スワジランド(3)これぞ温故知新! スワジ文化村でダンスと歌に酔いしれる
スワジランドという国に滞在しております私は、現在アフリカ北上中。そして世界一周中。本日はこの国1番の観光地と言っても過言ではない「スワジ文化村」へ行って参りました。伝統的な様式のお家や、スワジ文化を代表するダンスや歌を楽しめるというその場所は宿から徒歩圏内にありまして非常に便利でございます。
【現在地】エズルウィニ(スワジランド)
Ezuluwini(Swaziland)
【天候】晴れ
【為替】1エマランゲニ=1ランド=約7円
スワジランドのカルチャーについて
スワジランドについて全く知識のなかった私ですが、さすがに滞在中にいろいろとスワジランドの文化や歴史について学びました。今なお世襲君主による統治が行われているスワジランド。国をまとめる王様がいらっしゃるのです。そして、一夫多妻制も認められています。私にとっては残念なお知らせですが、男性の地位が女性より圧倒的に高いんだそう。
そんなスワジ王国は「自分より強い者とは戦わない」という不戦主義を貫き、イギリスが攻めてきたときにも、それに歩み寄る姿勢をとりました。そして、西洋化を受け入れながら存続、発展してきたといっても過言ではありません。そういうスタイル、嫌いではありません。
そんな歴史を知れば、確かに昨日の投稿で書いたように、失礼な話、アフリカとは思えない近代化・都会化して清潔感たっぷりの町ができあがったのにもうなずけます。
しかしこの国は「近代化し発展していきたい」という気持ちと同じくらい「古くからの伝統もしっかり守っていきたい」という気持ちも強いのです。
そんな“スワジランドらしさ”がとてもよく表れているのが「スワジ文化村」。
私が宿泊しているLEGENDS Backpacker Lodge(レジェンドバックパッカー&ロッジ)からは歩いて行けちゃいます(宿の詳細はこちら)
徒歩約30分といったところでしょうか。
宿からはどんどん山奥に入っていく形になりますので、お天気の良い今の時期はきれいな景色をながめつつ楽しいハイキング。
でこぼこした未舗装の道路ではありますが、ちゃんと看板も出ておりますので迷うことはないと思います。
ゲートで名前と人数を紙に記入してもらい、レセプションで申し込み。ここで入場料100ランド/エマランゲニ(約700円)を支払います。
レセプションから文化村の本体までは約1km。周りの景色を眺めたり、
こんな看板を発見して
「ほんとにワニいんのかな」と川を凝視しながらワニ探しに夢中になっていると、あっという間です。
そうして見えてくるのが村の入り口。
おぉ!! なんかそれっぽい!!
伝統的な様式で建てられた家、そして村を再現しています。ここに入ると、民族衣装を身に着けたおじさんがいろいろレクチャーしてくれ、それから村の内部へと進みます。
民族衣装の上にジャンバーを羽織っていらっしゃる感じ、シュールです。ディズニーランドなんかでキャストの方がこういうことやるとたぶんすごく怒られると思うんですけど、なんせ今冬ですから。寒いんですよ。わかります。
内部にはたくさんの猿が。
これは施設の一部ではありません。
まず通されたのは、女人禁制、男性専用の調理スペース。
男性しか入れないこのエリアの鍋で料理するのは、狩ってきたヤギの
頭と足。
他のパーツは、通常のキッチンへと運ばれ女性が料理をするそうですが、頭と足だけは、断固女性には触らせない、と。
その理由に関してですが、
まず頭。これを女性が口にすると、男性より頭が良くなってしまうと思われていたから。そして足。これを女性が口にすると、男性の元から逃げて行ってしまうと思われていたから。
なるほど。奥が深いです。
こちらは、スワジクラフトと呼ばれる伝統的なアクセサリー紹介兼おみやげ販売。
民族衣装を着たおばさまが売っていらっしゃいます。
こちらはビーズで作られた伝統的なモチーフのネックレス。
昔は、男の人がこのネックレスを女性にプレゼントし、女性がそれを身に着けてくれたら、それはOKのしるし。もし身にに着けてくれなかったら、それは「ごめんなさい」のしるしだったそうです。分かりやすくていいですね。
そしてこちらがグランドマザーの家。
一夫多妻制が認められておりますから、グランドマザーはたくさんいるのでは…と思いきや、やはり、第一婦人の地位がもっとも高いらしく「グランドマザー」と崇められ特別な住居に住むことを許されるそうです。
こちらは中に入ることができます。中はすごくひんやりしておりまして、暑い夏でもこれなら快適に過ごせそう。
内部の立ち位置は決まっており、入って右手が男性、左手が女性だそう。
こちらはベッドとまくら。
ベッド!? 寝心地は…うーん。
こうして村の中を案内してもらったあとは、伝統舞踊と歌(ゴスペル)の鑑賞へ。ちゃんと専用のステージがあるんですよ。
猿も観賞しにやってきました。
こちらのパフォーマンス時間は、11:00と15:00の1日2回だそうです。
さあいよいよキャストさんの入場です。
最初は独身女性のダンス。
続いて、既婚女性のダンス。
あのさぁ、そんなにはっきり衣装を分けなくてもよくないですか。
とは思いますが、これも伝統。既婚女性のみ、ヤギの毛皮を身に着けることができるそうです。黒いふわっとしたのはヤギの毛です。
どちらの衣装も素敵なんですけどね。
続いて男性のダンス。
衣装が…ポーズが…なんだか…
か、かわいい///
リードダンスと呼ばれるスワジランドの伝統舞踊の特徴は、なんといっても、
足をガッと上まであげること。片足をね、こう、おでこにつくぐらいまでガッと。
男性も女性もやってらっしゃって、これがかっこいいんですが、「ガッ」の動きがあまりに早すぎて、写真でその瞬間を押さえるのが難しかったです。
私が行ったときは、どこかの学校の学生さんもいらっしゃっていて、この伝統舞踊に大盛り上がり。
かっこいい男性のダンサーが、パフォーマンスの一環で、どんどん観客の方に近づいてきます。
わああ、これたぶんステージに無理やり連れてかれるやつー!!!
