エチオピア(14)南部少数民族巡りの計画&念願のハマル族とご対面!
世界一周を掲げ、絶賛アフリカ北上中の私は、現在エチオピアに滞在中。昨日首都アディスアベバから快適なバスに乗り、やってきましたアルバミンチ。ここはどんな町かというと、そう、エチオピア南部の少数民族村訪問の起点となる非常に重要な場所なのです。
【現在地】アルバミンチ(エチオピア)
Arba Minchi(Ethiopia)
【気温】22度(昼)
【天気】晴れ・くもり
【通貨】1ビル(ブル)=約5円
エチオピア南部少数民族巡りについて
ブログを読んでいらっしゃる方は、「エチオピア南部少数民族」とどや顔で言われてもいまいちよくわからないと思います。地図でいうと、ピンクの罫線で囲ったあたり。
このあたりをこれから約10日ほどかけて旅してみよう! と思っております。
エチオピアには85以上の少数民族が暮らしています。そして南部には46の民族がいて、さらにそのうちの16民族が集まっているのが「オモ(Omo)バレー」周辺。
ここに暮らす少数民族の方々は、それはそれは個性的で、古くから伝わる生活様式を今なお守りながら日々の生活を営んでいらっしゃいます。そんなオモバレーに暮らす少数民族さんに、できるだけたくさんお会いし、その文化や生活、そしてファッションなんかをこの目で見て体験したい。
アフリカ鋭意北上中の私がわざわざ南下してきたのはそのためです。
日本とはまるで違う未知の世界に飛び込んでみたい!! という好奇心の塊。まだまだ情報が少なく、わからないことだらけで、まさに手探り状態。行き当たりばったりになるしかないという恐ろしい状況ではありますが、精一杯楽しんで参りたいと思います。
ちなみに、私の行きたい場所は以下の通り。
ピンクの印が訪問予定。青の印は、残念ながら時間と費用の関係で訪問予定はありません。
【主要な町と会える民族】
- トゥルミ(Turmi)→ハマル族、ダサネチ族、カラ族
- ジンカ(Jinka)→アリ族、ムルシ族
- コンソ(Konso)→コンソ族
- ドルゼ(Dorza)→ドルゼ族
少数民族さんたちにお会いする方法は大きく分けて2種類あります。
- 週に1、2度定期的に開かれている市(マーケット)に行く
- 直接村を訪問する
マーケットには、周囲数十キロに暮らす人々が、自分たちの得意とする商品を持ち寄り売買しますから、必然的にたくさんの人が集まります。観光客用のお土産市場ではなく、生活に欠かせないマーケット。ここを訪れれば、間違いなく少数民族さんに会えますので、しっかり日程をチェックしてスケジュールをたてるのがよいでしょう。2016年現在、私調べでは、そこそこ大きなマーケット開催状況は以下の通り。
それなりの規模の町から少数民族さんが暮らす村へ行くことができる場合もあります。各町から行くことができる少数民族さんの村は以下の通り。
まあ、旅はこれからで、実際どうなるのかよくわかりません。最終的にはきちんとした情報をまとめたいと思いますので、今日のところはこのへんで。
私のアフリカ北上旅は、残すところエチオピアとエジプトの2カ国。最後に残るエジプトは、これはもうゴリゴリの観光地ですから、その手前のエチオピアこそ真のラスボス。
いろんな方々のブログを読んで情報収集しましたが、まあ過酷。一筋縄ではいかないようで。最後の難関と言っても過言ではないこの南部少数民族巡りは、私のアフリカ北上旅の集大成になるんじゃないかなあ。
かつてないほどに交通の便が悪く、圧倒的に情報が不足しているオモバレーエリア。多くの旅行者さんは、仲間を集めてドライバーさん&4WD車をチャーターし、賢く効率的に少数民族巡りをなさるそう。チャーター費用はだいたい1日150〜200ドルくらいが一般的。数人で割るとそんなに高額ではありません。
しかしね、みなさんご存知だと思いますが、私には仲間なんていないんですよ。かといって、少数民族巡りのために仲間を探すのは至難の技。
だってそれぞれ見たい民族も違うでしょうし、希望日程も違います。
かつて私は、ぼっちではあまりに不利な観光地で旅の仲間を募りツアーに参加したことが2度ほどあります。1度目はナミビアのナミブ砂漠、2度目はタンザニアのサファリ。どちらもメンバーに恵まれとても楽しい経験をさせていただきました。このどちらのツアーも、私はとくに強い自己主張をすることなくまわりの方々におまかせしておりました。
とりあえず行ければいいです。細かいことは気にしません。というスタンス。
しかし、今回は違います。
この少数民族巡りに関しては、一切妥協したくありません。わがままに貪欲に、みっちりしっかりどっぷりと観光したい。
私が少数民族巡りに費やす予定の日数は10日。これでも短すぎたかなあと感じてはいるのですが、ここに10日費やそうと考える旅人さんはそう多くはないのです。
こうしてハナっから仲間探しを放棄した私は、苦労と引き換えに自由を手にすることを選びました。若い時の苦労は買ってでもせよといいますが、若くない私だって、ドキドキわくわくする苦労は買ってでもしたい。
というわけで、多少荒々しい旅になるかと思いますが、がんばって行きましょう!
