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2016-10-25

一時帰国(8)高機能靴下とサックスと旅のルートとお金の話

高機能靴下

世界一周を10日ほどお休みして日本に一時帰国しております。久しぶりの日本を満喫し、「コンビニってほんとすごいよね、ありがたいよね」「日本のトイレって超きれい。私ここで寝られるなあ」なんて思ったりしながら過ごしました。そんなことしてたらあっという間に時間は過ぎて、気づけば「明日からメキシコですね」っていう、世界一周後半戦、出発の前日になっておりました。

本日は実家のある山口の宇部空港というところからいったん東京に戻り、ここで一泊。そして翌日成田空港からの出発となります。宿は、一時帰国前半もお世話になった鮫洲にあるおしゃれゲストハウス「ARTnSHELTER」(宿の詳細はこちらです)。

明日から始まる新たな旅。そんなどきどきわくわくの「出発前日」である本日、再び元気いっぱい走り出すための靴、ではなく「靴下」をいただいたお話を少し。

2016年5月から2016年10月まで、約150日かけてアフリカ大陸を北上してまいりました。その際に私はバックパックの中に靴下を入れ忘れ、だいたいいつも裸足で過ごし、足が真っ黒けに

ってそんなわけないんですけど、そういうことにしておかないと話が進まないのでそれでいいです。

そんな私の残念な姿を見るに見かねた一人の男性が、私に靴下を買ってくださるというじゃないですか。

インターネットで知り合った人と実際会うとかww

私には尊敬してやまない、好きすぎてつらいひとりのブロガーさんがいます。毎回の投稿がすごすぎて、「あぁ文章だけで人を好きになることってあるんだなあ」と新たな発見をしたくらいです。

このブログで何度もご紹介させていただいていますが、『モーストリー サンダーストーム ぷりこーしょん』のふじ羊一という人です。誰にもまねできないような素晴らしい文章を書いていらっしゃっていて、それはもうあまりにも他の追随を許さない秀逸すぎるセンスなので、

「この人実際はすごくまともで、いろいろわかったうえであえてこんなおかしな文章を書いてるんだろうなあ。すごいなあ。いやまてよ、でも、もしかしたら裏なんてなくて実はふつーに変な人かもしれないなあ。どっちだろうなー。わかんないけど、すごいなー勝てないなー」なんてはなっから敗北宣言。

不定期でアップされる彼の投稿を毎回チェックし、「Pocket」という、WEBページを放り込んでおけばオフラインで読むことができる便利なアプリに保存しては、常日頃から愛読しておりました。

そんなある日、アフリカ第一か国目マダガスカルの序盤あたりなのですが、なんと彼の投稿に私のブログが出てきました。びっくりすると同時に、「少なくとも私の存在は認識されている」ということに味を占めた私は、人生で初めて、知らない人のブログにコメントを投下する、ということをやってみました。

直球どストレート、受けるのを躊躇するほどの剛速球で「好きすぎてつらい」旨を伝えつつ「いつか、旅の途中で、世界のどこかでお会いしたい」と。

どうかしてる。

とみなさんお思いでしょうが、私もこの行動については確かにそう思います。それから、内容もまたブログのコメント欄で伝えるにはあまりに重すぎると今は少し反省しています。しかし、それでもちゃんとご返信をいただきまして、そこから、ときどき、少しずつ、探り探り、メールのやりとりがはじまりました。

そうして時は流れ、あれは確か、一時帰国を2週間後に控えたエチオピア最終日のこと。

エチオピアから出られるうれしさにテンションが上がり、ちょっと普通じゃない精神状態になっていた私は、「いつか、旅の途中で、世界のどこかでお会いしたい」と自分で言い出した内容を完全に無視する形で、

「一時帰国するので日本でぜひお会いしたい」旨をメール。

えー、これが逆の立場であれば、間違いなくお断りもしくはそのメール自体見なかったことにしてしまうところではありますが、驚くべきことに快く了承いただきまして。

そんなこんなで、ついに念願の対面を果たすことになるわけです。前置き長かったー。

会ってまず何がしたかったかというと、力強い抱擁に熱いキス、

ではなく、彼の演奏するサックスを聴いてみたかった。

毎日毎日渋谷の人気の少ない地下通路にて血の滲むような練習をしていらっしゃることはブログ投稿にて知っていましたから、その音を直接聴いてみたかったのです。

ブログからは音が聴こえてきませんので。

そうして当日。路上でサックスを演奏していらっしゃるはずの彼に会いに都内某所へと意気揚々と乗り込みました。あ、実際は意気揚々と、ではなく、とんでもなく緊張して、なんで軽々しく「会いたい」なんて言っちゃったんだろうとヨレヨレふにゃふにゃな状態でした。

演奏予定地として三か所ほど候補が挙げられており、それを順に確認。一か所目(ドキドキ)、いなーい。二か所目(ドキドキ)、いなーい。そして三か所目(ドキドキド

うわぁぁぁぁいたー!!!!

