キューバ(6)ハバナの要塞巡りと爽快!! 大砲ぶっぱの儀式
世界一周っぽいことをやっております私は、現在キューバを旅しています。まずは首都ハバナを観光しよう! ということで、本日は、ハバナ観光において絶対にハズすことはできない(と勝手に思っている)要塞を巡ってまいりました。
【現在地】ハバナ(キューバ)
Havana(Cuba)
【気温】28度(昼)
【天気】晴れ
【通貨】1CUC=約115円、1CUP=約4円
ハバナを観光するうえで絶対外せない要塞群
キューバを植民地化していたスペインによって作られたハバナの要塞。もっとも古いのは、フエルサ要塞で、1555年には建築が始まっていたそう。スペインと中南米との中間地点という非常に重要な場所にあるキューバは、その後フランス、イギリス、オランダなどの海賊や軍隊の攻撃をうけることとなりました。
そんな攻撃者からハバナの町を守るために作られた要塞たち。もちろん今は“要塞”として使われてはいませんが、実際に使われていた砲台や、かつての物見台や堅牢な堀などがしっかりと残されています。
荒々しく混沌とした西洋列強国の争いに巻き込まれ、翻弄されてきたキューバの歴史を感じることができるのがこれら要塞たちなのです。
ちなみに、ハバナの旧市街「オールド・ハバナ」と本日私が訪れた4つの要塞は、1982年に、「ハバナ旧市街とその要塞群」の名前で、ユネスコの世界遺産に登録されています。“世界遺産”というワードよりも、純粋に“要塞”という響きに萌える私は、ハバナにある4つの要塞をコンプリート。
まずは、ハバナのメインの観光ストリート「オビスポ通り」からほど近いフエルサ要塞。
■フエルサ要塞
(Castillo de la Real Fuerza)
ハバナでもっとも古いこちらの要塞は、最初は木造だったものが、フランス軍の襲撃により焼失し、その後サンゴ石を使った石造りの要塞として建て直されました。
入り口前にも大砲がずらり。
なんと日本のお城のように周囲に堀が張り巡らされているめずらしい造り。
最初の襲撃以降は、要塞として使われることはなく、南米から運ばれてくる金や銀の保管のために使われていたそう。
建物内部に入ると、入場料を払うカウンターがあります。大人1人3CUC(約300円)。写真を撮りたい場合は、別途4CUC(400円)必要です。写真は高いので、撮りません、ということで館内の展示品を見ていると、スタッフの女性が近づいてきました。
そうして、なぜか勝手に説明というかガイドを始めます。
「あ、これ最後にチップとか言われるやつだ…」と思いつつ説明を聞いておりましたが、基本的に、母国語がスペイン語の国ですから、「シルバー! 」「ゴールド! 」としかおっしゃいません。先に述べましたが、この要塞は中米から運ばれてくる金銀の貯蔵地として使われていたため、それらの一部が展示されているのです。
スタッフの女性は、小声で「フォト、オーケー!! 」と、しきりにこっそり写真を撮っていいよアピールをなさいます。
写真は4CUCってさっき…。
とりあえず撮った写真。
ますます怪しいなと思っていたら、となりの欧米からの観光客の方々がチップを払う払わないでもめています。やっぱりそうかと思いながら、その場を退散。
キューバの物価にしたら入場料3CUC(約300円)だって高いのに、金とか銀とかはまあ、見れば分かりますし、それでチップは払えない。「ガイドもういいです、大丈夫です」と、要塞の階段を駆け上がり屋上へ出てみると、なかなかかっこいいではないですか。
さっきからさんざんこっそりなら写真撮ってもいいよと言われてきましたから、申し訳ないですが、こっそり屋上からの景色を撮影させていただきます。
続いて向かったのは、プンタ要塞。
■プンタ要塞
(San Salvador de la Punta Fortress)
