キューバ(7)ハバナのゲバラ事情とタクシー詐欺にあいかけた話
世界一周的なことをやっております私は、現在キューバの首都ハバナにおります。みなさんはキューバといえば、何を思い浮かべるでしょうか? コロニアルな街並み? クラシックなアメリカやソ連の車? 葉巻? ラム酒? 私は、えっと、「チェ・ゲバラさん」です///やだ言っちゃった///
【現在地】ハバナ(キューバ)
Havana(Cuba)
【気温】28度(昼)
【天気】晴れ
【通貨】1CUC=約115円、1CUP=約4円
やっぱりゲバラが好き
ミーハーだと言われようが何だろうが、例にもれず、私も「チェ・ゲバラ」大好きっ子の一人。キューバといえばゲバラです。間違いありません。
チェ・ゲバラ。本名エルネスト・ラファエル・ゲバラ・デ・ラ・セルナ。
はぁ!? 誰それー?? と言う人は少ないと思いますが、そんな方はこちらをどうぞ。
私が読んだことのあるゲバラさん関連の本で一番易しいやつ。
ここでチェ・ゲバラとは、を説明し始めると、ブログ全然終わらないんで、各自ググるようにしてください。あ、ちなみにググるとですね、こうなります。
検索予測の一番上、イケメンてww
そう。イケメン。それはもう見た目も中身もです。
キューバを独立に導いた革命家。男女問わず世界中の人々から支持され、彼に憧れる人は多いと思いますが、私もその一人です。
そんな彼の活躍を深く知り、生前の姿に触れることができる場所がハバナにはいくつかあり、そのうちの2か所に行ってまいりましたのでご紹介いたします。
■チェ・ゲバラ第一邸宅
場所は、昨日ご紹介したカバーニャ要塞から徒歩20分くらいの高台にあります。地図はこちら。
こじんまりとしていて、「che」というサインがなんだかかわいらしいこちらのおうちは、革命政権樹立後、チェ・ゲバラが仕事用に使っていたそうです。このデスクで働いていらっしゃったんでしょう。
内部には、生前ゲバラが愛用したカメラや、医療品(ゲバラは医学部卒です)、食器類、そして写真などが展示してあります。
よく見かける、きりっとした顔のゲバラさんもいいですが、笑顔もまた素敵よねー。こういうオフショット的な、ちょっと気を抜いた感じの写真もなかなかよいです。
本に夢中になっていらっしゃる姿とか、素な感じするー。
そして、必見なのは、寝室に飾ってある写真。
ゲバラと、フィデル・カストロさんですが、なんだか微笑ましい光景。こういうのに萌えます。
それから、おそらくアーティストさんが描いたと思われるゲバラの壁画。
個性があって、素敵です。
家の前からは、ハバナの旧市街が一望できます。
ちなみに、ここの入場料は6CUC(約600円)。こう言っちゃなんですが、いくらゲバラファンでも、これは割高感があります。
■チェ・ゲバラ博物館(カバーニャ要塞内)
続いては、カバーニャ要塞内にある「チェ・ゲバラ博物館」。昨日の投稿で、カバーニャ要塞の大砲の儀式について書きましたが、その際に、こちらも訪問いたしました。
第一邸宅の展示品に比べると、かなりボリュームがあります。じっくりと楽しめます。
チェ・ゲバラは、医学部卒で、革命活動中も軍医として働いていました。意外な気もしますが、医師免許もあるのです。
髪が短く、ひげもない若かりし日のゲバラさん。清潔感あふれる好青年な印象を受けますが、やはりその目にには、力がある。
愛用のカメラはNikonだったそうです。
変装して身元を偽ったパスポート。
私のカメラは非常に優秀で、このように展示されている写真でも、
しっかりとゲバラの顔を認識してくれます。
この写真だって、
カストロさんは認識しないのに、ちゃんとゲバラは認識してるー。
だからこのカメラって好きー。
ゲリラ活動中の様子をとらえた写真。
このお二人の2ショットはいいですねぇ。
かなり充実した展示で、大満足でございました。こちらは、カバーニャ要塞の入場料を払っていれば、追加料金は払う必要なしです。
キューバに溢れるチェ・ゲバラについて
ハバナにとどまらず、キューバ中、どの町に行っても、チェゲバラであふれていました。
“反体制の象徴”としてそれなりに意味や思想を持って描かれている場合もあれば、それはもはやファッションであったりアートであったりする場合もあります。
お土産は半分以上ゲバラ製品なんじゃないかと思うほどですし、
壁に描かれたゲバラもたくさん見かけました。
ゲバラの顔の入れ墨を入れた男性の姿も目にしました。
とにかくキューバ国民の皆さんからものすごーく愛されているということは分かりました。
で、私はちょっと疑問に思ったわけです。
ゲバラさんのお顔の写真なり画像なりの著作権って…いったいどうなってんの!?