アルバミンチからトゥルミまでの行き方(バス乗り継ぎ)
上でご紹介したマップをどのようにまわるかというところですが、私は南から順にまわって北上しながらアルバミンチまで戻って来ようと計画しています。せっかくアフリカを北上していることですし。というわけで、本日は、最南部の起点の村「トゥルミ(Turmi)」まで一気に南下する計画でございます。
朝4:30 起床。眠い目をこすりながら準備をします。今までいた北部の高地とは違い、南部は蚊がたくさん。虫除けと蚊帳である程度防げるのですが、夜耳元でブーンというあの不快音がずっとなってたなあ。
5:10 安いけどボロいChamo Penssionをチェックアウトし、アルバミンチのバス停へ向かいます。徒歩10分。
真っ暗ではありますが、すでにたくさんのバスがスタンバイしており、多くのバススタッフさんが様々な行き先名を叫んでいます。
本日の私の目的地「トゥルミ」という町の名をボソボソと繰り返しながら乗るべきバスを探します。どんどん奥へ進んでいくと、かなり奥の方で男性が「こっちだ」と教えてくれました。
思いの外大型のバス。
内側は2列+3列になっています。チケットは90ビル(約450円)。バスは満席になり次第発車かなあ、それとも定刻があるのかなあ。それすら分かりませんが、とりあえずじっと待機。
6:20 バス発車。まだ完全には満席になっておりませんでしたが、それでも出発したので、おそらくこのバスは6:00発の定刻バスなんじゃないかなあ。
バスが走り出しアルバミンチの町を出ると、一気に農村ののどかな景色が広がります。
小さな村や、
バナナの農場、
エチオピア人の生活に欠かせないはちみつをとるための蜂の巣。
たくさん木からぶら下がっていて、最初は何かわかりませんでしたが、隣の席のおじさんが教えてくれました。アカシアの木に設置するそうです。
8:30 コンソ(Konso)到着 ここで朝食休憩です。トゥブスという、牛肉をゆでたものwithインジェラ。40ビル(約200円)。
9:15コンソ出発 コンソを出ると、周囲にはコンソ族の村が見えてきます。コンソ族の女性は、老いも若きも、二段になったフレアスカート着用。これかわいいんですよー!! バスに乗っていらっしゃったコンソ族の女性をちらっとどうぞー!
