サザンクロス街道@マダガスカルで立ち寄りたい5つの町
このページは、マダガスカルにある「サザンクロス街道」通称「ルート7」沿いにある魅力的な町を紹介しています。マダガスカルの首都「アンタナナリボ(Antananarivo)」から南部の町「トゥリアーラ(Toliara)」を結ぶ約1000kmの国道7号線。
このルートを南下もしくは北上するのが、現在マダガスカルで最も注目されている旅のスタイル(らしい)。中央高地にあるアンタナナリボから、熱帯雨林、岩の大地、乾燥した砂漠地帯を抜けて、美しいビーチのあるトゥリアーラまで。万華鏡のように劇的に変わる景観と、大きくはないけど個性豊かな町と、そこに暮らす人々の生活を眺めながらのんびり旅をするのって素敵。
私のルート選定では、トゥリアーラ発アンタナナリボ着の北上ルートなので、南から順番におすすめの町を紹介していきます。
■サザンクロス街道ROUTE MAP
図のハイライトしてあるルートが「サザンクロス街道」。
■移動手段:タクシーブルース(Taxi-Brousse)
名前がかっこいいけど、ただの乗り合いバン。もしくは乗り合いトラック。屋根にたくさん荷物を積んで、中にたくさん人を乗せて町から町へと走ります。
冒頭、このサザンクロス街道縦断をすごく素敵ジャーニーみたいに書きましたが、実際は、相当キツいみたいですよ。
タクシーブルース、乗車率200%(笑)になることもあるらしく、なかなか過酷な乗り物として有名。多くの旅人を苦しめ、荷物を破壊し、トラウマを植え付けたという恐ろしい乗り物。マダガスカルの悪路と、ワイルドな運転をするドライバーのテクニックも相まって、旅慣れたバックパッカーですら乗るのを躊躇するほど身の毛もよだつ移動手段。
悪路乙~。
悪路はみんなで押す。
故障もみんなで押す。
これは事故。
田舎によくある、満員になったら出発するタイプの公共交通機関で、発車時間なんてあってないようなもの。ほんとにほんとにいつ出発するか分からないらしいです。
『銀河鉄道999』の「C62の反乱」というお話にでてきた”時間を食べるテスト”みたいだ。いつ出発するともわからないタクシーブルースを、カオスのようなバスターミナルで延々待つ。いろんな意味で試されるなあ~。
マダガスカルの人々の生活に欠かせないタクシーブルースですが、故障も日常茶飯事。そんな乗り物で1,000km走破するという、とってもドMなルートをご紹介します。
■通貨:マダガスカルアリアリ(表記単位:Ar)
100Ar=5.7円 ※2015年12月現在のレート(本ページの日本円換算はこのレートを用いています)
【1】トゥリアーラ(Toliara)
チュレアールとも呼ばれる、マダガスカル南部にある街。トゥリアーラ州の州都です。この町の周囲には、まるでパラダイスのようなビーチリゾートが点在しています。サザンクロス街道の端、出発地点もしくはゴール地点になる町。
周りに超絶きれいなビーチリゾートがあるにも関わらず、このトゥリアーラのビーチは干潟みたいになっていて、海水浴なんてできる状態ではありません。
っていうか牛!? そして、見どころと言えば、シーラカンスに会える「海洋博物館」と、マダガスカル南西部の植物を見られる「アンツカイ植物園」くらい。長居してじっくり観光、という感じではないかな。ということで、ここから首都アンタナナリボ目指してサザンクロス街道をいざ北上! まず目指すのは、「ラヌヒラ」という町。
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タクシーブルースで約3~4時間
料金:Ar15,000~Ar25,000(855~1,425円)
トゥリアーラからラヌヒラまでの便は1日数本。
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【2】ラヌヒラ(Ranohira)
“マダガスカルのグランドキャニオン”と呼ばれるイサロ(イサル)国立公園の玄関口「ラヌヒラ」。イサロ国立公園は、ガイドなしでは入れないので、町のMNPオフィスで手続きし、自分の希望のルートや日数を申し込む。最短だと日帰り、長いと数日かけてまわるコースもあります。ガイドは声をかけてくる人と交渉なのかも。自分がまともな値段でガイドを雇える気がしないです。
■イサル国立公園(Parc National de I’Isalo)
大きな大きな砂岩が、長い年月を経て、雨や風に浸食されながら出来上がったとてもユニークな景観がみどころ。”グランドキャニオン”と言われるくらいなので、地層の見え方や、奇岩もたっぷり見られます。確かに、そういわれるとグランドキャニオンぽい気がしなくもない。
さらに、森、岩山、滝、湖、渓谷、断崖絶壁などなど、おもしろい風景を手あたり次第詰め込んだような、表情豊かなトレッキングが楽しめるそう。しかも、マダガスカルらしく、キツネザルやら野鳥やらめずらしい生き物も豊富。
私が行きたいスポットは、国道7号線沿いにある「イサルの女王」という砂岩。冠を付けた女王のように見えるからだそうです。
そういわれれば、女王の冠に見える気がしなくもない。
それと、「イサルの窓」と呼ばれるサンセットが美しく見られるところ。
おぉ~。フォトジェニックな岩です。あと、まあこういうこともするよね~。
入場料:Ar25,000(1日)
トレッキング料:Ar30,000~(約1,710円~)行く場所による
ガイド料:Ar20,000~(約1,140円~)英語だともっと高いかも
