タンザニア(17)被害総額150円の詐欺にあい泣きそうになる(いい意味で)
世界一周をかかげ、とりあえずアフリカを北上している私は、ただいまタンザニアのザンジバル島に滞在しております。ここは世界有数のダイビングスポット。昨日はザンジバル島の北東部にある「Mnemba Island(ムネンバアイランド)」にて2ダイブ。夜はストーンタウンでのナイトダイビングをしてまいりました。そして本日は、ストーンタウン周辺のダイブサイトにて朝から2ダイブです。タンザニア最終日なのに、全然のんびりしてないなあ。そして後半は、ちょっとした詐欺に合ったお話を少々。
【現在地】マテムウェ村/ザンジバル島(タンザニア)
Matemwe/Zanzibar Island(Tanzania)
【気温】28度(昼)
【天気】晴れ
【通貨】10タンザニアシリング=約5円
大興奮!! ドキドキ沈没船ダイビング@ストーンタウン
ダイビング合宿のようなハードな日程ではございますが、本日のダイビングを終えますと、あとは最終目的地「エジプト」までダイビングの機会はございません。1ヶ月くらい海から離れますので、最後にたっぷりと満喫しておきたいのです…。
というわけで、朝9:00、やってまいりました「One Ocean Zanzibar Dive Centre」。
こちらのダイブショップは、観光客がたくさん訪れるストーンタウンの中心に位置しております。昨日はここでナイトダイブを体験し、本日は日中に2ダイブ。
ザンジバル島でのダイビングスポットで最も有名なのは、昨日潜った「Mnemba Island(ムネンバアイランド)」。ここはなんといってもお魚の数がとんでもなくって、潜ってみて驚きました。昨日の投稿はこちらです。
そして本日は、ストーンタウン周辺。こちらは「Mnemba Island(ムネンバアイランド)」とは違い、お魚の数はそうでもないのですが、サンゴ礁がとにかく美しいという話です。ダイブサイトの数はそんなに多くなく、大きく分けて4か所なんですね。
ストーンタウンからダイブサイトまでは、こちらのボートで約30分。
このあたりの海は、波も非常に穏やかで、ダイビングビギナーさんにもおすすめ。そしてなんといっても、その海の色がすごい!!!
珊瑚でできた砂でおおわれていますので、こんなにも爽やかで透き通ったソーダブルーの海を拝むことができます。ほかではなかなか見られない不思議な色。言葉を失う美しさとはこのこと。
そうしてダイブサイトに到着。
機材を背負って海に飛び込みますが、本日は船の横に腰掛けるのではなく、立ったまま飛び降りるパターン。そうして海面にみんな揃ったら、いっせいに潜ってゆきます。本日1本目は「Bawe South」というポイント。
海中世界はこんな感じ。
確かに珊瑚がすごーい!! ガーデン!! っていうか森。
お魚の数は確かに「Mnemba Island(ムネンバアイランド)」の方が多いですが、それでもこれだけいれば大満足ですー!!!水面から差し込む光が、海中の森を照らす景観はとても幻想的。
それではストーンタウンダイビング1本目をダイジェストで。
最近のお気に入り。ちょっとクリオネっぽいフォルムのお魚。
ブログの読者の方が、このお魚の名前を教えてくださいまして、「ハタタテハゼ」というそうです。
かわいい///
四角いフグみたいなやつ。
ほそーいヘビ。
トリガーフィッシュ。何か食べていますよ。
でっかい白いフグ!! ほんとうに大きかったー!!