ハバナ港の入口に作られたプンタ要塞は、街の建造とほぼ同時に作られもの。対岸には「モロ要塞」という大きな要塞があり、高さの違うこの2つの要塞で敵を挟み撃ちにし、攻撃することができたそうです。
ここから対岸を見ると、正面にモロ要塞(と、釣りをするみなさま)、
右手にカバーニャ要塞、
この両方を見ることができ、かなり厳重警戒態勢で街を守っていたんだなあということが分かります。
プンタ要塞は、4つの中で一番規模が小さいのですが、周囲に飾ってある大砲がかっこよかった。
何らかの刻印がみてとれます。
これ、実際使ってたんですよねえ…。なんか不思議な感じがします。
ハバナの旧市街側にあるのは上記2つの要塞で、残る2つは対岸にあります。ガイドブックを見ると、タクシーで5CUC(約500円)なんて書いてありますが、数人のタクシードライバーさんに聞くと、みなさん10CUC(約1,000円)とおっしゃる。交渉をしても全然下げてくれないので、仕方なくローカルバスに乗ってみることにしました。
乗車場所はこちら。
(座標:23.143766, -82.356302)
対岸までは、海底道路が通っておりまして、たくさんのローカルバスが行き来していますので、そんなに難しくはありません。
バスを待っていると、欧米からの旅行者さんが徒歩で海底道路を通ろうとチャレンジなさっており、警察に「やめなさーい!! 」と注意されておりましたので、やめたほうがいいと思います。トンネルの入り口。
上の場所ではおそらくたくさんの地元の方々がバスを待っていると思いますので、バスが来たら近くにいる人に「モロ? 」と尋ねてみましょう。「Si! 」という答えが返ってきたらそのバスに乗り込みます。料金は1CUP(約4円)。CUCではなくCUPですのでお間違えのないように。
バスが出発したら、すぐに地下トンネル、というか海底道路に入っていきます。
バスが停車する場所は、トンネルを出てすぐです。ほんとすぐなので、注意してください。このあたり(座標:23.150006, -82.354905)。
で、ここからモロ要塞までは徒歩10分。4円でここまで来れるのはありがたいことです。
ちなみに、このバス停で降りそびれると、次の停車地「Hospital Naval」まで連れていかれることになります。残念ながらモロ要塞のバス停で降りそびれてしまった私は、モロ要塞まで40分ほど歩くことになりましたー。
おかげさまで、ハバナ港付近や工場地帯の様子も見ることができました。
何かしらのコンビナートを横目に、汗だくになりながら歩きました。途中で見かけたおうちとクラシックカー。
こういった普通の景色が、すでにおしゃれな感じがいたします。
■モロ要塞
(Morro Castle Fortress)
先ほど寄ったプンタ要塞とこのモロ要塞の間にはかつて太い鎖が通され、ハバナ港を行き来する船を管理していたそうです。
夕日に染まる要塞のかっこよさったらないです。
砲台は可動式だったんですねえ。
かつてあの海の向こう側からやってきていた歓迎されない来訪者たち。
今は穏やかなこのような海岸線の向こうから
こんなん来たらそりゃビビる。怖いわあ。
館内に展示されていた絵がその壮絶さを物語っております。
盛大にドンパチやってたんですねぇ。
こういうのが実際ここで起こっていたというのが、いまいち実感がわかないんですけれども、でも本当にこうだったわけですよね。なんだか不思議な感覚。
このモロ要塞は、1762年にイギリスによる襲撃を受け、イギリス軍は1年にわたりここに立てこもっていたそうです。そうしてイギリス領となったハバナですが、スペインはフロリダと引き換えにハバナを取り返します。
この事件後、もう二度とモロ要塞を占拠されることがないよう、となりにカバーニャ要塞を造り自衛力を高めたスペイン。
要塞として使われなくなった後は牢獄として使われたモロ要塞。そして、今は灯台としての役目を果たしています。
モロ要塞から見たハバナ旧市街。
