【世界一周出発前夜】この締めくくり方は新しいパターンかもしれない
わたしのブログはいつも長いので、今日もたぶん長いと思うのですが、っていうか今日なんてとくに長いに決まってるんですよ。
なんせ、世界一周出発の前日ですからね。
いつものようにダラダラと思いのたけを書き連ねて「この人結局何が言いたいんだろう」なんて要点がよく分からなくなる前に言っておこうと思います。
世界一周準備に費やしたこの半年は、今まで生きてきたどの時間より楽しかったです。
世界一周に行くことを決断しなかったら、このエキサイティングな期間を味わわずして死ぬとこだったと思うと、
あっっっぶねー!!
ってなります。いやいやほんと危なかった。もう少しで体験しそびれるところでしたからね。これほどもったいないことはない。
準備期間中というのは、道具を買いそろえたりする物理的な準備もそうですけど、心の準備をする期間でもあります。
いつになく真剣に悩んだり、時折切なくなってみたり、何気ないに日常が突然輝きだしたり、忘れていた気持ちを思い出したり。ものすごい振れ幅で様々な感情に襲われる。さらに言うと、新たな出会いや別れもあったりなんかして、とにかくいろいろな出来事がありました。知らなかったこと、気づいてなかったこと、見ないようにしていたことが、いっぱいあったんだなあと思い知らされました。
そのすべてが今までに味わったことのない貴重な経験で、今の時点ですでに「世界一周やってよかった」って思ってます。まだやってないんですけど。将来路頭に迷って、段ボールと新聞紙とブルーシートでできたおうちで生活することになっても、この半年の思い出を糧にがんばっていけるような気すらします。
「準備期間」という貴重な時間はもう二度とやってきませんので、私はあらゆることに全力をそそぎ、どのようなことでも常に本気で取り組みました。この時間は世界一周に旅立つための助走であり、序章。
あ、なんかいいこと言った風。
世界一周を決めてから始めたこのブログも「世界一周準備に役立つ、ためになる情報がたっぷりと詰まっているブログ。有益な情報の宝庫。とりあえず、他のブログは読まなくても、これさえ読んどけばおけ」って言われるような内容を目指してがんばってきたつもりです。
しかしまあ、はっきり言ってほとんどが悪ふざけで、むしろ「こういうふうにしてはいけません」の見本帳なんじゃないかなっていう現実。どうぞ笑ってください。
毎日毎日バカな投稿を繰り出したばっかりに「ほんとに何も知らない人が鵜呑みにしちゃったらどうしよう」という不安しかありません。あの、フィンとか全然必要ないし、荷物は軽いに越したことはないですからね。あと「おしゃれ」か「機能性」かの2択を迫られたら、迷わず「機能性」を選んでください。
あまりに好き勝手書きすぎて「もうこいつさっさと世界一周行っちゃえよ」って思われた方も少なくないと思いますが、まあ明日行っちゃうんで、最後までお付き合いくださいよ。
世界一周へと出発するのを翌日に控えた人間が何を思っているかというと、こんなことこのタイミングで言うのもあれなんですけど、
「世界一周なんて、絶対に、楽しいことばかりじゃないんだろうなー」
と思っています。
「世界一周」、「アフリカ縦断」、「中南米ぐるっと」。こういうことをやっている先人たちのブログを見るとさ、まあ、辛い目にあってらっしゃる。誰もがドン引きするような事態がそこかしこで起こっている。目を覆いたくなるような現実。
騙される、盗られる、差別される。様々な理由で移動もスムーズにいかないし、電気水道などのライフラインも全然整ってない。変な虫に刺される、お腹をこわす。
私は旅の情報収集をする過程で、このへんのことをものすごく刷り込まれていて、「私も嫌な思いをすることがあるかもしれないし、下手したらトラブルなんかに巻き込まれてしまう可能性だって十分ある」みたいなことがいつも頭の片隅にありました。
だから、私はこのブログで「世界一周を楽しみたい」という表現をあまりしていないと思います。
世界は私ごときの努力と根性と、あと色気でどうにかなるほど甘くはない。「私だけは大丈夫」なんて保証はまったくないし、主人公補正も当然きかなくて、容赦なく残念な目に合うと思う。どうやら“楽しい”だけじゃないんでしょ? 知ってる知ってる。
だから、命とパスポートと旅を続けるお金が残れば、少しのトラブルは甘んじて受け入れようと思います。嫌だけど。それはもう本当に嫌だけど、そう思ってないと、あっという間に心をへし折られるような気がします。
“楽しみたい”を使わなかった代わりに、よく使った言葉は、“輝きたい”。
私にとって、“輝く”というのは、夢中になって何かをやること、必死になって何かをやること。
時間を忘れて。
我を忘れて。
そうして生き生きと人生を謳歌している状態が“輝く”です。
送別会でよく聞かれたのが「今楽しみで楽しみで仕方ないでしょ? 」っていう質問。
正直、楽しみで楽しみで仕方ないってほどではないですよ。今まで行ってきた旅行でも、手放しで無条件に「どんな楽しいことが待ち受けているんだろう」といいことだけを欲しがって期待に胸膨らませたことはあまりないかもしれません。
だって、実際あんまり楽しくなかった場所もありましたもん。下手にこれまで訪問した国数が多いだけに、よく言えばフラットな状態。悪く言えば冷めてる。
なんせ行ったことがないんだから、その場所が私にとって素晴らしい場所だという保証はないわけですよ。行ったら「うわーここ合わないなー。早く帰りたいなー」ってなる可能性だって全然ある。