ライムグリーンのクロックスの人ー。

彼がビカービカのライムグリーンのクロックスを履いているであろうことはブログ投稿で確認済み。

しかし、なんか様子がおかしい。だってまずサックスが出てないもの。

とはいえ今目の前にいる、周囲を通り過ぎてゆくスーツに身を包んだ仕事帰りのサラリーマンの方々とは明らかに違う空気を放ち、ライムグリーンのクロックスを履いてる人がふじ先輩ではない確率はほぼゼロに近いわけで。どうにかこうにか勇気を出して話しかけます。そうして、どうもー、はじめましてーとふわふわした挨拶を交わすんですけれども、その最中もふじ先輩の手は止まることなく、

あれ? これ、撤収…!?

ガサガサといろいろな道具をバッグにしまっているふじ先輩は、テンション低め(わぁ想像通り)、口数少なめ(わぁ想像通り)、目を合わせてくれない(わぁ想像通り)、声低め(わぁ想像よりもっと素敵ー)。そうして一言、

「今日は、中止です」。

そうなんです。この日の天候は、雨。といってもずっと降っていたわけではなく、私が到着する少し前から降り始めてしまったのです。モーストリーにサンダーストームというブログタイトルに恥じない状況はさすがふじクオリティ。サンダーストームというほどではありませんでしたが、路上演奏者にとって、雨は大敵だそうで。

うまくリアクションがとれないゆえ“サプライズ”的なことをされるのが死ぬほど苦手な私ですが、「え、演らないの!? 」っていう逆にサプライズな状況がおかしくてすごく笑ってしまいした。

それからサックスを見せてもらったり(見るだけ)、ご飯をたべたりしましたが楽しい時間というのはあっという間に過ぎてしまうもので、私としてはもっともっとお話をしていたかったのですが、やはり40歳魔法おじさんのほうは体力にも限界があるでしょうから、ということで、駅まで送っていただき、ひとり山手線に乗車します。

サックス聴けなかったなあ。いつか聴きたいなあ。近い将来、ふじ先輩も世界へ旅立たれる予定ですから、そうなると果たして次お会いできるのは、いつ? どこで? っていうかまた会えんのかなあ。

そう考えるとすごく悲しくなり、そしてこの日私が聞くべきは、普段使っているテントとか寝袋のタイプではなく、「好きな女性のタイプ」一択だったんじゃないかなあと少し反省。

このあと私は実家のある山口に帰り、そうして本日また東京に戻ってきたわけですが、なんとびっくり、思ったより早く、再びふじ先輩にお会いできるチャンスがー!!

再び世界に向けて走り出すための高機能靴下

そう言えば私、責任取ってもらわなきゃいけないんだった。

そう。先日『モーストリー サンダーストーム ぷりこーしょん』に投下されたこちらの記事。

世界に向けて「この人とんでもなく足が汚いです」と発信され、この先の色恋沙汰全般を諦めざるを得なくなってしまったわけですが、そこらへんどうしてくれんだ! ぁあん!? というその責任を。

おまけにふじ先輩、写真流用する際に、しれっと足の汚れを足してます。茶色や黒のグラデーションを巧みに塗りたくって、まあ実にリアルにレタッチしてくれちゃって。最初私自身気づかなくって、「あれ? 私足こんなに汚かったっけ!? 」と思って見比べてみたらすげー足してやんの。

ひと手間もふた手間もかけて過剰な逆粉飾をほどこした晒し行為の意味を考えると、これはもう私を陥れようとする悪意でしかないわけです。

そしたらね、ふじ先輩、靴下を買ってくださるっていうじゃないですかー!!

やだーうれしい///

というわけで再再会(今日)。

33年間生きてきて、靴下を、ここまで真剣に選んだことはありませんでした。@mont-bell渋谷店

実用性重視、デザインは二の次。ちょっと歩いたらすぐ穴が開くかわいい靴下より、タフでハードで愛のある何十キロ歩いても破れない丈夫な靴下が好き。おまけに着圧仕様で血流をよくしてくれて、疲れにくいのも◎。

高機能靴下

微妙なお年頃の独身女性の足が汚い件を世界に向けて大々的に報道した責任の取り方、しかと見せていただきましたよ。ありがとうございます。

こうして住所不定無職の2人が渋谷の街をコソコソと徘徊し、ナーバスになるはずの出発前日は、意外にもとてもリラックスでき、なおかつ楽しく過ごすことができました。

ふじ先輩は、当初のイメージ通り、私の斜め上の上空1万mの彼方のような人で、やはりその魅力は計り知れないなあとあらためて感じました。でもときどきびっくりするくらいまともなことおっしゃるから困るー。そういうとこ好きー。

