ベリーズ(2)念願のグレートブルーホールは清水の舞台からダイビング!?
世界一周のようなことをしております私は、現在中米はベリーズに滞在中。昨日メキシコのバカラという町から刻みに刻んでやってきたのは「キーカーカ」という島。この島に来た目的は、なんといってもダイビング!! そう、ついに念願の「グレートブルーホール」に潜れる日がやってきたのです。
【現在地】キーカーカ(ベリーズ)
Caye Caulker(Belize)
【気温】31度(昼)
【天気】晴れ
【通貨】1ベリーズドル=約55円(2ベリーズドル=1USドル)
ブルーホール(Blue Hole)ってなんですか?
ブルーホールというものをご存知ですか? そのまんま青い蒼い碧い“穴”のこと。そう、海の中にぽっかりと開いた穴のことです。かつての洞窟や鍾乳洞といった地形が何らかの理由により海中へ水没し、浅瀬に穴が空いたように形成されたとても魅力的な地形。
世界にはダイビングのできる“ブルーホール”が複数存在しており、こないだまでいたエジプトのダハブにもあります。日本にも渡名喜島というところにあるそうですし、南太平洋のバヌアツなんて、6個もブルーホールがあるらしいです。
そして、これから私がやいのやいの言おうとしているブルーホールは、世界第2位の広さを持つ珊瑚礁「ベリーズ珊瑚礁保護区」にあるブルーホールのこと。ベリーズ珊瑚礁保護区は、ユネスコ世界遺産にも登録されており、なかでもブルー・ホールは国の“特別天然記念物”に認定されているのです。
ぽっかり空いた穴!
これ近づくとこんな感じです。
これがね、特別なんですよ。名前だって普通のブルーホールではなくって“グレート・ブルー・ホール(The Great Blue Hole)”ですからね。
グレートな理由、それはそのサイズにあります。
直径 約313m。
あ、いまいちピンときませんか。
分かりやすく言うとですね、東京タワー。あれが高さ333mです。つまり東京タワーをパタンと横倒しにして置いたくらいの直径です。超でかいじゃん。エジプトのブルーホールが直径60mですから、その5倍。やばーい、すごーい、けどいまいちわかんなーい。
とはいえ現地では「海の怪物の寝床」とも呼ばれているくらいですからね。それはもう半端なくでかいわけです。その怪物が、ではなく穴がですよ。
こんなすごいところ、そりゃあダイバーなら誰しも潜ってみたいもの。世界中のダイバーの憧れなんですねえ。例にもれず、私だってものすごぉく憧れておりましたよ。そんな不思議穴に潜るための拠点となるのが、今私が滞在しているキーカーカという島。ここにあるダイブショップで、ブルーホールダイビングツアーを催行しているということなのですが…。
ブルーホールに連れて行ってくれるダイブショップを探そう
昨日のお話です。キーカーカに到着し、宿に荷物を置いてすぐ、ダイブショップ探しを開始しました。島内にはたくさんのダイブショップがありますので、何か所か行ってみて、雰囲気がよくて値段が安いところにすればいいかなぁと悠長に構えておりましたところ、一件目のダイブショップで新事実発覚。
まずですね、ブルー・ホールに連れて行ってくれるダイビングショップは、キーカーカ内には3軒しかないそうです。ダイビングショップはもっとたくさんあるんですけれども、だいたいは、キーカーカーからそれほど離れていないダイブサイトのみなんだそう。
ブルー・ホールは実はキーカーカからけっこう距離があり、大きなボートを持っているショップでないと行けないそうで…。
おまけに、ブルー・ホールダイビングツアーを催行しているダイブショップ3軒とも、毎日ブルー・ホールに行っているわけではないというのです。お客さんの数次第だそうですが、ブルー・ホールに行くツアーは週に1、2日。それ以外は、ほかのポイントなんですって。
もっと簡単にサクッと行ってサクッと帰って来られると思っていた私は焦ります。おひとりさまの私は、これまでにも何度か「参加者が集まらないからダイビングできませーん」という悲しい目にあったことがあります。私一人のためにボートを出すわけにはいかないので、これは仕方のないことなのですが、でもなー、ブルーホールはなー、どうしても潜りたいんだよなー…。
そうして不安に駆られながらも、ブルーホールツアーをやっているダイブショップを訪問。お店の名前は「BELIZE DIVING SERVICES(ベリーズダイビングサービス)」。
場所はこちらです。
とても大きくてきれいなショップです。
店内に入り、ショップスタッフさんに尋ねます。
「ブルーホールに潜りたいんですけれども、直近でツアー催行なさるのはいつですかー? 」
「明日です。うちは週に2日、月曜と金曜しかブルーホールツアーをやってないんですよ。ブルーホールツアーは早朝にショップ集合で、朝食をここで食べて、それからボートで出発します。ブルーホールまでは2時間ちょっとと遠いので、ある程度人数集まらないと催行できなくって。明日は参加者も多いので、催行が決定してい
「参加します!! 」
この日は木曜日。超ラッキーです!!
