旅の準備|選択の連続すぎてつらい「カメラ悩む問題」にやっと終止符
選択肢が多いの、苦手なんですよ。ほんとに。せめて二択。っていうかそもそも「選択する」という行為が苦痛。できれば最初から一択にしといてもらったほうがありがたい。悩まなくて済むから。そんな人間が、「はい、じゃあ、旅に持って行って大活躍間違いなしの素敵カメラを買ってください。選考基準は自由です」って言われると、ほんともうどうしていいか分からなくなる。
旅カメラ、やっぱいいの持って行きたいですよね。「いいの」って漠然としてますけど。バックパッカーさんのブログ見てても、「カメラだけはいいやつを持って行け」と繰り返し書いてある。荷物少ないに越したことはないバックパッカーだけど、まあまあの大きさのデジイチ(デジタル一眼レフ)持ち歩いてる方も少なくない。
そういうの見てると、やっぱデジイチがいいのかな、と漠然と思う。でも、正直、カメラが趣味とかではないし、私は写真メインの旅じゃなくていいと思っている。ブログで世界中のいろいろな情報を伝えたい! っていうのはあるから、そりゃなるべく美しい写真を撮れるに越したことはないと思う。でも「なにかの表現手段としての写真」とか「作品としての写真」を撮ってやろうっていう思いはないんだよなー。
となると、私にはデジイチはオーバースペックすぎないか? パッと出してパッと撮りたいんでしょ? シーンによってレンズ変えんのめんどくさいって。レンズ何個も持ち歩くの? 重いよ? うーん…。でも、やっぱきれいな写真がいい! なんなら、手前にピン合わせて後ろぼんやりみたいな、写真上手な人っぽくオサレな感じのやつ撮りたい。でもレンズとかフィルタ変えていろいろな撮影表現を楽しむのって、デジイチの特権なんでしょ? でも、でも、でも…。もう悩むのつらい、いっそ両方買ってしまえばラクになれるんじゃないかと思い始めたころ、あるサイトで見つけた下記の言葉で、あっさりコンデジにすることを決めました。
コンデジは「カメラが絵を記録してくれる」もの、デジイチは「自分の意図を切り取る」もの
『hatelabo』より引用
なんてシンプル! 最初からこうやって言ってくれれば私だって決められますよ。私にとっては「絵を記録してくれる」っていうのが重要。リアルをそのまま(できればなるべくきれいにだけど)記録したい人はコンデジ一択だ。あと私が漠然とやりたいやりたい言ってる、おしゃれ背景ぼかしテクも最近の高級コンデジなら可能らしい。
ふぅ。まずこれでカメラの種類は決まった。そして次に立ちはだかるのはどのメーカーのどのモデルを買うかだ。
私が欲しいのはとにもかくにもコンデジ。10万円以下で買える一番いいやつ。いいやつをください。以上。
「いいやつ、いいやつ」って言うけど、おまえにとっての「いいやつ」ってなんだよ。もっともです。
新しいやつ=いいやつなら話は簡単。各メーカーの最新機種を比較検討すればいいだけだから。でもどうやら一概にそうとも言い切れないらしい。かといって、やれ画素数がどうとか光学ズームがどうとかってスペックをいろいろ言われても数字は苦手。一ミリも頭に入ってこない。なんちゃらファインダー、なんちゃらセンサー、は? それおいしいの? 状態です。どうしよう。
このような場合に有効な手段として「擬人化」が挙げられます。そう、禁断の「脳内擬人化」。
(以下完全に私のイメージです。実際の機能は各自公式サイト等で確認してからのご購入をおすすめします)
■SONY Cyber-shot(ソニー サイバーショット)
DSC-RX100M2
祖煮井二郎さん(以下、二郎)大手広告代理店勤務、28歳独身。さすが、ハイエンドコンデジと言われるだけあって、高級感たっぷりのシュッとしたデザイン。メイドインイタリーの細身スーツを品よくまとったかのような非常にスマートなルックス。