しかーし、とりあえず私が目指すのは最南部。コンソ族は、後回しにして、先を目指さねばなりません。途中で通過するウェイト(Woito)まで南下してくると、オモバレー、つまり谷であることの本領発揮。
クッソ暑い。熱が滞留しているのかなんなのか、標高もかなり下がり、太陽ギラギラ、気温は30度越え。
コンソ、ウェイトと、主要な町に入る場所には検問があり、みんなバスを降ろされます。車内に武器などを持ち込んでいないか確認し、それが済むと再出発。ちなみに、ウェイト周辺にはツェマイ族の方々が暮らしていらっしゃいます。
それなりに舗装された道路をバスはどんどん進んで行き、オフラインで地図や現在地を確認できるアプリを見ながら「よしよし順調順調」と思った矢先、
「あなたはこの次のカイアファールで降りるんだ」
え…。
バスのコンダクターさん(お金を徴収したりするスタッフさん)から非情な強制降車宣告。
チョットナニイッテルカワカンナイデス。
なぜ私だけバスを降りろとか言われなきゃならないのですか!! ちゃんと目的地トゥルミまで連れてってくださいよ(涙目)。
「もしかして乗るバス間違えちゃった!? 」
全く意味がわからない私に隣の席のおじさんが説明してくれました。簡単にいうと、このバスの終点は「ジンカ」。次に停車するカイアファールは、私が行きたいトゥルミ方面とディメカとの分岐点。こちらが地図。
本日アルバミンチ発トゥルミ方面行きのバスは無く、今乗ってきたバスに間違いはなかったようですが、トゥルミに行きたいなら必然的に乗り換えの必要があるとのこと。それバスに乗るとき行ってよーと思いましたが、よく考えてみると、バスターミナルには英語を話しそうな人はいなくって、現地の言葉「アマリック」を話せない私にこそ非があったのですね。
とにかくこのバスはトゥルミには行かないって言ってますから私は降りる1択なのですが、「カイアファールで乗り換えろって簡単にいいますけど、バスとか来るんですか!? 」
「それはわからないなあ。でもヒッチハイクをすればいい! バスでも車でもトラックでも、とにかく来た車に片っ端から声をかけるんだ」
とても親切な隣のおじさんの、とても親切なアドバイス。
でたーーー!! ヒッチハイク。
バスを降りた場所。
来た車片っ端からっておっしゃいましたけどねえ、何も来ませんよー。
とりあえず、コーヒーを飲んで落ち着きます。
うーん…
ヒッチハイクかあ。かつて一度だけ南アフリカでやったことがあります。そのときに、もう2度としないと誓ったはずなのに…。ブログ読んでる友人に怒られる。
しかしね、言い訳するつもりはないのですが、ここエチオピア南部でのヒッチハイクは、他の地域のヒッチハイクとは少し状況が違います。このエリアでは、個人で車を所有している人は皆無。走っている車といえば、わずか4種類のみと言って良いでしょう。
以下私が乗りたい順にご紹介いたしましょう。
- 公共のミニバス(ハイエースタイプ。安い)
- 通称「ガバメントカー」(公務員さんを乗せたダットサンみたいな車)
- お金のある旅行者を乗せたツアー会社の車(4WD車)
- 通称「いすゞ」(様々な荷物を運ぶ大型トラックの荷台。いすゞ製が大半を占めるのでこう呼ばれている)
つまり、どれも複数人でのドライブ。知らない人の車に乗ってどこか知らない場所につれて行かれて酷い目にあう可能性は限りなく低いのです。ちなみにすべて有料。
エチオピア南部でのヒッチハイクの安全性(仮)をご理解いただいたところで、さっそくヒッチハイク開始!!
とはいえ、待てども待てども、車自体が通りません。もちろんバスもトラックも来ない。困ったなあ…。
周りにいる地元の人に聞いても、何かしらが来るんだか来ないんだか、誰もご存知ないようで。道路に立ち尽くし、30分が経過したころ、
なんと、ミニバスが来た!!!
