(昼)
【為替】1ランド=約7円
ブルームフォンテインからマレアレアロッジまでの行き方
レソト王国への玄関口、南アフリカのブルームフォンテインのゲストハウスを出たのが8:00。移動続きなうえに、宿泊したゲストハウスにWiFiがなく、インターネット環境が必要な私は、とりあえず、近くのケンタッキーに入ります。南アのケンタッキーは、1日200MBまで無料でWiFiが使えるようで、これは非常にありがたい。
2時間ほどネットサーフィンをしたあと、レソトとの国境の町「ウェペナー」へと向かうミニバスターミナルへ。
合計35kgを超えているであろう荷物のおかげで、体がバラバラになるんじゃないかと不安になりながら道路を歩きます。目的のミニバスターミナルまでの距離は約7km。徒歩で行けなくはないけど、行きたくはない距離です。
タクシー来ないかなあと車道に目を向けてみても、完全なる車社会のブルームフォンテインでは流しのタクシーを見つけるのは至難の技。首と肩にかかる荷物の重さと圧迫で、自らを落としてしまう寸前、
遠くから一台の白いバンがやってきました。
ライトをチカチカさせながら、スピードを落としたバンは、どうやら私を乗せてくれようとしているみたい。目をこらすと、フロントに大きな赤い文字でtaxiと書いてあるではないですか。
車体はバン(ワゴン車)なのになぜかタクシー。
そして数人の地元の人が乗っています。
「ウェペナー行きのミニバスに乗りたくって、ミニバスターミナルに行きたいんですけど、乗っちゃっていいですか? 」
そう尋ねると、ドライバーさんは、「おう」とひとこと。
バンタイプの乗り合いタクシーの勝手がわからず、とりあえず他の方々が支払っている金額と同じ10ランド(約70円)を渡します。
「よかった、これでバスターミナルまで行ける! でも、みんなが好き勝手行きたい場所を言ったら、このタクシーはどういう風に乗客を目的地まで連れて行くんだろう」と疑問に思っていたのですが、どうやら決まったルートがあるようです。
だって乗ってくる人、誰も目的地なんて言ってないですもん。決まったルート上で好きな場所から乗れて、好きな場所で降りられる。それがブルームフォンテインの乗り合いタクシーのシステムなんだと理解しました。
それを知らず、普通のタクシーのノリで、行きたい場所を告げてしまった私。ウェペナーまでのミニバスターミナルは、果たしてルート上にあるのでしょうか?
他の乗客がいなくなり、ブルームフォンテイン駅近くのミニバスターミナルに近づいてきました。と、ここでドライバーさんが言います。
「このタクシーは、ここが終点で、今から来たルートを折り返すんだ。ウェペナー行きのミニバス乗り場はここから徒歩で行けるんだが…」
だよね、これ乗り合いタクシーだもんね。ピンポイントで目的地に行けると勘違いした私が甘かった。
でもね、ドライバーさん。日本が誇るガイドブック『地球の歩き方』がさ、
ここは、やべーって。
“特に治安が悪い”って、そう言ってるんですよ。
窓から見える町の様子、いかにも雰囲気が悪そうじゃないですかー!!
こんなとこ、大きな荷物抱えて歩くのやだなーと思いつつ、暗い顔でミニバス乗り場までの道順を訪ねると、
ドライバーさんは「仕方ないなー」という顔で笑い、
「オーケー、連れてってやるよ」と、ルートを外れて私をミニバス乗り場まで乗せて行ってくれました。
しかもターミナルの奥までぐいぐい入っていき、ウェペナー行きのミニバスが停まっているすぐ近くで停車。
それから、ターミナル内の小さな建物を指差して、
「まずあそこで支払いを済ませるんだ。それから、ここのウェペナー行きのバンのところに戻ってくるんだよ」と教えてくれました。
そして最後に「あとさ、さっきからしきりにミニバス、ミニバス言ってるけど、ここでは長距離乗り合いバンのことを『ロングディスタンスタクシー』と呼ぶんだ。バスっていうと、普通のバスターミナルに行ってしまうから、これからはロングディスタンスタクシーだ! これなら間違いない。勉強になったな」とにっこり。
優しい。ありがたい。
こうして無事にバス料金を払い、ロングディスタンスタクシーに乗車することができました。
■ブルームフォンテインからレソトまでの行き方
(マレアレアロッジに行く方法)
【ブルームフォンテインのターミナル詳細】
ロングディスタンスタクシーのターミナル
上にも書きましたが、地球の歩き方では、もっとも治安が悪いと書かれているエリアのど真ん中です。なるべく徒歩以外の方法で行かれた方がよいかと。
■レソトに入るルートは下記の2パターン
1.ブルームフォンテイン(南アフリカ)からウェペナー(南アフリカ)まで行き、そこからマフェテン(レソト)にアクセス。
2.ブルームフォンテイン(南アフリカ)からマセル(レソト)に近い国境まで行き、そこからマセルにアクセス。
このターミナルからは、ウェペナー行きとマセルに近い国境行きどちらも出ていますので、お好みで。
私は、1のウェペナー(Wepener)&マフェテン(Mafeteng)経由で行きました。
まず、ターミナルの中心あたりにある建物で、料金を払います。
建物内にはたくさんのカウンターがあり、行き先ごとに決まった窓口があります。いきなり行ってもよくわからないと思いますので近くにいる係員っぽい方に聞いてみましょう。とても親切に教えてくれました。