本来であれば、ほかの2軒のダイブショップを探して料金とツアー日程を確認したのち、それらをじっくり比較検討し、最善かつ最安のダイブショップで申し込みをするところではありますが、時刻は17:30を過ぎていて、ダイブショップの営業時間は18:00まで…
いや、実のところ、ほかのダイブショップに行くのがめんどくさかったんであっさりここに決めちゃいました。BELIZE DIVING SERVICESのスタッフさんとても感じがよく説明も丁寧でしたので…。
今までも、しっかり比較検討したことなんてほとんどないですね。あと、明日潜れるということにテンションが急上昇してしまったのもあり、少々前のめり気味で参加表明。
そうしてスタッフさんが申込用紙と、ダイビング経験なんかを書く書類を持ってきてくれました。申込用紙に名前を書きながら尋ねます。
「あ、ちなみに料金ておいくらになりますかねー」
「すべて合計すると336USドル(約38,900円)ですねー」
……
……
…え!? (名前を書く手がフリーズ)
「スリーハンドレッ、え、ちょ、も、もっかいお願いします」
「336USドル(約38,300円)です。ツアー料金229USD(約26,000円)と機材レンタル代35USD(約4,000円)の合計が264USD(約30,000)。それにタックスが12.5%かかるから296USD(約33,800円)。あとは、パークフィー40USD(約4,500円)を足して336USD(約38,300円)なんですよー」
た、たか、い…。整理するとこう。
【ブルーホールダイビング料金合計】
ツアー基本料金:229USD(約26,000円)
機材レンタル代:35USD(約4,000円)
合計(税込み):296USD(約33,800円)
別途パークフィー必要:40USD(約4,500円)
総合計:336USD(約38,300円)
「あー、はいはい、なるほどねー、336ドルですかー。グレートなブルー・ホールですもんねー、そんくらいしますよねー。3本潜るし10時間のツアーですもんねー。あ、朝食・昼食代も込み? え、お水とジュースも? わぁいろいろ含まれてんだー」
とはいえ高ぇなぁおい!!
ここで「ちょw一日で4万弱ふっとぶとかwねぇあんたほんとにやるの? 」なんていう内なる自分の声が聞こえてきたような気もしますが、
そんなのは空耳です。
涙目になりながら震える手で申込書にサイン。
日本で普通に就業し生活なさっている有職者のみなさんはもしかしたら「たかだか4万で大げさな」と思われるかもしれませんが、1日で4万円を使う娯楽は、無職バックパッカーにとっては清水の舞台からダイブするのに等しいのです。こわいよう。
とはいえ私の旅の目的の中で大きなウェイトを占めるダイビング。そしてブルー・ホールで潜るためにわざわざこんなところまで来ているわけですから、いくら料金までもがグレートとはいえ“潜らない”という選択肢はありません。
そう考えると気が楽になり、なんかもうむしろ清々しい気持ちでカードを切りました。
参考までに、料金表(2017年1月現在)。
前置きが長くなりましたが、そんなこんなでダイビング当日。
グレート・ブルー・ホールダイビングツアーへ出発!!
