メキシコ(7)行くぜ死者の日! 怒涛のドクロ祭りに参戦inオアハカ
こんばんは。現在世界一周をしております。アフリカ北上5か月を終え、こんどは中央アメリカ・メキシコへとやってきたのが約3週間前。そこからなんやかんやあり、現在はオアハカという町に滞在中。えー、本日は、私の世界一周の最大のハイライト「死者の日」を、超リアルタイムでお届けしたいと思います。
【現在地】オアハカ(メキシコ)
Oaxaca(Mexico)
【気温】22度(昼)
【天気】晴れ
【通貨】1ペソ=約5円
やってきました、「死者の日」当日
本日は、11月1日(火)の夜。あ、日付変わっちゃったので、2日になったところですが、本日は、私が、世界一周の中でも最も参加したかったイベント「死者の日」(英語:Day of the Dead、スペイン語:Los Dias de Los Muertos)の当日でございました。
Googleメキシコ版のトップも、パペルピカドという、死者の日の飾りつけに使われる切り絵の紙のデザインになっております。
かわいいですねー。
とりあえず「死者の日」ってなんですか? って方はこちらをどうぞ。
ざっくり言いますと、日本でいう「お盆」のメキシコバージョン。毎年11月1日、2日に、亡くなった人が帰ってくるよっていうコンセプトで実施されている祝祭。それが、ハロウィン的なあれと若干混ざり合っちゃう形で、大きなフェスティバルになっているのです。
「死者の日」は、メキシコ全土でお祝いされますが、とくに、現在私が滞在している「オアハカ」という町がもっとも盛大に祝うことで有名です。
世界一周に出発するもっとずっと前から、とにかくこのイベントには、死ぬまでに絶対参加したくって。いやむしろ、死んだら死んだで、それはそれで参加したかったっていうか。それほどまでに強い思い入れのある「死者の日」。本日はその当日の様子をたっぷりとお届けしたいと思います。
学校主催のパレードでボルテージを上げる!!
現在、スペイン語の短期語学留学をしておりまして、「死者の日」とはいえ、午前中は普通に授業がありました。
そうして午後。
この日は、学校主催のパレードがあり、生徒&先生&学校のスタッフさんみんなで、学校の周りをぐるぐる歩き回るというイベントに参加いたしました。
学校の授業で作った死者の日用のマスク(!? )を付けて歩くのはとても楽しくって(詳細は、こちら)。しかし、本日は何といっても、「死者の日」当日。とにもかくにも、オアハカの町の様子(と私の様子)をお届けしたい。
というわけで、放課後。
町へ繰り出しいざ「死者の日」へ
留学中の学校には、現在私以外に2名の日本人女性がいらっしゃって、そのお二人と一緒に町に繰り出す約束をしておりました。
学校が終わったのが15:00。そこから一旦家に戻り、着替えを済ませ、16:30、町の中心にある「サントドミンゴ教会(Templo de Santo Domingo)」に集合です。
なぜここが集合場所なのか。
それは、メイキャップ。そう、死者の日には死者の日ならではのお化粧、というかフェイスペイントがございます。「死者の日 メイク」とかで検索していただければ出てくると思うんですけれども、なかなかにインパクトがあり“かわいい”と“こわい”の中間あたりのテイストで原形わからなくなるくらい、顔をド派手に彩ってみましょうよというやつです。
「死者の日」はその名の通り、死者が帰ってきます。どんな姿で? っていうと、それはガイコツ。ドクロ。昨日の投稿で書きましたが、町も家もドクロだらけ。ですから、人々もまた、自身の顔にドクロのメイクをするのがセオリー。
昼間に学校でドクロ風のマスクはかぶったんですが、やはり私はどうしてもフェイスペイントがやりたかった。
というわけで、さっそく道端にいるメイキャップのお姉さんにお願いしてみました。
デザインの希望はとくにお伝えせず(っていうかスペイン語でいろいろ指示できるレベルに達してない)、全体的におまかせでいざメイクスタート。