調べてみるとですね、おそらく最も有名なゲバラさんの写真。
この写真はアルベルト・コルダさんというカメラマンが撮影したもの。彼はこの写真に関して、
「ゲバラの思い出を伝えたいと望む人々や、世界の平和目的に写真が複製される限りには反対しない」
ということで、著作権を放棄。この写真を使った二次創作物に関する利益も一切受け取らなかったそうです。
そしてこの写真を加工したイラスト。
これもまあ、みなさん一度はご覧になったことがあるんじゃないでしょうか。これは、アーティストであるジム・フィッツパトリックさんが、上のアルベルト・コルダさんの写真を加工して創り上げた作品だそう。そして、彼もまた、この作品が広く使用されることを望み著作権を放棄。
ですから、この写真とイラストに関しては著作権フリーなんですねえ。なんかこの2人もかっけーな。だからこんなに町がゲバラであふれているんですねえ。ちなみに、アンディ・ウォーホルもジム・フィッツパトリックさんのゲバラのシルエットを使って作品を作っておりますよ。
はじめて乗ったアメ車タクシーでの出来事
カバーニャ要塞内にて「チェゲバラ博物館」をしっかり堪能し、夜9時からに行われる大砲の儀式も見ることができました。儀式が終わると、人々は一斉に出口を目指します。いくらタクシーは贅沢品だとはいえ、さすがに湾を隔てた反対側からホテルまで6kmの道のりを夜10時に歩いて帰るわけにはいきません。
タクシーで帰るしかないかーと思いながらゲートを出ると、ちょうどよくタクシードライバーの若い男性が話しかけてきました。ホテルの場所を説明し、「ここまでいくら? 」と尋ねると「12CUC(約1,200円)」とのこと。とりあえず「10CUC(約1,000円)にしてください」と言ってみたところ、あっさりOK。
交渉苦手な私が、めずらしく交渉に成功し、思っていたよりもだいぶ安い金額でホテルまで連れて行ってもらえることになりました。
おまけにタクシーははじめてのアメ車。私は車のことのはかなりうとく、クラシックカーのことなんてほとんどわかっておりません。が、キューバでは、現在日本ではなかなかお目にかかれないレトロでかっこいい車が走っている、という知識だけはあります。
タクシードライバーさんが「アメ車は好きか!? ほらこれがオレの車だ!! 」と紹介してくれた彼の車がこちら。
夜なんで色はよくわかりませんが、クラシックー!! かっけー!!
車内も、今まで見たことのない光景が広がっております。運転席こんなふうになってるんですねー。
乗り心地はいまいちでしたが、キューバといえば! なクラシックカーに乗ることができてご機嫌な私。そしてホテルの近くまで到着し、お支払いのタイミングに。
「10CUC(約1,000円)でしたよねー」と、ATMで下ろしたてのピカピカ5CUC札×2枚を手渡します。
と次の瞬間「ちょっとお姉さん、これ1CUC札2枚だよー」と言ってボロボロの1CUC札×2枚を返してくるドライバー。
「あれー間違えちゃったー」
ってなるわけあるか。
さすがの私も、5CUCのピン札×2枚が突如しわっしわの1CUC札×2枚にすり替わったらそりゃ気づきますよ。でもその手際はまるで手品みたいで、一瞬でお札をチェンジするなんてとても鮮やかな手口。車内は真っ暗ですし、これ「あ、ごめんごめん」っつって再度5CUC×2枚払っちゃう人いると思います。
私だって、ATMで下ろしたてのピカピカ5CUC札じゃなかったらあっさり騙されていたかもしれません。こういうことってあるんですねえ。
こんな直接的な悪徳商法の被害にあったのはひさしぶりです。
「いや、間違いなく5CUC札2枚払ったよ」と主張するも、ドライバーの手ににぎられているのはしわっしわの1CUC札2枚。
おかしいと思ったー!! だって夜間でこの距離で10CUCってたぶんかなり安いもんねー!! そしてなぜか助手席にドライバーの友達って人が乗り込んでるのも変だもんねー!! ここに来るまでの道のりで「日本大好きー」とか言ってたじゃんー!! くそぅ、噓つきめ!!
と、このように、無性に腹が立ちまして…。
私「オーケーオーケー。ちょっとホテル戻って警察呼んでもらうから」
ドライバー「いやでも料金は10CUCなのに、おまえが払ったのは2CUCだから」
私「あーはいはい。でも私絶対に間違いなく5CUC×2枚で10CUC払ったから。もういいから警察呼んでもらうって」
ドライバー「いやでもこれは2CUCで…」
私「わかったわかった。だから警察を
ドライバー「もういいよ、さっさと降りて。2CUCだけど10CUCってことにしといてやるから」
私「ああ゛ん!? もういい、じゃねーよ。(←ここ日本語で)。私絶対10CUC払ったって」
としばらく口論になりましたが、途中で、あ、もう降りていいって言ってんだからこの不毛なやり取りをさっさと切り上げて車から降りればいいんじゃないかということに気が付いて、イライラもやもやしながら車を降りました。むこうは男性2名、こちらは女性1名。これ以上揉めて危険な目に合うのは避けなければなりません。
私が車を降りるとすぐにタクシーはすごいスピードで去っていきました。ナンバープレート、微妙に隠れちゃってるんだよなぁ。
つい2日ほど前に、こちらの投稿で、
ハバナ治安いいっすー! (ドヤァ)って投稿をしたばかりなのに、危うく犯罪被害にあうところでした。
とはいえ、中南米って言うと、私のイメージでは、お金を奪う際はもっとこう直接的な手口で来るもんだと思ってました。つまり、ナイフなり拳銃なりをつきつけて「お金を出しなさい」と。シンプルで無駄のない手段。悪い意味で正々堂々と、といいますか。
それが、本日の手口はなんか姑息っていうか…。そこらへんも含めてやっぱり「キューバは治安がいい」と言えるのではないでしょうか。
ハバナを旅行される皆様、いや、ハバナでなくても同じです。自分がいくら払ったか、は、いつなんどきもしっかり把握しておくように気を付けて旅をしてまいりましょう。
それでは本日の投稿はこれにて終了。最後までお付き合いくださってありがとうございましたー。
コメント4件
ゲバラがきっかけで南米に行きたくなった人は多いでしょう。
モーターサイクルダイアリーズの影響がほとんどでした。
ゲバラが生まれた場所、育った場所、そして最期の地、ボリビアのイゲラ村、行ってみてください。
クラッシックカーに簡単に乗れるのはいいですね!
でもハンドルがKIAになっているのは突っ込まなかったんでしょうか?