エジプト(10)駆けつけ1本!! アフリカ最終目的地ダハブに到着!!
世界一周! アフリカ北上! そんな私は本日ついに、5ヶ月にわたるアフリカ旅の最終目的地「ダハブ(エジプト)」に到着。おめでとうございます。ありがとうございます。とりあえずのゴールであり、世界一周のきっかけとなった場所、そして私の人生を狂わせた場。いろいろといわくつきの場所なのです。
【現在地】ダハブ(エジプト)
Dahab(Egypt)
【気温】28度(昼)
【天気】晴れ
【通貨】1エジプシャンポンド=約9円
阿鼻叫喚の地獄絵図。ハルガダからシャルムへのフェリー
朝まで滞在していたのは、ハルガダという町。ここで2日ほどいっしょにダイビングをした大学生ダイバー・ケンシンさんとお別れです。昨夜は彼と夜遅くまで話し込み、睡眠時間は約2時間。眠い目をこすりながらなんとか起き上がります。
ハルガダからダハブへは、紅海をぐるーっとまわって18時間。げんなりするほど長時間のバスの旅を経なければなりません。
おまけに上のルート、安全面の理由でもできれば避けて通りたいんですよねー。現在、外務省海外安全情報のページを確認すると、エジプトはこんな感じ。
これを見ていただければお分かりかと思いますが、ダハブに行くためには、「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」なエリアを通過しなければならないのです。ダハブ自体は「レベル1:十分注意してください」なんですけどね。地元の方に聞くと「ぜんぜん大丈夫だよ。なにも危険なことはないよ」とおっしゃいますが、避けられるなら避けたいです。
こんなふうにいろいろと悩みどころの多いルートでした。つい2ヶ月前までは。
そう、2ヶ月前のこと。さすがエジプトさんなんですけれども、私がハルガダからダハブへ行くことを見越してか、地図でいうとこんな感じで、
とんでもなくショートカットできるフェリーの就航がスタートしていたのです。
いやーありがたいですねえ。ハルガダからダハブまでバスで行くと18時間。それがフェリーなら、ハルガダからシャルムエルシェイクまで4時間+シャルムからダハブまで1時間半。なんと12時間半も短縮できちゃう!!
過去、ここハルガダからシナイ半島へのショートカットを切望した旅人は数え切れないと思います。だってこのルートかなり便利ですもの。昔はフェリーがあったそうですが、それも運行を休止し、ここ何年も休眠航路となっておりました。
ダイビング天国ハルガダ・シャルムエルシェイク・ダハブを結ぶダイバーのためのゴールデンルート、夢の懸け橋が復活していたー!!
就航してまだそんなに日が経っていないので、ハルガダの方からの知名度も低く、このフェリーの存在はかなりマイナー。インターネットで調べてもまったく情報がひっかからず、とりあえず、チケットが買えるらしいという場所に突撃したのが3日前。
■ハルガダからシャルムエルシェイクへの行き方(フェリー)
フェリーのチケット売り場はこちら(ハルガダ)です。
High Jetという長距離バス会社が運行している「LA PESPES」というフェリー(公式HPはこちら)。
チケットカウンターはバスのチケットカウンターのお隣。半信半疑でフェリーがあるのかどうか尋ねると、
あるよ。
とのこと。やった。ほんとにあるんだ。しかし、毎日ではなく、運行は火曜、木曜、日曜の週3日のみ。
- 8:00ハルガダ発シャルムエルシェイク行き
- 18:00シャルムエルシェイク発ハルガダ行き
料金表はこちら。
エジプシャンポンドで払いたいというと、なぜか外国人はドルじゃないとダメだと言われてしまいました。しかし、手持ちのドルが少なく、エジプシャンポンドで払わせろとゴネるとしぶしぶOK。もめたくなければドルを用意して行ったほうがよいでしょう。
パスポートを提出し、チケットを発券。朝8時出発のフェリーなのに、2時間前の朝6時に集合するように言われます。早すぎやしませんか。それからチケットを買うときに自分の電話番号もしくは宿泊先の電話番号を聞かれます。これはおそらくフェリー欠航とかそんな連絡をしてくれるためだと思いますので、ぜひ伝えておいた方がよいかと。携帯電話をお持ちでない方は、ホテルの電話番号を残しておきましょう。
こうしてチケットを手に入れたものの、本当に本当にちゃんとフェリー運航するのか、確信が持てないまま本日早朝。宿泊していたサラダイバーズを5:45に出発し、フェリー乗り場に到着。なんか人すごいんですけどー。
入り口にいたスタッフさんらしき人に尋ねると、すんなりゲートの中に入れてくれました。
人込みは、フェリーとは無関係みたいで中はガラガラ。フェリー乗り場はすごくキレイ。
ここで、コピー用紙に詳細を印刷しただけのチケットを、しっかりしたチケットに交換してもらいます。待つこと1時間、やっとフェリーへと案内されます。やっぱ集合時間が早すぎるんだってー。
フェリーこちら。
遠くから見るとこちら。
昨日ダイビングに行く途中に海の向こう側から撮影しました。青と赤と白のトリコロールカラーがおしゃれー。
La PesPesというなんだかふざけた船名のこちらのフェリー。さっそく乗船してみましょう。船内は新しい船だからか、まだものすごくきれい。
内部に飲食店もありますよ。
2Fはとても開放的。
座席はすべて自由席です。冷房の効きすぎがちょっと気になるものの、フェリーはすごくいい感じー。
お客さん全員が乗り込んだっぽいですが、座席ガラガラー。350エジプシャンポンド(約3,150円)は、エジプトの物価からするとかなり高額。このフェリーはそこそこお金がある人や旅行者用の乗り物で、やはりまだまだ18時間かけてバスで移動する人のほうが多いのだそう。
8:10 ほぼほぼ定刻通りフェリー出航
やばーい!! テンション上がるー!!
