キューバ(39)事故レベルの盛り上がり!! ラスパランダス@レメディオス
現在世界一周のようなことをやっております私は、キューバのレメディオスという町に滞在中。本日は、私がキューバを訪れた最大の目的「ラスパランダス」というお祭りの本番当日でございます。33年生きてきて、これほどの破壊的・攻撃的なフェスティバルは初めてでございました。本日はその様子をお伝えいたします。
【現在地】レメディオス(キューバ)
Remedios(Cuba)
【気温】30度(昼)
【天気】晴れ
【通貨】1CUC=約115円、1CUP=約4円
パレードの音で始まるラスパランダスの朝
2017年1月7日、朝7時。突然聞こえてきた陽気なバンド演奏の音。
え、もう始まったの!? イベントは午後からって聞いてるんですけどー!!
慌てて道路に出てみると、ちょっとした楽団と50人くらいの人々のパレードが通り過ぎてゆきます。
みなさん早起き!! 意識たけぇなあ。
眠たい目をこすりながら後をついていくと、町の中心にある広場までやってきました。公園にはすでにたくさんの人が出てきていらっしゃいます。
何か始まるのかなあ、なんて楽しみに眺めておりましたが、意外と何も始まらない。
あきらめて、いったん滞在中のカサへと引き返します。
はじめてこのブログを読まれる方のために簡単にご説明いたしますと、ラス・パランダス(Las Parrandas)とは、毎年12月24日のクリスマスイブにここレメディオスで行われるお祭り。
祭りのタイトル「ラス・パランダス(Las Parrandas)」は日本語で“バカ騒ぎ”“どんちゃん騒ぎ”を意味しておりまして、500年以上も続く伝統的な祝祭ではあるのですが、それはもう常識を無視した賑やかで激しく破天荒に大騒ぎしまくる行事なのです。
敬虔で厳かなイメージのクリスマスイブ。ところがレメディオスのラス・パランダスはその限りではありません。サンタクロースもびびって近づけないようなとんでもない催しが夜を徹して繰り広げられるのです。
ところが、昨年2016年のラスパランダスは、前国家元首フィデル・カストロ氏逝去のため延期となってしまいました。この国の情勢やタイミングを考えれば当然と言えば当然。しかし、そんなことも知らずに、しっかりクリスマスイブに合わせレメディオス入りし、イベントの開始を心待ちにしていたのが2週間前のこと。
悲報。レメディオス延期するってよ、というお知らせを聞かされ落ち込んだのも記憶に新しいのですが…。2週間前の投稿はこちらです。
悲しみに暮れる私でしたが、なんとなんと、延期された新たな日程は、クリスマスの2週間後、2017年1月7日っていうじゃないですか。とくに理由もなく1か月間のキューバ滞在を予定していた私は、なんとまだキューバにいる…。なんだ、参加できるじゃん!!! と大喜び。その様子はこちらをどうぞ。
そうしてやってきました、レメディオス(再)。到着したのは、昨日の午後でして、イベント前夜の様子はこちらでチェック可能です。
こんなふうに紆余曲折ありながらも、なんとか迎えることができたラスパランダス当日の朝。
2週間前にも泊めていただいたカサに今回も滞在しておりまして、オーナーオマラさんに9時に朝食をお願いしてありました。まずは朝ごはん。5CUC(約550円)。
懐かしい朝ごはんです。
おいしさをかみしめながらふと左側を見ると、
あぁっ!!! ビカービカの黄緑色のトカゲ!!
ガサガサと茂みの中から出てきて、目の前の壁に張り付きました。
みなさん覚えていらっしゃいますでしょうか? 覚えていらっしゃらないと思いますが、2週間前も、このトカゲいたんですよ。こちら2週間前の写真。
カサを切り盛りするオマラさんとその娘さんも私が本当に戻ってきたことをすごく喜んでくれましたが、この黄緑色のトカゲまでもが「おぅよく来たな」と歓待してくれている気がしてうれしくなります。
朝ごはんを食べ終えて出かけようとする私に、オマラさんがニコニコしながら言います。
「いよいよ今日ね!! 夕方5時くらいからがすごいから!
バンバンバーン!! って! 」
言葉があまり通じない場合、擬音語というのは非常に便利。そう、この“バンバンバーン!! ”という擬音語こそまさにラスパランダスの代名詞。要は、火薬的な、花火的な、爆発物的な、そんなお祭りです。
広場に行ってみると、何やら厳重な柵が張り巡らされております。
扱うものがものですからね。観客の安全を考えると、このくらいしっかりとした柵が必要となってくるのです。
それから、おしゃれなフラッグが多数用意されております。
これは、軍旗というか、陣営のシンボルを描いたフラッグです。ラスパランダスにも一応「主旨」というものがありまして、それは、
「雄鶏チーム(San Salvador)」と「雌鶏チーム(El Carmen) 」によるアツい戦い。
レメディオスの町を2つにわけ、両陣営がバトルを繰り広げる、と。しかしまあ当然銃撃戦とか殴り合いとかそんな直接的な戦闘ではなく、町中総出で、“バンバンバーン!! ”を繰り広げ、その派手さや激しさを競うというコンセプトなのです。
開始までまだ時間があるため、昨日の夜から道路をにぎわせている屋台エリアへとむかいます。
キューバで一押しのスウィーツ「チュロス」を購入し、かじりながら町をうろうろ徘徊。
15時半、ちょっと早いかな、と思ったものの再び中央広場に行ってみるとかなりの人!
周囲にはこのようなセットが…。
おぅおぅ、なかなか物騒じゃねぇか。
これよこれ!!
これが例のバンバンバーン!! ってなるやつでしょー!!
