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2016-07-05

南アフリカ2(6)「ぬるま湯を飛び出せ」とクジラが言った@サーディンラン

サーディンラン_クジラ

サーディンラン合宿も本日で3日目。1日目はイルカと泳ぎ、2日目は小さなベイトボールとそれに集まるサメを目撃いたしました。「もう一応サーディン見たしこれで終了でいいんじゃないか」という内なる声も聞こえてきましたがしかし、ここで辞めるのも少しくやしい気がします…。「やっぱり大きな大きなベイトボールを見るんだ!!! 」そう決意した本日は、朝から気温が高い。明らかに1日目、2日目より暖かく、ダイブショップに向かう私は、とてもうれしい気持ちでいっぱいでした。

【現在地】ポートセントジョーンズ(南アフリカ)

Port St Johns(South Africa)

【天候】晴れ

【気温・湿度】20度・32%(昼)

【為替】1ランド=約7円

ぬるま湯につかる者にサーディンランを見る権利無し

今日は暖かいから、ボートの上で寒さに震えることもないんじゃないかなあ。うれしいなあ。水温も高いし、これなら潜っても全然つらくないや。よかったー。たまにはこんな日もないとね~と、ここ2日とは打って変わってテンション高めの私。このくらいなら私だって文句言わずに海に入りますよ~。

しかも、この日は波もほとんどなく、凪の状態。

非常に穏やかな天候と海況。ボートの上であおむけになり、目をつぶってこの最高のコンディションに感謝しながらくつろぐ私。

インストラクターのベスが入れてくれるホットチョコレートを飲みながら「今日はあったかいねー。毎日こんなだといいよねー」と言う私に、ベスが悲しそうに言いました。

「気温と水温が高いと、イワシはやってこないんだ…」

え…。うそ…。

とんだ悲報が降ってきました。

この日は水温、気温ともに23度くらい。イワシにとってこれは最低のコンディション。ベストは18度くらいなんだとか。

18度…。無理。

初日に水温21度で、これは寒中水泳だ、死んでしまう、と心の底から思ったのに、イワシさんたちにとっては、まだまだこんなのぬるま湯だったようですね。

とはいえ、暖かいものはどうしようもなく、イワシも鳥もイルカも一切姿を見せません。

あー残念~という気持ちと、あー海に入らなくて済むよかった~という気持ちのはざまで揺れる女心。

とそのとき、海面からプシューっという大きな水しぶきが上がります。

何だろうと思って目を凝らすと、

ク、クジラ!!!!

サーディンラン_クジラ

クジラのブロー(潮吹き)というやつです。こんなに近くで初めて見た!!

っていうか近くとか遠くとか言う前に、野生のクジラ、初めて見た!!

やばーい!!! クジラって超でっかいんですね。

でかいでかいとは聞いていましたが、こんなにでかいなんて。

大 興 奮 !!!!

サーディンラン_クジラ

大きなクジラが水面に上がってきたり、また潜ったり、ブローしたり、

サーディンラン_クジラ

極めつけはビッグなジャーンプ!!!

サーディンラン_クジラ

クジラのブリーチングというやつです。

サーディンラン_クジラ

その水しぶきがかかるんじゃないかぐらいの近距離。

しょっちゅうクジラを目にしている船長ロブさんとイントラのベスも、さすがにこの距離でのクジラには大興奮で、自身のカメラ片手に、大歓声。

想像以上にでっかくて、想像以上に泳ぐのが早いクジラは、目を離すとあっという間に遠くに行ってしまいました。

ふたたび凪の状態が訪れ、船長ロブさんが携帯電話で連絡を取り合っている他のボートの船長からも、何の知らせもありません。水温が高いからなのか、霧だか靄だかがかかって、陸地もかすんでまいりました。このままだと、視界が悪すぎて本日の探索は終了となってしまいます…。

せっかくいい天気でポカポカと温かいのに、サーディンラン的にはなんのメリットもないという残念な状況。何も起こらな過ぎて、どこにも行く当てがなく、ひたすら海上をプカプカと漂いながら、チョコレートやリンゴを食べていると…

再びクジラ!!

サーディンラン_クジラ

最初は1頭だけだったクジラですが、気づけば2頭、そして3頭、しまいには4頭にまで増えました。

サーディンラン_クジラ

大きなクジラが4頭も揃うと、これはもうハンパない迫力!!

船上も興奮の渦に包まれ、みなさん自身のカメラでとっておきの瞬間を狙います。ほかには何もいないけど、今日はとんだクジラ祭!!

とここでロブさんが放った一言。

「よし、クジラと泳ぐか! 」

!?

えぇぇええぇぇ!!!!

そんなことできちゃうんですか!?

