メキシコ(2)通院報告。アフリカの呪縛と旅の神様の化身
世界一周後半戦、意気揚々と日本を発ったのが一昨日のこと。無事最初の目的地「メキシコシティ」に到着したはいいのですが、足がおかしなことになってしまって、空港からそのまま病院に行くハメになってしまいましたー。本日はその続き。
【現在地】メキシコシティ(メキシコ)
Mexico City(Mexico)
【気温】24度(昼)
【天気】晴れ
【通貨】1ペソ=約5円
メキシコシティの病院へ行こう!!
状況がうまく呑み込めないってかたは昨日の投稿をどうぞー。
本日11:30、メキシコシティの空港からタクシーに乗車。ここには「空港タクシー」というものがあり、空港からの距離によって料金が事前に設定されており、空港内でチケットを買うことができます。
悪いドライバーさんにあたることがないので安心なのですが、まあ高額。空港から病院まで250ペソ(約1,250円)でした。
ちなみに、今問題となっている足の不具合が保険適用となった場合、病院までの交通費も負担してもらえますので領収書をもらっておきましょう。
タクシーに乗ると、ドライバーのおじさんが片言の英語で話しかけてきます。おじさんは、丸くて口ひげを生やしていて“メキシコ人のおじさん”のイメージをそのまま具現化したようなルックス。
どこから来たんだ、とか、おーハポンかー!! とか、アイラブハポンー!! とか、ようこそメキシコー! とかそんなやつ。
いつもであれば「テンキューテンキュー!! アイラブメヒコー(着いたばっかだけど)!! グラーシアース!! 」なんて適当に返答するのですが、
今向かってんの病院だからさ。
本調子ではない私に、さらにドライバーのおじさんは質問を投げかけます。
「音楽は好きか? 」
「はい、好きです」
「じゃあ何か歌えるか? 」
「え、歌うの!? 今? いや、音楽好きだけど、歌うのは上手じゃないです。聴いてるほうが好きっていうか」
今足がすごく痛いっていうか。
するとおじさんは車のCD入れるところに1枚のCDを入れながら言いました。
「この歌は知ってるか? 今メキシコシティに着いたばかりのあなたに贈ろう。歌詞はメキシコシティを表してはいないが、スペイン語バージョンで歌ってやるから、まあ聴きなさい」
そうしてかかった曲は
『ニューヨーク・ニューヨーク』
スペイン語バージョン。
あー知ってる知ってるー!! 私ジャズとか詳しくないですけど、この歌はさすがに知ってるー。ものすごく昔に同名の映画、観たことありますよ。ロバート・デ・ニーロさん、サックス奏者だったよねー。いいよねーサックスー
って、ちょ、おじさん、歌、ものすごく上手!!
楽しそうに、気持ちよさそうに、スペイン語ver.の『ニューヨーク・ニューヨーク』を熱唱してくださっているんですけども、渋さと甘さがほどよく入り混じったバリトンボイス、フランク・シナトラ顔負けー!!
最後はアレンジで“ニューヨーク”を“メキシコシティ”に置き換えて歌ってくれて、なぜか底抜けに明るいおじさんのパワーのおかげで、ものすごく元気でましたー。
こうしてわりと楽しいドライブを経て到着しました、
「HOSPITAL MEDICA SUR」
写真撮る余裕なくって、ネットで画像拾ってきましたが、
おおきーい!! 立派ー!!
もしかしたら今後行かれる方がいるかもしれないので地図載せますねー。
ここでタクシーを降り、保険会社の人に予約を入れていただいた日本語の話せるお医者さんのお部屋へと向かいます。
バックパックとかもう持ち歩けませんので、タクシーに荷物を残したまま駐車場で待っていてもらうようお願い。もちろんそのまま持ち逃げされることはありませんでしたが、防犯的にどうなの、って今になって思います。
指定されたお部屋に行くと、おそらく、日本人とメキシコ人のご両親を持っていらっしゃるであろう日本語の話せる先生が待っていてくださり、さっそく診察開始ー。
「あぁこれはひどいですねえ。薬は? 何塗った!? 」
「日本の皮膚科でもらったやつです…」
そうして日本の皮膚科でもらった塗り薬を見せると
「これはだめー。乾燥させる効果のある薬ですから。こういう傷は乾燥させたらだめー」
だめーて言われても…。
「じゃあそこに座ってください。はい、足出して」
そう言って消毒薬を含ませた綿をピンセットでつかみ、私の傷ぐ
ちょっとーーーーー!!!!!!
傷口直接触ったらだめー!!!!
もう痛い。ほんとに痛い。このくだり日本の皮膚科で一回やったんだからー。
かんごふさぁぁん!! この人なんとかしてくださーい!!