夕日は、新市街方面へ沈んでゆきました。
モロ要塞入場料6CUC(約600円)。私は4つの要塞の中で、一番モロ要塞が好きでした。ネーミングにも親近感。
そして次に向かうのはカバーニャ要塞。ここは、日没以降がとっても魅力的な要塞なのです。
■カバーニャ要塞
(La Cabaña)
暗闇の中ライトアップされた要塞。
海岸沿いに配備された大砲。
光を反射してにぶく輝く大砲は、高級な調度品のように見えます。
要塞好きはこのあたりもきっと萌えると思うのですが、何といっても素敵なのは、ここから眺めるハバナの夜景。
ハバナ湾を隔てて、ハバナ旧市街の対岸に位置するカバーニャ要塞はとても規模が大きな要塞です。さすが“要塞”だけあって、ここからの眺めはほんとうにキレイ。
もっと暗いかと思っていたキューバの夜。それが意外にもすごく明るくて驚きました。
そして、この要塞にわざわざ夜訪れたのにはわけがあります。ぜひ見てみたかった
大砲ぶっぱ。
えー、150年間続いているという「大砲の儀式」というものを拝見したいと思った次第です。
大砲っていうとやっぱりモンハン。私もハンターの端くれですから、もちろんゲーム内では何度も何度も大砲を扱ってきたわけですが。その本物が見られるって言うじゃないですかー!! そりゃ見たい!!
150年前といえば、スペイン征服時代。兵士が当時の制服を着て太鼓をたたきながら行進し、なんやかんやの儀式を行った後、最終的に、大砲に着火しドカンとぶっぱなしちゃう、っていう迫力満点の儀式。本日一日かけて要塞を見学し、たくさんの砲台を見てきましたので、せっかくなら、最後にそれをぶっぱなす場面で締めくくりたいなあ、なんて。
この儀式は毎日夜20:40から行われておりまして、カバーニャ要塞は、18:00までの入場料は6CUC(600円)なのですが、夜18:00以降は(800円)となります。
20時過ぎくらいから徐々に大砲の周りに人が集まりはじめ、20:30には人々が密集した状態。そして20:40、スペイン時代の制服を着た兵士のみなさんが、太鼓の音と掛け声とともに入場してきました。
いわゆるコスプレです。
大砲の周りを行ったり来たりする兵士の方々。
これが火を噴くわけですね。
たくさんの観客たちは、いつ着火するのかとドキドキわくわく見守ります。
何かしらの掛け声をかけたり、行進してみたり、大砲に火薬を詰めたりと、けっこう焦らす感じで、一連の儀式が終了。
そして、いよいよ火が登場。人の密集度がすごくて写真がブレてしまいました。
それまでざわついていた観客もしーんと静まり返り、大砲と兵士さんに視線集中。いったいどれほどの衝撃なのかわからないので、念のため耳を押さえている人もいます。
そして21:00、ついに着火!!! ……
ドンッ
写真は、これ、瞬間ビクッてしたから。ものすごい音がしました。心臓にきたー!!
発砲は1回だけで、終わるとまた太鼓と掛け声で兵士たちは去っていきました。あ、念のため言っておきますが、
大砲は、実弾ではありません。あたりまえです。
(てっきり実弾だと思ってた)この位置、この距離、この角度で実際に大砲ぶっぱなしたら、ハバナ旧市街もろに直撃。「カリブの真珠」とうたわれる美しい街並みまるごと火の海です。
カバーニャ要塞内にはたくさんの部屋があり、レストランやギャラリーとして使われているのですが、その中でも見逃せないのが「チェゲ・バラ博物館」。
そして、カバーニャ要塞から徒歩15分の場所に「チェゲバラ第一邸宅」もあり、ゲバラ好きには見逃せない場所となっております。
そんなチェ・ゲバラ情報は明日の投稿にまわします。あと、ここからホテルに帰るまでにちょっとしたトラブルがありましたが、それも明日にします。それでは本日も最後までお付き合いくださってありがとうございました。
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