あ、ちなみに、先ほども申し上げましたが、内容がハロウィンと混ざっちゃってる兼ね合いもあって、「死者の日」のイベントに参加するならば、フェイスペイントはもちろんのこと、それをしたうえで、“仮装”なり“変装”なり“フェイスペイント同様インパクトのある服装”なりをして、とにかく派手に盛り上がろうぜ、という風潮。
ハロウィン風にドラキュラとか魔女とかホラーな感じの衣装を着てもいいし、華やかなメキシコの民族衣装を着てもいいし、何かしらのキャラクターになりきったコスチュームを着てもいいし、公共の福祉に反さない範囲内であれば、それは完全に個人の自由。
何かしらの死者をリスペクトした渾身のいでたちで町を闊歩し、いろんな人と写真を撮ったり、地元の方主催のパレードを眺めたり、今、この瞬間を、満喫しようじゃねーか、と。そういうイベントなのです。
というわけで、本日の私(メイク中)。
えー、日本から持参いたしました、小紋(和服)でございます。
落ち着いた紺地に、オレンジや黄色を基調とした秋の花々をちりばめたモダンなデザイン。
ポイントは菊の花で、「死者の日」を象徴するマリーゴールドのお花も同じキク科なんですねえ(ヘアアクセも菊の花)。そんな細かいことなんて誰も気にしていないと思うのですが、とにかく私にとっては、この着物は、死者の日に着るために作られたんじゃないかと思うくらい(絶対そんなことない)ビビビときまして、こないだの一時帰国の際に購入いたしました。
ちなみに、着物自体はぎりぎり着ることができますが、残念ながら自分では着物用の帯を美しく結ぶことができず「無理してやってぐじゃぐじゃになるよりは」と、浴衣帯をチョイス。もちろん正統派な着こなしではないですが、帯締めをプラスすれば、カジュアルな場であればOKかなあ、と。お着物に詳しい方が見れば、これは邪道かもしれませんが、なんせ素人なもんでご容赦ください。
自分の着こなしを、こうして事細かに説明するというなんともこっぱずかしいことをしているうちに、
メイクかんせーい!!
本日の私(死者の日ver.)。メイクをしてくれた女性と一緒に。
もっと時間がかかるかと思って、待ち合わせの少し前に到着してメイクをスタートしたのですが、かなりスピーディーで、メイク時間はものの5分でした。料金は100ペソ(約500円)。場所は、サントドミンゴ教会の正面の通り(ピンクの丸で囲んだあたり)です。数名メイクをやってくれる女性が待機していらっしゃいます。
実は、着物を着るとか、悪目立ちしかしないからってものすごく恥ずかしくって、ここに到着するまでの道程はすごく早歩きで、かなり緊張しておりました。あたりまえですが、ここはメキシコ、和服を着ている人なんてどこにもいません。
しかし、本日の私の姿を見たホストファミリー(今ホームステイしてます)のリアクションが思いのほかよかく、さらに、すれ違う人たちも笑顔で手を振ってくれまして、極めつけは人相がわからなくなるスペシャルなメイク。おかげさまで“羞恥心の向こう側”へ到達することができました。
そうしていろいろ吹っ切れたところで、怒涛の死者の日に突入しましょう!!
行動範囲はおもにアルカラ通り(ピンクの丸で囲んだあたり)。
ほとんどのパレードはサントドミンゴ教会をスタートもしくはゴールとしており、もれなくアルカラ通りを通ります。ですから、ここが一番のメインストリート。地元の方も観光客もみーんなこの通りに集まります。
人のピークは19時、20時くらいで、その時間には、花火が上がり
個性的なパレードが次々にやってきて、通りはこんな状態に。
普段は知らない人と接するのが苦手で、「ウェーイ」とか無理無理、なんてことを言い続けている私ですが、「死者の日は別!! たくさんの知らない人とウェーイして、いっしょに写真を撮りたい!! 」と。それがたっての希望でした。
とはいえ、ここへきて急に性格が変わるわけでもなく、知らない人に声をかけるのは緊張する。とりあえず、覚えるべきフレーズ。
写真を撮ってもよいですか?