とはいえ、診察室に看護婦さんはおらず、先生の行動はさらにエスカレート。
消毒してきれいになった傷口からなんかしらをしぼりだそうとして傷の周囲を親指でぎゅーってやってくるー(涙目)。
なんも出ないなんも出ないなんも出ない。
先生は、一通り拷問し終えると、キャビネットをがさごそとやり、私にお薬を用意してくれました。
「エジプトで虫に刺されたそうですね。虫刺されが悪化して皮膚が潰瘍になっていて、バリア機能が働いていない状態でそこに細菌が入り、さらにその細菌が増殖して炎症を起こし化膿しています。
これが化膿をおさえるための抗生物質、これが腫れを抑える飲み薬。どちらも1日1回飲んでください。で、こっちが消毒液と傷を治す塗り薬。傷口は1日3回しっかり洗って薬を塗ってガーゼを貼り替えてください」
この診察をスペイン語なり英語なりでされても私一切理解できなかっただろうなあという自信があります。
先生の日本語は、ごくたまに「ん? 」ってなるイントネーションだったり、ごくたまに急にため口になって「ん? 」ってなったりしましたが、まあそんなのはあたりまえですし、むしろメキシコシティで日本語で診察がうけられるなんて、非常に幸運なこと。ありがたかったです。
一週間後に再度様子を見せに来るように。治るまであまりたくさん歩かないように。とくに1日2日は出かけないほうがいいです。という指示を授けてくださったのち、「最後に何か質問はありますか? 」とおっしゃる先生に、念のため、聞いてみます。
「あのー、ダイビングとかは…」
「これ以上悪化すると、大変なことになります」
これを少しだけ外れたイントネーションの日本語で宣告される恐怖。
た、た、大変なこと…。
こうしてしばらくは歩きすぎず、ダイビングはもっとしばらくの間おあずけということになりました。残念ですがすべては自分の蒔いた種。そしていまだ解けないアフリカの呪縛。
ちなみに、大切なお金の話ですが、上記の診断内容からお察しの通り、この足の不具合はエジプト起因のもので間違いないということになりました。よって、残念ながら、今回の海外旅行保険の適用外となります。もちろん前回の保険も経過日数的にすでに適用外となっておりますので、自腹けってーい!!
- 治療費:1,000ペソ(約5,000円)
- お薬代:1,000ペソ(約5,000円)
合計:2,000ペソ(約10,000円)也
あのー、予想していた金額よりは安くってちょっと安心しました。もちろん10,000円は痛いですが、ほうっておいてもっと悪くなるのは避けられたと思いますし、不安を抱えたまま旅をするよりは全然マシです。
いつの日かこの残念な投稿が、どこかの誰かが保険適用外の治療に挑む際の参考になればいいなって思います。
病院からホテルまでの道のり
空港からここまで連れてきてくれたタクシードライバーのおじさんは、ちゃんと駐車場で待っていてくれました。そして、ホテルまで連れて行ってくれるようお願いし、再びドライブ開始。
病院はどうだった? と聞かれますが、先ほどの診断内容を英語なりスペイン語なりで説明する語彙力は私にはなく、とりあえず「薬をもらったから、大丈夫。よくなると思う」と返答。
そうしておじさんはまたもやCDに手を伸ばし、ほどなくしてスピーカーから流れだした曲は、
『上を向いて歩こう』
坂本九さんver.
ちょ…ま、え、そんなんかけちゃう!?このタイミングでその歌はまずいよー。泣いてしまう泣いてしまう。
このおじさんは実は旅の神様の化身で、私を元気づけることを目的として今この場に現れたんじゃなかろうかと思うほどの神がかり的な選曲。
ちなみに「歌詞の意味わかってますか? 」と聞くと、「実はわかってないんだ。でも、日本で人気のある歌なんだろう? 」と言いながらわははと笑っていらっしゃいました。
いまだ解けることのないアフリカの呪縛に悩まされつつも、中米第一か国目のメキシコは、第一印象最高で、いきなりではありますが「この国すげー好きかも」という予感がします。とはいえ、しばらく外出禁止令みたいなもんだしなあ。残念。
それでは本日はこれにて終了。滞在ホテルの詳細などは、明日の投稿でご紹介いたします。本日も、最後まで読んでくださってありがとうございました。
コメント6件
こんにちは。いつも楽しくブログ拝見しています。
私もコソコソ系なので人様のブログにコメントするのは初めてですが…
保険の件、エジプトで刺されたのであれば
旅行終了後でも前の損保ジャパンの保険が適用になりそうな気がします。
受診が日本じゃないからそのあたりどうなるかわからないですけど
一度聞いてみた方がいいかも!
あともし日本で怪我の通院1日いくら、とかの保険とかに入ってたら是非それも。
私も海外で謎の虫刺されで病院にいったのですが、虫刺されは怪我扱いで保険おりました。
ちなみにそれはヨーロッパだったのでアフリカ抜けても気をつけてくださいー
早くダイビングいけるまでに回復しますように♬
ああちょーっと、大丈夫ですか!?
あ、はじめまして
次はラパスへ行かれるとか・・・
以前メキシコを3ヶ月かけ旅をし、さらにカルフォルニア半島縦断ドライブしたりと結構なメヒコ好きの、私も世界一周魔法おじさんの一人でございます。
密かに世界一周を胸に抱き、アフリカ出発頃から楽しく拝見させていただいております。
メキシコ編ということで、今までいかなる時も傍観を決め込む臆病な私も思わず筆をとった次第でございます。
メキシコは海、文化、歴史、料理、色々あります。
けどこれだけは言いたくて、伝えたくて、
様々なタコスやメキシコ料理がございますが
私の感想といたしましてはメキシコ広しと言えど、
カルフォルニア半島のタコスが一番美味い!
その他のメキシコ料理もカルフォルニア半島が一番美味い!
さらにティファナにはシーザーサラダの発祥の店もあります。
ご存知かと思われますがカルフォルニア半島、先っぽだけでなく根元までさらには元メキシコ領土まで海と食文化が楽しいところでございます!
カルフォルニアタコス最高ー!
鼻息荒く思わず書き込んでしまいました。
失礼いたしました。
貴殿の旅のご武運をお祈りいたします。
セビーチェ
mayumiさん
抗生物質で完全に菌を殺すまで清潔を心がけてくださいね~(^^)/
私も、鼻血出血が止まらなくてホテルの浴室で泣いてたくせに、メキシコ大好きですよー!
なんていうのかな、人が温かいです…!(^^)!
グアナファトだから特に治安もよかったのですが、市場のおばちゃんとかも優しいし、ごはんも美味しいですしね!
来週から、仕事でバンコクとヤンゴンです。今度は鼻血出ないように無理しないようにします。(笑)