脳内を幸せで満たすのは愛のあるハイクオリティな二次創作
私のまわりの人で、このブログの存在を知っているのは、今のところ数人の友人と母親だけです。出発前にちゃんと親しい人には「世界のどこかで.com」っていうオシャレURL(自己満足)を伝えて、「旅のこと書くからたまにチェックしてね」なんて言い残してスマートに去ろうとか思っているわけですが。
先日、貴重な読者である母親から突然こんなLINEが来ました。
私の妖怪にまつわるエピソードを紹介したこの記事を読んだみたいです。
そこで紹介したのが「ドンドン」。
「ドンドン」は私が勝手に付けた名前で、正式には「クケリ」といって、ブルガリアのお祭りに登場する妖怪(? )です。
この記事を読み、“沖縄のパーントゥ”なるものがクケリに似ていると思い至った母は、すぐさま私にLINEをしてきたのでしょう。記事の内容には一切触れず、あくまで娘に新たな知識を授けようとする教育者然とした親の姿。親とはかくあるべき。
そして軽い気持ちで検索します。「沖縄 パーントゥ」と…。
「ちょ、え、おかあさぁぁぁぁぁん!!!!」
号泣する子供。逃げ惑う若い女性。恐怖で身動きがとれないお年寄り。阿鼻叫喚の地獄絵図。
「お母さんなんかこれ閲覧注意なやつーーーー!!!!」
全力疾走で逃げる男性、連行される子供たち、そして村を徘徊する3匹のパーントゥ。警察官やパトカーまでもがその餌食になっている。え…パーントゥやばいじゃん。こういうのアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』で見たことある。
パーントゥ、はっきり言って、全然クケリに似てません。なんだか知らないけどいきなりごっついのぶっこんできたうちの母。天然なのはわかるけど、メールの後ろに(笑)とか付けといてよ、びっくりするじゃん(涙目)。
せっかくなので紹介します。こちらが沖縄に生息する「パーントゥ」。
パーントゥは、沖縄の宮古島で毎年行われている伝統行事です。1993年に重要無形民俗文化財に指定されました。島内の「平良地区島尻」と「上野地区野原」の2か所で行われていますが、この記事で紹介しているパンチの効いたスタイルは「平良地区島尻」限定だそう。
「平良地区島尻」では、年に3回パーントゥがおこなわれ、その3回目、旧暦の9月吉日がこの行事のハイライト。世にも恐ろしいアレがやってくる「パーントゥ・プナハ」です。
パーントゥは来訪神。選ばれし3名の青年扮するパーントゥは、聖なる泉の底から採取された泥を全身にまとい、集落へと繰り出します。こちらは聖なる泉から出てくるパーントゥ。
こう見えて、パーントゥの役割は、実は厄払い。人を襲うのが目的ではありません。泥を塗ることで悪霊を連れ去ってくれると言われています。なので、人々はありがたがって泥を塗ってもらおうと近づきます(子供以外)。そっか、厄払い&悪霊払いなんですね。猛烈に恐怖心と警戒心を掻き立てられる見た目とは裏腹に、パーントゥ、けっこういいやつかも。この顔も、愛嬌のある笑顔に見えてきて、なんだかほほえましいですね。
【パーントゥの語源】
宮古島の歴史について書かれた『宮古島庶民史』によれば、「パーン(食べる」+ピトゥ(人)」が訛化した言葉であると言う説が述べられている。
『ウィキペディア/パーントゥ』より引用
あっっっぶねーーー!!