Puedo tomar fotos? (プエド トマル フォトス? )
これを頭に叩き込み、あと必要なのは勇気だけ。
通常であれば「こ、こわい。知らない人こわい。写真撮るの嫌がられないかな。あ、チップとか、必要ですか? (アフリカの後遺症) 写真1枚いくらですか? 」と、脳内でいろいろ悩んだあげく思うように話しかけられず、最終的にコソコソ隠し撮りするのがデフォルト。
しかーし、私には今回かつてないほど強力な武器があります。
本当に本当に本当に、これやってよかったなあと思うんですけれども、
アルティメットウェポン:着物
着物やばい。
これを着てただそこに存在しているだけで、数えきれないくらい、たくさんの人々から話しかけていただき、いっしょに写真を撮ろうと言っていただきました。
魔法のアイテム。
こうなってくるとこっちのもんです。
写真撮っていいですか、と言われれば、「Si!! (Yes!! )」と元気いっぱいお答えし、そうして、「ぜひ私も」とカメラを出せば…
なんということでしょう!!
すごく自然にいっしょに写真を撮ることができちゃう!!
では、「死者の日」の様子をどうぞー。
メキシコ&日本、民族衣装の競演。男性の格好は「チャロス」というそうです。
パレード。そんなに規模は多くないのですが、常時なにかしらの団体の方々のパレードを見ることができます。
民族衣装をお着て踊る女性もドクロ!!
気合の入ったお若い方々。
楽器の奏者さんもドクロです!!
似ているように見えて、がいこつメイクはひとそれぞれ。
カップルで衣装を合わせていらっしゃいます。
こちらは、持っているドクロの人形とお衣装を合わせていらっしゃいます。
華やかなおばさまと。
本格的ー!! マヤとかアステカとか、そんなころの格好。
空が暗くなるにつれて、人も増え、町もにぎわい、どんどん盛り上がってまいります。丸くて大きいやつは「マルモタ」といって、祭りには欠かせないアイテムだそう。これを持つ担当の人は汗だくでした。
道が人で埋め尽くされ、もはやカオス。
仮装をしたお子様のかわいらしさったらない。
「ケ ボニータ!! 」(なんてかわいいの!! )
「ムィ ボニータ!! 」(超かわいい!!)
を連発し、メロメロに///
愛くるしい姉妹。
自転車少年。
ピエロこわーい!! スターウォーズもいるよ!!
アレブリヘス(ALEBRIJES)というメキシコ雑貨の仮装! これ作るの大変だっただろうなぁ。
カフェで休憩中に、「一緒に写真を撮りましょう」と一生懸命英語で話しかけてくれた姉妹。うれしくて泣ける。
あと、やっぱかぶり物は魅力的。
あぁメキシコっぽいー!
実にリアルです。
「死者の日」が楽しすぎてどうしよう。
和服×かぶりものは、全体的にシュールすぎて、これ何のイベントですかっていう意味のわからなさがいい。
至近距離で花火に火がつけられボルテージも最高潮。
個性豊かなパレードも必見です。
最後はこちら。うん、私もね、こっち系やりたかったよね、実際。
うまく言えないけど死者の日はウェーイなノリじゃないと思う。
本日、このような大規模、個性的なおかつ古くから続く伝統的な祝祭に和服で乗り込み、地元の方に交じってお祝いをいたしました。これ、私にとってはハードルが高すぎて、最初は不安と緊張でどうにかなりそうでした。こういうのあまりやったことがありませんし、けっこういい歳ですし、単純にキャラじゃないし。やらない理由ばかりたくさんあって。それに、
メキシコの人々が大切に守ってきた伝統的な祝祭に、ほかの国の伝統ぶっこんでもよいものか、とか。
観光でやってきた何も知らない外国人がハァハァ言いながら「一緒に写真撮ってください」と興奮気味に近づいてきたら気持ち悪いんじゃないか、とか。
そんな不安もありました。一応ね、学校のスタッフさんに事前に確認したんですよ。着物とかってありですか? 地元の人を不快にさせませんか? ほんとうに大丈夫ですか? って。で、「大丈夫、大丈夫ー!! たぶんいろんな人に話しかけてもらえると思うよー」というお言葉をいただき、決行に至ったわけです。
そして当日、写真を撮りあったり、ちょっとした会話をしたり、それはもうたくさんのオアハカの人と接するうち、徐々に自分からも声をかけられるようになっていきました。わいわいと盛り上がる会場の雰囲気に、いい感じに呑まれる形で。