「トゥルミ!! トゥルミ!! 」と必死で叫びながら駆け寄ります。まさかバスが来るとは思っていませんでしたので、これはかなりラッキー。第一希望のバスげと。
ぎゅうぎゅうですけど、乗れただけありがたいのです。舗装路を外れ、ガタガタした道を走ること30分。
「アルバ(Alduba)」という町を通過します。それからさらに45分、「ディメカ(Dimeka)」という町に到着。50ビル(250円)。どうやらバスはここまでのようです。
もうね、このバスがどこ方面行きなのかとか、終点はどこなのかとか、さっぱり分かりません。
しかし、南の果てのこのエリアでは、道は常に一本道。答えはシンプル。進むか戻るかしかありませんので、とにかく目的地にむかって、前進あるのみなのです。
とはいえ、まだここはディメカ(Dimeka)。目的のトゥルミまではあと27km。もういいです、今日はよくがんばりました。乗っちゃいましょうタクシー。彼らがドライバーさん。
そう、このあたりでもっともフレキシブルな乗り物と言えば、バイクタクシー。長距離は疲れるし暑いし、なにより高額なのでおすすめできませんが、27kmくらいならなんとかなります。料金は要交渉で、今回ディメカからトゥルミまでは、150ビル(750円)でした。
ディメカからトゥルミまで、約20分。半袖、短パン、そしてノーヘルで時速90kmのバイクに2ケツ。なかなかスリリングな道のりでしたが、無事に到着できてよかったです。
大興奮! ハマル族の町トゥルミ(Turmi)到着
トゥルミの町、いきなりすごくいい感じ!!
私にとって、オモバレー最初の少数民族さん「ハマル族」の方々がたくさん!!
体や髪に赤土を塗った女性たちは、ナミビアでお会いしたヒンバ族と似ています。もう遠い昔の話のようですが、はっちゃけすぎて痛々しいこちらの投稿。
女性たちが着用なさっているヤギの皮で作ったスカートは、後ろが長くって、すごくかっこいい!! 上半身は、何も着用なさってない方もいれば、ヤギ皮のトップスを着ている方もいます。
たくさんのハマル族の女性が集まる様は圧巻。突然別の世界に迷い込んでしまったかのようです。
なぜハマル族さんがこんなにたくさんいらっしゃるかといいますと、この日は週に一度の市(マーケット)が開かれる月曜日。
週に一度だけ、20kmも30kmも離れた周辺の村からハマル族のみなさんが集まり、日用品を買ったり売ったりしていらっしゃいます。ですから、よりたくさんのハマル族さんに会いたいなら月曜日にトゥルミを訪れるのがベスト。私が怒涛の勢いでここまで南下してきたのは、なんとしてもここトゥルミの月曜マーケットに来たかったからにほかなりません。
大興奮でハアハア言っている状態の私に、地元の人が教えてくれます。
「今日はブルジャンプがあるぞ!! 」
なんと!!
「ブルジャンプ」というものをご存知の方の方は少ないと思いますが、これはハマル族をはじめ、オモバレーの幾つかの民族が伝統的に行っている成人儀礼。そして、それとセットで行われる「ウィッピング」もまた相当インパクトのある儀式。
これらは、オモバレーを訪れる旅行者必見と言ってよいほどの最重要イベントなのです。開催は不定期で、すべては運頼みなのですが、到着そうそう見られるなんて、あまりに幸運。
これを逃す手はありませんので、マーケットを見たあとは、もちろん私もブルジャンプを見に行きます!!
トゥルミ(Turmi)でおすすめの安宿・ゲストハウス
まずは宿を取り荷物を置きたい。大きなバッグを抱えてマーケットに乗り込むのは得策ではありません。本日滞在するトゥルミの宿は「selam hotel」。
場所(4.968259 36.488801)
お部屋はなかなか綺麗。
充電もできるよ!! (このあたりは、できない宿も多いと聞きます)
トイレ(地面に掘った穴)共同。
共同シャワーもあります。シャワーとはいえ、川から汲んできた水を溜めて、シャワーのように使用するタイプなので、無駄遣い厳禁。
ちなみに、ドアが閉まりませんでしたが入り口は建物の裏にあるのでご安心ください。えっと、まったく安心できませんけど、もうここまで来たらなんでもありなんですよ。この程度のことを気にしていてはいけません。
それでは、本日はここまで! なんだかすごく長くなっちゃっいましたので、ハマル族のマーケットの様子、そしていきなり見に行くことができた、大変希少なハマル族の成人儀礼「ブルジャンプ」「ウィッピング」の様子は、明日の投稿で詳しく書かせていただきます。本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございましたー!!
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