危うく騙されるとこだった。やっぱそっち系じゃん! こわっ。パーントゥこわっ。ちなみに、近年この行事に深刻な問題が発生しています。
【パーントゥの問題】
安易な気持ちでこの行事に参加する観光客による苦情が問題となっている。苦情の内容は、「服が汚された」「抱きつかれた」などであり、観光客がパーントゥを暴行する事件も発生している。開催中止が検討されたが、2014年現在は、ホームページへの日程掲載や大々的な宣伝をせず、観光客の大挙を防ぐほか、パーントゥへの護衛を付けることで対処している。
『ウィキペディア/パーントゥ』より引用
っていうか“安易な気持ち”でこの行事に参加するのがそもそもの間違い。見てみろこの恐怖の表情。
ちょっともうやめたげてーーー。後ろで大人たち笑ってるけどこれほんとトラウマになるからね。
このように、パーントゥはそれ相応の覚悟を持って挑まねばなりません。軽い気持ちで参加するとかならず痛い目を見ることになります。だってそういう行事ですもの。モンスター観光客の理不尽なクレームに屈することなく、これまでと変わらず存続を期待します。
このパーントゥ、『千と千尋の神隠し』に出てくる「カオナシ」と
「オクサレ様」
を合体させたような存在ですね。見た目カオナシ、特徴オクサレ様。なんも言えねー。とはいえ、ジブリストの私としては、ぜひこの行事に参加してみたいと強く思いました。
そんな私ですから、ジブリサウンドも大好きです。のんびり散歩してるときとかにぴったりだよね、ジブリ。でもただのジブリじゃない、クラブリミックス。クラブという箱は世界で一番大嫌いな場所だと思っている私が、アップテンポな電子音にまみれたジブリサウンドを、そろそろ鼓膜が破れるんじゃないかと心配になるくらいの大音量で聴きながら歩いています。散歩とはいえ自然と早歩きにもなる。
四つ打ちハイテンションな『時には昔の話を』、キラキラポップな『風のとおり道』、ドゥンドゥン音が腹に響く『君をのせて』、アッパーなメロディーで最高に踊れる『カントリーロード』…。
「もうやめてーー!! シンセサイザーやめてー!! NOエレクトリックー!! ハウス、R&B絶対ダメー!! テクノ、トランス無理無理ー!! あの世界観がだいなしじゃん。邪道だ!! 」はいはいそうですね、わからなくもないです。なので異論は認める。リミックス系否定派のジブリストもいるでしょう。ジャズアレンジならギリギリセーフ、ボッサまでなら許せる、なんて人もいるかもしれません。ただしダンスはちょっと…。あぁそうですかそうですか。でも私は、ダンスリミックスも好きです。
意外と世界観壊れてないし、テンションの上がり方で言うと、最強。あのね、これイラッとくる感じのクラブミュージックじゃなくて、ピアノとかバイリオンも使用されていて、しっとり泣けるポイントも押さえています。当然久石譲さんにも許可とってるだろうし、そもそもMIXしてる「DAISHI DANCE」という人自身がかなりのジブリスト。広い心で受け止められる人にはかなりオススメのアルバムです。
(2に入ってる「カントリーロード」は、『耳をすませば』で月島雫の声優だった本名陽子さんが歌っています。大人になった雫が歌う「カントリーロード」もまたいい)
私はジブリも含めアニメや漫画が大好きです。そういうのがにじみ出てしまっているのか、たまに会社の人が恐る恐る聞いてくる。
「mayumiさんて腐女子なんですか? 」
「あ゛ぁん!? 」
私は男キャラが2人となるとなんでもかんでもカップリングしてしまう“腐”な発想は好きではありません。単純に、原作のストーリーが好きなので、それを冒涜しないでほしいとすら思う。「なぜそことそこがそうなるの!? 」と不思議でしょうがない。ゆえに腐女子ではない。でも、常人にはとても及ばない高度なフィルターで、自らの脳内を幸せで満たすことができる彼女たちの能力は尊敬する。ほかにも、艦隊がエロくてかわいい幼女に見えるフィルターや、刀剣がとろけるような甘いセリフを吐くイケメンに見えるフィルターを持つ猛者だっている。その妄想力は称賛に値すると思う。妄想の力をなめてはいけない。
一度自分の心の中に落とし込んだ作品を脳内でどう料理しようと、それは個人の自由。そう考えると、ジブリサウンドのクラブリミックスがお気に入りな私も「二次創作愛」という意味で腐女子のみなさまと似たようなもんだと言えるでしょう。
このような心の内を会社のデスクで説明するわけにもいかず、あいまいに「え、いや…まあ、うーん…もごもご」と返すもんだから、人はますます私から遠のいていく。
ということで、最後に私の好きなスタジオジブリの愛のある二次創作画像をどうぞ。
こういうとんでもなく画力の高い二次創作なら私は喜んで受け入れる。あと、ユーモアたっぷりなやつも。
この作者の方は、本も出版されています。(電子書籍版もあるよ)
気になる方はこちら。気になるでしょ…?
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