透明度が高いので、模様まではっきりくっきり見ることができました。
ドットのお魚。
漁師さんの仕掛け(罠)。
こうして1本目が無事終了し、ボートの上で1時間の休憩です。ここでランチ。フルーツやチャパティ、ドーナツなどで小腹を満たします。
そしていよいよ2本目。この2本目、わたしはとくに楽しみにしておりまして。なんと、ドキドキわくわく沈没船なのです。ポイントの名前は「Great Northan」。Wreck=沈没船に潜りたい場合はここを希望してみるとよいかと。
昔タイで沈没船に潜りましたが、それ以来そのチャンスは訪れず、今回はここの沈没船にとてもとても期待しておりました。
ストーンタウン周辺には3か所の沈没船がありまして。さすが昔から交易が盛んだった場所。そりゃあ沈んでしまう船もあったりなかったり…。本日潜るのは、その中でもとても潜りやすい船体。あまり原型をとどめていないので、船室の内部に入って行く感じではありません。しかし、その船体の形跡にたっぷりとサンゴが生息している迫力たっぷりなポイントだそうです。
水中に入ると、ここもまた圧倒的なサンゴの量。そしてそこに生息するお魚の数々。
海中庭園のお散歩をしているようです。
そして到着しました。沈没船。
確かに原型はないのですが、それでも、船っぽいものだった形跡はあり…。さっきまで自然のサンゴで埋め尽くされていたのに、いきなりこんな人工物が現れてとても不思議。
異物感がたっぷりなのですが、これこそが沈没船の醍醐味。
入り組んだ形状の船は、珊瑚やお魚たちの格好の住みかとなるため、あちらこちらに魚の群れが見受けられます。こりゃーすげーや。
かつて船だった感、ありますね。
リーフフィッシュをはっけーん!!
2匹仲良く並んだお魚。
トリガーフィッシュも2匹仲良く。
こんなに近くで見られたのは初めてー!! なんて言ってると、近付きすぎて、片方逃げてしまいました。
いや、別に引き離そうとしたわけではなくって。
あ、怒ってます??
こうして魅惑の沈船を満喫したらボートへ上がりストーンタウンへと戻ります。
2:00ダイブショップへと帰着し、無事ストーンタウンのダイビングが終了。「Mnemba Island(ムネンバアイランド)」ももちろん素晴らしいのですが、もしお時間がある方は、ストーンタウンで沈没船を訪れてみるのもよいかと思います。とても簡単で潜りやすいポイントですし、そんなに深くないので、オープンウォーターダイバーさんもOKです。
お昼ご飯はローカル食堂で
ダイビングの後はお腹がすきますから、ここで遅めのお昼ごはん。入り組んだ町の中を徘徊していて見つけた1軒の食堂に入ります。
そこでオーダーしたのが「PILAUピラウ」。
日本でいうところのピラフだと思います。たくさんの香辛料といっしょに炊き込んだごはんは、何味と言ったらいいのかよくわかりませんが、とても深みのある味でおいしいんですよ。。ビーフとジャガイモも入っていてボリュームたっぷり。これで3,000シリング(約150円)です。
食後には、ザンジバル名物、たくさんの何かが入ったチャイ。
紅茶なんですけども、生姜をはじめ、そのほか何かいろいろ入った感じの紅茶です。飲んだ後はやたら体がポカポカしてとてもおいしいのです。浮いてる白いのはなんでしょうね? 腐ってるとかじゃないんですよ。ほら、スパイス的ななにかですたぶん。
150円の詐欺にあい泣きそうになる(いい意味で)
こうしてザンジバルでのダイビングのすべてが終了した私は、ふたたびマテムウェ村へと戻ります。交通手段は安定のダラダラ(乗り合いトラック)。
通常その料金は、乗車したあとコンダクターさん(お金を徴収したり、降りる人がいるのをドライバーに知らせたり)に支払うのですが、
この日はなぜか乗る前に支払えと言われます。
しかも荷物があるから、3,000シリング(約150円)。
今まで2,000シリング(約100円)だったのに。
一応抵抗してみましたが、なかなか譲らないので、もういいやと思い3,000シリング払って乗り込みました。ダラダラが走り出すと、他の乗客はいつもどおり、コンダクターさんにお金を支払っています。そしてなぜか私も払えみたいな空気に…。
「え、私さっき払いましたけどー」
しかしコンダクターさんは「受け取ってない」と。
確かに、私がお金払ったのこの人じゃない…。
はっ!?