普通の恋愛(スマホ)じゃ物足りないの! もっとロマンチックで、もっとドキドキさせてくれる刺激(写真表現の楽しみ)が欲しい! そんな女子を満足させる多彩な撮影モードが魅力。直感で自由な表現を楽しめる「マイフォトスタイル」という機能から、まるで一眼レフのように絞りや露出、シャッタースピードを指定して本格的な撮影も可能。さらにトイカメラモードやレトロ写真風、絵画調、ミニチュアなど写真がアート作品になっちゃうような機能も満載。めくるめく写真表現はまさにジェットコースターラブ! いつだって鮮度満点、刺激的な恋愛が楽しめそう。
でもまあ「いろいろ機能あって、もう私どうしていいかわかんない。これ以上振り回されたくない! 」っていう女子も中にはいるでしょう。実は二郎、オート撮影も得意なんですよ。なんせ「おまかせオート」と「プレミアムおまかせオート」の2種類がありますからね。そんなにまかせっちゃっていいんですか!? ってくらいに、リード上手なんです。ぐいぐい引っ張っていってくれる感じ、頼もしいですね。
■SONY Cyber-shot(ソニー サイバーショット)
DSC-RX100M3
祖煮井三郎さん(以下、三郎)二郎同様、大手広告代理店勤務の三郎。32歳独身。二郎に負けず劣らずなかなかのイケメン。RX100M2の後継機だけあって、二郎の備えるスペックはほぼすべて所持していると思っていいでしょう。
ただ、二郎と比べると約20,000円ほど価格が高い。この差は何ですか? 重ねた年齢とともに増す男としての貫禄とかそういうやつ? まだ20代の二郎にはない三郎ならではの魅力、それは「収納式のファインダー」と「180度可動の液晶モニター」。
明るい屋外で液晶画面が見づらい。そんな時、カシャっと飛び出すファインダーがあれば便利。便利だけども、まあ最近の人液晶モニターに慣れてるから、めちゃめちゃ必要かっていうとそうでもない気もします。ただね、このさりげない気遣いが素敵。たぶん三郎、デート中はさりげなく車道側歩いてくれるよ。重たい荷物は持ってくれるだろうし、ジュースの蓋も開けてくれる。あと、寒い日は上着も貸してくれるだろうね。電車でお年寄りに席ゆずるし、落ちているゴミは黙って拾う。三郎のさりげなさはハンパないよ。
もう一つ、二郎にはない機能。「可動式の液晶モニター」。はいキター!! 自撮り大好き女子、垂涎の最新機能ー!! さすが三郎分かってんなー。女子の好み熟知してます。三郎きっと夜景がきれいなスポットとかスウィーツがおいしいカフェとか芸能人がよく来る隠れ家レストランとかたくさん連れてってくれますよ。
SONYの二郎と三郎、どっちもかなりの高スペック男子でしょ? あとは、金額差約20,000円。これどうなんやろー (結局最後金の話)と悩みつつ、続いてはCANONのコンデジ。
■CANON PowerShot (キヤノン パワーショット)
G7 X
伽音七雄さん(以下、七雄)大手製造会社勤務、35歳独身。カメラ専門のメーカーCANONが生み出した高級コンデジ。パワーショットの中でも「プレミアムシリーズ」と位置付けられている七雄は、正統派カメラとしての佇まいを追求した武骨で重厚、渋さを感じるデザインが印象的。
並んで歩いて恥ずかしくない、むしろ積極的に友達に自慢したい、そんなこだわりのルックス。いや、人間見た目じゃないだろ、そう思いますか? 広瀬香美も歌っています。「性格よければいい、そんなのウソ・だと・思いませぇぇんかー? 」(『ロマンスの神様』)。思います。“かっこいい”は正義。開発サイドもこの見た目に関して相当思い入れがあるようで、CANONのHPには「“持つ歓び”が得られるカメラの姿を求めて」って書いてある。アクセントカラーのレッドがまたいいじゃないですか。
もちろん、この外観へのこだわりは、かっこいいってだけじゃなく、ボディやグリップ部分の滑りを防ぐための塗装など、使い心地にも目を向けています。
細部にまで徹底的にこだわった妥協のないまっすぐな姿勢に胸キュン。派手さはないものの、日々精進している職人気質な七雄は、絶対浮気とかしなさそう。
武骨で粗削りでゴツめな七雄。非社交的で気難しい性格なんじゃ…。と思いきや、見た目とは裏腹に、ものすごく柔軟でめちゃめちゃ融通が利くんです(操作性が)。
まず、三郎も備えていましたが、液晶モニター180度回転します。