周りをみわたすと、みなさん200%自由な恰好をしてらっしゃいますから、和服はそんなに悪目立ちしてなかった、と自分では思っていますし、よく考えたらこんなイベントにどう考えても気合十分な装いで参加しといて「写真撮っていいですか? いっしょに撮りましょ」っつって「ダメー」っていう人はいないわけで、みなさんすごく優しかったなあ。いろいろなことが杞憂で、とにかく楽しくて楽しくて仕方のない数時間でした。
そうして私は思ったんですけれども、すごーーーく盛り上がってはいるものの、「死者の日」って、なんというか、私が思い描いていた“ウェーイ”的なイベントではないなと。
勝手なイメージですけど、「みんなアミーゴ!! ウェーイ!! 」なんてビール片手にハイタッチとかしちゃって、いわゆるラテンなノリの賑やかさ&激しさなんだろうなと…。
しかし、どうもそれ間違っていたようで。
仮装した人どうしでいっしょに写真を撮りあうにしても、オアハカの方、シャイで控え目で礼儀正しい人が多いですから、すごく遠慮がちに声をかけてこられます。「この外国人は写真撮るのOKって言うかな? っていうかまずスペイン語わかるかな? 」なんて気持ちが、はにかんだ笑顔の裏に見え隠れ。
で、こっちはこっちでコミュニケーション能力に難ありじゃないですかー。それに、友達や家族と過ごしていらっしゃるところに割って入って「写真撮っていいですかー」なんつって邪魔しては悪いかな、とか考えちゃうじゃないですかー。
つまり、双方が気を遣いながら勇気を出して話しかけ「あーよかった、OKしてくれた」と安堵の表情を浮かべながら一緒に写真に写るのです。そして、「ありがとう」「どういたしまして」とそれはもう丁寧に言い合って、手を振ったり握手をしたりして歩き出す。この繰り返しで。
なんといいますか、非常に微笑ましい状態で。これだけ人がたくさんいてわいわいガヤガヤしているのに、居心地がいいのです。全然イライラしないし、微塵もつらくないから不思議。こんな私でも、無理なく楽しむことができました。
「死者の日」ものすごくほんわかしてる。
ハイタッチというより、握手。ビールというより、ホットチョコレート。“ラテン”というより、むしろこっち側に近くないか!? と。
仮装もメイクも手作り感溢れだしちゃってるし、子供からお年寄りまでみんながもれなく笑顔だし、
とにかく雰囲気が、いい。
本当にすごくいい。
祭りの後は…
アルカラ通りは、夜21時を過ぎてもにぎわっていて、仮装をしたたくさんの人々が行きかっています。そんな中、21時30分、サントドミンゴ教会の壁を使ったプロジェクションマッピングがスタート。
約10分間ではありましたが、建設当初の姿を再現したり、オアハカの文化を紹介したりと、それは美しく見ごたえのあるものでした。
こうしてかつてないほど知らない人と接し、たくさんの写真を撮り、片言にも満たないスペイン語でどうにかこうにかコミュニケーションを図り、「ようこそメキシコ、ようこそオアハカ!! 」と言っていただき、「オー! ハポーン!! キモノ!! ボニータ!!!! 」とほめていただき、混沌と混乱と狂熱の数時間が終了いたしました。
私は、まだ道路をたくさん人が歩いているうちに、帰宅しなければなりません。すれ違う人々と笑顔で挨拶をかわし、お酒も入っていないのにやたらハイテンションで家路につきました。
そうして、先ほど、泣く泣くメイクを落としシャワーを浴びたところでこのブログを書いています。ろくに推敲もせず、ついさっきのことを勢いだけで文章にしている状態で、今日のブログは、結局何が言いたいのかよくわかりませんね。ほとんど自分の写真だし。
というわけで、本日私が言いたいことを簡潔に。
メキシコ・オアハカの
「死者の日」
行ったほうがいい、絶対。
あと、着物は本当におすすめです。夢にまで見た「死者の日」、想像をはるかに上回る素敵なイベントでございましたー。
あ、実用情報。サントドミンゴ教会周辺は、11月2日の夜よりも、1日の夜のほうが盛り上がっておりました。何かやる方は、1日のほうがよいと思います。それでは本日はこれにて終了。最後までお付き合いくださってありがとうございました。明日は、死者の日のハイライトと言っても過言ではない場所「お墓」についてレポートします。
コメントを残す