晩御飯を食べて、あーそろそろ終電が、みたいな時間になり、翌日メキシコを控えている私は宿に帰らなければなりません。

全女子を敵に回し、それでいて尊敬と畏怖の念を抱かずにはいられなかった幸子(昔流行った『NANA』という漫画の登場人物)のキラーテクニック、

『わざとだよ』

を発動して終電に乗り遅れるという選択肢もあったとは思いますが、どこまでも走って行ける高機能靴下をもらって大喜びの私が、伝家の宝刀「ヒールの高いサンダル」なんてものを所持しているわけもなく。

おとなしく山手線に乗り、ひとり京浜急行に乗り換えて鮫洲にあるゲストハウスに帰還しました。

えーここまで読んでいただいて「ふじ羊一って人、超いい人じゃん!! キュンとしたー」なんて思った方にひとつ言っときますけど、この日の出来事をふじ先輩目線でつづった彼のブログ、せっかくなんでぜひご覧になってみてください。

旅の後半、中南米はノープラン・ノーパンで挑むだとかっていう、事実無根のとんでもない偽情報(ノープランはホント)や、あまりに残酷で無慈悲なレタッチ後の画像もさらされてますからね。

ふじ先輩にとっては責任を取るとか取らないとか、私が人からどういう目で見られるかとか、そんなことはどうでもいいのでしょう。

もろもろ踏まえたうえで決めたこの先の旅について

世界一周を始めた当初、旅の期間にたいしたこだわりはなくって、パーっと遊んでパーっと使って行きたいとこ行ってやりたいことやって、まあ一年持てばいいかなぁなんて思っていました。

ところがここへきて、事態急変。

このペースで散財していくと、たぶんふじ先輩が世界に出られる頃には、私の旅、終盤を迎えちゃう!! サックス聴きにいけないじゃん!!

というわけでまずはお金の話。

旅に出る前、私がアフリカで使うであろう費用の予想金額は

150万円

でした(詳細はこちら)。

で、実際どうだったかっていうと、これがなんと

150万円。

あ、なんか適当に言ってるっぽいですけど、そうでもなく、銀行預金がおおよそ150万円ほど減ってますから、まあ150万円使ったんでしょう。

わあー、予想通りー!! すごーい!!

なんて褒められたものではなく、これは明らかに使いすぎ。後半はもっとセーブマネーを意識し、もう少しだけ、長く旅をしていられるようにがんばりたいと思います。

そして旅のルートとスケジュール。

まず、駆け足だったアフリカ北上の反省を踏まえ、後半はもっとゆっくり旅をします。

もともとは、こんな感じで

中米ルート_5

南米ルート_バックパッカー

中南米合わせて6か月半くらいかなあなんて思っていましたが、これだとたぶん本当にバタバタになってしまいますので、もっと時間をかけて旅したい。

そうしたら、中米ちんたらやってるうちに、南半期にある南米は、冬に突入してしまうでしょう。できればこの地域は春夏に旅したいんだよなぁ。だったら一旦ここでヨーロッパ挟んどくとかね。えーそっちー!? うーん…どうしようかなぁ。

というわけで、とりあえず、

“中南米”、とくくらずに、まずは中米をしっかりどっぷり旅しようと思います。で、そのあとのルートはそのとき考えます。

死者の日(メキシコ)、ブルーホール(ベリーズ)、マチュピチュ(ペルー)、ガラパゴス(エクアドル)、ウユニ塩湖(ボリビア)などなどがラインナップされている、“旅で行きたいとこリスト”に「ふじ羊一(国不明)」が加わった今、私の世界一周は、俄然楽しくなってきましたよ。

旅のルートは流動的。無期限世界一周中の私はそこらへん柔軟に対応していきたいと思います。

本日の投稿はこれにて終了。一時帰国編も終了です。明日からは、いよいよ中米編スタート! 念願のメキシコへいざ!!

それでは本日も最後までお付き合いくださってありがとうございましたー。

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コメント4件

  • fumi より:

    mayumiさんのブログを通してふじ羊一さんのブログも読むようになりましたので、お二人の出会いに勝手に土器土器してしまいました。またどこか異国の地でのお二人の再会を楽しみにしています。(オマエ誰やねんって感じですよね)
    旅の後半戦もコソコソ応援させて頂きます。メキシコお気をつけて~

    • mayumi mayumi より:

      fumiさん
      心優しいコメントありがとうございます!
      土器土器なさいましたか!?そうですかそうですか!
      私も超絶土器土器しました!

      ぜひコソコソとw応援してください!!メキシコも健康・安全第一でがんばりまーす!

  • ふじ(本物) より:

    はぁあああああ?!俺まだ40なってねーし!!

    そういや、恋バナみたいのしなかったっすねw

    • mayumi mayumi より:

      ふじ(本物? )さま
      40歳魔法おじさんの恋バナは次お会いするときのためにとっておきましょう!
      「うわあこの子うっとうしいなあ」と思われるの覚悟で、心の中に土足で踏み込み、根掘り葉掘り聞きますから。

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