ダハブー。ついにダハブー。いやーやっとここまでに来ましたねえ。アフリカ5ヵ月長かったー。出発したの、なんかもうすごい昔のことのような気がするなあー。いろいろあったけど、ほんと楽しか
うっぷ…
やばい(顔面蒼白)。真の意味でやばい。出る。朝食が出る。
おかしいよこの船。この揺れ方おかしいよ。
出航して10分、スピードが速まるとともに、船の揺れがかなり激しくなってまいりました。
大きな船だから全然大丈夫だと思いきや、かつてない大規模な揺れに遭遇しております。日本から持参した酔い止めはすでに底を尽きており、なんの対策もとらぬまま乗り込んだLa PesPes。
ダイビングのときのボートで鍛えたはずの三半規管。それなりに免疫はあるはずの私でも、この尋常じゃない揺れの前になすすべはなく、胃の内容物が逆流寸前。
半分白目むきながら周囲を見渡せば、そこかしこで嘔吐する乗客の姿が。
船内に漂う酸味のあるかほりが負の連鎖を生み、次々とリバースされてゆくみなさんの朝食。
なんだよこのふねーダハブ到着目前にして思わぬ試練。
出航前のわくわく土器土器は完全になかったことになり、地獄と化したLa PesPes。想定外の大参事に涙目になりながら、ふらつく足取りで2階のデッキへ避難。
そしてベンチに腰掛けた途端意識を失いました。
前日の夜更かしが功を奏して、急激に眠りに落ちただけなんですけどね。目を覚ますと、なんとフェリーは目的地「シャルムエルシェイク」に到着間近。
あっぶねぇぇー。危うく記念すべき“旅のゴールに到着!! ”な投稿を、ゲロまみれのあられもない姿でお送りしちゃうところでしたー。La PesPesにご乗船なさる方は酔い止め必須。もしくは前日の睡眠時間を減らし、強制的にスリープモードに突入するのがベストです。
■シャルムエルシェイクからダハブへの行き方(タクシー)
フェリーを降り、手荷物検査。そしてフェリー乗り場の敷地から出て向かうのは、ダハブ行きのバスが出ているバスターミナル。
フェリー乗り場の目の前に乗り合いバスが停まっていますので、ドライバーさんに「私、ダハブ行きのバスに乗りたいので、そのバスが出ているバス停に行きたいんです」と伝えます。
英語があまり話せないドライバーさんは「? 」なリアクションでしたが、バスに乗って待っていたお客さんが
「あなたもダハブに行くの? 私たちもよ! このバスがバスターミナルに行くみたいだからあなたもいっしょに乗って待ちましょう」と教えてくれました。彼女はフランスからお越しのレスリーさん。旦那さんのマシューさんといっしょにバカンスでダハブに行くそうです。
彼らもまたLa PesPesという苛烈な戦場で生命(いのち)をかけて戦った戦友。無事生きのびたお互いの健闘をたたえつつ、苦笑いしながらミニバスがいっぱいになるのを待ちました。
約15分でミニバスがいっぱいになり出発。ダハブ行きのバスを運行している会社は「East Delta」。
バスターミナルはこちら。
ターミナルに着き、ミニバスを降りたのはレスリーさん、マシューさんご夫婦と私。それからエジプト人の若い男性が1人。彼もまたダハブに行くそう。
バスのチケット売り場でダハブ行きの出発時間を尋ねると14:30とのこと。このとき11:30でしたので、かなり長い待ち時間。そこで我々4人は、みんなでタクシーをシェアして行くことに決めました。
バスターミナルの近くにいたタクシードライバーさんに尋ねると、ダハブまで400エジプシャンポンド(約3,600円)と言われます。しかしこれはかなり高額。
ここは仲間にエジプシャンがいる強みを存分に発揮して、ローカルプライスだと思われる200ポンド(約1,800円)まで大幅ディスカウントに成功。シャルムエルシェイクからダハブまで、ひとり50ポンド(450円)。ありがたいことです。
荷物をタクシーに積み込み出発。
さあいよいよ念願のダハブへー!! 5ヵ月間、ひたすらこの地を夢見てがんばってまいりました。やっとやっと到達できる喜びを噛みしめて、いざ出発!!!