そして私が一番グッときたのが、画面タッチで簡単にピントを合わせられて、そのままシャッターをきれる機能。
すごい! 超簡単にオサレ写真が撮れそう! 何も考えず直感で操作できるこのタッチパネルはかなりGOOD。私どちらかというと、「黙って私についてこい」タイプ。主導権は私。歪んだ恋愛観。
ただねー、七雄、けっこうずっしり重いんですよ。二郎:約281g、三郎:約290g、七雄:304g。七雄のメール、たぶん長文だよ。しかも絵文字とか一切なし。それから、まだ付き合ってないのにプレゼントはエルメスとかシャネルとか。うん、これは重い。でもまあ、七雄そんなに恋愛経験豊富じゃないから慣れてないんだよ。こういう形でしか愛情を表現できない純朴さ。この程度の重さは我慢しましょう。
■CANON PowerShot (キヤノン パワーショット)
G9 X
伽音九太郎さん(以下、九太郎)。七雄と同じ大手製造会社勤務、26歳独身。七雄の対抗馬、九太郎は、七雄に比べるとぐっとコンパクトでスリム、重さも209gとかなり機動性に特化したモデルです。旅で使うなら、九太郎の手のひらサイズはけっこう魅力的なんじゃないですか? ただね、カメラを擬人化してしまったここまでのくだりを考慮すると、軽量・薄型=「軽薄」。“軽くて薄っぺらい男”に自動変換されてしまう。いやー、ごめんね、タイミングが悪かった。
G7 Xの後継機でもあるG9 Xは、七雄のスペックを踏襲しつつ、さらに小さく・軽くなっていてホントはかなり革新的な1台なんです。そして、九太郎のほうがちょっと価格が安い。でもやっぱり小さくすることで犠牲になった部分があって、それが広角具合。九太郎のほうが視野が狭い。七雄と九太郎が同じ位置に立って同じ方向を撮影したときに、七雄のほうが左右広めに写真に収められるんですよ。
昔から言うじゃないですか、「画角の広さは心の広さ」。待ち合わせに遅れても、わがまま言っても笑って許してくれる、器の大きい七雄の包容力が際立ちますね。
で、最終的に私が誰を選んだか。そう結果は、
CANON PowerShot (キヤノン パワーショット)G7 X、通称七雄。ふつつかものですが、末永くよろしくお願いします。大事にします。出発までにちゃんと撮影の練習します。
あ、一応七雄のウィークポイントも。ちゃんとマイナス面も受け止めていきたい。レビューサイト見てると、どうやらバッテリーの持ちがあまりよくないらしい。あくまで“らしい”です。まあこれ、男性で言うところのお給料が安いとかその程度の問題でしょ。私そういうの一切気にしません。共働きでいいじゃない。ということで追加でもう一個電池パックも買っときました。
いやー、カメラ選び、想像を絶する大変さだったなー。実際の恋愛でここまで熟考するかっていうと全くそんなことないなー。
例えるなら、ビレバンとかにありそうなどこの何なのかよく分からない2000円ぐらいのトイカメラ買ってきて、みんなに「うわぁ…またそんなやつ買って…」って言われるような感じですかね。なんか説明書も外国の言葉で全然意味分かんないし、保証書付いてないし、いつ壊れてもおかしくないようなやつをなぜか異常に気に入って買ってきちゃうタイプ。恋愛ってそういうもんでしょ(キリッ。
私の旅カメラは合計3台。サブカメラは、もう5年くらい使っている「RICOH」の「CX3」(公式ページ)。カモ柄のはダイビング・スノーケル・水辺用の水中もOKなカメラ「Nikon COOLPIX AW130」(公式ページ)。本格防水を謳っているAW130は、水深30mまで対応。ダイビングの時ハウジング無しで使えるから、ダイバーさんでこれ持ってる人すごく多いです。潜って写真撮りたい人にはおすすめ。
こいつカメラ1台買うのにどんだけ悩むんだよ、と思うでしょう。そういう仕様なんです。こだわり始めると何一つ妥協できなくて困っています。飽きずに最後まで読んでくださってありがとうございました。
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