でも、それって行ってみなければわからなかったことであって、本やインターネットでは知りようがないんです。どんなにたくさんのメディアで「楽しいよ、素敵だよ」と謳われていたとしても、正確なところはわからない。
なぜなら、単純な情報は別として、そこには書き手の主観が必ず介入してくるから。
「すごくいい国でした。楽しかったです」
ふーん、そうなんだ。いい国なんだー。でも、それは私が感じたことではない。そう言っている人はそう感じたのかもしれないけど、それは私ではないんです。
その逆もありえる。みんなが「ひどい国だった」と言ったって、私にとってはものすごく素晴らしくて大好きになってしまうかもしれない。
だから、旅は、やめられない。
旅なんて、単純に興味のあるその場所に行き、何をするでもなくただ普通に生活するだけでも、十分意味があると私は思います。「ここだけは押さえとけ」みたいな有名な観光地に行かなくても、「絶対食べるべき」みたいな誰もが口にする名産品を食べなくても。そして訪れた先が
「あーここ嘘つきだらけだなー。また騙されたー。私この街嫌いだなー」
みたいな場所だったとしても、それでもいい。他の誰でもない、私自身が感じたことだから、それが大事。
いいことも悪いことも、全部自分自身で経験して、とにかくそこで何かに夢中になって、何かに必死になって、自分が生き生きと輝ければ、私は満足です。
私の旅行に対する考えはこんな感じで、何かこう楽しいことだけを期待しているかというとそうでもない、というのが実際のところ。
だから、私の旅の目的はただただ興味本位。善悪問わず、未知なるものとの出会いに関しては、それはもう鼻血が出そうなほど、期待しまくっておりますよ。
ちなみに本日は、実家のある山口県から父親が遊びに来ておりまして、いっしょに東京ドームで巨人VSカープの試合を観戦しました。
それから、「礼華」という新宿御苑にある超おいしい中華料理屋で晩御飯を食べてきましたよ。
「巨人勝ってよかったね」とか「やっぱ坂本ががんばって走ってもぎとった1点がでかかったよね」とか「最近の巨人にはスター選手がいないよね」みたいな話をしながら、ふかひれの土鍋煮やら、
斬新な回鍋肉やら、
美味な中華料理に舌鼓をうち、「じゃあまたねー」と言って別れました。
……
……
そうなんですよ。父は私が明日からマダガスカルを皮切りにアフリカを北上し、そのあと中南米を南下する、つまりだいたい世界一周するという事実を知らされていないのです。
偶然にも出発の前日に来るとか言ってきたときには正直とんでもなくビビりました。友達に言ったら「それさ、お父さん実は知ってて、あえて予定合わせてわざわざ来るんじゃないの? 」っていう説も浮上してたんですけど、父と話して確信しました。
ぜっっっったい知らない。
言い切れる。いやもう全然でしょ。微塵も、明日から愛娘がアフリカ行くとかご存じない。
仕事辞めちゃったことも、世界一周行くことも、それを黙っていることも、すべてにおいて申し訳ありませんとしか言いようがないんですけどね。悲しい思いをさせたり、心配をかけたりするくらいなら、いっそ知らないほうが幸せだと私は判断しました。
ということで、「どうしようこの髪型」って…。
つい先日、だいぶ強めのパーマをかけたんですよね。どう見ても堅気じゃないヘアスタイル。あ、パンチパーマとかではないですよ。会社員のするヘアスタイルではないなっていう意味です。これはどう考えてもまずいんです。仕事辞めちゃった感じ、すごく出てる。
解決策に関してはそんなにバリエーションないんで、結局ニット帽をかぶって行ったんですけどね。もじゃもじゃが元気いっぱいはみ出してましたけど、とりあえず何もつっこまれることなく無事に乗り切ることができました。
このパターン今まであったかなー。旅立ちを知らない父親との最後の晩餐。たぶんないよなー。私もこれでよかったのか正直判断がつきませんが、とにかく前代未聞の新しいパターンで出発前日を締めくくろうと思います。
私はこれから、外付けHDDにパソコンのバックアップをとったり、TSUTAYAで借りて来た大量のCDをiTunesに入れたり、やることがまだまだあるので、そっちの作業に戻ります。
っていうかここだけの話、まだ持ってく持ってかないで悩んでるものがけっこうある。
あんなに時間があったのに、結局こうなる。非常に私らしいといえば私らしいとしか言いようがないんですけど。あんなに慎重に時間をかけて周到に綿密に準備してたはずのに。こんなはずじゃなかった。
とはいえ私は、自他共に認める、
“石橋を叩いて渡ろうとして、叩きすぎてぶっ壊しちゃうタイプ”。
そうしておいて「もういいです。私、泳いで渡りますから」とか言い出しかねないタイプ。大丈夫、なんとかなります。なんとかしてみせます。
本日も最後まで読んでくださってありがとうございました。
こんにちは。
突然すみません。
正山 理恵(しょうやま りえ)と申します。
いつもいつも、とても面白く記事を読ませてもらってます。
私は今、世界一周動物園の旅と言うことで、アメリカから南下して今はアルゼンチンの最南端のウシュアイアにいます。
明後日から南アフリカに飛び、アフリカを北上しようと考えています。私もコミュニケーションが苦手で、特にナミブ砂漠の記事(車のシェア)を読んでいる時は、あ〜、私はこの人のようにできるのだろうか…と考えてしまいます。
何か、変なコメントですみません。
いつも、面白いブログをありがとうございます。このブログを見て、私もアフリカを北上します。
では。