職場でドン引きされる“やりすぎ女子”の自意識と垣間見える素顔
「おつかえさまれーす」若干遅刻してほんの少し気まずい感じで参加した今朝の会議。「おまえは朝一から何に疲れてんだよ」と誰もが突っ込みを入れたくなる挨拶で激しく悪目立ちしながら席に着く私。現在私は、いろいろなものを作って人様に提案して採用していただき生産するという仕事をしております。今日は、自分の進行案件をチーム内で共有する定例ミーティング。自分の今の製作物についてチームの人たちに報告・説明しなければなりません。
「今こんな感じのやつ作ってんれすよ。けっこういい感じにれきてて、こえは決まっちゃうかもれすねー」
あれ…? おかしい。自分が発する言葉から感じるハンパない違和感。
「こえに関しては、今日4時からプレゼンなんれす。あとは資料まとめえばOKなんれ、大丈夫れす」
やだ…なにこの滑舌。
昨日、わざわざまぎらわしいタイトルまで付けて読者を無駄にあおった「矯正よくがんばった、おめでとう投稿」から1日経たずしてこの不具合。お口の大規模メンテナンス終わったばっかりなのに全然バグッてるんですけど。
そりゃあ話には聞いていましたよ。「リテーナー(歯列矯正に使う保定器具)を装着すると滑舌が悪くなる」でもまさかここまでとは思いませんでした。こんな喋り方してるのって、いまどきピノコ(『ブラックジャック』)か私ぐらいのもんですよ。
やばい…このままだと社内で“何を思ったか突如キャラ替えに走った痛い人”認定される。
『キャラクターを作りすぎている女性社員は、見ていて痛いと感じてしまいます。人によってキャラを使いわけたり、同性か異性かで使い分けたり、社会の中で生きているので、ある程度は仕方がないとは思いますが、過剰なキャラ作りはちょっと……』(29歳男性/営業職)
『恋愛jp/キャラ作りがウザい! 職場でドン引きされる“やりすぎ女子”の特徴』より引用
だよね。知ってる。
いやいやいやいやちょっと待って!
違うんです! ちょっとこれ全然そういうんじゃないんです!
そもそも「キャラ作り」もしくは「キャラ替え」なんて、賢明な大人のすることではありません。ピノコは確かにかわいいけども、今さらキャラをどうこうしたところで、私は一か月半後にはここを去る身。キャラとかそういうのはもうどうでもいいのです。
天へも上る気持ちだった昨夜から一転、このリテーナーとかいうやつのめんどうくささにげんなりしている自分がいます。(写真手前左のやつがリテーナーです)
まず壊滅的な滑舌はもちろんのこと、とにかく「リテーナー解除→飲食→歯磨き→リテーナー装着」で1セット。デスクでおやつを食べようとしたら「あ、リテーナー外さなきゃ。ってか、食べたら歯磨きしなきゃ」です。コーヒーも同じ。リテーナーの隙間とかにコーヒーが入ると不衛生ですから、飲み物であろうと歯磨き必須。タバコはタバコで、色素沈着の恐れがあるので、これまたリテーナー外さなきゃいけません。
全体的にもう「めんどくせぇぇぇ」ってなります。私からタバコとコーヒーと糖分を取ったら何も残りませんから、これはもう死活問題です。
歯医者さんは言いました。「とりあえず、水。ね? のどが乾いたら水を飲んでください。水だったらリテーナー外さなくていいですから」
えー、だって私毎朝ニューヨーカーばりにカフェラテ片手に飯田橋の街をさっそうと歩いて重役出勤してるんですよーーー! それもうできないのー?? お水もまあ飲まないこともないですけど、四六時中水、水ってそれもう東南アジアのバックパッカーじゃないですかーーー!!! いや東南アジアのバックパッカーだって、宿に備え付けの無料のコーヒーぐらい飲んでると思いますよ?
