Announcement Date: 2014-12-01
【バングラディシュ】2014.12
アジアの最貧国、と言われる、バングラディシュ。行く価値がない国、と呼ぶ人もいる。ひどい言われようだけど、確かに、私の訪問前のイメージもなかなかひどいものだった。
インドよりもっと雑多で、国まるごとスラム街みたいな感じで、ほとんどの人がバラック在住。電車の上にめちゃめちゃ人が乗っている有名な写真あるじゃん、あれが日常なんでしょ?
そんなイメージのバングラディシュでしたが、行ってみると、ん~、まあ8割ぐらいは想像どおり。でもインドより、人が優しい印象をうけた。まだまだ旅行者は少ないから、みんな旅行者にめちゃめちゃ興味を持っている。でもイスラム教だから、女の私にはそんなにぐいぐい来ないけど、その分、おばさんとかおばあちゃんとかが、遠慮なく話しかけてきた。思っていたより全然英語をしゃべる人も多く、一目で外人と分かる私にみんな親切だった。バスの席で、男の人が隣に座らないよう話を付けてくれたおばさんもいたし、屋台で謎の揚げ物を売っているおばあちゃんは、なんだかわからない食べ物を揚げたやつを、おまけしてくれたりもした。
想像通り、ダッカは、川沿いや、路上や、線路沿いのバラック在住の人たちがたくさんいて、道路はゴミだらけで、港の水は「落ちたらまじでやばい」感満点の変な色をしていた。
ダッカから北へ夜行列車で8時間行った先にある街・ロンプールでは、この旅のお目当ての伝統的なマット「サットランジ」をたくさん買った。狭いうちの部屋では、床一面に敷いたって敷ききれないほどの、素敵な柄と風合いのマット。そのうち、広い家に引っ越したら、敷きまくります。
ドイという、素焼きの器に入ったヨーグルトみたいなチーズケーキみたいなスウィーツがすごくおいしくて、毎日のようにたべたなぁ。あと、路上でチャイを売っているおじさんがたくさんいて、このチャイがまたすごくおいしくて、コーヒー党の私だけど、バングラではすっかり紅茶派になっていた。
地方の村では、とくに旅行者である私は浮きまくっていて、遠くからジロジロ見られることが多くてあんまりいい気はしなかったけど、たぶん、ほんとに東アジアの子どもみたいな女が一人でふらふら歩いているのが珍しかったんだと思う。夜行列車では、車掌さんが「荷物盗まれるから、しっかり抱いて寝なさい」と何回も声をかけてくれたし、三等車の隅っこででっかいバックパック背負って立っていたら、おばさんがかなり強引に隣のおじさんをどかして、私の席を作ってくれたし、親切な人が多かった。
アジアの最貧国の名に恥じない、期待通りの、さびれ感。なんでもかんでも「朽ちている」という表現が似合っていて、リキシャの数は絶対必要数より多すぎるし、排気ガスとかすごいし、ガリガリに痩せた顔の濃いおじさんだらけの国。これといってすごい観光名所や見どころがあるわけじゃないけど、「行く価値がない」ってほどでもない。もし、時間が有り余ってて、どこも行くところが思いつかなかったら、バングラディシュ、ぜひ行ってみてください。けっこうおもしろいよ。