・5:00 「BELIZE DIVING SERVICES(ベリーズダイビングサービス)」集合
朝食が用意してあり、好きなものを好きなだけ食べてよいかんじでした。
コーヒー、フルーツジュースも飲み放題。
朝ごはんを食べつつ、メンバーが全員集合するのを待ちます。その間に、いつもの「何があってもダイブショップのせいにしません。死んでも文句言いません」的な書類にサインします。
それから本日のスケジュールの確認。
1本目がブルーホールでのダイビング、2本目がブルーホールに近いサイトでのダイビング。そのあと国立公園になっているHalf Moon Caye(ハーフムーン島)に移動してランチ。底から近いダイブサイトで3本目。
ちなみに、ブルー・ホールは、各ダイバーが、深さ24mで留まりたいか、40mまで潜りたいか選ぶことができます。
朝食後は、ボートへ移動。外はまだ真っ暗です。
ウェットスーツや機材のサイズ合わせは前日に済ませておりますので、その辺一式はボートへの積み込みが完了しておりました。
・6:00 キーカーカー出発
薄暗いなか出航し、徐々に日が昇り始めます。
そして朝日。
窓にかかる水は雨ではなくって、船の揺れがかなり激しく、水しぶきがたっぷり飛んできているのです。ボート上でも船長が「えーもし酔って具合が悪くなった場合には…」みたいな説明を真っ先にしていらっしゃいました。前のめりで酔い止めしっかり飲んどいた私は勝ち組。三半規管に自信のない方は、酔い止めを飲んだほうが賢明だと思います。ちなみに、酔い止めをお持ちでない方は、言えばもらえます。
出航から2時間半、目的地が近づいてきたようです。
本日我々をガイドしてくれるのはインストラクターのウィリアムさん(オレンジポロシャツ×チェックの海パン)。
一段高いところからのブリーフィングとなります。
そうこうしているうちに、ついに到着いたしました!!
・8:40 ブルーホール到着
さあみなさん、とくとご覧ください!!
こちらがかの有名な、グレート・ブルー・ホールでございます!!!!
正確には、ブルーホールの“縁(ふち)”ですね。
そりゃそうです。直径313mですから。海抜ゼロmから穴の全景が見られると思ったら大間違い。残念。
ブルー・ホール到着後は、水面からの景色を堪能する前にとにもかくにもダイビング! な感じで、バタバタと準備が始まります。
機材を付けた人からジャイアントストライドエントリーでドボン。ガイドさんは、みんなが無事に着水したのを見届けて、最後に入ってきます。
(ドキドキワクワク)
みんなが揃ったらいよいよ潜っていきましょう!!
わぁー海の中ひさしぶりー///
一か月半ぶりだなーキューバでダイビングできなかったもんなー
みんなが降りてきたら、いよいよ穴に向かって進んでいきます。
本日のグループはガイドのウィリアムさん+ダイバー6人とちょっと多め。そうして見えてきました、“穴”。やばいーどきどきするー。
奈落の底へようこそー。
潜っていくと、徐々に光が減り、暗くなってゆきます。それでも薄明りの中、穴の内側が鍾乳洞になっているのがしっかり分かります。
人間と同じくらいのサイズの大きな大きな鍾乳洞の壁。
うわぁーブルーホールの内側ってこうなってんだー!!
動画はこちらです。
足元。
なんだか、ぞくぞくしますねえ。
底なし!! いや、底はあるんです、125mほど下に。
ブルーホール楽しい! こわい! でもやっぱ楽しい!!
せっかくなのでセルフィー。『ブルー・ホールと私』
穴の周囲に沿ってみんなで前進。
あ、ちょっとこれ分かります?
やだかわいい///
ロブスター「どーもー」
我々「あ、どーもー。おじゃましてまーす」
穴の内部を堪能したら徐々に浮上していきます。水中から太陽の光を見上げる眺めが私はすごく好きです。
穴の中から見上げる丸い空もまた“ブルーホール”と呼ぶそうです。普通の水中よりも、ブルーホールの中はもっともっと暗いので、より幻想的。
そして穴の外へ。ブルーホールダイブは深く潜りますので、長時間潜っていられません。トータルで潜っていた時間はわずか32分。穴の外はなんだか月面みたい。
月、行ったことないですけど。
あ、魚。
こうして念願のブルー・ホールダイブ終了。
ブルーホールの水温は、25.8度。ウェットは3mmのフルスーツでした。やや寒いです。フードがあるとよいでしょう。
ボートに上がり、今度はゆっくり上からのブルーホール(の縁)を堪能します。潮の干満によって見え方がだいぶ変わると思いますが、今現在こんな感じ。
丸い感じはあるね、うん、あるある。
というわけで、グレート・ブルー・ホール、超絶楽しかったです。地形が好きな人は興奮してマスクの中が鼻血で満たされてしまうかもしれません。それから、穴の中には“海の怪物”はいなかったですけど、サメがいました。残念ながら写真には写ってないですけど…。大物好きも期待できます。珊瑚とか、熱帯魚が好きな方は、残念ながらあまり楽しめないかもしれません。
しかーし、大丈夫。本日のダイブはまだ1本目。まだあと2本ありますからね。長くなりましたので本日はこれにて終了とさせていただきます。明日の投稿は残り2ダイブと、大満足のツアーの全貌をお届けします。今日もまた最後までお付き合いくださってありがとうございました。
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