走り出して数分。シャルムエルシェイクを出てすぐの検問の手前でなぜかタクシーが停車。いっしょに乗ったエジプト人青年とドライバーさんがアラビア語で何か話しています。黙って見守っていると、エジプト人青年が英語で説明してくれます。
「このタクシーは、正規のタクシーじゃなかったみたいなんだ。ライセンスがないから検問を通過できない…。バスターミナルまで戻って別のタクシーを探そう」
えぇぇえええぇ!?!!?
もぐりのドライバーさんだったのー!?
とはいえ仕方ありませんのでバス停まで戻ります。そして、責任を感じたドライバーさんが正規のタクシードライバーさんに同じ値段でダハブまで行ってくれるよう交渉してくれ、車を乗り換えました。
気を取り直して、いざダハブへー!! 5ヵ月間、ひたすらこの地を夢見てがんばってまいりました。やっとやっと到達できる喜びを噛みしめて、いざ出発!!! (2回目)
出発して数分、無事検問を通過。しかーしここで再びタクシーは停車。エジプト人青年とドライバーさんがアラビア語で何か話しています。
「さっき乗ってたタクシー(もぐり)に、バッグ忘れてきちゃった(照)」
えぇぇえええぇ!?!!?
とんだうっかりさんだーーーー!!
気を遣った彼は「ノープロブレム、もうこのままダハブ行こう」と言ってくれますが、「いやバッグ忘れるとか、けっこうなプロブレムでしょ。戻ろうよ」と再びバスターミナルへ戻ります。
ダハブがすげー焦らしてくるー!!!
バス停に戻ると、先ほどのドライバーさん(もぐり)がちゃんとバッグを預かっていてくれて、無事に彼の手に戻ってきました。
再びタクシーに乗り込み、いざダハブへー!! 5ヵ月間、以下略。このとき時刻は13:00。
さすがに今度は何事もなく、まっすぐまっすぐダハブへと続く道を突き進みます。
もうすぐだよー。
ウェルカムダハブー。
14:30 ダハブ到着
先に言っときますけど、ダハブ安宿情報とダイブショップ情報のことはおいといて(明日に回します)、
と、とととりあえず、海!!
海行きましょ海!!!
あ、私フィンちゃんとダハブまで持ってこれましたー。後半は、絶対持って行きませーん。
では…スノーケルを。
そうそう、これこれ!!! 浅瀬のサンゴ礁とトロピカルなお魚。もぐった瞬間これですよ。
ダイビングのライセンス(Cカード)を取得した1年2ヶ月前と変わっていません。ダハブは、ホテルなどが立ち並ぶビーチからすぐの場所に、すでに美しいサンゴ礁が広がっています。お魚もたくさんでして、そのままスノーケルが楽しめちゃう。ダイビングも、ボートを使わずビーチからそのままエントリーするスタイル。やべー超きれー。
……よし。引き返そう。
あのー
すいませぇぇぇん!!!!
とりあえず駆けつけ1本いいですかー!?
明日まで待ちきれず、到着早々1ダイブ敢行!!!!!!
急いで機材を準備して、ホテルの目の前からエントリー。沖に向かって泳いでいくと、
この先、分かりますかね? サンゴ礁が途切れている先。
ここから海底に向かって珊瑚のウォールがドーン!!!!!!!
わぁぁぁぁぁ!!!!!!
やっぱすごーい!!
いやー、いい青だ。
珊瑚が咲き乱れております。
私ようやく到着いたしましたよーーーー!!
祝・ダハブ到着!!
感慨深いですねえ。懐かしい海でダイビングを堪能し、なんというか、とても最高の気分です。
非常にこそこそした性格ゆえ、ダハブの有名日本人宿「SEVEN HEAVEN(セブンヘブン)」「DEEP BLUE(ディープブルー)」を避け、結局いつものようにひとりこの喜びを噛みしめてつつ本日の投稿を終了させていただきます。最後までお付き合いくださってありがとうございます。明日からは、ここでダイビング三昧の予定でございますー。
コメント4件
mayumiさん!
たいへん貴重な情報ありがとうございます!!
エジプトダハブ周辺、、
治安が悪く 諦めようかと悩んでいたんです(今も悩んでいるんですけど)
フェリー開通したんですね!
乗り心地は地獄だったようですが(゜゜)←
陸路よりは遥かに安全みたいで
さっそくダイビング楽しまれてるようで♡
すてきなダハブライフ満喫されてくださいね!
サーディンランの情報収集でたどり着きました。
思ったより過酷なんですね。(笑)
古巣のダハブ、懐かしいですね。
今はバハカリのラパスでガイドしています。傷が癒えて、お越しの際はご連絡ください