こんなにたっぷり用意しちゃって大丈夫ですかぁぁぁぁ!!
この危なっかしい感じに、興奮をおぼえる私は変態なのかもしれません。広場の反対側へ行ってみると、こちらもだいぶ臨戦態勢。
こっち陣営、けっこう大きいの仕込んでらっしゃるー。
穏やかじゃないものが地面に無造作に転がっています。
スタートは17時と聞いていますが、まだ16時前でこの状態ですよ。ちなみに、ラスパランダスのメイン会場である中央広場周辺の状況はこのようになっております。
海の仲間たちとかアバターとか、意味が分からないと思いますので、詳しく知りたい方は、昨日の投稿をご覧ください。
火薬類に包囲された中央公園。その内側に陣取って周囲を観察。点火用の火元なんてもう火炎瓶にしか見えません。
そうして人々がフラッグ(軍旗)をかざして公園に入場してきます。
おぉーこれからパレードとかはじまるのかなぁなんて悠長に構えていた矢先…
バーンバンバンバババ!!!
!?
えぇぇぇえええぇぇ!!?!!?
はじまったぁぁぁぁ!!
5時って! 5時って聞いてるんですけどぉぉぉ!!
どうやら開始時間は4時からだったようで、おまけに私の立ち位置は、まさかの最前線。
突如はじまった銃撃戦のような一斉掃射を浴びながら逃げ惑う人々。っていうか逃げ惑う私。ラスパランダス開始直後、なおかつ私の必死さが見え隠れする動画はこちらです。
そうして命からがら避難したのが、公園のど真ん中にある屋根付きの施設。
(ハァハァ やべぇぞこの祭り)
身の危険を感じながらも、とりあえず、この屋根の下に入っていれば、上からロケットランチャー、ではなくロケット花火が降ってくるのを防ぐことができそうです。
こうして最前線でありながらも、安全な場所に避難し、花火の様子を見守ります。
脳と心臓に響くすさまじい破裂音と爆発音。あっというまに火薬がスタンバイされていた場所は煙に包まれ、
足元には飛んできたロケット花火が散乱しています。
公園の周囲ほとんど火薬地帯ですので、実質避難しきれていないうえに、どこにも逃げ場はありません。とにかくここの緊張感ったらないです。
想像をはるかに上回る勢いで打ち上げられる花火をぜひご覧ください。
連射力、火力ともにすさまじい花火の応酬は、さながらガトリング。
上の動画の集中豪雨のようなザーッという音は、すべて花火が放たれる音です。花火の勢いに比例して、観客のテンションも急上昇。異様な盛り上がりを見せる公園中央の最前線にある避難所。
あたりはまるで戦場のよう。
実は、キューバで知り合ったラス。パランダス経験のある日本人の方からは「あー、あれねー、なんか文化祭みたいな感じだよー(失笑)」と聞いていた私。
こんな危なっかしい文化祭があるか!!
こんなにも命の危険を感じる祭りだとは予想しておりませんでした。人ごみにロケット花火が突っ込んでくる光景があちらこちらで見受けられ、すぐ目の前にも灰や火のついた花火が落ちてきます。途切れることのない爆発音はすでに1時間以上続いている。
花火の激しさ、派手さを競っているのですから、当然、安全は二の次。
あの白煙の向こう側で次々と花火に点火しているんですね。
ちょ、ちょっと興味あるかなって…。どんな感じになってるか…。
軽い気持ちで近づいてみたらガチの修羅場でした。ドキドキしながら撮った動画がこちら。
ラスパランダスやばいじゃん!!!!
超楽しいじゃん!!!
花火の勢いが激しくなればなるほど、人々の歓声も大きくなり、周りの人々との一体感がどんどん心地よくなってきます。こんなに危ない場所にいるのに、わけもなく楽しくって、笑いがこみあげてくるから不思議。
周りにいる地元の方々も、怖いとか危ないとかそんなような素振りは一切見せず、みなさん悠然と構え、時折楽しそうに笑っています。
分泌されているんでしょうねえ、アドレナリン的なやつが。
これが日本であれば、現在の状況は完全に「事故」。運営の責任者なり、上層部なり、実行委員会なりが何かしらの刑事処分を受けてもおかしくないほどの火薬の炸裂っぷり。
いやーほんとスカッとするわぁー!!!
ラスパランダス開始から3時間経過。いい感じに盛り上がってまいりまして、さあもっと火薬を! なんて思った矢先、
突然の雨…。
さっきまであんなに晴れてたのに…。
予期せぬゲリラ雷雨の襲来を受け、ラス・パランダスまさかの途中終了。
人々は小走りで公園を出て行ってしまいます。
え、ちょ、待って…
こんなにあっさり終わっちゃうの…?
今にも振り切れそうだった最高潮のテンションから急に現実に引き戻されて唖然とします。ほんっとにキューバと私の相性は悪い。キューバにどれだけ跳ね返されても食らいついて、やっとの思いでまたこの町にやってきたというのに…。
悲しい気持ちでカサに戻り、窓を開けるとこのありさま。
サンダーストームにもほどがある。がっくりとベッドに倒れこみます。
あーあ、楽しみにしていたラス・パランダスもなんだか不完全燃焼に終わってしま
ってなーい!!!!
バンバンバーン!!
またしても花火の大音量!! 窓を開けると…
時計を見ると19時。雨はやみ、再び花火が!!
夜の部もあんの!?!?
さあ、夜はこれから。ラスパランダスが最も盛り上がる時間帯に突入です。というか、昼間とは比べ物にならないくらいすごかったです。が、続きは明日にさせていただきます。本日も最後まで読んでくださってありがとうございました。ではまた明日ー。
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