こ、これは、噂に聞くザンジバルのダラダラ詐欺!! 実は、ここに来るまでに、何人かの旅人さんから聞いていたのですよ。「ダラダラの料金は、絶対に乗る前に支払ってはいけない」って。「全然関係ない人がお金を払えって言ってきて、間違って払っちゃう旅行者がいっぱいいるから気を付けな」って。
わぁー。私まんまとその詐欺にひっかかっちゃったー。
おまけにいつもより多めに150円。
こういうのは地味に悔しいです。 しかし、どんなに私が怒ってみても、コンダクターさんに責任はなく…。
「で、でも払ったもん(涙目)」と訴えてみましたが、これは完全に私の負け。しかたない、払うか、と思ったところで、向かいのおじさんがコンダクターさんにスワヒリ語で何かを語りかけました。ときおり私の方を指さしている。きっとお金を出し渋る外国人けしからん的なことを言ってるのでは、と予想しました。
「あ、私? はいはい、払います払います。ちょっぴりゴネてしまってどーもすみませんねえ」と少々ムッとしましたが、どうやら様子が違うようで…
おじさんに何か言われたコンダクターさんが若干困っているように見えます。
状況が読めず、とりあえずおじさんのほうを見ていると、
さっき自分の料金を支払ったはずのおじさんがさらに2,000シリングを取り出しました。そうして、コンダクターさんに向かって怒ったように何か言いながらその2,000シリングを手渡します。
それから私の方を見て「あなたは支払わなくてよい」というジェスチャー。
こ、これは…。
もしかして、おじさん私の料金支払ってくれた?? このあとコンダクターさんは私に料金を請求しなくなりましたから、おじさんが支払ってくれた、で間違いないでしょうね。
ど、ど、どうしよう。なんでなんでなんで。
なんでそうなっちゃったのかよく分からず、困惑していると、おじさんは何も言わず持っていたザンジバルパンを1つくれ、そのままダラダラを降りて行きました。
ザンジバルの朝食でよく目にするボフロというパン。外はカリカリ、中はふんわりで美味。このように路上でも見かけるほど定番のパンです。
おじさんが降りた後、同じダラダラに乗っていた英語を話す若者が、説明してくれました。
「あなたが誰かにお金を払うのを彼は見ていた。でもおそらくお金を払ったのはこのコンダクターではなく、あなたをだまそうとした別の人物だ。
せっかくザンジバルを訪れたあなたに嫌な思い出を作ってほしくない。それで彼はコンダクターにそれを説明したが、コンダクターは聞き入れなかった。
だから、あなたのダラダラの料金を代わりに支払った」
アサンテ サナァァァ!!
(どうもありがとうございます)
ちょっとぉぉぉーそういうのに弱いです私。
「はっ…これが…涙…? 泣いているのは、私? 」
まあ、実際泣いたかって言ったら、泣いてはいないんですけれども、しかし心は非常にポカポカいたしましたよ。
被害総額150円が高いとか安いとかそういうのは置いといて、悪い人に騙されたのは、気を抜いていた私の落ち度。初歩的なミスです。
しかもおそらくこの手口はとてもよくあるパターンなんだと思われます。さんざん注意しろと言われていたのに、私がぼーっとしてるから…。
それなのに、このザンジバル人のおじさんの優しさはなんなんだ。しかも、俺が払ってやったアピールをすることもなく黙って去って行くなんて。こんなこと今までで初めてです。彼のおかげで、さらにザンジバルのことが大好きになりました。真ん中のおじさん。白い袋の中身はパンです。感謝しかありません。
こうして無事にマテムウェのホテルに帰ってまいりました。それでは本日はこれにて終了。あ、ついでにタンザニア滞在も今夜で最後。明日はエチオピアに移動します。本日も最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
素敵なお話です。 いい思い出ですね。日本人でも、私でも、反対の立場でそこまでするかなと、思います。