こんなときうまく立ち振る舞えない私は、こっちにダンサーが近付いてきて大慌て。
やばいやばいこっち来る!!!
踊りながら近づいてくるダンサーさん。非常に申し訳ないのですが、恐怖心しかありませんでした。
しかしながら、連れていかれたのは女生徒さん。
あぁよかったとほっと胸をなでおろしました。
人間結局かわいいのは自分ですからね。
とはいえ、女生徒さんを盾にして保身に走ってしまった自分が情けないです。
こうして大盛り上がりのダンスショーが終了し、こんどはさらに観客を巻き込んだパフォーマンスに。
観客が何人か前に出されいっしょにダンスを踊るというやつ。今度こそ連れていかれるんじゃないかという恐怖におびえながら、必死で顔を伏せたのは言うまでもありません。
絶対に私のところには来てくれるなというオーラを全力で出し、なんとか回避。
あぁ楽しそう。こういうとき、我が我がと手を挙げられる人に憧れます。
そしてラストはみなさんによるゴスペル歌唱。
スワジランドの言葉なので、どんな歌詞なのかまったく不明ではありますが、それはもうすごく美しいハーモニー。楽器は、太鼓と笛だけという非常にシンプルなものですが、声の重なりがとても重厚。なのに、なめらかで、とても癒されるミュージックです。
屋外なのになぜかぶわぁっと響くんですよ。すごく素敵な歌のパフォーマンスでした。
そういえば、スワジランドの乗り合いバスの車内ではいつもこんな感じのゴスペルが流れておりますなあ。
歌が終わると、みなさんバイバーイ! と手を振ってフィナーレ。
とても楽しかったです。ありがとう。
滝で締めくくるまでが1セットみたいです
こうして約45分にわたる盛りだくさんのパフォーマンスを堪能した後は、村のさらに奥にある滝を見に行って終了。
この滝がどういったものなのかよくわからないのですが、滝というのはそういうもの。一応、ここまでで1セットな感じで、みなさん見に行かれるようです。
ちなみに冬ですと、15時すぎからのパフォーマンスのあと滝に行くと、すぐに日没がおとずれだんだんと暗くなってしまいます。可能なら、13時ごろには到着し、村の観光&滝を済ませてからパフォーマンスという流れがよいのではないかと思います。
ヒ、ヒッチハイクじゃないんだからねっ!!
暗くなる=外出禁止令の私は、徐々に暮れていく空に「やばい! やばい! 」と急ぎ足で帰路につきました。と、後ろから1台の車がやってきます。観光中に仲良くなった、南アフリカからいらした2人のかわいい女の子とそのおじいちゃん&おばあちゃんの車です。
女の子は、観光中に私が日本人だというと「SUSHIー!! SUSHIー!! 」となぜかおおはしゃぎ。いっしょに村を見て周り、ダンス観賞も隣に座ったのですが。私の写真にたくさん写ってるww
その子たちが、窓を開けて言います。「乗って行くー?? 」
一瞬迷いましたよ、一応ね。
でもさすがにこれ危険じゃないでしょ。
ありがとうとうなずくと、後部座席の女の子2人が嬉しそうに私に席を空けてくれて、運転席のおじいちゃんと、助手席のおばあちゃんもニコニコと私を車に迎え入れてくれました。
こうして宿まで送っていただきまして、なんとか真っ暗になる前に戻ることができました。短いドライブでしたが、お互いに「旅を楽しんでね! 」と言ってお別れ。
古きを温め新しきを知る
先日訪れた「ナミビア」という国。ここの「オプウォ」という村周辺では、今なおヒンバ族、デンバ族、ヘレロ族などの少数民族のみなさんが昔ながらの衣装や生活様式で生活していらっしゃいました。
はしゃぎすぎた私の暴挙も記憶に新しいのですが。投稿はこちら。
しかしこちらのスワジ文化村はそうではありません。お家も観光客用に作ったもので、誰かが生活しているわけではない。伝統舞踊を披露してくれる方々も、何かの儀式ではなく観光客のためにやってくれているのです。キャストのみなさんだって、民族衣装を着て毎日生活していらっしゃるわけではなく、ここではコスチューム。
言うなればここは昔を再現したテーマパークです。
しかし、だからといって、偽物だから意味がないとかそういうわけではないのです。どういった形であれ、伝統を守り後世に伝えていくのは大切なこと。
ダンスと歌のパフォーマンスが終わった後にお手洗いに行ったら、パフォーマンスが終わったばかりの女の子たちが、普通の服に着替えて身だしなみを整えていらっしゃいました。キャッキャおしゃべりしながら楽しそうに。
なんかこういうのもありだなあと思いましたよ私は。
だって、民族舞踊の時の若者たちの盛り上がりっぷりは本当にすごかったですもん。近代化とともに、どうしても消えて行ってしまう古くからのスタイルはちゃんと若い人たちにも受け継がれているんだなあと感じました。
わずか100ランド(約700円)の入場料でこれだけ濃い内容を楽しめるなんて、スワジ文化村のポテンシャルはんぱなかったです。
それでは、本日はこれにて終了とさせていただきます。最後まで読んでくださってありがとうございました。
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