Announcement Date: 2009-09-01
【カナダ】2009.09
日本以外の国で“暮らす”という経験をしたのがここカナダ。
6年働いていた会社を辞めて、無職になった私は、語学留学のためにバンクーバーへと旅立った。できるだけ英語に触れていたかったので、現地の人のおうちにホームステイをしながら、語学学校に通い4か月を過ごした。
写真は、ホームステイ先で飼っていた犬たち。ホストマザーのテリーはジューイッシュ(ユダヤ教)で、私は初めてユダヤ教の人と接した。テリーは、そんなに厳しい戒律のユダヤ教じゃないみたいで、コーシャフードとかもあんまり食べていなかったから、宗教が原因で何か問題が発生することもなかった。『シンドラーのリスト』は観たことあったし、『アンネの日記』も読んだことがあるけど、やっぱり、なんで人種によって差別されたり、迫害されたり、虐殺されたりするのか、全然理解ができない。こんなこと小学生でも言えるけど、なるべくみんな仲良くすればいいと思うし、仲良くする気がないなら関わらなければいいと思う。○○人とか言ってひとくくりにしたって、結局は個人の集まりで、一人ひとり違う人格があるのに。私は、本とネットでユダヤ教の知識を前より少しだけ身に付け、そして、いつか必ずイスラエルという国に行ってみようと思った。
バンクーバーは清潔で、自然豊かで、人も優しくて、とても住みやすい街だった。留学先としても、リタイア後の移住先としても、人気が高いのがよくわかる。学校では、韓国、中国、トルコ、スイス、ブラジルなど、いろんな国の子たちと仲良くなった。意思の疎通を図るためには英語が必要だったから、毎日けっこう一生懸命勉強した。たった三か月では、実際の英語力はたいして上達してないけど、英語を使うことに抵抗がなくなったし、けっこう雑な文法とか単語の使い方をしても通じるんだってことがわかって、それ以降の海外旅行がだいぶ楽になった。
よく、どこそこに行って人生観が変わった、とかいう話を聞く。インドとかね。私は、今まで行った国ではとくに人生観は変わらなかったけど、ここカナダで少しだけ変わった。みんなあきれるくらい、アフター5とか週末とかバケーションとか、オフの時間を楽しみにしていたし、すごく大切にしている印象を受けた。今まで、ほとんどの時間を仕事についやして、なんなら20代の記憶があまりないくらい、必死で働いてきたけど、そうじゃない人生もありだな、と思った。
私は、その時まで、“仕事=好きなことをやってお金をかせぐこと”だと思っていた。「一日の大半の時間、仕事をして過ごすんだし、好きじゃないことを一生やり続けるなんてありえない」と。そうする以外の選択肢があるなんてことすら、考えてもみなかった。
でも、このタイミングで私は初めて“仕事=好きなことをするために必要なお金を稼ぐための手段”、という捉え方があるんだと知った。好きなことを仕事にしていたのに、それがつらくなって会社を辞めた私。正直、この先どうしたらいいんだろうと、けっこう悩んでいたけど、カナダに来て気づかされた様々なことで、かなり肩の力が抜けて気が楽になった。
帰国して数か月後、いろいろあったけど、なんとか今の会社に就職することができた。そして「わりと好きなことだし、やっていて楽しい仕事」に就いて、大好きな旅行に行くために必要なお金を稼ぐことにした。(それに飽きたらず、好きなことを“しながら”お金を稼ぐ手段、を必死で模索するようになる日が来るとは、思いもしなかったけど)
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