クジラと泳げるなんて夢みたいだ!!!

うれしい!! でも海に入るの寒い!! でもクジラと泳ぎたい!!

そんな揺れる乙女心を抱え、ドキドキしながらいそいそとマスク、スノーケール、フィンを身に着け、準備完了。船長ロブさんが、猛スピードでボートをぶっとばし、クジラが向かってくるであろう海域へと向かいます。この到達予想地点の読みは、完全に船長の勘頼みで、行って潜れば必ず何かがいるという訳ではありません。たまに、何かがいると思って海に飛び込んでも、全然違う方向に行っちゃって何も見られずがっかり、なんてこともあります。

いつもよりはマシとはいえ、今日もまた寒中水泳。そして運に任せて決死のダイブ。

「あ゛あ゛あ゛ぁぁいやだぁぁ寒いー」と心の中で叫びつつ、なんとしてもクジラがこちらの方向に来てくれることを祈りながら、海に飛び込みます。

数秒後、

大きな大きなクジラが!!

サーディンラン_クジラ

ボートの上から見るのと、海の中で一緒に泳ぐのは、それはもうまったく別物。寒さに耐えてでも海に飛び込む価値はあるのです。

自分の目でクジラを見ることに必死で、写真撮影をないがしろにした結果、クジラの一部しか撮れませんでした。ごめんなさい。どこのパーツなのかよくわかりませんが、これがクジラですww。

サーディンラン_クジラ

「おいおまえ、ぬるま湯につかってんなよ!! そんなんでサーディンランが見られると思うな」とクジラに言われているようで、逃げ腰の自分を反省。

海面付近で浮いている小さな人間なんてきっと視界に入っていないであろうクジラはゆうゆうと泳ぎ去って行きました。クジラは思ったよりツルンとしていなくて、でこぼこしているんですねえ。

一同大満足でボートに戻り、クジラを見送ります。

サーディンラン_クジラ

クジラやばい。イルカよりサメより、やっぱりクジラが一番興奮した。

圧倒的なデカさ。ハンパなくドキドキする感じは、忘れがたい。

それまでのんびりとしていた船上が一気に沸き、みなさん興奮と泳いだ疲れで息が上がっています。今日はクジラ以外なーんにもいないおとなしい海でしたが、クジラを見られただけで大満足。

そして、「このまま海にいても、今日はこれ以上何も起こらない」という船長ロブさんの一言で、本日は終了。13:30船はダイブショップへと帰還しました。

クジラが通り過ぎたあとに、ふわふわーっと泳いでいたクラゲ。

サーディンラン

毎日違った表情を見せる海の魅力

今まで、こんなに毎日海に出た経験がないので全然知りませんでしたが、海の様子って毎日違うんですね。何千匹ものイルカの大群に出会う日もあれば、ぱったりと見かけない日があったり。気温・水温はもちろんのこと、海の色や透明度まで一変してしまうのには驚きました。

こんな中、見られるかどうかも分からないサーディン探しに明け暮れる毎日。本当に不思議なイベントです。

そんなサーディンランも3日目が終わり、ついに明日が最後となりました。見られる確率10%以下という大きなベイトボール、果たして見られるのでしょうか…。明日も今日みたいに暖かいといいなと言う気持ちもないではないですが、そうするとサーディンは来ない。だったら寒いほうがいいんだけどでも…という矛盾した気持ちを抱えながら、本日も20時ごろ就寝。

ちなみに、本日ついに、風邪薬を飲みました。どう考えても体調がおかしくなっている気がします。普段風邪をひかないので、この体調の悪さがいったいなんなのかよく分かりませんが、念のためということで。フィジカルに自信のある私がここまで疲弊しきってしまうサーディンランの恐ろしさ。

なめてかかると痛い目見ます。私のようにww

今日、日本のニュースを見ましたが、猛暑で大変らしいですね。うらやましいなあと切実に思ったところで、本日の投稿を終了とさせていただきます。本日も最後までお付き合いくださってありがとうございました。

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コメント2件

  • ファルマシア より:

    寒中水泳お疲れ様です!
    ジンベエザメはありますが鯨と泳ぐ経験は凄いですね!人を認知してくれたらゆっくり泳いでくれるんでしょうか笑
    でもそれそれで怖そうです!
    想像するだけでそのスケールの大きさが読んで伝わってきました!!
    Hope you enjoy the last diving!!

    • mayumi mayumi より:

      ファルマシアさん
      くじら、ほんっとにでっっっかくて、圧倒されました!!
      別世界の生き物な感じで、人間なんて関係ないぜみたいな雰囲気でございました(o^^o)
      寒中水泳ですが、機会があればぜひ笑

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