このラヌヒラから次の町「フィアナランツア」までの景色が、サザンクロス街道の中でも最も印象的なハイライトだそうです。”ドラマチック”とまで表現される、それは雄大なパノラマを車窓から眺めることができるらしい。
ボネドパップ(Bonnet de pape)、日本語で「ローマ法王の帽子」と呼ばれるテーブルマウンテンもこの区間にあります。
季節によっても全然表情が違いますね。
できることならぜひ窓側に座りたい。でも、悪名高いタクシーブルースでそんな融通効くのかな~。
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タクシーブルースで約5~8時間
料金:Ar18,000~(約1,026円~)
ラヌヒラからアンバラヴァウまでの便は不明ですが、その先のフィアナランツア行きのバスに乗って途中下車することになるのでは、と思います。もしくはそのままフィアナランツアまで行っちゃうか。1日5~6便。
※ラヌヒラ発のタクシーブルースは無いので、国道7号線の道路でフィアナランツァ行きをつかまえるしかない。
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【3】アンバラヴァウ(Ambalavao)
この町の見どころは、「アンタイムル紙工房(Papier Antaimoro)」とワイナリー。私はお酒が飲めないので、ワイナリーはスルーですが、アンタイムル紙工房はぜひ訪れたいと思っています。上の写真をみていただくと分かると思いますが、なんともラブリーでキュート。お花がちりばめられた紙は、アンタイムル族という民族の伝統的な紙漉き技術だそう。
日本の和紙みたい。乾くとこんな感じになります。
これで日本にハガキとか送れたら素敵だな~とは思いますが、アフリカ発でこのハガキが無事日本までたどり着ける気がしない。
■アンタイムル紙工房
場所:ホテル・オー・ブガンビレと同じ敷地内にある。
営業時間:7:30~17:00(月~土曜)※11:30~13:00は休憩。7:30~11:30(日曜)。
そんなに派手なみどころはないけれど、このお花の紙はとても魅力的。どうしてもたくさんお土産を買うことができないバックパッカーでも、紙なら持って帰れるし!
アンバラヴァウへは、次の町「フィアナランツア」から日帰りで訪れることも可能です。
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タクシーブルースで約1時間30分
料金:Ar4,000(約228円)
7:00~16:00の間に運行。
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【4】フィアナランツア(Fianarantsoa)
ここ、あんまりこれといった見どころないらしいです。ただ、マダガスカルの南部と西部をつなぐ中継地点として、交通の要所になっている町。近くにマダガスカル唯一のティープランテーションと国内最大級のワイナリーがあります。せっかくなので、紅茶とワインを堪能してゆっくりするのがよいかと。
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タクシーブルースで約6~7時間
料金:Ar9,000~Ar12,000(約513~684円)
フィアナランツアからアンツィラベへの便は1日3~5本程度。
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【5】アンツィラベ(Antsirabe)
宝石の産地が近いため、ジュエリーが名産のアンツィラベ。ラヌマファナ湖(Lac Ranomafana)の周囲に広がる小さな町。ラヌマフィア湖って、現地の言葉で「温かい水の湖」。ん? もしかして…。そう、この町には温泉があるんです! ラヌマファナ湖の湖畔にある硫黄の温泉。午前中だけの営業だそうですが、こんなところで温泉に入れるなんて、素晴らしい! きっと長時間のタクシーブルースで体を酷使した後なので、温泉を120%堪能できることでしょう。
ところで上の写真、見えますか、小さな人力の乗り物。その名もプスプス(Pousse Pousse)。
東南アジアでいうトゥクトゥクが、ここアフリカでプスプスとして活躍しているとは。
それにしてもこの勤務態度。お金稼ぎたいという気持ちは微塵も感じられません。このプスプス、別にこの町だけでなく、マダガスカル中にいるっぽいけど、この町はとりわけ数が多いそうです。
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タクシーブルースで約3時間
料金:Ar8,000~Ar10,000(約456~570円)
アンツィラベからアンタナナリボへの便は1日10本程度。
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【ゴール】アンタナナリボ
まだまだ未舗装の悪路が多いマダガスカルですが、このサザンクロス街道、通称「ルート7」だけはまだマシだそう。お金に余裕があるなら、タクシーブルースではなく、4WD車をチャーターするのがベスト。ただ、1日100USD前後+燃料代がかかります。お金に余裕がないなら、ぜひチャレンジしてみましょう!
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