ウェペナー行きのカウンターで、名前電話番号住所を伝え、料金を払います。ブルームフォンテインからウェペナーまで90ランド(約630円)。
カウンターの女性が、乗客の情報を紙に記入するだけで、チケットはありません。たぶんこのカウンターで人数管理し、定員になったら出発するんだと思います。「あれ、チケットもらってないや、どうしよう」とあせりましたが、みなさんチケット持ってなかったです。
ターミナル到着から約1時間後、無事満席になり、いよいよスタート。
■マレアロッジへの行き方/ウェペナー(Wepener)&マフェテン(Mafeteng)経由
12:00ロングディスタンスタクシー出発
13:30ウェペナー着
すぐ待機している乗り合いバンに乗り換える。ここからイミグレまで約10分。10ランド(約70円)。
13:40国境着
国境越え
非常に簡素な建物で、非常にスムーズな国境越えです。
14:10発マフェテン行き乗り合いバン出発
乗客がいっぱいになり次第出発です。11ランド(約77円)。
14:30マフェテン着
14:40マフェテン発
乗客がいっぱいになり次第出発です。37ランド(約259円)。
16:00マレアレアロッジ着
こうして今宿泊しているマレアレア村の近くにあるマレアレアロッジまでやってまいりました。人数が集まらないと発車しないシステムの乗り合いバスですが、意外にもものすごくスムーズで、どの乗り換えポイントでも、ほとんど待ち時間なく最終目的地までやってくることができました。
「毛布の王国」への期待が高まる道すがらの光景
私がレソトを訪れた理由:
レソトに暮らすパソト(ソト族)から毛布の粋な着こなしを学ぼう。
私と毛布の関係については、昨日の投稿をぜひご覧ください。
幼いころから毛布をこよなく愛して止まない私は「毛布の王国」(勝手に命名)でスタイリッシュに毛布をまとってみたいのです。
そして、南アフリカ・ブルームフォンテインのバスターミナルでは、すでにレソト王国=「毛布の王国」の片りんが見え隠れしていました。
このおじさんたちは、きっとレソトの人なんだと思います。
普通に毛布を巻きつけてバス停をうろうろする姿に視線釘づけ。
これは期待が持てますね。
こうしてレソトに入国し、乗り合いバンにぎゅうぎゅうに押し込められながら窓の外を見ていると、
わあ!!!
毛布の民!!
やだかっこいい。
毛布率ものすごく高い!!
レソトに入国した途端、風景はガラッと変わり、茶色の岩山と荒野が広がる素朴な雰囲気に。牛飼いのおじさんも毛布。
羊飼いのおじさんも毛布。
こちらの牛飼いさんも毛布。
ロッジに着くと、ゲート前にも毛布のおじさん。
ロッジのゲートを開けてくれたおじさんも毛布。
あっちもこっちも、毛布です。
やっぱり毛布の王国だったんだ…。
想像以上の毛布っぷりに驚きを隠せません。レソトに入ってからホテルに着くまでの短い間でしたが、本当にたくさんの方が毛布を着用し町を闊歩していらっしゃる。大胆に毛布を着こなすハイパーファッションモンスターがわんさか。
毛布、ビッグトレンド巻き起こしちゃってるじゃん!!
最初からインパクト抜群のレソト。これから1週間の滞在を予定しておりますので、ぜひ楽しんでいきたいと思います!! それでは本日も最後までお付き合いくださってありがとうございました。
■レソトのおすすめロッジ・ゲストハウス
Malealea Lodge(マレアレアロッジ)
宿泊日:2016年6月25日~6月26日
部屋の種類:ダブルルーム
料金:210ランド(約1,470円)/泊
【設備】
・Wifi:敷地内のバーエリア周辺のみ使用可。
100MB/10ランド(約70円)
チケット制みたいな感じで、100MBだけ使えるIDとパスワードが書かれている紙を渡される。100MBがどんなもんかよくわかりませんが、WPでブログ更新とかできるレベルではなく、メールのチェックや軽いネットサーフィンで終了。
・シャワー・トイレ:各部屋についている
部屋にはヒーターがありましたが、そんなにあたたかくならない。
夕方17:30くらいから21:30までのみ電気使用可。充電はこの時間に忘れずにやっておきましょう。
・キッチン
広いキッチンがあります。ガスコンロと冷蔵庫あり。食器もたくさんありました。
・買い物
近くに大きなスーパーマーケットなどはなく、地元の方がこじんまりとやってらっしゃるお店で野菜や果物、ちょっとした生活雑貨が買える感じです。自炊派の方は、いろんな食材を使いたいなら、買って持参しないと苦しいと思います。最低限でよい方は、大丈夫。施設内にレストランとカフェがあります。
【個人的な感想】
部屋のヒーターは、電気使用可能時間しか使えませんので、冬(6月)は、屋内なのに寒さで目が覚めるレベルで寒くなります。日中の気温は20度くらいまで上がりますが、夜は1度とかになりますのでご注意ください。
消灯早いですが、そのあとの星がやばいくらいキレイですので、それを楽しむのがよいかと。
マセル行きのミニバスの始発になっているのが便利。朝6:00過ぎには、ロッジ前にミニバスがきています。日曜は、少し遅くなるそうです。
サニパスを抜けていくなら国境の村のサニトップが良い感じですよー(宿もあります)。天空の王国だなあって感じる村で、霧の中に佇む民族衣装を着た村人とか超かっこいいですよー。