飲食の際に外しておくリテーナーですが、この置き場所がまた困る。フォルム的には入れ歯と大差ないですから、ポンとテーブルの上に置いとくわけにもいかないので、ケースを用意しなければいけません。そして、かなり高確率で、置き忘れてくるんじゃないかっていう不安。あと、不安で言うと、ちょっと外しとくと歯が元のガタガタに戻ってしまうんじゃないかっていう不安。不安っていうかむしろ恐怖。さすがに2年かけて動かした歯がほんの1、2時間でリアス式海岸のような状態に戻ることはないと思うんですが、その強迫観念たるや。
これはもう完全に“罠”です。歯列矯正の罠。今、動的治療をなさっている方に声を大にして言いたい。針金はずれたからって調子に乗ってはいけない。そのあともなかなか大変なんだから、覚悟しておいたほうがいいですよ。(昨夜の私に一番言ってあげたほうがいいですね)
こんなことならいっそ針金、歯に固定しといてもらったほうがよかった。っていう本末転倒っぷり。
でもね、まあいいです。自分で始めたことですから。それに、昨日さんざん自分で言ってましたもん。「もう後もどりはできんぞ 巻き方を忘れちまったからな」って。
矯正用リテーナーにかこつけて、33歳を目前にしてキャラ替えに走り職場でドン引きされかけている私にも、幸い職場で育んだ友情と言うものがございます。
本日はそんな友人2名との食事会がありました。普通にごはん行こうよーって話だったんですけど、私の矯正が終わったことですし、ぜひ今まで食べづらくて避けてきた「かじる系」料理をリクエスト。なんかこう“かじった感”を存分に味わえる料理を楽しみたい。そして、強制的にこんな感じで、
「おめでとう、おめでとう、めでたいなぁ、おめでとさ~ん」つって私を祝いなさい、と。
だって、これが

※写真は私ではありません。出典:https://jp.pinterest.com
これですから。
本日のメインディッシュ『肉のグリルコンボ』。
かじり甲斐、ありました。とてもおいしくボリューミーで、空腹のせいもあり、ものすごい勢いで食らいつくしました。みんなでわいわい食べてる素敵な写真とか、載せたらいいかなーと思ったんですが、わたしの友人、1人は再来月結婚を控えていて、もう1人は絶賛就活中ということもあり、万が一このブログのせいでそっちに悪影響でちゃったら申し訳ないので、掲載は自粛します。
ざっくり、楽しかった食事会の様子を説明しますと、
(私↓)
「使途を、食ってる…」
(私↓)
「拘束具が、今自らの力で解かれてゆく。私たちにはもう、エヴァを止めることはできないわ」
いやー、ほんと、楽しかったー。
しかも、本日はなんとなんと、私へのお誕生日プレゼントまで用意してくださっていて、本当に感激しました! いわゆる“サプライズ”ってやつですね。矯正終了を祝えみたいな感じ出してた自分が非常に馬鹿みたいなんですけど。こちらのかわいいハート型のケーキは、
週末には33歳になる私に向かって、「33歳ってさ、なんかこう、ぞろ目な感じがちょっといいよね…。私なんて32歳になったばっかだから中途半端でさ」と心にしみる手厚いフォローをしてくれる優しい友人が買ってきてくださいました。
そして手作りミサンガ。しかも私の好きな鍵モチーフ&誕生石のアクアマリン付き!
超素敵です。世界一周中も、肌身離さず身に付けようと思います。こちらはね、食事会開催のやりとりをしているLINEに、いきなりこんな画像を投下してきた友人がくださいました。
わざわざこんな、マイナビウーマンが何のためにやったのかもよく分からないアンケートをキャプって送ってくるのは、普通なら悪意以外のなにものでもありません。ただ、心優しい私の友人に関して言うなら、これは、矯正中の人の苦しみをより深く理解しようと努めた結果なのでしょう。
まあ、実際問題、本文もスタンプも無しにこの画像を放り込んできましたからね。完全に悪意でしょうね。
このようなかけがえのない友人に33歳の誕生日を祝っていただけるなんて私は本当に幸せものです。ホント言うと、職場でドン引きされても私はそんなに気になりません。なぜなら、私には少ないながらも、この友人たちのようなよき理解者がいるからです。滑舌の悪さのせいで「あいつ最近ピノコ路線にシフトしてきたなー」って周りは白い目で見てくるかもしれません。
でも…愛すべき私の友人たちは、ホントはピノコじゃなくて、トンタッタ族のマンシェリー姫(『ONE PIECE』)路線でいこうとしてる
って分かってくれてると思うんですよ。
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